原題: WHERE THE WILD THINGS ARE
本拠地チバラキに戻った今日はめまぐるしい一日.
3つの医者(循環器、歯科、耳鼻咽喉科)と理容店と銀行回り.
その間に、洗濯と布団干し…と大忙し.
何か足りないと思ったら…食事するヒマが無かった(笑).
やっとありついた夕食を父親と取った後のくつろぎの一作品.
本年8本目は待望の絵本原作の実写映画.
モーリス・センダックの世界的ロングセラー絵本を
「マルコヴィッチの穴」のスパイク・ジョーンズ監督が実写映画化.
家出して不思議な島へとやって来た感受性豊かな少年が、
ちょっとこわいけれど愛嬌あるかいじゅうたちと
繰り広げる冒険の数々をユニークな映像センスで描き出す.
主人公の少年役には本作が映画デビューのマックス・レコーズ.
本屋の絵本コーナーで良く見かけるこの原作.
絵本の絵のような世界に入り込めるかと期待していた.
結果として映像的にはトップ写真のような素晴らしい
絵本の様な世界に浸れることができた.
が、その内容は絵本とはほど遠く心に重い印象を残した.
父性を欠いた家庭で母や姉にかまってもらえない主人公は
母との喧嘩の上家出して、荒海を越え不思議な孤島に流れ着く.
混沌の森、淋しげな砂漠、暗闇の中の砂浜….
主人公の現実に対する不安や不満がそのまんま投影された心象風景.
そんな環境で自らに似たものを持つかいじゅうたちとの出会い.
それは自己顕示欲であったり、相いれない疏通の取れない悲しみ、
そして破壊願望….かいじゅうたちの問題に直面しながら
自らの問題に対峙していく少年.
そして少年は母の元へ帰る事を決意してかいじゅうたちに別れを告げる.
なんだか少年期の悩みの解決物語みたいにきな臭いのだけど、
けっしてこの作品の中に解は示されない…と感じた.
素晴らしい映像と、ホッとするCGではない着ぐるみのかいじゅうたち.
内容の深刻さとのアンマッチ感がなんとも…息苦しい印象の一作.
幼子といっしょに観て、かいじゅうたちのかわいらしさを
味あう分にはちょうどいいかな….
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