映画「空母いぶき」 …拍子抜け?いや正論でしょ.
制昨年:2019年 制作国:日本 上映時間:134分
恒例の“1100円で邦画を楽しむ友の会”は山下達郎ライブの後に
戦争?サスペンスを.副長としては本年累積89本目の鑑賞.
かわぐちかいじの大ヒット・コミックスを西島秀俊、佐々木蔵之介を
はじめとする豪華キャストの共演で実写映画化したポリティカル・
サスペンス大作.
近未来の日本を舞台に、国籍不明の武装集団によって日本の離島を
占拠されるという事態が発生する中、自衛隊初の航空機搭載型護衛艦
“いぶき”の乗組員たちを中心に、政府やメディア関係者を含む 全国民が、
それぞれの立場で未曾有の危機に立ち向かっていく姿を壮大な
スケールで描き出す.
監督は「沈まぬ太陽」「柘榴坂の仇討」の若松節朗.
20XX年、12月23日未明.沖ノ鳥島の西方450キロ、波留間群島初島に
国籍不明の武装集団が上陸、日本の領土が他国に占領される事態に.
海上自衛隊は直ちに小笠原諸島沖で訓練航海中の第5護衛隊群に
出動を命じる.その旗艦は、自衛隊初の空母という存在から、 “専守防衛”を
巡って国論を二分する議論の的となっていた “いぶき”だった.
航空自衛隊出身の艦長・秋津竜太一佐と、海上自衛隊生え抜きの副艦長・
新波歳也二佐は、やがて想定を超えた戦闘状態に直面し、国の命運が
かかったぎりぎりの判断を迫られていくのだったが….
以上は<allcinema>から転載.
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大劇場がほぼ満員.予想通りジジババ率が高く、上映中のトイレ行が
後を絶たないのには閉口気味.おまけに副長直後の座席の爺様は終始
いびきをかいて寝ていたし、寝返りを打つたび前席を蹴飛ばす….
見に来る価値無いと思うのだが…(怒).
自衛官にも色々いると実感.絵に描いたような憲法論者新波:佐々木蔵之介、
もいれば、ラジカルな情況依存型秋津:西島秀俊もいる. 共通するのは国民を
守るという大義の元に務めることだろうか.
空軍所属を空母の艦長に配属するという米軍の慣例は本当だろうか?
にわかには信じがたいエピソードだ.その例により選ばれた艦長 :秋津が
もっと暴走するかと、陰ではこっそり期待していたのだが、 いつもシュアな
かわぐちせいじらしい落とし方に終わった.
彼の作品はいつも国連に頼るよね.国連至上主義なのだろうか. 現実の国連が
そうなっていない事への不満と、そうあって欲しいと いう期待論だろうか?
とにもかくにもシビリアンコントロール、文民統制の効いた結末. やはり戦争、
紛争に先立つものは外交手段.国連を含めた周囲国、 対峙する国との交渉が
大事という脚本は正しい.
やたら弱気でおろおろするばかりの総理大臣は、どこぞの強気の右翼総理よりか
ずっとましである.弱い政府、それが民主政治のあるべき姿の一つと思う.
が、この弱気な総理大臣:佐藤浩市は裏で外交にひたすら走るという賢さを
持ち合わせていた.
オーラスで「俺、もう3年やってもいいかな?」 の言に、思わずお前なら任せられるっと
内心叫んだ(笑).
中井貴一のコンビニ店長というのも面白い道化役だ. 初島近辺のドンチャン騒ぎには
全く関係なく、クリスマスでの 世界平和の願いを込めて、長くつ菓子セットを作る役柄.
こんな役柄に貴重な性格俳優のキャスティング、妙を得ている.
その他にもヲタク的見地からは学ぶことも多かった(笑). 護衛艦の“護衛”は旗艦に
対するものだったのだね.身を呈して いぶきを守る護衛艦艦長:玉木宏の仕事を
観てそう思った.
F35のミサイル搭載は機内格納で、ミサイル本数少なすぎとか.
アクティブ・ホーミング全盛の時代では、チャフの搭載量が 対機戦の勝負を
決めちゃうな、とか.ヲタク視点でも楽しめた.
とにもかくにも、自衛隊の存在意義に一石を投じる、
今の平和ボケ日本人には貴重な作品かもしれない.
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コメント
ハラハラドキドキ
2021-01-18 21:43 豊栄のぼる URL 編集
Re: ハラハラドキドキ
自衛隊員にもいろいろ居ますね.
2021-01-18 22:10 副長 URL 編集