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スマート・フォンこの頃



docomoのスマート・フォン “Galaxy-S”に切り替えて早や10日間.
すこぶる快調.
便利さと不便さの美味いマッチング状態.

思えば、ガラパゴス系携帯と i-mode の組み合わせって、
最高の使い勝手だった.いつでも片手でさっと出してピコピコ….

だから、癖になっていたんだね.ケータイ覗くのが.
街で見かける、ながらケータイ族や
ホームで電車にぶつかってしまう、ながらケータイ族って
みんな片手操作のガラパゴス携帯だよね.

スマート・フォンにしたら、そうはいかなくなった.
気軽に片手でピコピコ、ながらで操作できない.
結局、ながらは無くなったし、覗く回数も減って、
悪習慣が断ち切れた.

指も太いし、このGalaxy-Sのタッチパネルの感度はやたら良く、
直ぐに入力されちゃう….真剣に慎重に入力しないと…と
気が抜けない(笑).

ブラウザを開きっ放し、メールも開きっぱなし…にしていると
始終CPUは働いちゃうので、けっこう電池を喰う事が判明.
小まめに終了する癖がいやがおうにも身についた.
そうすると、かなり電池はもつ.

素のままで持ち歩いていたが、最近ソフトシェルタイプの
滑り止めカバーを装着.ついでにタッチ・パネル保護シートも.
ちゃんとストラップも取り付けられるのが i-phone との差異.
後発ならでは…だね.

韓国サムソン製のこのスマフォ、中身を見るとビスや接着だらけの
i-phoneに比べると、構造的にはスッキリしている.ビス数も圧倒的に少ない.
軽いし、強靱な構造になっている.でもガラパゴス系に比べりゃ
落下には弱いから、気をつけないとね.

なによりも、どこでもブラウジング出来るのが最高に便利.
かつて950gのネット・ブックとイーモバイルユニットを
持ち歩いていた事もあったが、もうおさらば.

どこでもgoogleでググれるのがほんとに便利.
もちろん自分のブログにもアクセスかんたん.
docomoだから電波状態が悪い所も少ないし、海外も安心.

まだまだ i-phone や soft-bank の電波状態の悪い場所は
意外に多い.娘夫婦(i-phone使用者)と旅をするとよく判る.
範囲と電波強度の面ではdocomoがやはり最強.
イーモバイルが最低.出張先で使えない事が多々あった.

今のところ、便利さが圧倒的に勝っているので満足の買い物.
だいたい、後悔する買い物は絶対しない副長デスから(笑).




映画「グリーン・ホーネット」…こんな3D要らないっ!!!



原題: THE GREEN HORNET  製作年度: 2010年 製作国: アメリカ    上映時間: 119分


2010年の映画興行収益は約2207億円で過去最高と報道されていた.
3Dが牽引しているとの分析だが、観客動員数の上位の話題作が3Dだったから
そう結びつけるのだろうけど、副長ははなはだ懐疑的.これは単なる一過性現象.

それよりも、マイナな良作を提供してくれていた単館が次々と閉館に
追い込まれている事が2010年の日本映画事情の深刻な問題と思う.
子供騙しの3Dに乗せられている場合じゃないと思う.

と、前フリが長いのだけど、問題はこの作品.
都心や大手シネコンでは3D上映しかしていない.地方では2D版があるとか?
上映開始から、3D高額料金ゆえ絶対に観ないと決めていた.

が、会員料金+400円で観られる小屋で観てしまった本年17本目.

往年の米TVシリーズ “グリーン・ホーネット”(ブルース・リーも出演していた)を
ミシェル・ゴンドリー監督が劇場長編としてリメイクしたアクション作品.
昼間は新聞社の社長を務める主人公が、夜には相棒と共にヒーロー“グリーン・ホーネット”
となり、ハイテクとメディアを駆使して悪党に立ち向かう姿を痛快に描く.

主演はセス・ローゲン.共演に助手役にジェイ・チョウ.
秘書約にキャメロン・ディアス、悪役ににク リストフ・ヴァルツ.

