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30年の丁稚奉公?@キュイジーヌ・アイ 取手 茨城




水曜夜は在仏の会社のOB会.

取手のビストロ「キュイジーヌ・アイ」を
貸し切って、総勢18名の出席で開催.

OBの一人、Sさんが早期退職するので
壮行会を.会社に勤めて30年.
54歳で辞めると、退職金等々メリットがある.

退職金目当てで辞めるのではなく、
彼は世田谷で不動産を営むSコンツエルンの御曹司.
父親が高齢ゆえ、会社を引き継ぐのである.

入社当時から御曹司であることは皆承知していて
いつかは辞めるだろうと副長も思っていた.
ところが、この会社に30年も勤めてしまった.

そんなに学ぶことが多かった?(笑).
いろんな事情でこうなってしまったよう.
3Dのメカ図面から、2Dの建築図面への転換は
どうなんだろう?

それはさておき、先ずはビールで乾杯!



その昔、在仏時はレストランで宴会時に
まずビールを…、とやってると
現地会社の社長にこっぴどく怒られたのを思い出す.

「ここはフランスだぞ、ビールで乾杯とはなんと心得るっ!」
いいじゃないね、日本人なんだから(笑).

先付は、“カナッペ”から….



コクのあるクリームチーズが
ビールの喉ごしに合う.


サラダ仕立ての前菜が続々と…






そうこうする内に、
“キッシュ・ドゥ・ロレーヌ”



ちょっと焦げるくらいの焼き目が
美味しい.などか懐かしい味がする.


次は、“ムール貝のワイン蒸し”



日本でも、こんな大粒のムール貝が…!
会社の在ったブルターニュ地方はムール貝の産地.
浜辺にゴロゴロしてたっけ….

貝殻をピンセットにして食べるのが流儀(笑).
白ワインが浸み染みで美味しい.

このスープはあとでリゾットにするそう.
そうそうに回収されちゃった(笑).




ワイワイ、ガヤガヤと賑やかに会は進む.

この日は約30年前の初代赴任者から
つい8月に帰任したばかりの8代目?までの
ワイドレンジのOBが集まった.

クロスする時期はなくても、
同じ地に暮らした共通体験が
話しを弾ませる….


主賓のSさんから、気配りのお返しがそれぞれに….



自由が丘「feve」の豆菓子.
そんな気を使わなくて良いのに…♪

懐かしの、フランスの地図.





“ツナのピッツァ”



そろそろ、お腹も膨れてきてしまった.

いったい、どれくらいワインを飲んだのだろう?
仏製マグナムが、白×1本、
赤×4本が空いたのまでは覚えている.



この写真を見ると、通常ボトルが何本も並んでいる.
ありゃ、これは飲み過ぎだね(笑).

明日は会社なのに….


先ほどの、ムール貝スープで作った
“チーズ・リゾット”



これは締めに相応しい皿だなぁ.
美味しくて、パクパクいっちゃう.


いつでもどこでも、デザートは別腹(笑).



こんな、ホール・ケーキが2つも登場.
シェフ、大変だったね(笑).

ちゃんと9等分出来る様に、
トップのブルーベリーで印が付いている♪

意外とコッテリのケーキ、
濃い目のブラック珈琲で
いただきました.

ご馳走様でした.


最後に、Sさんの挨拶.
これから某トランプ氏を見習って、
不動産王、しいては総理大臣を目指すそう(笑).

頑張りすぎないようにね!










あえて五輪東京開催に反対する



元石原都知事が誘致活動している時から五輪の東京開催に反対だった.
別にスポーツ嫌いではないし、五輪の精神は尊いと思う.スポーツを通じて
世界各国と競い相手を尊ぶ行為は貴重とも思っている.

この時期の東京での開催に反対しているだけなのだ.

世界中のどこの都市で五輪が開催されていようが、きょうび、おもだった競技は
なんらかの形でテレビ中継される.今真っ盛りのアジア大会だってそうじゃないか.

