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2025-03-25

労働基準監督官だった頃の思い出


社会保険労務士としてデビューして十年目である

開業当初は不安で仕方なかったが、今思えば大したことはない。もっと早く飛び出していればよかった。

自分裁量で大変な仕事をやって、自分責任を取るというのは「生きている」という感じがする。

いや、一人親方ではあっても、周囲の力なくしては仕事は成り立たないのだが。

はてな利用者の中では高齢である黄金頭の人の数個上になる。若い頃は勤め人だった。

人材派遣会社で数年働いた後、労働基準監督官として関東地方で任官した。その頃の思い出を語ってみようと思う。

守秘義務には最大限配慮する。元国家公務員でいうと、高橋洋一山口真由など、あれくらい力のある人だったら、守秘義務まで含めて好きに本などを書いて主張できるが、私にそんな実力はない。

はてなブックマークで取り上げられた公務員日記を読んだ限り、一線を超えない限りは表現の自由範疇となるようである。偉大な先達の方々と、はてな運営の寛大な措置感謝したい。日記タイトルも先人に肖っている。



どんなことを話そうか、実はこれから考えるところであるひとつだけエピソードを選んで掘り下げる格好を取りたい。字数が余れば、ほかの記憶脳裏から取り出してみる。

あれは、30代手前の頃だった。採用五年目で、一年目はずっと労働大学校での研修のため、現場歴は四年目だった。主担当として違法賃金労働(サビ残)の現場を押さえた唯一の経験だ。

それまでは先輩や上司と一緒に臨検(臨検監督会社に立ち入って調査)に出向いていたが、一人立ちできつつあった時期である

なお、労基の採用パンフレットでは現場二年目から一人立ち~といった記述を見ることがあるが、そんなことはない。ほかの官公庁民間企業と同じである登記官と同じく独任制ではあるものの、20代だと普通に若手扱いである。

上記の「臨検」では何をするのか……管轄区域内に数多くある企業の中から、いくつかの基準・目安に則って抽出した事業所に出向いて、労基法違反がないか確認を行い、必要に応じて注意・指導是正勧告を行う。近年では違法賃金(サービス残業)対策に重点を置いている。

私が勤めていた頃は、土木建設現場での事故防止や、下請けいじめ是正が叫ばれていた。

その現場では、経営者かその委任を受けた者に対して質問をして、必要事項を聞き取っていく。

最初正式な社名や、所在地など基本的な事項からまり就業規則確認に、従業員の名簿や、その雇用別の区分であるとか、元請下請関係労働行政関係補助金申請賃金台帳や労働時間記録、終わりの方になると実務上の文書ファイルまで開いて法令との適合を確認する。

次第に深いところに踏み込んでいく。採用面接と似ているかもしれない。最初質問は「今日朝ごはんはなんでしたか?」からまったりするだろう。

上記の結果による勧告は、いずれも行政指導(法令に適うように啓発・行動を促すこと)であり、処分性はない。

法的拘束力はないが、従わない場合刑事処分に移行することがある。若手監督官の月の半分は臨検を含んだ監督業務に費やすことになる。

※よほどのことをしない限り刑事処分に移ることはない。「指導を行いました」の報告書は保存年限まで残る。そこまで長い期間でもないのだが。



具体的なエピソードに入る。

あの時は定期の臨検で、とある縫製会社(衣料品メーカー)を訪問した。総従業員は千人未満で、売上高は数百億円。社歴からすると伝統企業といったところ。東京から遠く離れたところに本社があり、この都内には支店とはいえ立派なビルが建っていた。

いつものように「事前にこの資料を準備してください」と依頼してあった。支店代表者と、本社経営陣の家族役員私たち対応をしてくれた。

最初違和感がなかった。就業規則法令に則ったテンプレートであり、賃金書類上は適正に支払われていた。

事業所内をくまなく見て回ったが、原反(衣服の原料のロール。とても重い)の受入場も安全基準問題なし、倉庫内も大量の衣料製品カートハンガーで吊ってあったが、やはり問題ない。製品出荷場も糸くずひとつ落ちていない。トイレの数は、労働衛生法令当落線上にあった。すべて和式

ところ変わって、原反を長大作業台の上に広げてCAD操作裁断する現場でも、従業員電動工具類を適切に取り扱っていた。職場危険はないし、廊下もきれいに磨いてあった。

しいて言えば、ビール会社キャンペーンガールカレンダーが飾ってあったのだが、2025年現在では環境セクハラに該当する。当時はギリギリセーフといったところか。

違和感があったのは……臨検というのは大体半日程度で終わるのだが、最後にもう少し時間を使ってみた。

「抜き打ちのようですいませんが、最後に一度、一人で周らせてもらいます必要があれば呼びます」と言って、事業所内を再度歩いてみた。

すると、何点かの違和感があった。つい立ち止まることもあった。

・すれ違う従業員に元気がない。多くの年代がいたが、特に外国人労働者

・終業が近いのに、ほぼ全員が忙しなく動いている

・出荷場には本日付け伝票で、尋常でない数の段ボール箱

女性役員管理職と厳しいやりとり。「あの若いはいつも定時に帰る。辞めてもらえば?」など

 ※家族経営会社にはありがち。そこまで気に留めない

タイムカードの退勤時刻があまり連続的。定時以後にまとめて全員分を押している?