新聞社の若き社長ブリット・リイド(セス・ローゲン)は、夜になれば全身グリーンの
スーツとマスクで身を包み、グリーン・ホーネットとして街中の犯罪者と戦うヒーロー.
ハイテク装置満載の愛車を駆って相棒のカトー(ジェイ・チョウ)と共にギャングの支配者、
ベンジャミン・コドンフスキー(クリストフ・ヴァルツ)を追い詰めるのだが…….

さて、問題?の3Dについて.

やはりこの作品になんで3Dが必要なのだろうと思ってはいたが、やはり興行収入用途.
客を呼びたいが為なのですな.内容に3Dの必然性は無い.
しかもSONYによる後付け3D処理によるものだから立体感が不自然極まりない.

演芸会の舞台で背景の書割(かきわり)が奥、中、手前に3段階に置いてある様に
画面のバックが数種の位置に別れて見えるだけ.
おそらく、2D画面の背景部部分毎に割り付けをしてビットマップ情報を3D処理していくだけの
高速処理コンピューターでの産物.画面の立体感の自然さが全く無い.

そう、その昔モノクロ作品に無理くりに後付けで色を付けた総天然色映画みたいな不自然さ.
3D過渡期だからこういうのも出てきちゃうのだろう.
ほんとにアメリカではこんな3Dが受けるか?? 顧客を甘く見るなよ、SONY….

さて、作品内容に転じて….TV版のファンだった副長.まずテーマ曲が好きだった.
蜂の飛ぶ羽音を模したトランペットの吃音のテーマ曲は“グリーン・ホーネット”の特徴だった.
作品の途中でオマージュのようには出てくるのだけど、テーマ曲ではなく残念しごく.

ブルース・リー演ずるMrカトーの華麗で滑らかなアクションも
ジェイ・チョウの直線的なアクションに変ってしまっている.
名前の発音だって“Mr.ケイトー”だし….上海生まれの中国人という設定だし…?
ここでもブルース・リーはジェイ・チョウの書いたラフスケッチの中に
登場するが、テーマ曲と同じで、単なるオマージュ扱いでしかない.

そう、この作品は題名は同じでも、
TV版の“グリーン・ホーネット”とは全く別ものと思ってみた方がよい.

なにより一番違うのは、主人公ブリットのキャラクター.情けない程のお馬鹿キャラ.
セリフもアクションも役者の容姿的にも(笑).そういう脚本だからしょうがないのだけど….
そういう意味では、助手役のジェイ・チョウは主役以上に魅力がある.

キャメロン・ディアスにいたっては論外.
老いつつある肉体派、一見の知識だけをひらかす社会派、
どう観ても魅力的に見えない冴えないコスチューム….

最初にアクション作品と書いた気もするが、これはWeb引用の誤り、
これはコメディである.
しかも、“笑えない”という形容詞が付く.

意味の無い3Dでも付けなきゃ客が呼べない…というのは興行的理屈かもしれない.

ヒーローものと言う意味では、
同じシネコンで上映中だった「キック・アス」の方が100倍も上出来.
こちらをもう1回観た方がよほど気持ち良かったなぁ….



牛久カザマの “牡蠣フライ”




食べ物ネタが続いて恐縮デス.

外食はあまり好きでないと言いながらも、
ついつい宴会で外で食べている副長ですが、
この寒い冬の時期にはどうしてもこれを食べないと落ち着かない.

そう、牡蠣フライ.
この時期になると、トンカツ屋や洋食屋では定番料理.

肉厚のプックリした牡蠣をカラッと揚げたフライ.
これは家庭ではなかなか出来ない…やっぱり専門店で食べたい.

今週末は高校からの友人達と新宿で落語&宴会を兼ねた新年会の予定だった.
友人の都合と副長の花粉症最悪状態によりドタキャン.
チバラキに帰って医者へ通った.

通いの医者の近所にある、この地で人気のトンカツ屋「カザマ」へ.
お昼は、ランチと称して680~980円のお得なトンカツやフライ定食が
提供されている.牡蠣フライ定食880円也.

磯の香りも漂う様なたっぷりの汁を含んだアツアツの牡蠣フライ.
これはもう冬の定番お気に入り料理.

