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映画「ストロベリーナイト」…全編、雨、あめ、アメ….


製作年度:2013年 製作国:日本   上映時間:127分


火曜の夜、“邦画を1000円で楽しむ会”のブロ友:めーちゃんと
一緒に観たのはTV版もお気に入りだった作品の映画版.本年17本目.

今月はハイペースな鑑賞だったなぁ.反して2月は本数は少ないはず….

男社会の警察組織で異例のスピード出世を果たし、唯一の女性班長として
屈強な男たちを率いるタフな女警部補・姫川玲子の活躍を描く、
誉田哲也の人気警察小説シリーズ原作TVドラマの劇場版.

シリーズ4作目『インビジブルレイン』を基に、連続殺人事件の謎を追う姫川玲子と
姫川班を待ち受ける最大の試練を描く.

主演は竹内結子、共演に西島秀俊、大沢たかお、津川雅彦、渡辺いっけい
遠藤健一、高嶋政宏、武田鉄矢、小出恵介、宇梶剛士、三浦友和.
監督はドラマ版に引き続き佐藤祐市.

警視庁捜査一課の刑事として活躍する玲子(竹内結子)が率いる姫川班は、
管轄内で起きた4人の殺人事件を担当することになる.

警察が合同特別捜査本部を設けて捜査に臨む中、犯人を名指しした匿名情報が
寄せられるが、上層部からはすべてを黙殺しろとの命令が下る.

玲子は単独で捜査を続け、その過程でマキタ (大沢たかお)と出会う….

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全編、これ雨のシーンばかり….
暗く、冷たい、雨の中で繰り広げられる殺人とその裏にうごめく人間のドラマ.

TV版では班長:玲子(竹内結子)と部下菊田(西島英俊)のほのかな同僚愛しか
描かれないが、ここにきて第三者牧田(大沢たかお)の登場で色めき立つ?.
愛なのか、同じ血を持つモノ同士なのか引き合い、濡れ場まで登場する.

TV版よりも根深い玲子の業みたいなものが強く感じられる演技と脚本.
敏腕女刑事と暴力団幹部との道ならぬ恋の顛末なんぞは、行き先見え見え
なのだけど、固唾を飲んで見つめてしまう(苦笑).

“インビジブル・レイン”…見えない雨がいつでも、どこでも降り注ぐ….
それは人の心の中に降り注ぐ雨のことかもしれない.
まちがいなく本作では主人公の玲子の中には見えない雨が降り注いでいる.

竹内結子はTV版よりも、より“女”を意識させるし、すこし“いやらしい”印象.
セクシャルな意味でも、内面的な意味でも女のいやらしさみたいなモノが
観る者に伝わって来る.これは女優として腕があがった?(笑).

本話の根底にあるのは、警察体制の腐敗構造、隠蔽体質.
玲子は完全にこれに対峙していくが、矢折れ尽き果ててしまう.
あえなく警察機構から排除されそうとなるが…、最後に拾う神が出てくる.
ネタバレはこれくらいにしておこう.

TV版では憎々しいまでの同僚?日下主任:遠藤憲一や勝俣主任:武田鉄矢は
本作では大人しい…、どころか陰になり玲子を手伝おうともする.
みな根底では警察の腐敗に抵抗したがっている…とも取れる.

先週TVでやっていたストロベリーナイトスピンオフ編の繋がりが
ようやく判った.やはり映画観てから、あのスピンオフだよなぁ、順序逆だぁ.

全編雨と書いたが、晴れのシーンが一つだけ在った….
責任を取らされ、同僚愛?の部下:西島秀俊と玲子が別れるラストシーンだった….


.




映画「さよならドビュッシー」…秘めた思いは「月の光」とともに


製作年度:2012年 製作国:日本   上映時間:131分


日曜の夕方、川崎のシネコンで鑑賞したのは本年16本目.

第8回「このミステリーがすごい!」大賞に輝いた中山七里の小説を、
久々にメガホンを取る利重剛監督が映画化.

