原題:BLACK MASS
製作年:2015年 製作国:アメリカ 上映時間:123分
土曜は朝から自らの循環器の定期検診.結果は高値安定のまま、
あまり代わり映え無し.ただ、体重が減ってきているのが嬉しい.
その後は父の介護へ.今日は介護用品の検査の立ち会い.
歩行器やベッド脇の手すりを2割負担のレンタル使用している.
その定期点検をしてもらう.
またまた歩行器のキーが行方不明…何もかも無くしてしまう父に呆れ気味….
その後の空いた時間を、柏の葉のシネコンで過ごす….本年14本目の鑑賞は実話モノ.
「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズ、「ローン・レンジャー」の
ジョニー・デップが、FBIの最重要指名手配犯となった実在する伝説のギャング、
ジェームズ・“ホワイティ”・バルジャーを体当たりで熱演し評判を呼んだ衝撃の
実録犯罪ドラマ.
ボストンを舞台に、極悪非道なバルジャーとFBI捜査官の間で交わされた
禁断の密約の実態と、次第に狂気が暴走していくバルジャーが手を染めた
恐るべき悪行の数々を描き出す.
共演はジョエル・エドガートン、ベネディクト・カンバーバッチ.
監督は「クレイジー・ハート」「ファーナス/訣別の朝」のスコット・クーパー.
1975年、サウスボストン.アイリッシュ系ギャングのボス、ジェームズ・バルジャー
は、イタリア系マフィアと激しい抗争を繰り広げていた.
一方、弟のビリーは、州の有力政治家として活躍していた.そこに、バルジャーの
幼なじみジョン・コノリーがFBI捜査官となって戻ってきた.
折しもFBIはイタリア系マフィアの掃討を目標に掲げており、功名心にはやる
コノリーは、バルジャーにある提案を持ちかける.それは、バルジャーが
FBIの情報屋となり敵の情報を流す代わりに、FBIは彼の犯罪を見逃す、
という驚愕の密約だったのだが….
以上は<allcinema>から転載.
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血の繋がりや供に生まれ育った土地の縁が法や秩序をもしのぐという
本作の底辺に流れる論理が基となって話のスジは流れて行く.
イタリア系マフィアによくある流れだと思うが、本ケースはそれに対する
アイリッシュ系が描かれる.日本には馴染みが少ないが、人種のるつぼである
アメリカではよくある事なのかもしれない.
話中においても、ジョニー・デップ演ずるバルジャーが北アイルランド独立運動の
IRAへの武器支援に熱心な様子が盛んに出てくるのも、当時のアイルランド紛争の
流れの一端を見るようで興味深いものがあった.
日本の公開戦略ではジョエル・エドガートン、ベネディクト・カンバーバッチの
3枚看板なのだけど、やはり本作はジョニデ主演作であろう.
さて、その主役のジョニー・デップについて.特殊メイクという禿げあがった
顔つきはなんとも不気味さを誘う.迫力有り過ぎであろう.
抑えたセリフ回しもなにか過去の作品で見た様な既視感がある.
そう、新鮮味が無いのだ.
ジョエル・エドガートンはとにもかくにもその悪趣味なスーツだけしか
印象に残らない.極めてアメリカ的な大柄のストライプが多く、その体型も含めて
下品以外の何ものでもない.
他の出演者はそうでもなかったから、演出上のものであろう.
そう、生まれ育ちを言い訳に、悪:バルジャーと結託してその悪行を見逃す
だけでなく、もみ消しにも協力する.法の元の正義の味方であるべきFBIの
この有り様は目を覆うばかり.
一方、バルシャーの弟役を演ずるベネディクト・カンバーバッチは出番はそう
多くなく、作品の中では印象は薄い.州知事を務めるスマートな政治家…
兄との目立った悪行は出て来ない.が、血の繋がりからの濃い肉親愛の表現は
確実に伝わる演技.
対して、ジョニー・デップの演技が重厚さを装いながらも、浮ついて
見えてしまうのが残念.追求を受け助けを請いにくるFBI捜査官ジョエル・エドガートン
との対面シーンはカンバーパッチの演技の上品さが溢れでている…英国的演技の
神髄なのだが、本作での使い方が正しかったかは疑問に思える.
バルジャー;ジョニー・デップが逃走する所で作品は終わるが、その後のテロップで
3人の去就が語られる…その内容は重すぎて、テロップだけで語るのははたして
充分なのかと思われる.
最後の作品の味付けなのだからもうすこし気を配ってもいいのではないかと思う.
70年代のロックを中心の音楽を配置、違和感がないのは同じ時代を生きてきた
副長の世代だからか?
ジョニデの特殊禿げメイクとジョエルの悪趣味スーツの印象しか残らなかった作品.
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