広島、松島と牡蠣の産地はあるが、ここは宮城産だそう.
生でも美味しい時期なのだけど、副長はフライが一番好き.
加熱の安心感と熱さと衣の味とのマッチ感かな.

今日のように5個登場すると…、
1個はレモン掛け、1個はソース掛け、1個はソース+マスタード、
残2個はタルタルソース掛けと、掛け物にうるさい(笑).

それぞれの美味しさがあると思う.
難しいのは、やはりタルタルソース.
酸味と甘みのバランス、ネギ含めた薬味の効き具合が微妙で
けっこう難しいソースと思う.

花粉症の症状って、副長の場合は風邪の症状そのものなのだけど、
違うのは2点.熱が出ないのと、食欲が減退しない(笑).
フラフラでも、バンバン食べれちゃう.

食べてても、そんなに歩いていなくても、花粉症は体力を消耗させるのか
体重が1.5kg減ってきた.これは好い傾向.

こんな事なら花粉症の症状が長続きすれば…、
いや、そんなの耐えられないっ!!


地下Bar“アルファ・クロス”のハンバーグ



な~んだ、副長の夕食はハンバーグかぁ….
ハイ、半分は当たってますが半分ハズレです.

今日は会社の先輩の定年のお祝い会.
なんと武蔵小杉駅近くの地下のバー“アルファ・クロス”での宴会.

たまには変わってていいか…なんていうのは送る側の言い分.
送られる方の気持ちは、はて?

でも、幹事さんの気配りでいい宴会だった.
主賓の話をゆっくり聞けたし、
主賓も楽しく時を過ごしてくれた.

なんと、同僚にマジックを趣味とする人が居て、
その場に在るモノでマジックを見せてくれた.
煙草が消えたり、耳から出てきたり、
ハンカチに包んだ100円玉が500円玉に変わったり….
拍手喝采あめあられだった…

ロックが流れる地下のバーでの定年お祝い会
なんとも不思議な雰囲気.
出てくる料理も、鳥唐はまだしも、
ナポリタンスパゲッティや写真のハンバーグまで….

このハンバーグ、この店のウリだそう.
じっくりオーブンで焼いた肉質はジューシーで柔らか.
中にはなんとタマゴの黄身入り.

これだけを食べに来てもいいかも….

今日の主賓は山好きの方.
昨年は中南米マチュピチュを観光バスではなく、
自分の足でトレッキングした強者.
定年後はなんとキリマンジェロ登頂を目指すと.

元気な60代、いつまでもその調子でっ!!



映画「完全なる報復」…米の司法制度はやはり馴染めないなぁ


原題: LAW ABIDING CITIZEN  製作年度: 2009年  製作国: アメリカ    上映時間: 108分


TOHO系シネコンのポイントが貯まったので、またもゼロ円での鑑賞.本年16本目.

愛する家族を奪われた主人公が、司法取引によって犯人が極刑を免れたことへの怒りを、
犯人ばかりか司法関係者、さらには司法制度そのものへと向け、
周到かつ壮絶な復讐劇を展開する戦慄のクライム・サスペンス.

主演は「300 <スリーハンドレッド>」のジェラルド・バトラー、
共演に「Ray/レイ」のジェイミー・フォックス.
監督は「交渉人」「ミニミニ大作戦」のF・ゲイ リー・グレイ.

クライド(ジェラルド・バトラー)は自宅に押し入った強盗に妻と娘を殺害され、
自身も刺されて重傷を負う.犯人二人は逮捕されたものの、フィラデルフィア 随一の
有罪率を誇る敏腕検事ニック(ジェイミー・フォックス)は確実に有罪にするため
司法取引を持ちかけ、結果主犯格の男が数年の禁固刑で済んでしまう.

到底納得のいかないクライドだったが、彼にはどうすることも出来なかっ た.
それから10年後、彼の関係者への、いや司法制度自体に対する“復讐”が始まる….