火事で重傷になりながらも、懸命にピアニス トを目指す少女が不可解な事件に
巻き込まれていくさまを、ドビュッシーやショパンの名曲に乗せて描く.

主演は、『桐島、部活やめるってよ』など話題作への 出演が相次ぐ橋本愛.
ピアノ教師を人気ピアニストの清塚信也が演じる.
共演にミッキー・カーチス、相楽樹、清水紘治、熊谷真美、戸田恵子.

ピアニストを夢見る香月遥(橋本愛)は、両親を亡くしたいとこの片桐ルシア(相楽樹)と
姉妹のように育った.ある日、同じ音楽高校に通う2人を突然の悲劇が襲う.
2人は祖父とともに火事に巻き込まれ、遥だけが奇跡的に一命を取り留める.

しかし全身に大やけどを負った遥は、ルシアと交わした約束―プロのピアニストになって
ルシアのためにドビュッシーの『月の光』を弾く―を支えに、全身の移植手術と
過酷なリハビリに耐えていく.

やがて晴れて退院した遥は、司法試験をトップで合格しながらも音楽の道に進んだ
天才ピアニスト岬洋介の指導の下、コンクールに向けて懸命のレッスンを重ねていく.
そんな中、祖父の莫大な遺産をめぐって、遥の周りで不可解な出来事が立続けに起り始める.

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ピアノ教師役の清塚信也が実に好印象.
いきなり“リストの超絶技巧練習曲”で登場、その冴えたピアノを聴かせてくれる.
テレビドラマ「のだめカンタービレ」の吹き替え演奏で知られる人気ピアニスト.

だが、演技もなかなかのもの.ピアノ教師という資質を生かす役と、設定が
司法試験にも合格したという頭の冴えた部分も自然に演じ切っていた.
甘いマスクも含めて、ピアニストだけに押し込めちゃもったいない気がする(笑).

転じて主役の橋下愛は“熊ん蜂の飛行”とドビュッシーの“アラベスク”そして
“月の光”を演奏するシーンがあるのだが、どれも吹き替えが見え見え….
実際の演奏は清塚信也なのだろう.
役柄の設定もあるのだが、通して無表情で大根っぽい演技が鼻につく.

“このミステリーがすごい!”大賞受賞の割には、ミステリー度は浅い.
前段からネタは見えちゃうし、展開に意外性が…まるで無い.
原作は未読だが、脚本の悪さだろうか?

それでも、最後のピアノコンクールでの“月の光”演奏シーンには
少しは、ホロッとさせられたのは近年の涙腺の弱さだけでは無いと思いたい.

せっかく名ピアノ演奏で綴られた物語のエンディングに、なんの関係も無い
Jポップとはいかがなものか? 泉沙世子  “境界線”.
曲自体は悪くは無いが、それまでの格調がぶち壊し….

制作ファンドのしがらみなのだろうか、最低の選曲、エンディングだった.

締めが悪いと、悪印象のまま終わってしまう.損だなぁ….





「エル・グレコ展」@東京都美術館





日曜の上野訪問の目的は3つ.一つは保険の更新手続き.
二つめは野良ニャンズの撮影.そして三つ目がこれ.
上野に来て美術館にいかない手はあり得ない.

没後400年を迎えるスペイン絵画の巨匠エル・グレコの大回顧展.
大阪で先行したが、ようやく上京してきた….待ち遠しかった.

エル・グレコ(本名ドメニコス・テオトコプーロス、1541~1614年)は
「ギリシャ人」という意味のあだ名で、ギリシャ生まれの画家.

16世紀から17世紀にかけてのスペイン美術の黄金時代に活躍し、
ベラスケス、ゴヤとともにスペイン三大画家の一人に数えられる.

ギリシャのクレタ島に生まれ、ヴェネツィア、ローマでの修行を経て
スペインのトレドにたどりついたエル・グレコは、揺らめく炎のように
引き伸ばされた人物像が印象的な宗教画や、モデルの人となりをも
描き出す独自の肖像画で、当時の宗教関係者や知識人から圧倒的な支持を得た.