「怪しい」と思ったが、定期監督の域を出ないよう、支店代表者さん方に挨拶をして帰った。

帰庁後は、上司に感じたことをそのまま述べた。「必要なら追加調査すべし」というのが指示だった。



その日の退勤後、私は自家用車でその縫製会社の前を通ってみた。やはり気になったのだ。

手ごろな駐車スペースがなかったため、路肩に停めた。パトカーが来ないことを祈りつつ、会社敷地に入ってみると……。

「やっぱり」

という感想だった。午後八時を過ぎていたが、出荷場のある棟の1階部分にバッチリ明かりが点いていた。言い逃れできない次元だった。ご丁寧に、カーテンをかけて明かりを漏れにくくしている。

そして、私は裏手に回って確認した。出荷場の板目を踏む音からして、何十人も仕事従事しているのがわかった。現場を見なくても、建物内に多くの従業員が残っているのは明白だった。

従業員の平均的な退勤時刻と全く合っていない。違法賃金労働(以下「サービス残業」という。)である計算するまでもなく、賃金台帳と合っていない。

それから私は、毎日夜にその会社の前を通って、サービス残業の状況を確認していった。

するとどうやら、毎日に渡って行われていた。あれから10日分、毎日夜にあの縫製会社の前を通って、出荷場の裏手に回って聞き耳を立てた。

常套的なサービス残業だった。当時は若く、使命感に燃えていた。どうにかして、あの従業員たちを救ってあげたいと願っていた。私自身がサービス残業をしているのは突っ込まないでほしい。

後日手に入れた縫製業界情報によれば……どうやら4月6月業界繁忙期に毎日サービス残業を行わせ、冬季の暇な時期にはそこまでさせていないだろう、という推測が立った。

そこまで情報を整理したうえで、再度あの支店代表者架電してみた。「御社違法賃金労働をしているという申告があったのですが~」という優しい嘘からやんわりと入って、早めに事実を認めていただきたい旨を暗に伝えたが……やはり想定どおりの回答だった。

タイムカードの記録と、実際の退勤時効は一致している」

というのが向こうの言い分だった。

だとしたら、こちらも準備を整えたうえでやってやろうと思った。



五月の下旬だった。夜七時半を回った頃である。その縫製会社の前に、私と、当時所属していた監督署の若手約10人と、管理職2名(責任を取る人)と、他所応援職員5人がいた。サービス残業現場を抑えるために人を集めたのだ。

実際に現場を押さえても、授業員が蜘蛛の子を散らしたようになることが多く、相手方管理職証拠隠滅に走るおそれがある。最低でもこれくらいの人数が必要である

この日の夜、以下の図のように、監督官全員で出荷場を取り囲んだ。



概略図(スマホの人すいません)

○○○○ |――――|

○    |    |

○    | 出  |

○    | 荷  トラック

○    | 場  搬入

○    |    |

○    ∥    |

○   扉∥    |

●    |    |

○○○○ |――――|

     ↑会社敷地内↑

___________________________

     正面道路都道

___________________________

●……監督官 約17

〇……私

概ね、以上のような位置関係である



労働基準監督署です!」

私は大きい声とともに、出荷場の扉を開けた。中には……30人はいただろうか。

その出荷場では、出荷する商品検品と、箱詰された荷物トラック運転手に受け渡す作業を行っていた。

従業員は全員、疲れた表情をしていた。覚えているのは、還暦ほどの人がヨロヨロと段ボール箱カートに載せていたのと、製品検査をしていた外国人労働者である。彼らが一番ぐったりしていた。

「これから指示に従ってください。全員動かないように!」

労働基準監督官」の文字入りの証票を提示した直後、私達とその後ろに続いていたほかの監督官も出荷場に突入した。管理職は別の入口から事務所を抑えにいった。

抜き打ちの臨検監督はおごそかな雰囲気で進んだ。従業員を早く帰したかったのもあるが、当日のタイムカードをその場で押収し、誰かが全員分のタイムカードをまとめて切っていたことを速やかに確認した。

サービス残業をしていた一人ひとりに簡易な聞き取りを行い、対象者タイムカードのみ抜き出すと、従業員帰宅させた。

縫製会社管理職数人と、あの家族役員が社内に残っていた。深夜まで社内で取り調べを行った。

すべてが終わると監督署に帰庁し、参加者全員に(主に私の上司が)感謝の意を述べて、その日の記録をまとめて……臨検及びサービス残業捜査は終わった。深夜2時を回っていた。



それからも長年、監督官としての業務従事した。事務企画監督業務も、一通りやらせてもらった。

字数が余った残りだが……読み手の心に残りそうなものが2つある。2つとも、2025年から数えると20年以上は昔のことである。現行の労基対応とは異なる可能性があるので留意願いたい。

1件目は、スーパーマーケットでのことだ。高島屋伊勢丹かは覚えていないが、百貨店の中にある食品スーパーだった。

ある日、私の職場にいきなり通報があったのだ。警察消防(※救急)の人かはわからなかったが。精肉コーナーの中で、食肉をパック詰めにするために加工していた現場でのこと。

