制作年:2016年 制作国:日本 上映時間:111分
日曜の“1100円で邦画を楽しむ友の会”は“桜を楽しむ会”も兼ねている(笑).
桜を愛でる前にピカデリー新宿で観たのは桜舞うような華やかな青春モノ.
本年累積39本目の鑑賞.
競技かるたに情熱を注ぐ高校生たちの青春を描いた末次由紀の大ヒット・コミックスを
「海街diary」の広瀬すず主演で実写映画化.本作は2部作の前編.高校でかるた部を
立ち上げ、全国大会を目指し地方予選に臨むヒロインと部員たちとの熱き青春模様を描く.
共演は野村周平、真剣佑、上白石萌音、國村隼人、松田美由紀.
監督は「カノジョは嘘を愛しすぎてる」の小泉徳宏.
小学校時代、転校生の綿谷新から“競技かるた”を教わり、その魅力の虜になった綾瀬千早.
幼なじみの真島太一を巻き込み、3人は競技かるたを通して強い絆で結ばれてい く.
しかし小学校卒業とともにバラバラとなってしまい、家の事情で故郷の福井に戻った新とは
遠く離ればなれに.かるたを続けていれば新と再会できると信じる千早は、高校に入ると
すぐに“競技かるた部”の創設に乗り出し、高校で再会した太一を再び巻き込み、2人で
部員集めに奔走する.
やがて古典大好き少女・ 大江奏、経験者の“肉まんくん”こと西田優征、秀才の“机くん”こと
駒野勉の勧誘に成功し、ついに千早悲願の競技かるた部が産声を上げるのだったが….
以上は<allcinema>から転載.
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予告編から惹かれるものがあった.広瀬すずの成長にも期待していた.
そんな期待を裏切らない佳作だった.なにも上の句、下の句と2部にしなくても、
と思っていたが、いやいや第1部でも無駄のないギッシリ詰まった緊張感があった.
広瀬すずの魅力満開の感がある.元気があってコケティシュ、競技が終わると
朽ち果てて、白目を剥いて倒れるところなんざ、コメディエンヌの資質も十分.
脇も手堅く、野村周平や真剣佑の恋敵コンビやかるた部にはボケもツッコミも居て、
飽きさせない演技のやり取りを見せてくれる.「舞妓はレディ」でデビューした
上白石萌音もどちらかと言えばボケ役なのだけど、とてもチャーミングだ.
なによりもこの作品の柱は “競技かるた” であろう.TVニュース等でその存在は
知っていたが、ちゃんと見るのは初めての存在.思いのほか体育会系の競技だ.
かるたは音とリズムだ.前句の下の句が読み終わると、競技者のお尻が一斉に押し上がる.
上の句の最初の一語が発せられるやいなや、「パタッ」という音と供にかるたが舞う….
フーと吐く息が後から遅れてやってきて、飛ばしたかるたを静かに回収する….
なんとも、静と動の闘いだ、見ていて気持ちが好い.
相手との駆け引きもあり、もちろん自分との闘いもある.奥の深い競技だと感じた.
そして、百人一首に込められた恋の想いや儚さの数々も話しに華を供える.雅なのだ.
この監督さん、上手い…、テンポも良いしスローとCGの使い方も自然だし、アップも
ワイドも俯瞰シーンも手慣れた印象で、極めて見やすい映像を提供してくれる.
ストレスフリーな映像に手堅い脚本、若手の熱演、これりゃ十分の青春モノだぁ~!
ラスト・チューンは Perfume 「FLASH」.
軽快そのものPOP、見た後の清々しさを邪魔しない軽さが好い.
第2部、下の句に対する期待が膨らんじゃったなぁ…、4月末が待ち遠しい.
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