“司法取引”は日本の司法制度にはなじみのない制度.
確実な受刑を獲得するために、いわば被疑者と司法が“裏取引”をする….
裁判での勝利を重視するばかりに、事件自体の被害者の気持ちをないがしろに
してしまう危険をももちあわせる.

この作品のケースはまさにそのもの.二人の容疑者のうち、一人は死刑となるが、
もう一人の首謀者(まさに妻子を殺した張本人)は巧みに司法取引でたった3年の禁固で
世の中に出てきてしまう….

まさにアメリカの司法の問題を感情面から追い求めるストーリー.
主人公への十分な同情の念は生ずるけど、その残虐な手段と司法関係者への
手段…そうやはりテロリズムでの応酬にはへきへきとするものがある.

ネタ的には最初から犯人を名乗るような犯行手口で逮捕、監禁されてから、
復讐が始まるという、逆密室殺人のケース.どこかの犯罪小説に在ったような気がする.
容疑者は独房に居るのに、着々と復讐の殺人が進行する恐怖.

最後の性急なネタばれと、敏腕検事ニック(ジェイミー・フォックス)の改心?のシーンに
ちょっと拍子抜けの感あり.もう一つエンディングにトラップがあれば面白いのに….

サスペンスとしては佳作.司法制度への訴求という意味では今一つの感あり.



街中のネコシリーズ(チャチャの恋?)



この頃チャチャを見ないと書いたが、
今朝久しぶりに遭遇.

いつもとは全く違う場所…美術館脇のグラウンド前の道を横切っていた.
彼のねぐらの池沿いから数百mは離れている.

グラウンドの金網1m20cmによじ登って、
おそるおそる飛び降りたばかりの
写真がこれ.

「チャチャ~」と声をかけても
“ニャニャ”と小さい声を返すだけで
わが心此処に在らずの雰囲気….

ふとチャチャの目線の先を見たら…

居ました、居ました、女の仔.
いつもこの辺りで見かける艶のあるメス黒猫.

シャイで臆病、いつも副長からも逃げているので
写真に登場しない.



そうかぁ~♪
チャチャはこの仔を追いかけているので遠征しているんだね.

しばしのにらみ合い?(視線の交換)をかわしたら、
黒猫嬢はサッとグランドへ逃げて行った.

しばし、チャチャは副長の顔と彼女が走った方向を見比べて、
やおら彼女を追いかけて行った….

まだ寒いけど、チャチャは春なんだねぇ♪♪

がんばれ~!!




多摩川からの風景…黙祷



夕暮れ時のガス橋から.
東京大田区と神奈川川崎市をつなぐ橋.

昨日、前の職場から訃報のメールが着いた.
だいたい会社のメールは
仕事を持ってくるか、哀しい情報しか届けない….

かつて一緒に働いていた同僚が脳溢血で逝ってしまったと.
齢まだ50にも届かないのに….
過剰に働きでもしたのだろうか?

不幸なことに仕事が急いていて
通夜にも告別式にも行けぬ.
香典だけ知人に託した….

かつて一緒に製品を立ち上げたりした.
地味だけど、真面目な仕事をする男.
上司のウケが悪く、最近は意に沿わない仕事に従事していた.

若いときには山にも良く登ったという強健な男だったのに….



ガス橋の上からも夕景の富士山が見える.
霊峰富士に向かって、黙祷….

花粉症は酷いし、知人の通夜にも行けず、
気が腐ること著しい.

今夜もふて寝する…zzzz.

.


つまらない事アラカルト(行列のわけ)




先週末日曜日も朝から、神楽坂の
ギンレイホールは行列が出来ていた.
朝10時30分の開演の45分前で
こんな調子….

寒いから副長はマックの
珈琲持参(笑).

100円珈琲で30分我慢する.
だいたい15分前には入れてくれるからね.

先週の異常な混み方にはわけが有った.
通常2週間上映期間なのだけど、
ここ2週間は超マイナー作品だったから
1週間限定上映だった.
だから観客が集中したんだね.

この日曜はそんなに混まなかった.
8分の入り.それぐらいが丁度いいと思う.






今朝の等々力アリーナ風景.

野良ニャンズで混雑している.

今朝は通称“エサやりの母”の女性が早出で
エサを配っていた.

