濃厚オレンジーナ フー、なんだか蒸し暑い….会社が省エネに血道を上げるものだから、28度になるまでクーラーが効かない….いつもは熱いほうじ茶かブラック珈琲なのだけど、ついつい冷たい飲み物へ走りがち.会社の自販機で見つけた「オレンジーナ・ビター・オレンジ」缶入り、微炭酸、果汁24%.シュワシュワの中にも、しっかりした苦めのオレンジ味が存在感を訴える.うん、これは仕事がはかどるかも….[副長日誌補足]皆様、申し訳ありません.本品自販機限定販売品でした.お探しの際は、自販機を…(笑)..
三麺記事(らーめんとその店構え) JR品川駅の北口に「品達」と称するらーめん村が在る.品川で飲んだりなんかすると、ついつい寄っちゃうんだね.いくつもの中から、もっともプレーンな「せたが屋」を選ぶ.デフォルトともいうべき“せたが屋らーめん”香り良い濃い目の醤油味.煮干し中心の魚介系スープ.重たすぎず軽すぎずジャストの味.さらした刻み玉ねぎとの相性も良い.ぷりっとした中太麺はボリュームもあり歯触りが好い.炙りチャーシューのボリューム感と香ばしさはなかなかのモノ.720円はリーズナブルな価格.今日の日経ニュースで、「せたが屋」を吉野家HDが買収したそう.好い買い物したね♪続いて、通っている事業所近くの「太郎ラーメン」.見るからに怪しげ…残業後に、初めて入ってみた.メニュウ上に目が付いた“太郎ちゃんぽん麺”をオーダー.嫌な予感はしていたのだけど、やはり….野菜炒めあんかけらーめんだった.関東で“ちゃんぽん”というと、なぜかあんかけになっちゃう….馬鹿か!!ちゃんぽんを馬鹿にするでないっ!スープも鶏ガラ、醤油味.麺は中太だが、チャンポン麺とは似ても似つかないモノ.750円返せっ!!!台湾系架橋経営の店らしいが、記憶の彼方に吹っ飛ばすので、もう関係なし.口直しに…、副長自宅近所の「いっとく」にてデフォルトの“いっとくラーメン”鶏ガラと煮干し系のスープ、あっさり目の醤油味.コシの強い中太麺は麺自身の味が濃い感じ.味の染みたシナチク、あっさり塩味のほうれん草.ナルトは嬉しいかも.炙ったチャーシューは味が濃くてこれだけでもビールがぐいぐいいけそう….750円でこの味は安いと思う.口直し含めて、ごちそうさま!.
映画「帰ってきたヒトラー」…笑っている場合じゃないっ! 原題:ER IST WIEDER DA/LOOK WHO'S BACK制作年:2015年 制作国:ドイツ 上映時間:116分仕事を終えた火曜の夜は父の介護へ.家を訪ねると寝ている….起こすとなんだか寝ぼけていて朝と勘違いしている.これから会社へ行くのか、と問うので帰って来たばかりだと答え、夕飯の支度なんぞを.認知症が進んでしまったのか、それとも寝ぼけただけか…?介護疲れもあったけど、会員デーゆえTOHOシネマズおおたかの森へ寄って、観たかったドイツ作品を.本年累積82本目の鑑賞.現代にタイムスリップしたアドルフ・ヒトラーが、モノマネ芸人と誤解されて大ブレイクしていくさまを過激な風刺で描いて世界的ベストセラーとなったティムール・ヴェルメシュの同名小説を映画化したドイツ映画.主演は舞台を中心に活躍するオリヴァー・マスッチ.監督は、これが日本初紹介のダーヴィト・ヴネント.1945年に自殺したはずのアドルフ・ヒトラーが、なぜか2014年のベルリンにタイムスリップして甦る.やがて彼をモノマネ芸人と勘違いしたディレクターにスカウトされ、テレビ番組に出演することに.