制作年:2015年 制作国:日本 上映時間:129分
日曜は朝から父の介護に.訪ねると寝床で本を読んでいた.相変わらず時代小説を
読みふけるのが好きな父.読書熱は冷めていないよう.趣味から離れていくのも
認知症の一症状と聞くが、この点ではまだ症状は進んでいないようだ.
その後、チバラキ自宅へ行き、郵便物や宅配便の処理を.トンボ帰りで川崎へ.
この日の“邦画を1100円で楽しむ友の会”は定常活動通りに邦画をチョイス.
本年累積116本目はやくざモノ?を観賞.
「ヌードの夜」「甘い鞭」の石井隆監督による1995年のバイオレンス・エンタテインメント
「GONIN」の19年ぶりとなる続編.19年前の大越組襲撃事件の当事者たちの息子世代を
中心に繰り広げられる新たな死闘の行方を描く.
主演は「クローズEXPLODE」「寄生獣」の東出昌大.
共演に桐谷健太、土屋アンナ、柄本佑、安藤政信、テリー伊藤、鶴見辰吾他.
五誠会系大越組襲撃事件から19年.大越組若頭で、襲撃の際に命を落とした
久松の息子・勇人は、母・安恵を支えながらまっとうな人生を送ろうとしていた.
その幼なじみで大越組長の遺児・大輔は、五誠会の三代目・誠司のボディーガードを
しながらも大越組の再興を夢見ていた.そんなある日、富田と名乗るルポライターが
19年前の事件を追って勇人の前に現われる.
いっぽう大輔は、暗い過去を抱え五誠会に囲われている元アイ ドルの麻美と心を
通わせていく.やがて彼らは五誠会への恨みを共有すると、それを晴らすべく
互いに手を組み立ち上がるが….
以上は<allcinema>から転載.
--------------------------------------
前作「GONIN」は未見.本作の冒頭にその前作のあらすじを説明はしてくれるが
そのやり方はぞんざいで人に判らせようという代物では無かった.不親切の一言.
なんだか、前作の子供たちのその後を描いている事だけはなんとかわかる.
若い役者たちの息遣いが伝わるような瑞々しさは伝わってくる.
東出昌大や桐谷健太、柄本佑、いずれも当代期待の若者役者たちだ.
比して悪者…やくざ連中を演ずる役者たちの古典的悪玉の演技がその対比を
面白くさせる効果を生んでいる.特殊なのは前作からの生き残りを演ずる
竹中直人と根津甚八、どちらも肉体的にはボロボロ状態で生への執念だけで
ギラギラした状態の役柄.チャラけてない竹中の演技は久しぶり(苦笑).
石井隆監督らしいのは音楽の使い方.1995年あたりに流行った歌を効果的に使う.
ちあきなおみの「紅い花」、森田童子の「ラスト・ワルツ」.そして、なんと土屋アンナに
「ROSE」まで、劇中で歌わせた…この「ROSE」は副長普段使いの i-Pod にも収録されている
土屋アンナ唯一のヒットロック曲.大好きな曲.
「Glomorous Sky」と共に副長のカラオケ愛唱歌でもある(笑).
その土屋アンナも本作ではキーの一人.“GONIN” の中の一人でもある.
艶っぽく、ただれていて、良い感じの堕落具合を上手く演ずる.適役だ.
その父親役;佐藤浩市もカメオ出演したりもする.
やくざ業でのそれなりの倫理観やすたれつつある仁義の世界とそれに引きずられ、
巻き込まれる市井の人々の生活が猛々しく描かれている作品.
それなりの楽しみ方はあるもの.
予告で多用されていたテーマ曲の出来はすごく良くて、本作ではラストにしか
使われないのは凄くもったいない気がした.音楽担当は安川午朗.
.