本展覧会では、プラド美術館、メトロポリタン美術館、ボストン美術館など、
世界の名だたる美術館やトレドの教会群から油彩およびテンペラ画51点が集結.
 高さ3メートルを超える祭壇画の最高傑作の一つ《無原罪のお宿り》も初来日し、
国内史上最大のエル・グレコ展.

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たしかに、今回の“ウリ”は《無原罪のお宿り》を中心とした祭壇画なのだろう.
でも、副長にとっては、あえてエル・グレコの魅力は肖像画にあるとしたい.



写真は「白貂の毛皮をまとう貴婦人」(1577-79年)

細長くデフォルメされた人体のプロポーションが特徴的.
祭壇画の登場人物なんか十二頭身みたいだ.

第1セクション、第2セクションは初期の肖像画を中心の展示.
圧倒的な精微な表現とその語りかけるような肖像の目力に
心を奪われてしまった.

なんとまぁ優美な人体表現と、表情の描写….


後半の宗教画にもその肉体表現や十二頭身表現は続く.
肖像画の延長に位置しているのは明らかだ.
超自然的な光の効果を特徴とする独自の様式によって、
深い精神性や宗教的情熱を隠すことなく発露している.

が、元来の宗教画への興味の薄さもあいまって、
その精神性の発露にはへきへき….

やはり前半の肖像画が印象的だし、もう一度観たい気がする….

会期は長いようで短い.
忘れずに行こうっと♪.




街中のネコシリーズ(上野公園のニャンズ)



昨日日曜は花粉症と膝痛みをおして上野へ.

保険のおばちゃんと待ち合わせがあった.
所用はさっさと済ませ、
快晴の下、上野公園へ.

いつもの…野良ニャンズの
居場所を訪ねてみる.

いたいた….



日向の暖かい所でノンビリ昼寝中.


あちこちに点在している猫を
ゴソゴソと探し出す.













ここでも根強いサポーターが居るのだろう.
空いた猫缶も置いてあった.
栄養状態は良さそう.




舌出っぱなしだってば…(笑).







映画「みなさん、さようなら」…極めて後味の好い小佳作.


製作年度:2012年 製作国:日本  上映時間:120分


恒例父との夕食前にシネコンで鑑賞したのは本年15本目.

「アヒルと鴨のコインロッカー」「ポテチ」の名コンビ、中村義洋監督と主演の濱田岳が
再びタッグを組んだ青春作.小学校卒業を機に、団地から一歩も出なく なった主人公の
12歳から30歳までの喜怒哀楽を追い掛ける.原作は久保寺健彦の「みなさん、さようなら」.

濱田岳が12歳から30歳までをノーメイクで演じきる.
共演は倉科カナ、大塚寧々、永山絢斗、波瑠、ベンガル.

1981年の春。 その年、芙六小学校を卒業した107人は、全員団地暮らしだった.
その中の一人、渡会悟(濱田岳)は突然、“一生、団地の中だけで生きていく”と
宣言して周囲を困惑させる.団地で友だちも恋もできるし、いろんなお店が揃っているから
就職だって問題ないという.

そして中学に通わず、団地に閉じこもった生活を始める.勉強や体力づくりに努め、
夜には団地の安全を守るために見回りも欠かさない、そんな規則正しい生活を続けていく.
1度も出席することなく中学を卒業した後は、無事ケーキ屋に就職し、恋人もできる悟だったが….

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昨年の「ポテチ」の印象が強くて、凄く期待した中村義洋/濱田岳のコンビの作品.
結論から言うと、やはり期待に応えてくれた.
独特の視点から来る原作選択と脚本作り、その作りはシュアだ.

12歳の濱田岳はちょっと無理があるような気もするが…一生の団地生活を宣言する.
読み書き計算は小学校で一通り習ったので生きていくには十分と、中学校へは一度も行かない.
母親(大塚寧々)は戸惑いながらも、やさしく見守っていて、悟を養護する.