とすれば、基本的に液晶観戦者である私にとって、競技がどこで行われているのかは
些細な問題に過ぎない.してみると、わざわざ世界中から選手団を招いて、莫大な予算を
費やしてまでご近所で開催する必要はない.

1964年に東京で五輪開催した時とは環境、事情が異なるのだ.
大戦からの復興に弾みを付け、日本全体の国威高揚をめざし、経済活動に
カンフル剤を打つという大義名分は、2020年開催には無い.

震災復興というならば、その復興自体にカンフル剤を打つべきで、東京ごときに
五輪を開催することが、なにに復刻に寄与するだろうか?

目的のすり替えに欺かれてはならない.
莫大な予算、労力の使い道が違っているだろう、というのが最大の反対の理由.

最近SNSで公開され話題になっている早大某氏の五輪ボランティアの薦めという
記事が痛快だ.就活においてアピール素材になるメリットを謳いながらも、
その募集方法、選抜、教育方法における矛盾と労力の過大さを列記している.
しかも全て無償の行為を要求していると.

私事ながら、勤めてる会社の内部でもボランテイア募集が始まっている.
調子のいいことばかり書いてはあるが、それに費やす時間は有給を使えと.
現政権のお先棒担ぎの会社だからね、そんな誘いは一切無視している.

現政権とつながっている企業や機構で五輪開催で利潤をあげる輩はどれくらい
いるだろうか?建設業、ゼネコン、ホテル業、旅行会社、航空会社、鉄道….
とてつもない費用(国民の税金だ)が投資され、一部の企業の収益に
吸い取られる収益構造は既に機能し始めている.

五輪の開催は、2020年の8月の東京に騒がしさと混乱をもたらすはずだ.
それらが2年後にやって来ることの予感がもたらすわずらわしさだけで、
すでにして私は不機嫌になっている.

ところが、五輪を楽しみにしている人たちが待望しているのは、まさにその、
私が嫌悪しているところの、騒がしさとせわしなさと混雑と混乱それ自体だったり
するわけで、つまり、彼らと私の間には、議論をしようにも、はじめから歩み寄りの
余地がありゃしないと思っている. 

しかも、どうやら多数派は彼らの方で、私はマイノリティーだ.
ということは、この国において、正義は彼らの側にある.

これからやってくるであろう五輪関連のゴタゴタにしても、おそらく、多数派の国民は
そんなに苦にはしないのであろう.

ボランティアの動員や、時差出勤の強要や、サマータイムの押し付けや、都内の
交通渋滞や、ホテル不足といった様々な試練を、彼らは、むしろ楽しむに違いない.

そして、何年かたった後、「あの時は大変だったなあ」と、笑顔で振り返るのだ.
労役であれ負担であれ酷暑であれ不眠であれ、全員で担う試練は、我が国では
「共同体験」として美化される.

そういう意味で、五輪は、順調に泥沼化しつつある時点で、成功の道を歩み
はじめているといえるのだ.

われわれは、「これまでに経験したことのない新しいタイプのトラブル」を「みんなで
心をひとつにして」「乗り切る」タイプの試練を、「夢」や「絆」といった言葉とともに
神聖視する傾向がある.

五輪期間中の二週間は、目新しいイベントや、集団的な統一作業が好きな
タイプの人々にとっては、ワクワクする体験になるはずだ.
少なくても私はそういうタイプの人間では無い.


最後にサマータイムについてももの申しておきたい.

朝日新聞が8月4、5日に実施し8月6日に発表した世論調査によれば、サマー
タイムの導入に53%が賛成している(反対は32%、その他・無回答が15%).

ちなみに、上記の朝日新聞のアンケートの質問項目は
《2020年の東京オリンピック・パラリンピックの暑さ対策についてうかがいます.
大会組織委員会は、気温の低い早朝を有効に使うため、日本全体で
夏の間だけ時計を2時間進める「サマータイム」の導入を提案しています.
あなたはこの案に賛成ですか.反対ですか.》となっている.

あからさまな誘導尋問だ.

理由は、回答者に対して「気温の低い早朝を有効に使うため」などと、暑さ対策としての
サマータイムの利点だけを伝えて、デメリットについての情報を与えていないからだ.

