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「いつも心に」 樹木希林 キネマ旬報社

樹木希林いつも心に

キネマ旬報ムック
「いつも心に」樹木希林
〜一人の役者の咲きざま、死にざま〜

本屋ではなく、映画館で買った書籍.

映画人や脚本家、作家との対談や
サンデー毎日に連載していたエッセイ、
そして著名人の追悼文で、
悠木千帆と樹木希林を描き出す1冊.

人はだれも変化していく、
古い書き物と最近のものでは、
スタイルや内容が変化している.

最近の洒脱な文章、
乾いた思想の見事さはどうだ.

自分が75歳になって、
こんな文が書けたらいいなぁ.

そこまで生きられるかが、
先決かもしれない….






「浮世の画家」 カズオ・イシグロ

浮世の画家01


珍しく読書録を.
事の発端は2週間前の、NHKの番組、日曜美術館だった.
この3月末に公開予定のドラマ「浮世の画家」の特集だった.

主役に渡辺謙を配する8Kドラマ.なんとこのドラマの為に新進画家たちに
3枚の画を描かせたという.その画の作成場面を中心にドラマの紹介だったのだが、
この3枚の出来が素晴らしかった….

こんな画が出てくる画家の物語の原作に興味をもったしだい.
原作者はカズオ・イシグロ、今を時めく英国在住のノーベル賞作家だ.
彼の長編小説第2作らしい.初期作品ということか、出世作だそう.

もちろんオリジナルは英語で書かれ、日本では翻訳本.訳者は飛田茂雄.

舞台は意外なことに、戦後間もない日本なのだ.
同氏の印象はまったく日本語を話さない、英国生まれの英国育ちの作家の印象だった.
が、本作は細かい日本の戦後の原風景の描写も含めて、描かれていたのは、
まさに「日本」であった.

---------以下は本書の裏書から転載--------

戦時中、日本精神を鼓舞する作風で名を成した画家の小野.
多くの弟子に囲まれ、大いに尊敬を集める地位にあったが、
終戦を迎えたとたん周囲の眼は冷たくなった.

弟子や義理の息子からはそしりを受け、末娘の縁談は進まない.
小野は引退し、屋敷に籠りがちに.

自分の画業のせいなのか…….
老画家は過去を回想しながら、みずからが貫いてきた信念と
新しい価値観のはざまに揺れる.

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日曜美術館では、本作の小野を藤田嗣治に当てはめていた.
戦中の戦争画作成について、戦争責任を問われGHQに追及された藤田.
最終的には訴追は逃れたが、画界をはじめ世間の眼の批判は本作と
同じ環境であったのかもしれない.

そんなじくちたる気持ちの吐露が見え隠れする本書を読みながら、
藤田の気持ちを想い、算じてしまった….

藤田は祖国を捨て、フランスへ帰化して二度と日本へは戻ってこなかった.
さて、本書の主人公の小野は…?

ドラマの地上波放映は3/30(土)の夜.名優渡辺謙の演技とくと見させてもらおう.
出てくる3枚の女性を描いた画もまた見事です.




「旅屋 おかえり」原田マハ


《スマホ投稿》

そろそろスマホ投稿にも疲れてきたなぁ.
通信費も先月は1Gbites、1000円も余計に
掛かってしまった.

さて、ブロ友:guchiさんから教わった
「キネマの神様」から始まった、原田マハの
マイブーム、底ぬけのスピードで読みまくっている.

「ジヴェルニーの食卓」や「楽園のカンヴァス」
といった美術ネタの作品も興味深いのだが、
やはりこの人の持ち味は女性目線の人情話し
の方が生き生きしていると思う.


さて、そこで「旅屋 おかえり」.

売れないアラサータレント「おかえり」こと
丘えりか.唯一のレギュラー番組がまさかの
打切り….

依頼人の願いを叶える「旅代理人」を始めることに.

もう一度見たいあの風景、
もう二度と帰れない故郷.
事情を抱えた依頼人のため、「おかえり」こと
丘えりかが日本各地へ向かう….

以上は本帯から転載.
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原田マハは泣かせるツボを心得きっている.
ここで泣かしてやろう…という部分で、
しっかり泣かされてしまう.

ある意味では、物語性が高く、映像向きなのかもしれない.「キネマの神様」なんてまるで映画向きのネタだと思う.

本作も起承転結がはっきりしているし、
最後の大団円まで、一気通貫の筋書きが
徹底している.

人が旅をする目的は色々あるだろう.
その旅先での人との触れ合いや交歓はこのうえ
ない喜びであり、またそれを持ち帰って話し聞かせる人が居るということは素晴らしい….

そして、その人に「おかえり」と言ってもらえる喜びを持つ幸せはなにものにも代えられない.

そんな喜びと穏やかならない人生の機微を
見事に書き切っている作品.

まだ、このシリーズを読んでいこうかな….



「名画のネコはなんでも知っている」


《スマホ投稿》

先日のお祝い会時に、在仏OBでブロ友でもある
豊栄のぼるさんから本を頂戴した。

「名画のネコはなんでも知っている」井出洋一郎作。

猫好きで洋画好きの副長をよく知る人で、
とても嬉しい贈り物!

表紙はこの前来日していたルノワールの作品ですな♪

絵画に描かれたネコのエピソードとその画家に
ついてのエッセイ集。

毎夜、原田マハと交互に1エピソードづつ楽しんでいる。

観たことがない絵画も多く、現物が観たいという
欲望もまたまた膨らんでいく…。


さて、まだ絵画に描かれた事はないこの仔。



いずれ、娘に描いてもらおうかなぁ…。



「東京映画館」映画とコーヒーのある1日



最近のお気にいり本、というか
キネマ旬報社のムック本.

東京にある映画館と近傍のお洒落なカフェを
写真で解説してくれる.

表紙は、女優の門脇麦と名画座ギンレイホール.
この表紙を観て購入してしまった?(笑).

東京都内の大中小の映画館が記載され、
副長が訪れたことのない小屋もいくつか….

カフェの章はあまり興味がないのだけど、
ところどころに映画通の想い出話しは興味深いし、
キネカ大森でもぎり嬢をしていたという
女優片桐はいりのエッセイも爆笑.

片桐は今でも暇なときは、
もぎりの応援に入っちゃうとか?
大森在住だから出来ることか?


最近気になる女優の門脇麦.
なんだか馴染みのギンレイホール内での
撮影シーンにはビックリ….



確かに小屋内はレンガ造りが残っていて
ノスタルジックなんだけどね.



さて、今日金曜日はギンレイホール
近頃恒例のオールナイト上映.

夜の23時から朝の05時まで.
今夜はウディ・アレン作品3本.

いずれの作品も未見ゆえ副長も参加の予定.
パスポートあるからタダだし、入場整理券もゲット済み.

コウはまたしても一晩のお留守番(笑).

さて、お昼寝もして体力充分.
オールナイトへGOGO!!