食肉加工機械(ミートスライサー)を使って作業をしていたアルバイト従業員若い子が、指を切断したという内容だった。労基案件可能性があるので現地に来てほしいとの電話だった。

現場悲惨だった。私たちは遅れて参じたものの、警察官ができるだけ証拠保全をしていた。グロテスクであるため、どれだけ血が飛び散っていたとか、どういう体勢で事故に巻き込まれたのかなど、通報直後の様子までは描写しない。

ただ、指切断という次元ではなかった。一本の指を残して、後4本が手のひらごとミートスライサーに巻き込まれミンチになっていた。

当時の私は20代半ばである。手や足元が震えて止まらなかったのを覚えている。現場には肉片が残っていた。証拠保全を終えるまで、掃除したくてもできないのである

原因は、ミートスライサーの安全装置だった。会社にあるような業務シュレッダーであれば、わざとケガをしようとしてさえも、ケガをしないような――安全装置等が付いている。

その精肉コーナーでは、安全装置が取り外されていた。そのうえで、作業用の特厚ゴム手袋従業員に着用させていなかった。完全に自由作業させていた。社員指導しない。それらが原因だった。

結果として、食品スーパー経営者労働安全衛生法違反として書類送検された。使用者は、従業員に対して業務上の危険回避や、健康障害を避けるための措置を講じる義務がある。

ほぼ上限の罰金刑となったが、義務違反が強ければ懲役刑もありうる。この事例は、従業員側にも若干の非があると認められた。安全装置のくだりだが、経営側ではなく現場判断で取り外していたことが起訴前の段階で立証された。



もう1件だが、飲食店で働いている人からの申告案件である

飲食店というのは、夜に接待を行う店舗だった(夜職分類だとガールズバーが最も近い)。いわゆる、有給行使(結果としての賃金不払い)案件だった。

通常の申告・相談場合労働者側から聞き取りに加えて、可能な限り証拠物を集めてもらう。そのうえでクロが濃厚となったら、使用者側に連絡を取る。

その際は、厳しい言い方ではなくて、「こういう申告があったのですが、もし本当にそうなら、(~法令説明~)未払い賃金を支払ってください」などと電話をする。

あくま行政指導である。従わなかったからと言って罰則はない。使用者無視することもありうる。その場合は……残念ながら、機会的な対応(オポチュニズム)をならざるを得ない。やむを得ない時の裁量判断であり、本来よろしくない。公務員は常に法令ベースに動くべきだ。

一例として、違反レベルが小さい場合労働者には自ら解決するよう監督官が助言・アドバイスを行うのが一般的である。もし、労基に強い対応を求めたい場合は、複数人相談するか、よほど強い根拠書類を用意するなどしてほしい。

さて、この申告案件の詳しい内容だが……。

相談者は夜に接待する店舗女性従業員学生

・約一年働いたところで退職したい

職場の後輩と一緒に辞める際、二人で有給休暇を取得しようとした

運営会社有給取得(有給分の賃金支払)を拒否

という流れだった。

半年以上勤務していれば、非正規雇用者であっても有給休暇を取得できるし、彼女らは給与明細その他の根拠書類を揃えていた。タイムカードコピーも。

私は、そういう夜のお店に行った経験はほぼゼロだった。業界知識もない。先輩方に相談したところ、「あいつらは難しいよ」と言う人が複数いた。

証拠付きで相談を受けている以上は、相手方に連絡すべき場面である。そして実際に、相手方にとって都合がいいであろう夕方頃に電話をし、事実確認及び有給取得の制度説明したのだが、いい答えは返ってこなかった。

以下;相手方の主張の要約。

(主張①)

うちの会社有給休暇制度はないし、この業界にそんな会社はない

(主張②)

あの二人は就業態度がそこまでいい方じゃなかった。お客からの評判もいまいちもっと会社に対して貢献とか、貢献できなくても努力した姿勢を見せてくれれば可能性はあった

(主張③)

どの業界にもルールがある。あの二人は大学生で、若いから知らないかもしれないが、その業界に入ったなら、そこでの常識に合わせられないとダメ。そんなのだと今後社会通用しない

ということだった。先輩方に相談したとおりの結果になった。相手風俗業界の慣習を盾にしている。

だが、私もそんなに折れなかった。当時は若く、企業側を守る社労士となった今(※実は自著を上梓しています)よりも正義感に溢れていた。社会正義を実行する立場であるという自惚れに近い感情もあった。

引き続き、粘り強くそ会社交渉(※非弁行為には当たりません)を繰り返した結果、有給本来10日のところを、月末までの5日であれば取らせてくれるということで妥結した。一応は全員納得の結果だった。



これで一応終わりである

以下、余談など。

https://anond.hatelabo.jp/20250325231650

2025-02-09

ニコニコ動画替え歌投稿していた

文字数オーバーで後半途切れたので再投稿。読んでくれた人ごめん)