精神科医にかかったりもするが、いっこうにその態度は変わらない.
しかし、毎朝の乾布摩擦にはじまり、ランニングに筋トレ、そしてラジオ英語講座に読書と
勉強や体を鍛えることは欠かさない規則正しい生活をおくる.

一緒に卒業した小学校の仲間達は当初の107人から段々と減っていく….
去っていく仲間達を見送る悟の表情は寂しく、切ない.
それでも、おかまの友人が出来たり、才色兼備の隣人の有里(波瑠)と
秘め事したり…もする.

そうしたなかで、憧れの君、緒方早紀(倉科カナ)とも恋人関係になり、
婚約にまでかこつけるが…やはり団地から一歩も出ない生活に絶望して
早紀は去っていく.

中段で、なぜ団地から一歩も出れなくなるかの説明がなされる.
小学校における、目前での殺人事件のトラウマだった.
こういう展開も中村監督の真骨頂.がぜん主人公への感情の思い入れが強くなる.

婚約者に去られ、勤めていたケーキ屋も廃業になり、悟を待つ将来は….
意外性のない結末は予定調和と言ってしまえばそれだけだが、
内心、ホッとさせられたのも事実.中村義洋監督の作品の後味は極めて好いのが特徴.

エンディング曲は、エレファントカシマシ “sweet memory”
甘ずっぱくて、ちょっぴり涙の塩の味もするような、感慨にふけられる曲.
中村監督らしい選曲.

「ポテチ」に匹敵する小佳作、好きだぁ….






映画「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」…海のCG映像美が印象的!


原題:LIFE OF PI 製作年度:2012年 製作国:アメリカ  上映時間:127分


金曜夜、川崎からチバラキへ帰る途中にシネコンで鑑賞したのは本年14本目.

世界的な文学賞ブッカー賞に輝いたヤン・マーテルのベストセラー小説
「パイの物語」を、『ブロークバック・マウンテン』などのアン・リー監督が映画化.

動物園を経営する家族と航行中に嵐に遭い、どう猛なトラと一緒に救命ボートで
大海原を漂流することになった16歳の少年のサバイバルを描く.

主演は、オー ディションで選ばれた無名のインド人少年スラージ・シャルマ.
共演にイルファン・カーン、レイフ・スポール、ジェラール・ドパルデュー.

小説のネタを探していたカナダ人作家は、パイ・ パテル(スラージ・シャルマ)という
インド人男性を訪ね、彼の語る驚愕の冒険譚を聞くことになる――.

インドのボンディシェリで動物園を営む一家に育ったパイ少年.
やがて彼が16歳となったとき、一家はカナダに移住することになり、
パイは両親や動物たちと一緒に日本の貨物船に乗り込むことになる.

しかし、途中で嵐に遭遇し船は沈没.運良く救命ボートに乗り移ることができたパイだったが、
彼と同じように辛くも逃げ延びたシマウマやハイエナ、オランウータン、
そしてリチャード・パー カーと名付けられたベンガルトラと同乗するハメに.

こうして少年パイの過酷な漂流生活がスタートする….

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ベンガルトラと一緒にボートで漂流する227日…なんとまぁ奇跡の物語.
前段で、主人公が幼い時に檻の中のトラにエサをやろうとする時に父親がたしなめる.
「トラはけっして人間を信じたりはしない、気をつけぬと食い殺されるぞ」と.

そんな教訓をくれた父親とも死に別れ、そのとうのトラと一つのボートに
乗り合わせてしまうのは、天の授けた運命にしても過酷過ぎる.

父の言葉を胸にトラと対峙するパイ、当初は逃げ回り敵対するのだが、
次第に大自然の驚異に向かって共闘することで、トラとの関係が微妙に変化していく.
飛び込んで来た飛び魚を食料としてシェアしたり、釣った魚をトラに与えたり….

