Yahooブログ終了に伴う難民です.引越してきました.
アンソニー・ホプキンスが観たくて日曜の午後,
いつもとは違う,遠い映画館へ.
この映画あんまり演ってないよね.
好い感じのじいさんだよね,
今のアンソニー・ホプキンスって.
「羊たちの沈黙」辺りで凄く好きになった.
知的でエネルギッシュで,静かでエロくて(笑)…
こんなじじいになりたい.
“ちょい悪”くらいじゃ済まない
油断ならぬ感じ…がいいなぁ.
で,この映画ではちっとも悪くない主人公を演ずる.
60 歳を超えてもライダーとしての夢を追い続けた実在の人物、
バート・マンローをモデルに作られたドラマ.
誰にも期待されていなかった年老いたライダーが、
40年も前のバイク“インディアン”を駆って
世界最速記録を更新するまでの紆余曲折を見せる.
アンソニー・ホプキンスが、風変わりだが愛すべき老人
を堂々と演じる.夢を追い続けることの素晴らしさや、
人生を楽しむコツが随所に散りばめられている.
主人公も良き人なら,周囲の人達ちもまた善意の人ばかり.
ニュージーランドから主人公が好意の借金で
ようやく渡航費を得て,
ライダーの聖地アメリカのボンヌヴィルまで
たどり着くまでも善意の人たちにあたたかく守られる.
ああぁ,この世の中こんな善意の人たちばかりなら
何の苦労もないけどね….脚色したにしても実話が
題材だ,ちょい昔はこんな良い時代だっただろうか?
良い気持ちのままクライマックスでは思わず
手を握って主人公を応援してしまう.
ほら,がんばれ!じいさんっ!!
最期にバイクは倒れ,アンソニーホプキンスは
足を黒こげにして大の字になってしまう.
だが,なんと満足そうな顔.いい顔,好い演技だ.
技術やスピードに対する情熱や偏執さ(?)が
故本田宗一郎に似ていると,ホンダOBがこの映画
を観たという.たしかに通じるものがあるのかも.
好きなことを追求する情熱,こだわり,
そして人生を楽しむ術….それは友や恋….
自分の中にもある同じような血がすこしたぎった.
気持ちのいい映画だった.
日曜のぽっとした午後,ふと観てしまった.
アメリカ映画の王道.
概してアメリカ映画は嫌いなのだけど
これには感服.一流のエンターテーメント.
ミュージカル映画化のお手本のよう.
ちゃんとした脚本.
訓練された役者たち
一流の演奏者たち
大きな音響設備のきちんとした映画館で観るのが良いと思う.
最初の音の出だしが違った.家庭のオーディオでは限界があるだろう.
dts(ドルビー・テアトル・システム?)の効果あらたか
…今年観た映画の音が随分悪いことに
この映画の音を聞いて,いまさらながら気がついた.
物語は1960~70年代のモータウン・サウンドの話.
仲の良い3人組で結成した女性ボーカル・グループ“ドリーメッツ”が、
時代を象徴するスーパースター“ザ・ドリームス”になっていく様子
を描いたサクセスストーリーとその犠牲になっていく者たちへの鎮魂歌.
ついつい,実在のシュープリームスとダイアナ・ロスを
重ね合わせてしまう.主役のビョウンセ・ノウルズのコスチューム
や髪型もダイアナ・ロスまんまの気がする.
エディマーフィーの唄の上手いことに感心.
随分と練習したのであろうなぁ.
アカデミー賞助演女優賞にノミネートの驚異の歌唱力の
新人のジェニファー・ハドソンにも驚かされた.
こんな人がぽっと出てくるアメリカのショウビズ界の
層の厚さに驚く.
原作は、1981年にブロードウェイで幕を開けた伝説の同名ミュージカル.
実際にこんな素晴らしい唄を舞台で観れたら素敵だろうなぁ….