すると、ヒトラーが生きていたらいかにも言いそうな言葉で現代のドイツを斬りまくると、その“芸”の完成度が評判を呼び、彼はたちまち大ブレイク.しかも言っている内容も意外に真理を突いていると迷える現代人の心を捉え、いつしか再び大衆の支持を集め始めてしまうヒトラーだったが….以上は<allcinema>から転載.――――――――――――――現代へタイムスリップしてきたヒトラーを誰もがそっくりさんのコメディアンとしか思わないから、ウケもして、皆にもてはやされる…のは表面上のこと.その実は、このヒトラーの言う事が現代でも的を得た指摘だからもてはやされる事実自体が…怖い.国民の政治不信、解決しない移民問題、広がるばかりの格差社会…国民の不満への理解と共感を得る論調口調はたちまちに現ドイツ国民の支持を得てしまう.ひとはそれぞれ役目を負う.パン屋はパンを焼く、私の役目は人を率いる事などだと、全くぶれない信念を説く.また、TV含めてマスコミの操作に長けているのもヒトラーのアドバンテージ.実に巧みに人心を操る….至る所に笑いは散りばめてあるのだが、決して大笑いして観ている余裕は無い.現実に当てはめると、とんでもない恐怖感がひしひしと湧いてくる.とどめは、私が選んだのではない、国民が私を選んだのだ…の切り札発言.そう、1933年から始まったヒトラーの快進撃は彼だけの力ではなく、彼を推し進めた国民の選択にあるのだから….愚民の選択の結果とは言い過ぎだろうか.EU離脱の再選挙を求める人が350万人も超えたそう.こんなのありえない.投票してしまってから悔やむような馬鹿な選択をした英国のEU離脱にもあるように、選挙の際の公約には虚実が含まれる.日頃の言動や行動をチェックしておかないととんでもない結果を招くことは必至.とかく経済面の話しかしない日本の現政権の総統、いや首相の本意は改憲しかない.そんな危険な輩に投票してしまう愚民に日本人はなってしまうのだろうか?2016年の選択が後の子や孫を苦しめる結果になる事をどれだけの国民が理解しているだろうか.人材不足の駄目ダメ野党であっても、ここは参院2/3与党占拠の愚を招いてはいけないと思う.おっと、ついついドイツの国情をわが日本に当てはめちゃうね(笑).が、どちらの国も80年も前に同じ誤った道を選んだ当該国だから…この作品を笑い飛ばす事はできない..
コウの肉球 日頃は緊張感をもって生活していたコウ.最近は、同居人の足にすり寄るだけで、上げ膳下げ膳してくれる便利さにすっかり慣れて、自堕落に寝るようになってきた.無防備に眠りこけるコウ.肉球も見えてますよー!肉球のアップも撮ってみました.小豆色とピンク色、そしてピンク地に小豆のワンポイントも.6月29日肉球の日にちなんでみました..
最近の“甘いモノ倶楽部”(2016年第25週) あいもかわらず、会社内で甘いモノが飛び交っている、まずは、お馴染み「マカデミアナッツチョコ」誰かの海外出張土産だね.何処に行こうと成田土産(笑).F課長さんの那須土産.「ギャレット」バターの風味がたっぷり、甘さほどほどで好ましい味♪副長からの東京土産.「銀座のいちごケーキ」「東京ばな奈」の姉妹商品なんだけどね.8個入り1000円はお得♪中の餡というかジャムは甘さ酸味ちょうどの味.〆は、タイ土産.「トムヤンクン味のプリッツ」辛いような、少し酸味もあるような、不思議な味.やっぱりトムヤンクンはスープでいただきたいかも(笑).ごちそうさま..
