映画「ギャロップ」…これぞ仏人の恋愛!
原題:AU Galop 製作年度:2012年 製作国:フランス 上映時間:95分
復路のB787の機内上映で観たのはマイナーなフランス作品.
どう探しても国内の作品情報が検索できず、日本公開は無いのかもしれない
本年61本目の鑑賞はフランス人らしい恋愛モノ.
監督:Louis Do de Lencquesaing
出演:Marthe Keller,Valentina Cervi, Alice de Lecquesaing,Bernard Veriey,
Louis Do de Lencquesaing
順調な人生を歩んできたアダ.パートナーとの間には子供が生まれ、まもなく籍も
入れることになっている.誰が見ても幸せな人生だし、自分でもそう思っている.
ポールに出会うまでは….ポールは作家で、一緒に暮らす娘が一人いる.
ポールの母親といえば、おせっかいで独りよがりな性格の持ち主.
そしてポールとアダとの関係がいよいよ親密になってきたその矢先、ポールの父親が亡くなる.
関係は急展開.すべてが今この時を待っていたかのように、時計は回り始める.
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いかにもフランス人の恋愛事情を物語る作品.
人生そのものが愛…なんだよね、フランス人って.
たとえ相手が既婚だろうと、婚約したパートナーが居ようと、
好きになってしまえば、その愛はまっしぐらに突っ走る.
近例で言うならば、フランソワ・オランド大統領が事実婚のパートナーで
大統領就任以来「ファーストレディー」を務めていたバレリー・トリルベレール
との関係を解消し、女優のジュリー・ガイエと“お付き合い”してるとか….
これがマスコミ含めフランス世間一般に認められちゃうくらい自由恋愛の国なのだ.
正式離婚したかよく分からない関係の作家ポール(M.ケラー)はたしかに魅力的.
お腹も出た単なる中年オヤジだが、渋い魅力がある…ように私には見えた.
婚約者と間に4歳の可愛い娘がいるアダ(V.セルビィ)もまた魅力的な
30代後半のワーキング・ウーマン.
ふとした出会いから二人は猛烈な恋愛状態に陥る.
愛に燃える作家は勢いがついて仕事する.
その書き上げた原稿をアダが読み上げるシーンが印象的.
少年が主人公で、馬が出てくる、
活き活きとした表現で馬と少年がギャロップするさまの表現が清々しい。
詩のようでフランス語の響きが極めて耳に心地よい名文.
原題の由来はこれから来るものと思う.
これを読みながらのアダがまたポールへの愛を募らせる姿が愛らしい….
この二人の間にもまた子供が出来て、婚約者との間にいざこざが発生する.
一度は元・婚約者と4歳の娘の処に戻ろうとするアダの姿が描かれ作品は終了するが、
このあと、アダは絶対にポールの元に戻ってくることを観客に確信させる造り.
あぁ、フランス人の恋愛は理解不能…(笑).
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