この日は総勢7匹が顔をそろえていた.


ふと、チャチャが居ない….
気になるなぁ.















日曜の夜に作りすぎた
クリームシチュー.

今夕は冷凍したハンバーグを
オーブントースターで焼いて中に投入!

こういう食べ方なら
茶色いシチューの方があうかも.








ついに本格的に花粉症が発症.

「三種の神器」が登場.

うがいクスリ、ティッシュ、マスク.

クスリはもうとうに2週間前から
「アレグラ」を投薬中.
今日みたいに症状が酷いと
天下の宝刀「セレスタミン」の
お世話にならないと….
これから約10ヶ月の苦行が始まる.



頭も回らず、息もできず、鼻水、涙は止まらず…、
暗い人生に没して、もう寝ます….
お休みなさいzzz.



映画「闇の列車、光の旅」…希望の旅、絶望の旅、その対比が痛い.


原題: SIN NOMBRE/WITHOUT NAME  製作年度: 2009年  
製作国: メキシコ/アメリカ    上映時間: 96分


ギンレイホールでの2本目は昨夏、観たくてたまらなかった作品がようやく登場.
珍しいメキシコ映画が本年15本目.なんだか今年は快調に飛ばして観てるなぁ.

少しでも良い生活を求めてアメリカを目指す中南米の不法移民を巡る過酷な現実を背景に、
移民を乗せた列車で運命的に出会った一組の若い男女が、苦難の旅路の中で
心を通わせていく切なくも美しい姿をリアルな眼差しで描き出していくヒューマン・ドラマ.

監督はこれが長編デビューとなる日系アメリカ 人のケイリー・ジョージ・フクナガ.
実際に列車の屋根で移民たちと一緒に危険な旅を経験するなど入念なリサーチを
基に本作を撮ったとのこと.主演にパウリナ・ガイタン、エドガール・フローレス.

サイラ(パウリナ・ガイタン)は、父と叔父とともにホンジュラスを出て自由の国アメリカを目指す.
3人はどうにかメキシコまでたどり着き、米国行きの列車の屋根に乗り込むことができる.
ほっとしたのもつかの間、ギャング一味のカスペル(エドガール・フローレス)らが、
移民たちから金品を巻き上げるために列 車に乗り込んで来て…….

南米映画だからと勝手に荒い映像、荒い内容と、いけないことだけど決めつけていた.
ところが、いきなり始まる素晴らしいカメラワーク.良くできたストーリーと丁寧な造りに
すっかり感心.日系の監督さんらしいが、とにかくていねいだ.

光の旅…希望にふくらむ旅の主役は少女サイラ.ホンジュラスからメキシコを経て
アメリカ合衆国に密入国しようとしている少女.危険をしのいで、ニュー ジャージー州に住む
叔母のもとへたどり着こうとしている.

もう一つの旅…闇の列車に絶望を見るのはギャング組織に追われる少年、カスペル.
少年は、少女の乗った貨車を襲撃中に組織の地区リーダーを殺してしまう.愛する女を
ふとした行き違いでリーダーが殺してしまい、その怨恨をもっていた.

この二人が同じ列車の背中、屋根の上に乗りメキシコを抜けてアメリカを目指す.
少女は父と叔父とつらい密行を続ける.少年は組織に追われる.
ふたりとも切羽詰まった環境にさらされたまま、列車は走り続ける.

二人の間には恋愛感情は生まれず、淡い信頼関係だけが築かれる.
だがふたりは、この“信頼”にすがって逃避行を続けるがその先には….

中南米の緊迫した側面がうまく映し出されている.掟に忠誠を誓う組織暴力のむごさ.
幼少時からの暴力との親和性、善悪の境界がまったく平和ボケの日本とは違う.
不法移民が負わされる理不尽なまでの苦しみ.列車に果物を投げる住民もいれば、
石を投げつける子供達も厳として存在する.

眼を背けたくなる現実をきちんと描いているのが素晴らしい.
みな希望の地がアメリカというのは少し釈然としないが、陸地続きだからねぇ….