話をしよう。だいぶ昔のことだ。すでに動画投稿引退している。

当時を懐かしむために作った文章である。気に入ったら読み進めてほしい。

ニコ動投稿者としての初期は、若手社会人だった。大学卒業して数年経った頃かな。コンビニゲーム雑誌をめくると、『ニコニコ動画』がサービス開始してます~これから人気が出るかも!?という宣伝記事を見つけた。

サービス名称が気になったのと、コメント流れる機能が目に付いた。動画をひとまず10本くらい見てみた。ようつべと同じような感じで、そこにコメントが流れている仕様だった。カオスよりはシュール寄りだった。

今でいう生放送チャンネルはないし、アニメ1話単位投稿は(アップロード容量の関係で)されないし、画質はイマイチだし、お洒落MADもない。ランキングは50位までで、再生数やマイリス準拠だった。歌ってみたボカロ流行り始めるのは、2007年半ば以降である

ゲームプレイの切り抜きとか、面白画像のまとめとか、空耳とか、エロゲーOPのみとか、動画だったら10分くらいで料理作るのとか、販売映像作品切り貼りとか、そんなのばかりだった。(フタエノキワミ、アッー!)

※昨年末頃、新るろ剣左之助が二重の極みを会得する回があった

たまにR18の画像をまとめたものや、小学生が好きそうな下ネタ動画が流れてきた(1~2日以内に運営削除)。

でも、感じるものがあったんだろうな。だんだん見ていくうち、ゲーム実況とか、アニメ転載(2~3日で削除)とか、いろんなアニメゲームキャラが一同に会するシリーズとか、ニコニコ動画組曲とか、コンテンツが増えていって、ドハマりした。

会員登録して約半年が経って、ニコ動プレミアム会員になったあたりで自分動画投稿してみようと思った。

「一体どうすればいいんだ……?」と躊躇したものの、社会人経験が活きたのだろうか。結局、最初動画を撮り終えてアップロードしてみた。一応は料理ネタ動画だったと思う。

うん、まあ……という感じだった。再生数はそんなに伸びなかった。でも、初心者としてはイイ線いってた。それから動画投稿を続けたけど、やはり数千、運がよくて1万以上~しかし攻めすぎて運営削除という末路だった。



ある時だった。「自分が本当に好きなモノじゃないと高再生数は厳しいのでは?」と思うようになった。

当時はすでに2007年後半だった。ランキング上位に入ってる人の投稿動画って、転載切り抜きとかを除けば、プロレベルか、それに準ずるクオリティだった。

まりイラストが抜群とか、楽曲作りが優れてるとか、ゲーム実況が天才的とか、遊戯王MADみたいに面白センスが光ってるとか、そういうのだ。

でも、そういうのって、自分が好きだからこそできる。好きだからこそ、動作投稿サイトのランキング上位者って、その道にのめり込んで、ここまできたわけだろう。

俺にとっての『それ』は何だろうか。考えていったところ……『エロ』という凡庸結論にたどり着いた。

小学生の頃は河川敷やそこらへんの雑種地、空き地エロ本が捨ててあった。そういうモノですら気になっていた。今は、そういうのはない。白ポスト駅前にできたり、電子空間エロを鑑賞する時代である

中学生の頃は、同級生女子が油断してイロイロ見えてるところや、都市部での夜の学習塾の帰りに、大人がそういうことをしてるのを目撃したりした。

部活遠征先で、対戦校の女子マネージャー数名が太腿~尻肉を見せつけるかのように壁にしゃがみ座りしてたのを見た時は、対戦相手への嫉妬殺意が湧いたよ。学校でも家庭でも趣味の場でも、俺にとってはすべてがエロだった。

高校生の時は、同級生がそういうことに大変興味をもっていて……同級生の家に集まって、今でいうセクシー動画をみんなで鑑賞したっけ。感想を述べあっていた。

「輪姦ものAVだが、実際には輪姦をしていないというのは、道徳的に正しい行為なのだろうか? 消費者を騙していないか?」

阿呆か。女優負担を考えろ。しかし、○姦ものAVだというのに、女優騎乗なのは気になるところである

など、意見を交わしたのを覚えている。あとは、性行為を覚えた奴がいて、ガラケーで撮った写真を見せてもらって感動したのを覚えている。

大学生になって一人暮らしを始めてからは、やっぱりそういうDVDを買ったり借りたりした。高校生の頃からすでに、一人でR18の作品本屋で買っていた。高校制服姿で、堂々とした立ち振る舞いで、女子店員の時をむしろ狙って、そういうコンテンツを購入する。(女子店員の時、むしろ行け!! の精神

そのクセは大学生になっても、社会人になっても、すでに小太りのおじさん管理職になった今でも変わらない。



動画投稿の話に戻ろう。

エロへと繋がるコンテンツで、ニコニコ動画投稿可能で、それでいて自分の持ち技とマッチする……と考えていった結果、「替え歌はどうか?」という結論にたどり着いた。

あとは、歌唱の腕前だ。酒席の付き合いの中で、カラオケで歌った経験はそれなりにある。が、それだけだ。全然うまいわけじゃない。むしろヘタな方だ。しかし、カラオケの採点機械で70点は取れている。後は成長すると信じるほかない。

