原題: TRUE GRIT 製作年度: 2010年 製作国: アメリカ 上映時間: 110分
夕方、川崎の事業所で会議があり、終業後に駅前のシネコンに飛び込んだ.
夕方が最終の上映回.時間表も小さな懐中電灯で照らしてあってよく見えないほど.
予告篇の上映もなく、いきなり本編が始まるのも、ある意味では新鮮.
そんな耐乏映画館で観た37本目の作品は西部劇.
69年のジョン・ウェイン主演西部劇「勇気ある追跡」の原作ともなった
チャールズ・ポーティスの同名小説を「ノーカントリー」のコーエン兄弟が
「クレイジー・ハート」のジェフ・ブリッジスを主演に迎えて再映画化.
父を殺した犯人への復讐を誓い、2人の男を従え危険な追跡の旅に出た
タフな14 歳の少女が辿る過酷な道行きを、ユーモアを織り交ぜつつ、
骨太かつリアルな語り口と素晴らしい映像で描き出していく.
共演は「インビ クタス/負けざる者たち」のマット・デイモン、
「ノーカントリー」のジョシュ・ブローリン、そして新人ながらも堂々たる演技で
各方面から絶賛され、みごと アカデミー賞助演女優賞にノミネートされた
ハリウッド期待の新星、ヘイリー・スタインフェルド.
父親を殺された14歳の少女マティ(ヘイリー・スタインフェルド)は、真の勇気を持つ
といわれる保安官のコグバーン(ジェフ・ブリッジス)に犯人の追跡を依頼.
テキサス・レンジャーのラビーフ(マット・デイモン)も加わり、
かたきのチェイニー(ジョシュ・ブローリン)を追うこととなる….
なにか懐かしさを感じさせる西部劇.音楽が妙に日本人向けのメロディ基調.
荒々しい西部の荒野と、星降る夜の光景、そして荒野にポツンと建つ小屋の暖かい灯が
とても良く描写されている.
邦画の仇討ちモノかと思うよなストーリー仕立て.遙か昔に「勇気ある追跡」って
観た気がするが、こんな内容だったか?
トゥルー・グリット…真の勇者、それは主人公の14歳のマーティであり、
酔いどれの保安官コグバーンもしかり、そしてなにか間の抜けたテキサス・レンジャー
のラビーフでさえも、そうなのだと言える.それぞれの勇気をそれぞれの形で見せる.
ジェフ・ブリッグスは「クレージー・ハート」と同じで、愛すべき酔っぱらいの演技.
自立心と強い責任感を持つ14歳の少女マティ役のヘイリー・スタインフェルドの
存在感は素晴らしい.これから先が楽しみな女優.
とぼけたテキサスレンジャー役がマット・ディモンとは最後のエンドクレジットを観て
気がついた.自分のうかつさに唖然、それと共に従来と全く違う役作りに感心.
その後の25年後の姿で締めたエンディングも秀逸.
良い後味で見終えることができた佳作.
エンド・クレジットでもう一つ気がついた.
General Producer が、スティーブン・スピルバーグ….
なるほどねぇ….
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