希望を載せ走る列車、“アンストッパブル”の極悪列車(笑)となんと違う様相なことか.
忘れられない想い出の名作となった.





映画「ペルシャ猫を誰も知らない」…いつだって、音楽は自由の翼


原題: NO ONE KNOWS ABOUT PERSIAN CATS 製作年度: 2009年 
製作国: イラン    上映時間: 106分


今週末から、ギンレイホールはイラン映画、メキシコ映画と引き続きのマイナ作品シリーズ.
昨年の夏、単館上映で観たくてしょうがなかった2作品がやっと観られた.本年14本目.

「酔っぱらった馬の時間」「亀も空を飛ぶ」のクルド人 監督バフマン・ゴバディが、
初めてイランの首都テヘランを舞台に撮り上げた青春ドラマ.
反イスラム的との理由で西洋文化の規制が厳しいイランで、それでも 好きな音楽をやりたいと
当局の目をかいくぐりながらアンダーグラウンドに活動を続ける若者たちのリアルな実像を、
骨太な批判精神とユーモアとともに描き出 していく.

主演ネガル・シャガキ、アシュカン・クーシャンネジャード、共演にハメッド・ベータード

前作「ハーフムーン」がイラン当局の検閲を受けたり、
別の映画企画で撮影の許可が下りなかったことなどから、
ゴバディ監督は本作では許可を得ることなく危険なゲリラ撮影を敢行、その後はイランを離れ、
海外での生活を余儀なくされている.また出演者のほとんどは実在のミュージシャンたちで、
主役の2人も撮影終了4時間後にはイランを離れ、ロンドンで新たな音楽人生をおくっているらしい.

インディ・ロックを愛するミュージシャ ンのカップル、ベガルとアシュカン.
しかしアシュカンは、無許可で演奏したとの理由で逮捕され、ようやく釈放されたばかり.
2人はテヘランでの活動を諦め、海外への出国を決意する.

そこで、違法なパスポートやビザを手配してもらうため、音楽のためなら何でも協力するという
便利屋ナデルのもとを訪ねる.2人の才能に惚れ込んだナデルは、出国前に当局の許可を取り付け、
彼らの念願だったアルバム制作とコンサートを実現させてやると約束する.
そしてバンドメンバーを探すべく、様々な場所でアンダーグラウンドに活動を続けている
ミュージシャンたちを訪ねて廻るのだったが….


題名の“ペルシャ猫”はその昔ペルシャと呼ばれた国、イラン自身を指す.
ペルシャ猫自体が本国ではよく知られず、欧米アジアでもてはやされていた事も
重ねて、ひねった題名.邦題も原題通りの訳でなかなか洒落た題.

西洋文化を禁止する厳格なイスラム国家イランでコンサートを行ったり、CDを出したりするには、
「イスラム文化指導省」という省庁の許可が必要.最近は許可される音楽ジャンルの幅は広がったが、
歌詞が厳しく審査される傾向にあるという.

そんな環境であると当然大衆の求める音楽は地下へもぐる.
驚かされるのはこの作品に出てくるアンダーグラウンド音楽の豊かさ.
ロック、フォーク・ロック、リズム&ブルース、ヘヴィメタル、ラップまで….

ペルシャ語ラップのHichkas,ヒッチキャスはその歌詞の過激さも含め面白かった.
ラップ嫌いの副長がうなる程の出来.今もイランで活躍中らしい.

もう一つ気になったのは、VAHDATイラン伝統の民族音楽風女性二人のボーカルグループ.
哀愁をおびた音色と哀しい歌詞が印象的.
こんな曲を自宅でCDをかけたら、瞬く間に自宅がペルシャ(笑).

数多く出てくるミュージシャンの音楽自体は楽しいのだが、やはりゲリラ的な撮影は
冗長で退屈する.ストーリー的にも主人公達のパスポートとヴィザの手配の話に終始するし、
その割には唐突的なエンディングで、気を抜かれてしまう.

イランの生活、音楽状況を描いたイラン発の作品としては貴重と思うが、
作品を客観的に観ると、そう面白くもない.

サウンドトラックCDが素敵かもしれない….