1980年代の昔話し(その4) 《画像と本文は無関係です》今回も1980年代初期、会社の敷地内独身寮で過ごした馬鹿騒ぎ.今回で寮編はお終いです.-----------------------------------------------・2万3千円のワイン結局この寮には3年間は世話になった.その後社外に新寮が出来て引っ越した.前寮はエアコンが無かったのが致命的だった.でも、新寮に移っても、ロビー族が懐かしくてしばらくの間はこの前寮のロビーにたむろしていたっけ(笑).新寮のもう一つのメリットは…近所に女子寮が存在していた♪新寮へは消防隊長を務めていた同期のN氏と一緒に移った.血気盛んな二人は女子寮と合コンしたり、休みになるとドライブにさそったり….思えば青春真っ盛りだったかも…、(遠い目つき).このN氏の配属先に実家で酒屋を営む社員が居た.同じ年齢でよく一緒に飲みもしていたのだけど、ある日実家の酒屋で持て余しているワインで困っているという.仕入れたは良いが売れないのだそうだ.聞けば値段が3万円という….N氏と密談の上、2万3千円で買い取ることとした.今はいっぱしのワイン飲みの副長もこの時は若干26歳、ワインのワの字も知らなかった.ドイツ製の凝った瓶に入った白ワイン…贅沢だよね.新寮の6畳間で女子寮の娘たちも招き入れ(笑)、口あけを行った.スーパーで総菜やつまみを買って、高級ワインに失礼が無いように…(笑)一口飲んでびっくりポン、超甘あまのデザートワインだった!えっ、これが2万3千円…とみなが口をそろえて言う(笑).こんなワイン生活の諸端を切った副長でした.・寿退寮この新寮時代も良く遊んだなぁ.車は2台めに乗り換え、又もホンダ車.Cityターボ、色はポリバケツ色(笑)…昔から青が好きだったんだね♪ベビーギャングみたいにやんちゃな車だったなぁ.典型的ドッカン・ターボでアクセル踏み込むと突然に狂乱状態の様なパワーがひねり出てくる.そんな過激車だった.最初はフェンダーミラーだったが、ちょうどドアミラーが認可された頃で、接着式のドアミラーに付け替えた.オーバーサイズのタイヤに履き替え、ほとんどタイヤハウスに擦っていてなぁ….そんな過激車に女子寮の娘たちを乗せて、温泉めぐりやイチゴ狩り…とドライブしまくりだったのがこの時期の印象.一眼レフのAE-1も活躍したっけ.そんな浮ついた時期も長続きするでもなく、新寮からもぼつぼつと退寮する輩が出てきた.この会社の独身寮の入寮可能期間は15年、なんと40歳ちょい前まで居られるんだね(笑).退寮は期限が来てなんていうのはまれで、要は結婚で新居へ移る為に退寮する.…ようするに寿退寮だね(笑).副長も無事?艦長とのよりも戻り、無事結婚を迎え、退寮の運びとなった.結局、寮に居たのは旧新含めて4年半の期間.楽しい青春時代だったなぁ.これで寮編は終わります.次は…どの時代にしようかな?.