この質問だと、「まあ、この暑さだし、なんにも対策しないよりは、なんであれ、
効果のありそうなことは試しても良いんじゃないかな」 くらいな気分で、
《賛成する》にマルをつける回答者がけっこう出るはずだ.

その意味で、悪質な設問だと思う.

朝日新聞の意図や思惑はともかく、こういうアンケート結果が単純に「世論」ということ
になると、多くの日本人は、与えられた「世論」なり「民意」に同調するはずで、
その「同調」がわれわれを新しい場所に運んで行くことになる.
これは避けることができない.

私個人はサマータイムに絶対反対だ.在欧時に都合5回経験している.
本地人は生まれた時からの慣れ親しんだ習慣だから、それほど影響は少ない
のかもしれないが、初体験には辛いのだ.

体内時計の個人差にもよるが、社会全体の時間が1時間ずれるのだ.
最初の1週間くらいは、眠気や食欲が以前の時間で襲ってきて、日常生活に支障がでるのだ.

毎朝4時に起きて仕事をしているから、早起き慣れているからサマータイム賛成
なんていう方がいらっしゃるが、それは明らかな間違い.4時というメリットを
享受したいなら、2時間のサマータイムでは、今の午前2時に起きなければ
ならないのだ.ある日を境に急に体が順応するわけがない.

それにコンピューターをはじめとするIT機器の標準時間の修正とか、慣れない
作業を、たかが五輪の選手たちの為だけにするというのか?

欧州の夏時間は3月の最終日曜日の深夜から10月の最終日曜の深夜まで
と決まっていて、TVをはじめとしてマスコミでいっさい広報されないで、
スッと切り替わる…それは見事なものなのだけど、もう何十年ものの歴史の
なせる業であろう.付け刃は絶対無理な作業と思う.

このような理由で、個人的には反対なのだが、なんだかんだで導入されてしまう気がしている.
理由は、サマータイム導入に反対であっても、「みんなが一緒にやる」ことそのものには、
賛成する気持ちを持っている人が多数派だと思うから.

もう少し詳しく述べると 「自分の賛否はともかく、みんながやろうとしていることなら
自分は追随するよ」くらいな気持ちでいる人間が、日本人の大半を占めている
ということで、その人たちはいずれにせよ「大勢」に流されることを望んでいるから.

つまり、自分の見解や主張には強くこだわらない代わりに、決断の責任も
とりたくないと考えている人間が最大多数だということだ.

われわれは、リーダーに着いて行くのでもなければ、イデオロギーに誘導される
のでもなく、「みんな」という正体不明の存在に同調する形で新時代の扉を
開いていくということだろう.

つまり、われわれは
「みんなで一緒に失敗するのならそれはそれでそんなに悪いことじゃない」
なんて考えているじゃないかと思うのである.


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三麺記事(久しぶり?の焼きそば特集)


家では素麺やざるそばばかりなのだけど、
外では熱い麺を好んで食べている.

最近、外で食べた焼きそば群を以下に.

先ずは、チェーン系「日高屋」の
“かた焼きそば”



柔らかい麺のは無いの?と問うたら
堅焼だけだそう.

意外な極細麺で食べやすい.
野菜、肉、海鮮のあんかけはたっぷりで美味しい.

充実のわりには安価、610円也.


次も、チバラキチェーン系「ゆきむら亭」の
“八宝焼きそば”



こちらは、堅麺と柔麺が選べる.
迷わず、柔らかい麺をオーダー.

麺が見えないほどのあんかけ具合.
炒め具合もちょうど、
ハムが入っているのがご愛嬌.

ちゃんと豚肉も入っているのにね.

旨味のする750円也.


最後は、久々の登場.

神楽坂「エゾ松」の
“やきそば”



名物回鍋肉飯と同じ味付け.
手早く炒めた野菜群はしゃきしゃき感高し.

こってりとした、オイスターベースの味に
紅ショウガが良く合う.

コスパ高い640円也.

参考までに、「エゾ松」の
テーブル上のスパイス群



中華屋たるもの、これくらいは
最低限揃えて欲しい.