絶体絶命の漂流環境下、ただ生きながらえるのではなく、トラという脅威を身近に感じる
ことで緊張がみなぎり、自らの衰弱を防いで生命力を保つ.
トラは捕食者ではなく、守護神だったのかもしれないとパイは後に考える.

CG含めたVFX技術のおかげで、漂流の数々のシーンが素晴らしい.
嵐の中で沈み行く貨物船を水中で主人公パイが立ちすくむように
眺めるシーンやとびかう飛び魚の群れだったり….

極め付けは夜の漂流シーン、クジラがボートの脇をジャンプするや
クラゲが幻想的にボート周囲を泳ぐのは見事な視覚効果に感嘆….
便利になったもんだ.

最初の2割はパイの名前の由来の説明と生い立ち.フランス語のpiscine(プール)の
本名を持ちながら、インド語の“おしっこ”に発音が同じために、パイという名で呼ばれる
努力のさまは面白い.どこまでも続く円周率π(パイ)を覚える努力までも.

途中の7割は漂流記、そして最後の1割がカナダ人作家と中年になったパイとの会話.
ここで、最後のひねりがあった….気の効いた締め方にアン・リー監督の老獪さを見た.

最後のトラの後ろ姿が印象的なエンディング.
これもまた粋な締め方だった.







猫グッズ(川崎アパート編)



好きなネコグッズ、
まずは川崎のアパートで
普段使っているモノから.

まずは、猫型の線香立て.

猫と暮らしていると、
感じてこなくなるのだけど、
やはり動物臭はある.

時々、お香を焚いている.

そんな時にこれが活躍している.




小梅と小麦さんに
気付かれっちゃった
猫型洗濯はさみ.

シッポが好い感じに
デザインされている.




同じく洗濯時に活躍している、
黒猫型の小物洗濯干し.




そんなこんなで猫グッズが
溢れている副長家.
いずれも家族や友人から
もらったモノ.


次回は自宅編でも.





映画「東京家族」…やっぱり後引く小津ワールド!


製作年度:2012年 製作国:日本   上映時間:146分


久々に“1000円で邦画を楽しむ会”のブロ友;めーちゃんと
一緒に観たのは『たそがれ清兵衛』『おとうと』などで知られる、
山田洋次の監督81作目となるドラマ.本年13本目の鑑賞.

小津安二郎監督の傑作「東京物語」をモチーフに、瀬戸内の小島から上京し、
自分の子どもたちと久々の対面を果たした老夫婦の姿を通して、
現代日本における家族の在り方や絆などを見つめていく.

当初予定していたクランクイン直前に東日本大震災が発生したため、撮影を約1年延期し、
その間に改めて震災と原発事故を踏まえた脚本への描き直しが行われた.
出演は橋爪功、吉行和子、西村雅彦、夏川結衣、中嶋朋子、林家正蔵、妻夫木聡、蒼井優.

瀬戸内海の小さな島で生活している夫婦、平山周吉(橋爪功)ととみこ(吉行和子).
東京にやって来た彼らは、個人病院を開く長男・幸一(西村雅彦)、美容院を営む
長女・滋子(中嶋朋子)、舞台美術の仕事に携わる次男・昌次(妻夫木聡)との再会を果たす.

しかし、仕事を抱えて忙しい日々を送る彼らは両親の面倒を見られず、二人をホテルに
宿泊させようとする.そんな状況に寂しさを覚えた周吉は、やめていた酒を飲んで騒動を
起こしてしまう.

一方のとみこは、何かと心配していた昌次の住まいを訪ね、
そこで恋人の間宮紀子(蒼井優)を紹介を紹介され、上機嫌になるのだが….

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山田洋次は苦手の部類の監督.だいたい“寅さん”が苦手.
本作品も、出だしから違和感いっぱい….
テンポが古臭いし、セリフも型にはまりきっている.

最後に、“小津安二郎に捧ぐ”なんてオマージュっぽくいっているが、
その実、小津の「東京物語」の全くのリメイクであることに気が付く.