映画「二重生活」…理由なき尾行、はじめました. 制作年:2015年 制作国:日本 上映時間:126分毎土曜日の深夜はTV「新チューボーですよ」を観るのを常とする副長.一昨夜のゴマだれ冷やし中華ははとっても美味しそうだったのだが、ゲストの女の子がへんちくりんだったのが印象的だった.顔はぶちゃいくなのだけど、妙な色気がある男好きのする顔だった.それが門脇麦だった.日曜は天気も良く、掃除や洗濯、布団干しをして父の介護に行って、ちょいとつくばのシネコンへ門脇麦主演の作品を今年81本目に.小池真理子の同名小説を「愛の渦」「太陽」の門脇麦主演で映画化したミステリー・ドラマ.修士論文のテーマとして面識のない隣人に対する“理由なき尾行” を始めたヒロインが、いつしか尾行そのものに夢中になるあまり、自らの日常にまで危険な影響を及ぼしていくさまを、リアルな筆致でスリリングに描き出す.共演は長谷川博己、菅田将暉、リリー・フランキー.監督は多くのドキュメンタリー番組を手がけ、近年はNHKのドラマで高い評価を受けている岸善幸. 大学院で哲学を学ぶ白石珠は、修士論文の題材がなかなか決められず頭を悩ませていた.担当教授の篠原に相談したところ、“哲学的尾行”の実践を勧められた.それは、無作為に選んだ赤の他人を理由もなく尾行し、その生活や行動を詳細に観察することで人間の実存について考察していくという試み.唯一のルールは対象者と接触してはならないというもの.やがて戸惑いつつも、たまたま見かけた隣人の石坂を対象に選び、尾行を開始する珠.立派な一軒家に妻子と暮ら し、理想的な家庭人に思われた石坂だったが、次第に彼の秘密の顔が明らかになっていく.同棲中の恋人・卓也にも打ち明けられないまま、尾行という禁断の行為にすっかりのめり込んでいく珠だったが….以上は<allcinema>から転載.――――――――――――――R15指定の本作品、いきなり門脇麦の濡れ場シーンから始まる.脱ぐことをためらわない女優は潔くて観ていて気持ちがよい.女25歳、大学院の修士2年は修士論文のことで頭がいっぱい.同棲相手との生活も中抜け、空っぽの感じが漂う….指導教授リリーフランキーの勧めに応じて理由なき尾行をはじめたものの、だんだんと深みにはまっていってしまう.そのリリーフランキーも母が癌であと余命2ヶ月という状況に追い込まれている.主人公の同棲生活と尾行相手の生活、そして指導教授の生活が並行して描かれる.たまたま尾行の相手に選んだ長谷川博己は愛人を作って、幸せな家庭と二重生活をしているのだけど、教授リリーフランキーだって、看取る母を安心させるために、偽りの夫婦生活を演ずる.これも二重生活だ.そして、主人公の同棲生活だって、キャラクターデザイナーの同棲相手には本来の口調や声の高さまで違う偽りの二重生活.それぞれの二重生活が並行して進むのだが、やがて三つがクロスしてしまう….微妙なあやの果て、破綻していく関係とまた結びつこうとする関係.ドライな映像、ドライな脚本、魂が抜けたようにも感ずる役者たちの演技.微妙な空気感が漂いながらも、その隙間を岩代太郎の音楽が通常低音のように流れていく….新人らしからぬ手腕を見せてくれた岸善幸監督に賛辞..
三麺記事(自作ものシリーズ) 昨日、日曜は梅雨の晴れ間に覆われたので、洗濯したり、布団を干したりと家事満載の主夫業にいそしむ.そんなのんびりの日曜のランチ.「キノコのパスタ」を作ってみる.黒コショウとパルメザンチーズが味の決め手.ディチェコもNo.11が切れて、No.12に11分の茹ででちょうどアルデンテ. もろこしとプラムがデザート?これは、なんと朝食に食べた自作「塩ラーメン」なんのことはない、マルちゃんのインスタント塩ラーメンなのだけど、野菜を入れるとけっこう美味しい….もう一つは、マルちゃん生麺を使った「もやし醤油ラーメン」やっぱり、麺自体のコシとか旨味はマルちゃん生麺につきる?次は、外食のラーメン三昧でも..