最近、七味が無いとか、
ニンニクが無いという店が増えている.
猛省をうながしたいっ!


今週もごちそうさまでした.





映画「輝ける人生」…泣いて、笑って、恋をして.



原題:FINDING YOUR FEET
制作年:2018年 制作国:イギリス 上映時間:114分


火曜の夜、父の介護を終えて柏のキネマ旬報シネマへ.
公開始まったばかりの英作品を本年累積121本目の鑑賞.

長年、内助の功で支えてきた夫に裏切られたベテラン専業主婦が、ひょんなことから
足を踏み入れたダンス教室で、忘れていた情熱を取り戻し、自分の人生を謳歌していく
姿を、英国を代表する名優たちの共演で描いた人生讃歌.

主演は「ヴェラ・ドレイク」「パレードへようこそ」のイメルダ・スタウントン.
共演にティモシー・スポール、セリア・イムリー.
監督は「ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります」のリチャード・ロンクレイン.
 
35年間連れ添ってきた夫が定年退職を迎え、晴れてナイトの称号を授与され、
自らも“レディ”となり鼻高々のサンドラ.ところが、その夫がサンドラの親友と浮気していた
ことが発覚してしまう.

ショックと怒りで家を飛び出し、疎遠だった姉ビフが住むロンドンの団地に転がり込む.
ビフはサンドラとは対照的に結婚もせず、お金や名誉とも無縁の自由気ままな人生を
送っていた.

そんなビフに無理やりシニアが集うダンス教室へ連れて行かれたサンドラ.
最初は戸惑っていた彼女も、かつてダンサーを目指した若き日の情熱を取り戻していく.
そんなダンスを通じて、ビフの親友のチャーリーとも打ち解けていくサンドラだったが….

以上は<allcinema>から転載.
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こんな欧州発の小品が一番好きかもしれない.
ご多分に漏れずいくつものプロダクションが寄せ集まっての制作.

アメリカ作品は最近中国資本に乗っ取られた感があるが、欧州ではまだまだ
独立した制作会社たちが少予算で頑張っている.

「ニューヨーク、眺めのいい部屋売ります」は好印象のハリウッド作品だったが、
リチャード・ロンクレイン監督が今回は英国俳優を使っての作品.

資産家と離婚した妹が姉の質素な家に転がり込むパターンって、ウディ・アレン
の名作「ブルー・ジャスミン」を思い出させるが、本作はより高齢の姉妹の姿を描く.

直情的な妹サンドラ:イメルダ・スタウントンと人生を達観している姉ビフ:
セリア・イムリーは少しも美人ではないが、観ていくうちにその内面性からくる魅力で
輝いて見えてくるから不思議だ.

もう一人のキーマン、チャーリー:ティモシー・スポールはアルツハイマーを患う妻の
介護の為に家屋敷を売り払い、ボート生活をしている.
英国人は家にこだわる…風潮をさりげなく言外に匂わせる会話は面白い.

もう一つ、夫が40年間警察官を勤め上げることで得た“ナイト”の称号に伴って
妻は“レディ”の称号を得るのだけど、サンドラは離婚しても“レディ”は継続していると
勘違いする.英国に於いては妻は夫の付属品で、離婚すれば過去の功績の称号
など取り上げられるという現実に遭遇してしまう.

姉ビフやチャーリーとの関わりを通じて、姉妹の絆や何かに夢中になる情熱を取り戻して
いくサンドラの変化の過程を、スタウントン監督は実に細やかに表現している.

いつもの如く、邦題について(笑).「輝ける人生」とはずいぶんとおうぎょうな題名.
はずれてはいないけど、なんだかなぁ….印象に残らないから来週になったら
もう忘れそう.ただでさえ記憶力が低下しているのに(笑).

原題の「Finding Your Feet」は、「自立する、自信を持つ」といった意味.
もしかしたら、ダンスシーンでの足元を見つめるシーンにも引っかけてあるのかも?