復讐、いや復習の為に(笑)昨年買ったDVD「東京物語」を観直してみた.
じつは副長は小津安二郎ファン…DVD買うくらいだからね.
家でDVD観るなんて…よっぽどのことだよね(笑).





やはり登場人物の名前も設定もほぼ同じ、違うのは小津版は次男が戦死して、
その残された嫁が原節子で、山田版の次男役;妻夫木と役が入れ替わっているくらい.
さすがに平成で戦死という設定は使いようがないからね.

小津版は1953年の作品、時代も環境もすっかり異なるのだけど、
東京の郊外を舞台に選ぶことで差を極少にすることは成功している.
が、役者の演技とセリフが小津版(の時代)を引きずり過ぎている.
ここが本作品を観た時に感じた違和感の原因と思う.

特に長男役の西村雅彦と長女の夫役の林家三平の演技が浮いて見える.
東京郊外の町医者にしても、両親の面倒を放っぽってまでの往診だの、
妻との会話の端々に昭和中頃、つまり小津版を引きずってしまっている.
役者に責は無い.脚本でもっと現代的に修正すべきだろう.

転じて、妻夫木や蒼井優のエピソードは小津版に無い部分ゆえ
自然だし、現代の中に於いても古風な味付けがされていて
好ましく観られた部分.こういう味付けで全体を見直せば良かったのに….

小津版の主役は笠智衆と東山千恵子、山田版は橋詰功と吉行和子.
どちらもそれぞれの味がある、時代の差を感じさせない名演技.
とにかく安心して観ていられる.

蒼井優は少ない出番だけど、拾いモノの役柄.
持ち味が生かせているし、好印象を受ける演技をしている.
長女役の中嶋朋子が一番の功労者、いい演技をしていると見えたがどうだろう?

ローアングル、定点撮影など小津版そのものを真似した映像に新味は無い.
結果的には小津と山田の合作と言ってもいいほどの造りに仕上がってしまっている.

ひとつだけ、小津版には無くて山田版の優れたところがあった.
それは音楽.久石譲の音楽は映像や演技を妨げない、ゆったりとした流れの音楽.
しっとりと聴かせてくれるパートもあり、これは素晴らしい….

けっきょく、今回も山田洋次は満足をさせてくれはしなかった.
題を変えるくらいの気持ちがあったなら、脚本をもっと見直してかかるべきだろう.
本作は「東京物語リメイク」でしかない.






街中のネコシリーズ(冬の朝の等々力ニャンズ)



先週の等々力緑地帯.

朝日のなかでニャンズたちもまったり….



まだ、寝てる仔も….






そんな中、まだら三毛が副長のそばで主張.

「おなか減ったニャー」

まだ、今朝はエサやり母さん来てないんだね.




ごそごそと鞄から
猫エサパックを….




ウニャウニャ食べちゃう.

すかさず、その隙に…
触りまくっちゃう♪




今日も一日、元気でいきましょう♪






ついに、ドクター・ストップ!




いきさつはこうだった.

バスに乗り遅れまいと50mの距離を
停留所までダッシュした.

もうすこし、あと5mでバスという所で
ガクッと膝が抜けた….

急に膝から力が抜けて、
ゆるい痛みが膝の周りを襲ってきた.

ヨロヨロとバスにたどり着いたけど、
ジンジンと膝は痛む.


それから3日間はビッコをひいていた.
通常の倍は時間がかかる.

ひざに力が入らず、階段を下る時は
おそるおそる….


しかたなく、何年かぶりに
アパート近所の整形外科へ.

膝に溜まった水を注射器で抜いたら、
中に血が混じっていた.

腱が破損でもしているのだろうと
炎症止めを処方された.

そして、歩行禁止と
ドクター・ストップをくらった.

けっ、止められなくたって、
花粉症と膝の痛みで一日8千歩しか
歩けなくなってたさ….

しばし、温和しい生活を、
おくるとしますかね….