映画「ビューティー・インサイド」…見た目と中味、本当に大切なのは…. 原題:THE BEAUTY INSIDE 制作年:2015年 制作国:韓国 上映時間:127分神楽坂ギンレイホールでの2本目はラブリーな韓国作品.本年80本目の鑑賞.目覚めるたびに年齢も性別もバラバラな別人の容姿になってしまう青年と、そんな彼を愛してしまったヒロインの恋の行方を描く異色のラブ・ストーリー.主人公ウジンを123人の俳優が演じるファンタジックな設定を通して、愛の本質を切なくもユーモラスに描き出していく.ヒロイン役には「ただ君だけ」 「MIRACLE デビクロくんの恋と魔法」のハン・ヒョジュ.また、ウジンを演じるキャストにはパク・ソジュン、ト・ジハン、イ・ボムス、イ・ヒョヌ、 パク・シネ、コ・アソンら韓国を代表する俳優陣に加え、日本からも上野樹里が参加.監督は韓国のCM界で活躍し、これが長編デビューのペク. 家具デザイナーのウジンは18歳の時以来、目覚めると必ず容姿がまったく別人になってしまう不思議な現象に取りつかれていた.そのことを知っているのは母親と親友のサンベクだけ.ある日、アンティーク家具店を訪れたウジンは、そこで働く女性イスに一目惚れ.以来、初めての客のフリをして毎日店に通うウジン. そして、ついにイケメンの姿になった彼は思い切ってイスに告白、首尾よくデートに誘うことに成功する.姿が変わらないよう3日間徹夜して、イスとのロマンティックな時間を過ごすウジンだったが…、以上は<allcinema>から転載.――――――――――――――やはりヒロインのイス:ハン・ヒョジュが素晴らしい.キュートで日本人から見てもかなり美人.毎日姿が変わってしまう主人公のウジンを愛する女性としての存在感が確個としている.目覚めると変身しちゃうから3日間の不眠の努力でようやくイスを落とした?ウジンが事実をイスに打ち明けてからの話しが決してコミカルでなくスムーズに描かれる.目覚めると心以外の姿、性別、国籍等の全てが変わるようになってしまうウジンはなんと123人の役者が演ずるから形は不定.男、女、老人、子ども、外国人….人に会う仕事ができないため、才能とインターネットを活かして活躍している.その123人の中に上野樹里も入っているのだが、このエピソードもなかなか面白い.日本人なのだが、韓国語は理解できても話すのは日本語だけ.さすがに若い女性に変身したウジンに戸惑いをかくせないイスは、なぜかこの日本語を理解する.逆にイスが一言日本語を話すと、上野樹里ウジンはこれが理解できない.もう一つのエピソードで面白いのは、小学生の子供に変身したとき.バーで小学生のウジンが年上?のイスにタメ口をきいてたしなめられたり、ウジンはヤクルトをストローで飲み、イスはマッコリをバンバン飲むのだが、ヤクルト内にマッコリを入れたら…やっぱりウジンは倒れた(笑).酔っぱらいながらも自身のクレジットカードで支払ったりもする.そんな入れ替わりの役者リレーの中から、段々とウジンとしての個性やキャラクターがちゃんと観客の中に芽生えてくるから、上手い作りだと思う.毎日かわってしまう姿の中味…ビューティ・インサイドに本質を見出し、愛が始まる.音楽もポップで内容に良く合っている.エンデイングはCITIZENS “True Romance”軽妙な作品.好きかも.愛の本質はなんぞや?に問いかける本作、ヒロインの質の良さに助けられた快作..
