原題:DE SURPRISE/THE SURPRISE
制作年:2015年 制作国:オランダ 上映時間:105分
日曜の午前中、新宿ピカデリーで観たのはオランダ製のコメデイ.
本年累積76本目の鑑賞.
生きる意味が見出せず、依頼人の死を手助けする謎の代理店の顧客となった大富豪が、
思いがけず恋に落ちたことから、契約履行を目論む殺し屋の手を逃れるべく繰り広げる
奇想天外な逃避行の行方をブラックなユー モアで描いたドタバタ・サスペンス・ラブコメディ.
主演は「LOFT -完全なる嘘(トリック)-」のイェロン・ファン・コーニンスブルッヘ、
共演に「人生はマラソンだ!」のジョルジナ・フェルバーン.
監督は長編デビュー作 「キャラクター/孤独な人の肖像」で第70回アカデミー外国語
映画賞を受賞したマイク・ファン・ディム.これが待望の長編第2作となる.
母親が 亡くなり、天涯孤独となったオランダの大富豪ヤーコブ.莫大な資産を寄付し、
身辺整理をして、かねてからの願いだった自殺を試みる.しかしなかなか上手く いかず
途方に暮れていたところ、ひょんなことからブリュッセルにある奇妙な代理店
“エリュシオン”の存在を知る.
そこではなんと、顧客のあの世への旅立ちを請け負っていたのだった.
ヤーコブはさっそく、いつ、どこで、どのように死ぬかおまかせという“サプライズ・コース”を
契約する.
ところがその直後、同 じサプライズ・コースを申し込んだ女性アンネと運命的な出会いを
果たし、図らずも人生が輝き出す.しかしエリュシオンに延期を申し入れるも解約は不可と
のこと.
確実に迫る“サプライズ”から逃れるため、アンネとともに逃避行の旅に出るヤーコブ
だったが….
以上は<allcinema>から転載.
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ヨーロッパ発の作品ゆえ、複数言語が飛び交う.主人公が住んでいるお屋敷においても、
使用人がオランダ語やドイツ語、フランス語、英語で挨拶するのには閉口.
お屋敷内ぐらい言語統一しろよとお節介したくなる.
字幕も言語により字色を変えているのだが意味あるのだろうか?
そんな屋敷内の使用する言葉の不統一にも表れているように主人公は優柔不断の
でくの坊.母が死に、後を追って自殺しようと試みる.が、そんなヤツには自殺する
器量にも恵まれない.
ふとしたことで、ブリュッセルの代理店を知ることとなる.
死の代行業を受け追ってくれる組織.なぜか中東系のよう….
まよわず、いつ何処で死ぬか判らない“サプライズ・コース”をオーダーしちゃう.
が、その直後にその代理店で知り合った女性アンネと意気投合.
徐々に人生の目的が出来て、死を不要となってしまう.
さて、姿の見えない殺人請負業の追っ手との追っかけっこが始まる….
主演のイェロン・ファン・コーニンスブルッヘは決して美男ではないが、
いかにも良家の坊っちゃん然とした風貌はこの役にピッタリ.
ヒロインのアンネ役のジョルジナ・フェルバーンも決して美女ではないが、
エキセントリックな顔立ちの女優さん.アクションもこなす切れの好い演技も見せる.
かるーいどんでん返しも含めて、おちゃらけた脚本に大笑い.
でも、この代理店のオーナーの言葉にはぎくりとするものが….
「この商売、いずれは公認されるまで繁盛しきるのはこの世の風潮」.
そう、こんな代理店に駆け込むのは老人たちばかり….
この世に未練もなければ、生き続ける愉しみも与えてくれない現世だからねぇ….
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