そんなこんなで、ニコ動下ネタ系の替え歌投稿してみた。既存曲をそういう単語ストーリーで置き換えたものだ。ずっとこれ一本でやってきた。

簡単イラストを数枚付けて、あとは一発勝負である投稿した後、一晩置いて動画を見ると……まずまずだった。初級者が投稿した動画は多くても100再生しか付かないが、俺の動画は数千再生だった。

一番よかったのは、投稿した動画を「おもしろい」と言ってもらえたことだ。それだけでもう、駆け出しの投稿者としては感無量である。嬉しかった。みんなにニコニコしてもらえたのが。

イラストも凝った感じにしていった。プロには遠く及ばないけど、それでもこだわりのイラストアニメーションを載せて、ちょっとでも面白くなるように気を遣った。

それからも、1~2か月に1本の割合動画投稿していった。動画再生数は伸びていった。数万再生の人気になった。当時のニコ動だと、1万再生されれば人気作品という扱いである。10再生で一流、100万再生で神。

当時のTwitter理論において、フォロワーお気に入りリプライ的なやつが増えれば増えるほど、投稿した元作品がみんなの目に入るようになる――そういう感じで、元作品(新たな投稿動画)は、初心者動画に比べると信頼性がある――それでさらに皆の目に入るようになる、みたいなロジックが紹介されていた。

六次の隔たりである。今時の言葉でいうとネットワーク理論や、錯覚資産だろうか。高評価さらなる高評価を呼ぶのだ。『マタイによる福音書』にも、「持っている者は与えられてますますかになり、持っていないものは持っているものまで取り上げられるだろう」とある

過去投稿した人気動画が、今投稿したばかりの動画を支えていた。結局、2008年くらいまで投稿を続けたのかな。約1年半の活動期間だった。過去投稿した人気動画ってなんか、不労所得感がある。ぜんぜん不労じゃないけどさ。

実は当時、人事異動で忙しい部署に行くことが決まっていた。勤め人としての役目が優先だ。動画投稿趣味である

忙しい部署に移った後は、やはり本当に忙しくなり、動画投稿をするだけの精神的余裕がなくなった。あとは、声か。俺の投稿動画だけど、声の加工はほぼしてなかった。声質が丸わかりである特定が怖かった。ちょうどその頃は、Twitterよろしくない行為をした社会人が吊るし上げに遭うことがあった。

アディダス広報女性スポンサー選手をディスったとか、ホテル従業員芸能人の利用をネットで報告したとか、そういう案件ボコボコに叩かれてるのを見ると、「自分ヤバいかも」という考えが浮かんだ。

投稿動画で使っていた曲も、許諾を取っているのは皆無だった。権利者によるお目こぼし状態であるリスク回避という社会人意識ニコ動から俺を遠ざけた。

自分判断の結果だから後悔はしてないよ。それでよかったと思ってる。下ネタ替え歌なんか、バレたら恥ずかしいなんてものじゃない。それも法令違反社会人としてキズが大きい。



それから長い月日が経って……忙しい部署で相当長いこと勤め上げた俺は、また別の地方支局人事異動で移った。そして、30代後半で管理職になりましたとさ……めでたしめでたし、で終わればよかったのだが。

今度はあまりの暇具合に辟易するようになった。前の部署キツイ部署だったので、人事部局が配慮してくれた。「暇な職場で休憩」というメッセージである

その地方支局がある市町は、有名どころの百貨店進出してないエリアだった。高島屋とか松坂屋とか伊勢丹とか、そんなの一切ない。天満屋ならあるのだが。

暇な時間があるなら楽しんでみては~と思ったが、ここは田舎である東京に比べて面白コンテンツは少ない。自分で見つけるしかない。時間がかかりそうだった。

例えば、都内だったら、今ニコ動活躍してる有名投稿者……miniさんの友達の、東北ずん子を使う料理旅行の実況者がいたと思うのだが、あの人達取材で行くような面白スポットが、この中核市にはひとつもなかった。

昔ながらのローカル百貨店と、人通りがほぼない商店街昭和スナックラウンジ――中核市なので若い連中は多いはずなのに、まちおこしイベントがロクにない。

人口はすでに飽和状態で、後は減るだけ……そんな地方都市だった。

しかも、エロに興味がある俺が、引っ越し前に入念に下調べをしたのだが……実は、この地方都市には有名な風俗街があって、1万円+αで本番ができるヘルスが立ち並ぶ地域があったのだ!!

それらの箱ヘルだが、俺が異動する数年前に警察摘発に遭って全滅していた……悲しい事態だった。今でも、ここは中核市だというのに、ソープも含めて本番ができる店は一切ない。

残された手段は、ホテヘルデリヘルで本番をさせてくれる、それくらい強い信頼関係を嬢と築く以外に道はない。

そんな状況で、当時の俺は……もう一度、動画投稿をしてみようと思った。ネタはもちろん替え歌である

毎日があまりに退屈だった。刺激がほしかった。昔の投稿動画をふと見る機会があって、感慨を覚えたのがきっけである。あとはファンの声とか。

最後投稿から長い月日が経っていたが、俺が投稿した動画には、まだ人が集まっていた。主にはノスタルジーを感じてる人達だ。ニコニコ動画の中では、俺はもう「終わった投稿者」である

