人生長く生きると、いろんな人たちとの付き合いが増える.
気の合う仲間みたいのばかりならこの世は天国なのだけど、
そうは問屋がおろさない.
苦手な人、嫌いな人との付き合いだって存在するし、
そんな方が多いのがこの世の常なのだと実感することが多い.
人間の脳は「カテゴリー」に分けてものごとを理解しようとするクセがある.
これは、「一括りにすることで、大体わかったつもりになる」わけ.
このカテゴリー分けで、最も原始的なものが「敵か」「味方か」という分類.
長い人類の歴史の中で、「目の前の相手は、敵か味方か」という判断は
ときとして生命にかかわる大問題で、そのため、私たちは生まれながらにして、
そういう分類をするクセがついてしまっている.
困ったことに、このクセと偏見が組み合わさると、敵を攻撃しようとする
衝動につながってしまう.
「自分が偏見をもっている」という認識がない方がいらっしゃるかもしれない.
しかし、我々は知らないうちに偏見を抱えている.
わかりやすいのが食文化で、昆虫を食べるのを奇異に感じる日本人は多い.
でも、日本人がタコを食べるのを奇異に感じる外国人はたくさんいるわけで、
彼らにとって、魚の活け作りや踊り食いなんて、もう残酷以外の何物でもない.
この段階では、まだ「偏見」というより「価値観の違い」で済まされるかもしれない.
価値観の違いが「敵」というカテゴリー分けと組み合わさると、相手に対する偏見が生まれる.
「まだ生きている魚を喜んで食べるなんて、なんて野蛮なヤツらなんだ」.
こうした偏見が積み重なると、相手がまるで悪魔のように思えてくるから大変.
敵か味方かに分類し、敵に対して偏見をもち、その偏見を理由に激しく
攻撃する…これは人種や文化に関係なく、人類が根源的に抱えている特性.
身近な?政治家の事例がどこぞのお馬鹿な米大統領.彼は移民に対する
偏見を煽って白人中流層の支持を集めて大統領になり上がって
猛威を振るっている.現代でも、先進国でも、こうした人類の特性は脈々と
受け継がれている事例に事欠かないのである.
ただ、この「敵か味方か」という分類は非常にいい加減で、その場の状況に
応じてクルクル変化する.某米国と某北朝鮮なんかいい事例(笑).
それまでお互いに争っていたのに、共通の敵が出現すると「昨日の敵は
今日の友」とばかりに団結してしまう事例も多い.
もし宇宙人が攻撃してきたら、現在対立している国や民族も地球人として
団結するのではないか?(笑)
さて、これからが本題.
異質な人たちを相手にする時に大切なのは、その人たちを一括りにして「敵」と
見なさないこと.一人一人をよく見てみると、自分と出身校が同じだったり、
ゴルフやサッカーなど趣味が同じだったりする人が必ずいるもの.
人は、共通点が見つかると親しみを感じて打ち解けやすくなる.
こうして、個別にコミュニケーションをとっていくことで、異質な人たちの集団を
切り崩して、自分の味方に巻き込んでしまう.
そうすれば、「敵」を減らすことができるし、受けるストレスを軽減させることも
できるというもの.
異質な人たちにアプローチしていく際には、TVで人気のマツコ・デラックス型が
効果的と言う記事を観た事がある.「マツコの知らない世界」なんて大好きな
TV番組.欠かさず観ている.
毒舌キャラの印象とは裏腹に、周囲に対して非常に気遣いをする人.
「マツコの知らない世界」では、ある分野に非常に詳しい「オタク」の人を
相手にして、自在に深い話を聞き出している.
相手の話に適切なコメントを差しはさみながら興味深そうに聞き、
さらに、「アタシさあ」などと言いながら、ぶっちゃけ話をするのがお得意.
こんな話術が人気の秘訣なのかも….
そこでその記事はマツコ流のギャップトーク 、ぶっちゃけ話 、親身に話を聞いてあげる、
という三点セットを薦めている.
1.ギャップトーク
「敵だ」「怖い」と思っている相手から優しくされると、人はそれを過大に
評価してしまう傾向がある.強盗の立てこもり事件などで、人質になった被害者が
「犯人は優しくて紳士的でした」などと発言することがあるのはこのため.
相手がこちらを警戒しているからこそ、思い切って優しい言葉を
かけることによって、強い印象を与えることができる.
2.ぶっちゃけ話
相手に本音を話させるには、こちらから先に本音を話すのが効果的.
いわゆる「ぶっちゃけ話」.とはいえ、あまり内輪のことをベラベラ話すと、
かえって信頼できない人だと思われる恐れがある.あらかじめ、「この程度
までなら、話してもいいかな」という線を決めて、気負わず率直に話をする.
3.親身に話を聞いてあげる
お互いにぶっちゃけ話をしていると、「不満、不愉快、不足、不都合、不便、不安」
などが出てきやすくなる.これらは、一度話し始めるとコントロールするのが難しく、
ついつい溢れるように話をしてしまうもの.もし、相手が自分の所属している組織や
仲間に対して、このような「不満……」を話し始めたらチャンス、
親身になって聞いてあげるようにする.
さて、このマツコ流人との接し方いかがでしょうか?
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