原題: THE RITE 製作年度: 2011年 製作国: アメリカ 上映時間: 114分
GWといっても普通の週末と同じにすごしている.
父と食事のあとに通いのシネコンで本年45本目の鑑賞.
観たい作品は沢山有るのだけど、大好きな役者、
アンソニー・ホプキンスの最新作を選んだ.
バチカンで実際に行われている悪魔払いの儀式とそれを行うエクソシストをテーマに、
ひとりのアメリカ人青年が優秀なエクソシストの神父のもとで修行にあたる過程で
直面する戦慄の恐怖を描くサスペンス・ホラー.
主演は「羊たちの沈黙」「ハンニバル」のアンソニー・ホプキンスと
アイルランド出身の若手コリン・ オドナヒュー.
監督は「1408号室」のミカエル・ハフストローム.
神学校の卒業を目前にしながらも司祭の道に進むつもりのない神学生マイケル
(コリン・ オドナヒュー)だったが、恩師の神父からバチカンで行われている
エクソシスト養成講座の受講を勧められ、ローマへとやって来る.
講座に出ても懐疑的な態度に終始するマイ ケルは、異端だが一流のエクソシストと
讃えられるルーカス神父(アンソニー・ホプキンス)を紹介される.
さっそくルーカス神父のもとを訪れたマイケルは、16歳の少女の悪魔払いの儀式に
立ち会うことに。少女の異変を目の当たりにしながらも、最初は精神的な病気として
解釈できると考えていたマイケルだったが….
ホラー系、オカルト系は苦手なのだけど…、アンソニー・ホプキンスだからと観たら、
全くの肩すかし…ホラーでもオカルトでもなかった.
冒頭にローマ教皇ヨハネ・パウロ2世の言葉として「悪魔との戦いは今も続いている」
という言葉がタイトルバックに出てくる.これは実話に基づく…とも表示される.
極めて真面目に作られた、グロ抜き、ホラー無しのミステリーの感あり.
キリスト教最大の教派カトリックが、改めて悪魔と対峙せよとうながすのはショッキング.
エクソシストという職業はバチカンにおける正式な職業.現時点では米には14名居るそう.
その養成講座も存在する.信仰に懐疑的な主人公マイケルはその講座を受ける.
そう、この物語は主人公が懐疑的だった信仰を自らのものにしていく過程を描いたもの.
悪魔の存在を否定して、憑依された状態を精神的疾患と理解しようとするなかで、
その悪魔の存在を知らしめられる事から、その反対側の神の存在をも理解しいく….
極めて、アメリカのカソリック信仰の礎みたいな…内容.
無神論者の日本人代表の副長にはちょい違和感があり、完全同化、同意はできない.
アンソニー・ホプキンスは今回は極めて人間的な演技.
憧れ?のスーパー犯罪者レクター教授の面影は微塵もない….
患者(憑依者)に同情し、助けられないとクヨクヨ悩み、傷つく.
そして最後には自ら悪魔に憑依されてしまい….
やっぱり、彼は天才犯罪者の役作りの方が似合うなぁ.
毒も悪魔も飲み込んだような
アンソニー・ホプキンスが好き….
期待と違ったアンソニー・ホプキンスの演技にはちょっと感心したけど、
副長の無神論者的精神構造がついてなかった残念な作品.
敬虔なクリスチャンにはお勧め???
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[副長日誌補足]
凄い大事な事を書き忘れていた….
ルーカス神父(アンソニー・ホプキンス)の自宅はローマ郊外の朽ち果てた建屋.
なんと、これが猫屋敷…!!
庭には数匹の猫が常時たむろしているし、当然室内まで侵入する輩も….
これがアンソニー・ホプキンスのルーカス神父と付かず離れずの関係.
猫は悪魔の使い?と言う扱いではなく、ニュートラルに出てくる.
愛らしい猫のシーンも多く、猫好きには嬉しい扱い….
こんな楽しみもある作品でした.
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