いくつになっても初心に返って人生をやり直せる、再起することができる…そんな
比較的凡庸なメッセージでも、円熟の演技と的確な演出が組み合わされば
心躍る快作に仕上がっている. そんな好作品.









メキシコ料理初体験@エル・ボラーチョ 日本橋コレド室町2





TOHO日本橋で緊張した邦画を見た後は、
ビルの直下のレストラン街へ.
初めてだけど、メキシコ料理の店へ乱入.
その名も“El Borracho”.

本場メキシコで修業をしたシェフによる本格メキシコ料理と、
200種類を超えるテキーラを取りそろえたレストラン&バー.

店内装飾もあくまでメキシコ製にこだわり、
本場さながらのムード?



「エルボラーチョ」は、スペイン語で「酔っ払い」.
副長に相応しい?(笑).

何をオーダーすれば好いかわからない時は
コース料理を.2800円也.

先ずは“サルサ&チップス”でビールを.





ビール銘柄はハートランドビール.

パリッとしたチップスに
自家製サルサの酸っぱさと辛さが良く合う.


“アグアカテサラダ”



アボカドとエビのサラダ、ドレッシングとは他に
スパイスの香りが漂う.

ピリツというのがテーマだね♪

なにやらキッチンでフランベの炎が
上がっていると思ったら出てきたのがこれ.

“マリネーラ”



タコとトマトの漁師風炒め.
やはりフランベすると焼け方が違う.

ほんのり漂う焦げた香りのタコが美味しい.
トマトがさっぱり感も演出する.
これは美味しい一品.


“パストール”



スパイスに漬け込んだ豚肉のタコス.
スライスした玉ねぎもポイント.

ちょこっとのパイナップルも存在感を主張する味.

ここいらで、副長は2杯目.
メキシコだから…テキーラだよね♪



実は、濃い酒が大好きっ!
ストレートで、チェイサーと供に.


“カルネフゴ”



牛スジとうずら豆の煮込み.
なんだかブラジルで毎週食べさせられた馴染みの味.

これを食べると想いは中南米に(笑).


“パリジャーダ”



スモークしたメキシカンチキンステーキ.
さっぱりした、油っぽくない肉はなにかしらの
スパイスのおかげ?でも、肉の味はしっかり♪


副長、すでに3杯目.
テキーラが旨いっ!



チェイサーの数が増えてくるね….
店の名にふさわしく、
「酔っぱらい」になりつつある副長(笑).


“アロスマリスコス”



メキシカン海鮮パエリア.

メキシコ米だろうか?
パラパラだけど、少し芯が残り気味で
でもコメの味がちゃんとする….

タコや海老、パプリカ…と具もたくさん.
二人では多すぎる位の鍋.


これだけ食べても、デザートは別腹(笑).

“ブリュレ”と“プラタノ チミチャンガ”



シナモンとラム酒が効いた大人のブリュレ.
パリパリの食感がクセになる♪

タコスの皮で包んで揚げたバナナに
キャラメルソースとバニラアイスを
トッピングした不思議な熱冷デザート.

熱くて冷たい….


珍しい料理ばかりだけど、
美味しくスパイシーにいただきました.

ごちそうさま.






映画「検察側の罪人」…一線を、越える.





制作年:2018年 制作国:日本 上映時間:123分


恒例の“1100円で邦画を楽しむ友の会”は久々に日本橋へ進出.
TOHO日本橋で観たのは話題作?、副長としては本年累積120本目.

雫井脩介の同名ベストセラーを「無限の住人」の木村拓哉と「ラストレシピ
〜麒麟の舌の記憶〜」の二宮和也の主演で映画化したミステリー・サスペンス.

ひとつの殺人事件を巡り、容疑者として浮上した男を自らの正義感から
あらゆる手段で追い詰めていくエリート検事と、そんな上司の捜査方針に
次第に疑問を抱き始める後輩検事の対立の行方をスリリングに描き出す.

共演は吉高由里子、平岳大、大倉孝二、松重豊、山崎努.
監督は「日本のいちばん長い日」「関ヶ原」の原田眞人.