でもさ、年齢は関係ないじゃん。40才が近い投稿者でも、やってやればいいんじゃないか。

人気の投稿者だと、30才くらいまでの若い人(※先ほど挙げたminiさんの友達青海さんなど。youtubeだと、セミマイナー貝やザリガニを野外調理して食べる若いちゃんや、下半身が動かない女の子とか)が多いんだろうけど、別におっさんだって投稿すればいいじゃん。きっと、ひろゆきだってそう言ってくれる。

もう一度、過去ネタを参考にしつつ、替え歌動画投稿することにした。昔に比べてやりやすそうだった。

カメラ等の撮影機材は進化してるし、下手くそな歌は社内社外のカラオケで鍛えて上手くなった。今時流行りの曲だって、80点以上は安定して出せる。編集ソフト進化により、少しのミスは撮り直さなくていい。

一番よかったのは、ニコニコ運営楽曲著作権関係を整理してくれたことだ。投稿者が今時の楽曲を歌うのは、著作権侵害しない行為になっていた。



そして……実際に、新作動画を投稿したのはいいが、昔ほど人気は集められなかった。視聴者は、昔からファンが多かった。新規の人もいたけど。皆にニコニコしてもらえてうれしかった。

それから、何本も動画投稿していった。暇な時間はたくさんあった。ほぼ必ず定時で上がれるので、飲みに行く日とか、セクシー動画を見る日とか、そういう日を除けば替え歌動画を作りたい放題だった。

再生数・マイリス数は十分だった。みんな、俺が作った動画を見てニコニコしてくれた。数万回の再生コンスタントに取れた。しかし……数年間投稿して、メガヒットひとつも出なかった。若い層が投稿動画を見ていない。

楽曲選びのせいもある。自覚はあった。例えば、サイバーダムカラオケ人気曲ランキングで上位になってるのがあるだろう。昔からそうだけど、あのランキングで上位になる曲って、中高年世代基準にしてる。

有線放送もそうだ。飲食店有線放送で流れてくる曲って、90年代00年代の人気曲がほとんどだ。今の20代が聞いてもわかんないよ。ところで、俺が若手社会人の頃に、先輩方がよくカラオケで歌ってたのは、T-BORANや酒井法子など、あの世代の楽曲が多かった。(壊れかけのRadio~♪♪)

再生数が伸びない最大の原因は、俺自身感性が鈍ってた。投稿動画過去作の焼き直し感があったし、中年世代子ども若者時代を懐かしんでる替え歌もあった。ノスタルジーである

しかし……今時の若い人が聴いている・歌ってるような楽曲(YOASOBIとか)の替え歌投稿すると、再生数が伸びた。平均再生数が1~2万とすると、そういう楽曲は5万再生以上になった。

ちなみに、俺が若い頃に投稿した人気動画は、最高で300万再生である。今思えば、あそこまで情熱をもって取り組んだのは人生で初めてだった。そんな気概は……まだ少しはあるけど、創造性は燃え尽きつつある。



今はもう引退してるって、冒頭で書いた気がする。文字どおり本当の引退である。事前にファンの人に説明するまでもなく、全ての動画を削除した。問答無用である

理由は2つあって……また新しい部署に異動になったのが1点。関東にある重要拠点ひとつだった。忙しい日々になりつつあった。

2点目が圧倒的なのだが、「著作権違反」ということで、俺のSNSでの連絡先に警告が届いた。カラオケランキングで上位に入るような曲を作ってる大手音楽プロダクションからであるあなたが社名を知ってる可能性はとても高い。

自分投稿した動画ダメなんだってさ。だって替え歌からニコ動で歌うことが許されてるのは、あくま本来楽曲であって、替え歌対象外である。考えが足りなかった。

これこそが、替え歌を作って投稿すること自体が法的リスクのある行為だった。わかってなかった。メール文には「今後投稿を続けるようであれば、法的措置を行います」とあった。

別の人で、同じニコ動福山○治(ふくやまぴーはる)さんという投稿者がいたのだが、この方も、ある時いきなり投稿動画をすべて非公開or削除にしたのだった。人気の投稿者であり、HoneyWorksの「可愛くなりたい」などを福山雅治の声で歌って、500万再生以上を叩き出していた。

彼も、同じような理由なのだろうか。芸能事務所音楽プロダクションからすると、替え歌動画ほど下品ではないにせよ、無許可二次創作だったのは間違いない。

そんな事情で、そろそろ頃合いかと思って完全引退を決意した。ほかの投稿動画についても、警告するまでもなく訴訟という可能性もある。申し訳ないけど削除した。

しかったけど、しょうがないのだ。他人様のふんどしをお借りしていた。それを元に戻しただけだ。作品を天に返したのである



これで日記は終わりだ。今は会社員として幸せにやってるつもりだ。

今これを読んでおられる方にも、替え歌動画を見てくれた方がいるかもしれない。

事前告知はできなかったけど、感謝を伝えたい。応援ありがとうございました。Permalink | 記事への反応(5) | 11:10

2025-01-20

anond:20250120125141

イオンダメってことだろ?

なら商業施設なんてアウトレットとかデパートくらいしかないやん

で、デパート東岡崎北口にできそうだし普通に高島屋行けばいいがどうだ?