映画「最愛の子」…我が子への愛の深さに想う. 原題:親愛的/DEAREST 制作年:2014年 制作国:中国/香港上映時間:130分さて、土曜は早起き?して久々の神楽坂詣で.ギンレイホールはほんとに久しぶり.今週は中国作品、韓国作品特集.館内は満員.少し年齢レンジが広がった感有り.要は低年齢化と高年齢化の両方だ.以前は圧倒的中年ばかりだったのに.まず1本目は中国作品の児童誘拐もの.本年累積79本目の鑑賞.「ウォーロード/男たちの誓い」「孫文の義士団」のピーター・チャン監督が、中国で実際に起こった児童誘拐事件を基に描く感動のヒューマン・ミステリー. 愛する我が子を奪われた両親とともに、育ての親となった誘拐犯の妻にも焦点を当て、それぞれが抱く我が子への深い愛情と葛藤を痛切なタッチで描き出していく.ヴィッキー・チャオが誘拐犯の妻という難役を熱演し高い評価を受けた.共演にホアン・ボー、ハオ・レイ、トン・ダーウェイ、チャン・イー、キテイ・チャン. 2009年7月18日.中国、深セン.下町で寂れたネットカフェを営むティエンは3歳の息子ポンポンと2人暮らし.ある日、そのポンポンが何者かにさらわれてしまう.以来、ティエンはポンポンの母である元妻ジュアンとともに必死で捜索を続けるが、消息は一向につかめないまま時間ばかりが過ぎていく.そして3年後、2人は深センから遠く離れた農村でついに我が子を発見する.しかし6歳になったポンポンは、もはや実の親であるティエンとジュアンを覚えていなかった.彼が母親と慕うのは、誘拐犯の妻で育ての親であるホンチンだけだった.そのホンチンは、ポンポンは1年前に死んだ夫がよその女に産ませた子どもだと信じ、この3年間、献身的な愛情で彼を 育ててきたのだったが….以上は<allcinema>から転載.―――――――――――――――最近は緩和方向だが中国は一子制を貫いている.よって子は宝、大事にされている.そんな子供を誘拐する商売も繁盛していて、誘拐された子供は市場で売買されていたりもする.本作はその児童誘拐に端を発する.離婚してしまった元夫婦ティエンとジュアンはそれこそ必死に奪われた子ポンポンを捜索する.それを手玉に取るかのような詐欺事件もあとを絶たないのがいかにも中国.人口が多ければ悪人も多い.物語の前半はこの夫婦の必死の捜索模様が描かれる.ここまで観るなら、被害者夫婦ティエン(ホアン・ボー)、ジュアン(ハオ・レイ)が主役かと思ってしまうが、実は誘拐犯の妻ホンチンを演ずるヴィッキー・チャオが主役だった.失踪後3年の後、密告で農村に暮らすポンポンを発見するが、6歳になったポンポンは本当の両親であるティエンとジュアンをまったく覚えていなかった。.ポンポンが母と慕うのは、ホンチンという“育ての親”だった.ホンチンは「私が子どもが産めないから、夫がよその女に産ませて3年前に連れてきた」と主張するが、一年前に死んだ彼女の夫が3歳のポンポンを誘拐し安徽省に連れてきた事実に困惑するホンチン.それから半年後.ティエンとジュアンは、いまだに「家に帰りたい」と言うポンポンの愛情を何とかして取り戻そうと、日々心を砕いていた.そしてホンチンもまた、我が子を奪われた母として、深圳へと向かう.それぞれの親たちの思いがぶつかり合うのが後半の話し.大切に育ててきた我が子を失った“産みの親”の底知れぬ悲しみと恐怖、苦しみを丁寧に描きつつ、誘拐犯の妻である“育ての母親”の葛藤も繊細に描写する.スッピン演技のヴィッキー・チャオが巧みに演ずる.子どもを失う苦しみを3年間も実の親に味わわせていたことへの懺悔、一方で非常識と罵られても溢れでる子への愛….「愛する我が子を誰にも奪われたくない.ただ一緒にいたい」という、すべての親が抱くシンプルで偽りない愛情に心を動かされる….名演だ.深センへ上京してきたホンチンを助けて裁判で援護する弁護士を演ずるトン・ダーウェイも印象的.若く熱血漢タイプの弁護士ながらも、認知症の母親を抱え、ホンチンの心を助けようと心骨砕いて奔走する.その裁判の有り様もまた中国の現状を訴える.後が絶たない案件の多さに疲弊する裁判官.一件一件丁寧な審議がなされる訳もなく、右から左へ流されるような審議の様子はまさに中国のもう一つの病理を覗き見るよう…やっかい国情の国だね.そして下される結論と、証言を得る為に身を落としたホンチンにやってくる衝撃の事実….物語の結論は出ないままに、エンドクレジットを迎える.実際に在った事件を素にしたそう.実際の状況はまだ「進行中」なのだろう….善か悪かのジャッジも、“子を奪われた被害者”と“子をさらった加害者”という関係性も超えた親が子を思う「至上の愛」の表現が秀逸.中国ならではの一作..