東京地検刑事部のエリート検事・最上のもとに、彼に心酔する若手検事・沖野
が配属されてくる.さっそく2人で都内で発生した老夫婦殺人事件を担当することに.

すると最上は、被疑者の一人である松倉という男に激しく反応する.
松倉はすでに時効を迎えている未解決殺人事件の重要参考人だった.

最上は今回の事件も松倉の犯行と確信し、なんとしても松倉を有罪に
しなければならないとの強い思いに囚われていく.

そんな最上の意を汲み、松倉から自白を引き出すべく取り調べに力が入る
沖野だったが….

以上は<allcinema>から転載.
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いやぁ、原田眞人らしい硬派のまとめ方にびっくり.
ちゃらけた処がまるで無い.硬質的なビルの外観を使ったタイトルバックからしてもう、
最初の雰囲気が違うなと感ずる.音楽の使い方もインパクト有り.

原作は未読.題名がすべてを表してしまっているのだけど、中身を追うごとに
グングン引き込まれる脚本は出来が良い.

木村拓哉のアクの強さ、二宮和也の真摯さ、そして以前の印象を覆すような
吉高由里子の思いのこもった演技に新鮮な驚きを得た.

それにしても木村拓哉のこの悪さはどうだ!?
ファンがゆえに支持者も居るのかもしれないが、この作品の木村は正義ではない.
検事ととして、いや人間としても、超えてはならない一線を越えてしまうから.

いったい正義とはなんなのだろうか?
警察の正義、検事の正義、司法の正義、政治家の正義…、そして悪人なりの
正義もあるのかもしれない.

作品中のキーマンの諏訪部:松重豊はヤクザの総元締め的な役柄.若手検事:二宮の
取り調べ予行練習相手を務めるほど、弁舌も立てば頭も切れる優れ者.
木村、二宮が追う殺人事件の手助けのような事もする.悪党なのだけど
それなりの倫理観、感覚でそれなりの“正義”を執行したりする.

犯罪者として演技する弓岡役の大倉孝二、松倉役の坂向芳はまさに適役.
陰湿的、衝動的、暴力的、…ありとあらゆるネガティブな形容詞が相応しい
クズのような人間を演ずる.これだけ観客に憎まれれば役者みょうりに尽きるだろう.

この二人は法に裁かれる事無く、あの世に行ってしまう.
それぞれの他者の“正義”の元に….

TOHOシネマズのアイドル?山崎紘菜を意外な配役で発見.
なんと木村拓哉の不出来な娘役.やさぐれて、飛んでいる、無鉄砲な娘役だ.
女優修行には格好の役柄かもしれない.がんばれ山崎紘菜!

役者たちの想定外な演技と硬派な脚本で仕上がった真面目な好作品.







アート・アクエリアム2018 再び


日曜のお昼、タダ券を入手したので
再び、日本橋のアート・アクエリアムへ.

チケットは有っても60分待ち、やれやれ….
それでも、ひととき涼を楽しむ.

今回はコンデジ写真です.


















もうちょっと、人が少ないならば
好いのにね ♪






映画「オーケストラ・クラス」…人生も音楽も、こんなに素晴らしい.



原題:LA MELODIE
制作年:2017年 制作国:フランス 上映時間:102分


土曜のお昼時は新宿の武蔵野館でフランス映画を….
本年累積119本目の鑑賞は音楽教育もの.

フランスで実際に行われている音楽による情操教育プログラムをモチーフに、
挫折したバイオリニストと問題を抱えた子どもたちが、音楽を通してそれぞれに
喜びを見出していく姿を描いた感動ドラマ.

主演は「プチ・ニコラ」のカド・メラッド.共演にサミール・ゲスミ、アルフレッド・ルネリー.
監督は俳優出身で、監督としてはこれが長編2作目のラシド・アミ.
 
オーケストラをクビになり職にあぶれた中年バイオリニストのダウドは、
音楽に触れたことのない子どもたちを対象とした音楽教育プログラムの講師として、
移民の子どもたちが通う学校でバイオリンを教えることに.

