映画「リアム16歳、はじめての学校」…素敵な母子の関係.
原題:ADVENTURES IN PUBLIC SCHOOL
制昨年:2017年 制作国:カナダ 上映時間:86分
残業をしない水曜の夜、いそいそと柏のキネマ旬報シネマへ.
貯まったポイントでタダ観したのはカナダ作品.本年90本目の鑑賞.
過保護な母親のもとで幼い頃からずっとホームスクール(自宅教育)
を受けて育ったピュアで世間知らずな16歳の主人公が、義足の美少女に
一目惚れしたことから、同じ高校に通うべく初めての学園生活に挑む
姿をユーモラスに描いたハートウォーミング青春コメディ.
主演は「アレックス・ストレンジラブ」のダニエル・ドエニーと
「13ラブ30サーティン・ラブ・サーティ」のジュディ・グリア.
共演にシヴォーン・ウィリアムズ.
監督はカナダ出身の俳優で、監督としては本作が長編2作目となる
カイル・ライドアウト.
シングルマザーのクレアと2人暮らしの16歳の少年リアム. 過保護な
クレアによって幼い頃から学校には通わず、ずっと自宅で英才教育を
受けてきた.
ある日、大学受験に必要な高卒認定試験を受けるため初めて公立高校へ
とやって来たリアムは、そこで義足の美少女アナスタシア に出会い、
たちまち一目惚れ.
彼女に近づきたい一心で試験にわざと落ち、公立高校に通うことを決意する.
心配するクレアをよそに、アナスタシアのことはもちろん、 はじめての
学園生活で、はじめての友だちづくりにも意欲を燃やすリアムだったが….
以上は<allcinema>から転載.
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今時シングルマザーは珍しくもないのだけど、幼児期から子を
ずっと外部の施設に通わせず、16歳になるまで家庭内教育するのは
珍しい事例であろう.
母クレア(ジュディ・グリア)がなぜその道を選んだかは明らかにはされないが、
どうやら自らの公立学校時代の嫌な思い出に起因するよう.
1対1という特殊な環境下で育ったリアム(ダニエル・ドエニー)はしごく純粋な
少年に育っていて、そのノー天気な母親との関係も 陰湿な部分は微塵もなく、
素敵な母子関係が維持されている.
でもその甘い蜜月の関係は、リアムの初恋、ひとめぼれにより崩壊する.
なにせ純粋培養されたリアム、高卒認定試験の為に訪れた公立学校で
初めて見た義足の美少女アナスタシア(シヴォーン・ウィリアムズ)に
一目ぼれしてしまう.
そこで認定試験はやり過ごし、公立学校への入学をしてしまう.
これがまたいい加減な校長で、病欠?しているマリア(エヴァ・デイ)の
代わりにリアムを差し込んでしまう.ここがこの脚本のミソだね.
おかげで、リアムはマリアの授業コマにそのまま出席、ダンス授業では
抱腹絶倒のしぐさを魅せてくれる.そんなこんなで徐々に学校生活に馴染み、
友人も出来てくるリアム.
だんだんとリアムが親離れしていこうとするのに比して、母クレアは
なかなか子離れできない.この辺のじれったさの表現が秀逸.
明るい母子の生活にうっすら影がさす….
アナスタシアに彼氏が出来たり、一時は死んだとされたマリアが
戻ってきたりとドタバタする中に、ようやくリアムも本来の目的である
天文学者になるために高卒認定試験を合格し、英国の大学へ.
そこでようやく母クレアの子離れも一件落着….
明るい母子の関係の描き方が爽快.
特殊ではあるが、子の親離れ、親の子離れの成長譚の一作品.
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