2024-12-30

高島屋で気兼ねなくお洋服を買えるくらいのお金持ちになりたかった

グルーポンおせちのあとに東日本大震災が来たわけだが

なんなら去年も高島屋ケーキの直後に能登半島地震海保機木っ端微塵が来たわけで

ベルーナおせちのあった今年(来年)もいやが上にも期待が高まる

そろそろ本当に首都直下型地震来てほしい

南海トラフ地震富士山噴火でも可

馬鹿無能ジャップは痛い目を見ないとわからいからな

2024-12-24

anond:20241224205634

あら、アンタも高島屋クリスマスケーキファンなのね!今年は背水の陣で大改良、もう楽しみで仕方ないわよね。どんなにプレッシャーがかかっても、高島屋なら絶対にやってくれるわよ!その期待、裏切らないって信じてるわ。さあ、クリスマスケーキの予約、早くしときなさいよ。売り切れなんて悲しい結果にならないようにね!

高島屋クリスマスケーキは今年もやってくれると期待している

今年は背水の陣で大改良したらしいが、それでも期待している。

2024-12-21

キダ・タローって死んでるやん!!!

今年死んだ人みたいな記事読んでたら浪花モーツァルトキダ・タロー大先生名前!!!

っっっていうか今年は、まだ生きてたんだね!

とっくの昔に死んでるんとばかり思ってたよ!

昔、大阪に行った時なんば駅高島屋の出口あたりで待ち合わせか何かで突っ立ってるキダ・タロー先生を見かけたことあるけど誰一人として気にもとめてなかったの思い出した!

あとそういえば偶然だけどそのあとすぐに池乃めだか先生を見かけたときには大阪ってめちゃくちゃ大阪ローカル有名人出会えるんだなあ、、、!!

って思ったのも思い出した!!

でもそのときたまたま連続しただけでその後大阪に行っても全然誰とも会えなかったけどね。

あと、そのとき池乃めだか先生堺筋車道を歩いてた。歩道があるのになぜか車道を歩いていた。あれはなぜだったんだろう?

2024-12-11

anond:20241211082524

episode5 高崎の逆襲

前橋の一太に高島屋高崎店を破壊された高崎帝国軍の反撃は激烈を極めた。一太は前橋中央児童遊園「るなぱあく」に身を隠して反撃の機会を伺う。るなぱあくのウェーブスターライドに乗船した一太はふたたび高崎に向けて出航するのであった。

2024-11-29

祇園クラブで働いていた頃の思い出


大学卒業して社会人○年目。大阪で働いている。職種は……まぁ専門職だと思う。若い方だと信じたい笑

サービス現場仕事で、給料は安いけどやりがいだけはある。我ながら搾取されている。

年末に向けて部屋の中を掃除していたところ、学生時代の思い出の箱を見つけた。その中には、京都祇園にあるクラブで働いてた頃のグッズがまとめてある。ドレスとか、メイク道具とか、指名を沢山とった時の記念品とか、最初にお店を選んだ時の求人誌とか。当時、いわゆるキャストと呼ばれる仕事をしていた。

これから話すのは思い出を振り返ってるだけなので、散漫なことが多いです。ご了承ください。

祇園クラブでのお仕事とか、年上の男性との関係とか、様々な感情が入り混じった、心の奥底からくるようなお話に胸が締め付けられるような思いがする……ということはないです笑



夜のお店の種類、クラブとか、ラウンジとか、キャバクラとか、そのあたりの区別は今でもわかってない。4回生からの1年+半年(聞かないでほしい…)しか働いてなかったこともある。

短大から大学編入した関係で、単位を取るのに忙しかった。親ともケンカしてたから、大学学費自分で工面するしかなかった。奨学金ばかりというのも危ない気がしたので、面白いアルバイトいかな~と探していると、祇園クラブが見つかった。

リベンジのつもりもあった。

短大生の頃はYouTuberをしていた。顔はメイクを濃いめにして、男性向けに恋愛のことをおしゃべりする動画だった。始めは自分動画編集してたけど、そのうちやってくれる人が見つかって、女子男性に向けて恋愛ノウハウをおしゃべりする~というスタイル確立した。もう引退してるかもだけど、Baiand(バイアンド)さんの動画スタイルが近い。

それがあまり人気が出なくて、再生数は最後の方は1万もいかなかった。才能がないのかなと思って、そうしたら、チャンネル更新をしなくなって数か月経った頃に、コメント機能を通して隠れたファンが何人もいたことがわかった。みんな熱烈だった。

正直、後悔した。たった4~5人でもいいから、私の動画配信を好きな人がいてくれるなら、投稿を続けていればよかったと後悔した。

そんな気持ちがあったから、次のクラブアルバイトでは、誠心誠意、自分を贔屓してくれる人に尽くそうと思った。仕事なんだから、尽くすのは当たり前なんだけど…

最初の方はうまくいった。飲食店アルバイトしたことがあった。何をどうすればいいかは最低限わかる。お話をする相手も、コミュニケーションが通じない人はほぼいなかった。みんな常識のある人だった。