こうしてオーケストラ・クラスにやって来たダウドだったが、まるでクラシックに
興味を示さない子どもたちを相手に早くも途方に暮れる.

そんな中、教室の外から熱心に中を覗く少年アーノルドにバイオリンを貸し与えたところ、
夢中で練習に励み、意外な才能を発揮するのだったが….

以上は<allcinema>から転載.
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パリの19区といったら、ほとんどスラム街.低所得者層や移民の家族が
群れをなして住む区域.そんな場所の小学校での物語だ.

出てくる小学生たちは、中東系、アフリカ系、アジア系…と人種のるつぼ状態.
おそらく両親がフランス語がおぼつかないがゆえに、子供にフランス語の教育を
熱心に進めるので、言葉つきにやたらうるさい子供が居たりする.

フランス語の文法や発音、表現の不具合を子供が指摘するのを聞くと、ふと
自分と娘のやり取りを思い出したりもする.こと娘は発音が上手かった….

奈落したヴァイオリン奏者が子供たちの音楽教育に目覚め、オーケストラを…、
というプロットは数年前にブラジル製の映画「ストリート・オーケストラ」で演じらえた
気もするが、本作は仏製オリジナルとして謳われている.

もっと本作が売れれば、盗作問題も出てくる?(笑).いただいた方も、訴える方も
どっちも粗忽だと思うのだが、“カメラを止めるな!”の問題はどう発展するのだろうか?

さて本題に戻って、音楽を情操教育に使うプログラムとはいかにもフランス政府
らしい手段.箱(場所)も道具(楽器)も人(教師)も全て国費でまかなう.

作品途中で場所の問題が出て、この活動のハードルとなるのだけども、子供たちの
親たちが一致団結して、場所確保に奔走する辺りから、このプロジェクトの成功が
見え隠れしてくる.

気弱でものおじしっぱなし(フランスではチミッドという)で.、だけど音楽に対する愛情と
情熱は満ち溢れている主人公をカド・メラッドが演ずる.
仏映画って、ほんとに地味な役者を主人公にもってくるね(笑).

そんな主人公が、ただただ情熱と音楽の力で、子供たちを引き込み、その親たちも
巻き込んで、最後のパリでのコンサートシーンまでなだれ込んでいく.

演目は、リムスキー=コルサコフの“シェヘラザード”.けっこうな難曲だと思うのだが.
さてその演奏の出来はいかがに?

奇もてらわない、まじめな作りの好作品.









巨匠たちのクレパス画展 @ 損保ジャパン日本興亜美術館





土曜の午後、神楽坂での2番館ギンレイで映画を楽しんだ後は新宿へ向かう.
いつもの42階建ての美術館を訪ねる.



42階からの眺め.左中央にスカイツリー.



建築中の代々木のオリンピック・スタジアム.もうここまで完成している.

さて、巨匠たちのクレパス画展.副題は“日本近代から現代まで”
日本の巨匠たちがクレパスを使って描いた作品展.

——————以下は同館HPから転載------------------

子供のころ誰もが手にしたことのあるクレパス.クレヨンとパステルの良さを兼ね備えた
画材として、1925(大正14)年に日本で発明されました.画面によく定着し、伸びやかで
発色がよく、混色や塗り重ね、ひっかくなどの幅広い表現が可能です.

クレパスが学校教材として普及したため、もっぱら子ども向けのものと思われがちですが、
その優れた特性は、油絵具の入手が難しかった第二次大戦直後に多くの画家たちに
注目され、次第に独自な画材として絵画表現に取り入れられるようになりました.

本展では、サクラアートミュージアムの絵画コレクションから、クレパス開発と普及に
関わった画家・山本鼎(かなえ)をはじめ、大正から昭和にかけて日本画壇で活躍した
巨匠たちを中心に、現代の作家たちの作品も併せて紹介します.

100人を超える作家たちの魅力あふれるクレパス画の競演をどうぞお楽しみください.

———————————————————————

よくよく調べるなら、パステルとクレヨンとクレパスは異なるのだよね.
無知だった、反省. 小学生の頃クレヨンで描いていたと思ったら、クレパスだったかも?

