映画「告白」(DVD観賞)…暗い結末にため息.
原題:Go Back
製作年:2020年 製作国:韓国 上映時間:100分
またまた韓国ノワールの世界を覗いて観る…レンタル屋から借りだしたのは
児童虐待をテーマの作品.本年度累積45本目の鑑賞.
女児誘拐事件と犯人からの無謀な要求と、その捜査を描いたサスペンススリラー.
韓国で誘拐事件が発生。犯人からの声明は、国民1人につき身代金1000ウォン
を集め、合計1億ウォンにならなければ誘拐した女児を殺害するという衝撃的
なものだった.
誘拐当日の早朝、女性警官ジウォンは公園で女児を連れた不審な女性オスン
と遭遇していた.オスンについて調査を進めていくジウォンだったが…….
ドラマ「賢い医師生活」のハ・ユンギョンが警官ジウォン、「ミッドナイト・ランナー」
のパク・ハソンがオスンを演じた.
「のむコレ'21」(2021年10月22日~/東京・シネマート新宿、
大阪・シネマート心斎橋)上映作品.
以上は《映画.COM》から転載.
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広報活動で警察の看板となっている婦人警官ジウォン:パク・ハソンが、日課の
ジョギングの際に公園で袖口に血をつけて座り込む女性オスン:ハ・tユンギョン
と遭遇し巻き起こっていく行くストーリー.
国民が1人1000ウォンを児童福祉局に振り込み合計1億ウォンになったら女児を
釈放するという声明の誘拐事件が発生するのだが、そこに関しては余り触れずに、
ストーリーとしては父親からの虐待が疑われる女児と、児童福祉センター職員の
女性と公園で会った女性のことが気になる婦人警官のその後をみせて行く展開.
児童虐待は別に韓国だけの問題では無く日本も全く同じ問題を抱える.
権限が無く踏み込めない児童福祉センター、確証が無いと動けない警察権力.
本作も少女:ボラが駄目父親に虐待を受けながらも誰も救えない状況が描かれる.
早い段階に救えないと、スパイラルから抜け出せない.虐待をする親は同じ境遇を
背負ってきている.虐待される子供は心に深い傷を持ち、もし生き伸びることが
出来ても、また自分も同じこと(虐待)を繰り返す.
社会福祉で働くオスン、婦人警官ジウォンも暗い過去を背負っていた.
オスンは仕事以上の感情を少女ボラに持ってしまうのも自分の父親からの
虐待と重ね見てしまったのだろう.
ジウォンはいじめられた過去を乗り越えそれを無くそうと警官を志したという逞しさ
を見せる.でも、やはり困っている人を見ると仕事以上の行動に出てしまう….
子供は親を選べない. どこの国も同じ様な境遇の子供たちが大勢いる.
命を落とす子供もいれば、大人になって、親になって負の連鎖を繰り返して
しまう人もいる.
誘拐事件の脅迫文は手書きであった.筆跡はオスンのものでは無かった.
ボラは習字の上手い子だった….父を殺してしまったオスンとボラの関係は
暗く、深い闇にある. 題名の「告白」の衝撃は、オスンのものではなく、
少女のボラのものだったとは….ショッキングな顛末にため息のみ.
やはり韓国ノワールだなぁ.
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