会場にはクレパスの変遷を示す展示品もあり、面白い.外装箱が当時に流行った漫画
のパッケージだったり.70周年を記念した70色バージョンとか….

プロはやはり道具も使いこなす、というか使い果たす感がある.
素朴な発色を利用するものもあれば、まるで油彩のような使い方で重厚なタッチまで.

印象に残った作品をいくつか.


熊谷守一《裸婦》制作年不詳



小磯良平《婦人像》1951年



三岸節子《花Ⅰ》1940年頃



岡本太郎《鳥と太陽》制作年不詳

様々な表現、様々な筆致、様々な主張…である.

たかがクレパス、されどクレパスなのだ.







2018 F1 Rd-13 ベルギーGP





F1サーカスが夏のバカンスから戻って来た.2018年F1世界選手権第13戦
ベルギーGPは伝統のサーキット、スパ・フランコルシャンで開催される.
通称“スパ”は山間部を切り開いて作られたロングストレートと高速コーナーの組合せや、
高低差が100m以上もあるアップダウンの大きさが魅力.エンジン勝負なんだね.




"スパウェザー"として知られるスパの天候はコースの一部分で日が射していても、
別の場所では雨が降っているようなこともまれではない.この予測不能な天候も
今でもドライバーやファンを魅了し続ける.

副長も大好きなサーキット、ダダーンと底を打って全開で駆け上がる“オー・ルージュ”の前で、
名物ポテトフライ“フリッツ”をこれまた名物のマヨネーズで食べるという快感は
忘れられない(笑).

さて、予選は気温は15.2度、路面温度28.6度、湿度53.1%のドライコンディションで
スタートしたものの、Q3には名物“スパウェザー”でコースの一部だけ雨が降るという
事態に陥った.

すかさず、全車タイヤをインターメデェィトに履き替えアタック、今週末ずっと好調だった
フェラーリ勢を抑えて、メルセデスのL.ハミルトンがポールを獲得.
S.ヴェッテル、E.オコンがこれに続く.フリー走行を全てトップだったK.ライコネンは
チャンスを逃し、予選6番手に沈んだ.ライコネンはスパに強いのだけどね….

翌日曜の決勝、ピレリが用意したドライタイヤは、メディアム、ソフト、スーパソフトの3種.
天候はくもり、気温17.3度、路面温度29.6度、湿度36.6%のドライコンディション.
 
スタート直後、ランチングシステムの好いフェラーリ、S.ヴェッテルがするすると
L.ハミルトンを抜いてトップへ.同時に後段で接触事故が起き、さっそくセーフティカー
導入.F.アロンソとC.ルクレールが大破してリタイヤ.

接触の原因となったN.ヒュルケンブルグもリタイヤ.副長ひいきのK.ライコネンも
リアタイヤパンクで14位まで後退(泣).

5周目にリスタート、トップはS.ヴェッテル、次にL.ハミルトン、そしてレッドブルの
M.フェルスタッペンがフォース・インディアの2台を抜いて3番手へ.

後段で目だったのは、メルセデスのV.ボッタス.エンジン交換のペナルティで
17番手スタートだったが、バンバンとオーバーテイクを繰り返し、19周時点では
8番手までポジションアップ.追い抜きショーを見せてくれた.

全44周中の24、25周で首位陣タイヤをスーパーソフトからソフトへ替えるも、
順位は変わらず.ただ、33周目にタイヤ交換したばかりのV.ボッタスが5位まで
ポジションアップ.

結局、1周目のトップ順位を守って、フェラーリのS.ヴェッテルが優勝.
2位にL.ハミルトン、3位にM.フェルスタッペン、4位は17番手から追い上げた
V.ボッタス.

フリーから予選まで好調だったフェラーリがやはり制した.K.ライコネンは
D.リカルドの接触された際にパンクだけでなく、リアウィングも痛めたようで、
途中リタイヤで終わってしまった.好調だっただけに残念….

次戦は1週間後のイタリアGP.伝統の高速サーキット:モンツァだ.
フェラーリの地元だ、連勝を期待したい.