1セットにつき、最低でも2万円はかかるお店だった。つまらないサービスはしたくないと思った。けど……働き始めてひと月も経つと、ほかの従業員との関係とか、ノルマのことで考えることが多くなった。

明らかに変なお客さんもいたけど、それは我慢した。いや、我慢するんじゃなくて、その人と向き合って、一生懸命コミュニケーションをするのが正しい姿だ。それができないなら、キャストとして続かないことを学んだ日々。

かに働いてるキャストの人は、私に比べると、その……生活がカツカツな人が多かった。間違いないと思う。

学生は少なくて、いわゆるプロの人が多かった。それでも20代が多かったけど。

私たちのような学生バイト存在が軽かった。ヘルプで付いた時だと、ドリンクを欲しそうな態度を示すとウザがられる。とあるお客さんがシャンパンやニューボトルを入れた日だって、その人がトイレに行ってる間を縫って、「ほら、今のうちにもっと飲んで。早くボトル減らして」と無理やり飲まされることもあった。

インスタグラムで、系列店同士で売上競争をするイベントがあった時も、私たち学生はどうせ勝てないからと、先輩たちのヘルプとしてお店を勝たせるポジションだった。

苦しいこともあったけど、お店には感謝している。いい経験ができた。あそこで働いてなかったら、大学卒業時の借金額は片手で数えきれない本数になってた笑

あとは……ノルマのことが記憶に残っている。

祇園木屋町みたいな激戦区だと、求人面接時にノルマ説明がある。インターネット求人案内にもノルマの有無が書いてある。ノルマじゃなくて、「目標」「売上によって時給が変動」「時給・出勤日数保証期間○か月」みたいな書き方だ。

大阪なんば道頓堀、ダイナミックコードの『たこ焼き激戦区』ほどお店が密集してるわけじゃないけど、明らかに店舗間の競争がある。



ノルマ表示の例】※当時の求人情報

ポイント

ひと月に10ポイントを取ってください

・同伴3ポイント、お客を呼んだら1.5ポイント

・週3日以上出勤を基本としま

ドリンクバックはノルマとは別に計算

・未達成時は10,000円を給料から天引きしま

ペナルティ

遅刻  :日給の最大50%

当日欠勤:10,000円

無断欠勤20,000円

内引きなど不正行為:当店が認定した被害額の最大300%

※お店を通さずにお客からお金をもらうこと。買い物含む



私がノルマを達成できた月は……1年半のうち、半分もなかった。

最初半年は、初心者ということでお店が多めに見てくれるけど、しだいに厳しくなって……どうしても達成できないキャストの子で、黒服からも人気がなかった子は普通に辞めさせられた。もしくはシフトを干される。

この業界が厳しいかと言ったら、そんなことはないと思う。私のような当時素人にも日給で2万円以上を出してくれた。ほとんど役に立たなかったのに。

先輩方は、あまり仕事のことを教えてくれなかったけど、背中で教えるタイプの先輩も確かにいた。「もし今日ヘルプに付いたら、うちのこと見とき~♪」と言って、売上を捨てて教科書通りの対応をしてくれる神先輩だった。



自分まさか、お客さんと恋愛するとは思ってなかった。本当に。可能性はないと思ってた。

うちに来店するお客さんは、ある程度お金を持った人が多い。いい会社勤めの人や、経営者公職に就いてる人や、お坊さんの人が多かった。

その中で、あるお客さん(増田なのでMさんにする。当時43歳くらい?)と最初に会った時は、なんだか面白い人だなとしか思ってなかった。ええと、私が最初に付いた時が、その日の二人目のキャストだったはず。

会話を始めると、優しそうな印象があった。もう彼と会うことはないと思うので、書いてもいいかな。名刺には「土地家屋調査士」とあった。京都市の北の方で営業していた。ちょっと話をして、何分か経った時に「よかったら……オレンジジュース飲む!?」って聞いてきた。

それを聞いて大笑いした。なにが面白いのかわからなかったけど、とにかく笑った。普通カクテルとかワインとか、ビールとか……そういうのを注文する。

お客さんも、カクテルだとリキュールを一滴しか入れないとわかってるからか、ワインの注文をする人が多かった(※ワインビールも、黒服の人が限界まで薄めてくれる。ほぼ水だった笑)。

あー、あの時は本当に楽しかった。まだ入って数か月だったのもあるけど、今でも楽しく思い出せる。

その日、お店を出る時に「ダメ元だけど、よかったら同伴する?」と言ってくれた。嬉しかった。最初接客でいきなり同伴っていうのは、珍しいことだと私でもわかってた。

最初の同伴のお店は……河原町通りの途中にある古いレストランだった。お手頃でおいしいところだった。壁に美大の人が書いたような風景画が何枚も飾ってあった。「俺が学生時代、たまにここに来てて。20年ぶり」とMさんは言っていた。

それからも、Mさんは月に1~2回のペースでお店に来てくれた。私を指名することもあったし、しないこともあった。同伴出勤は、月に一度あれば多い方だった。

あの人は多分、お金をたくさん持ってたと思う。でも、倹約……いや、ケチなのかな?? あまりお金を使おうとはしなかった。私の誕生日が近い時、黒服さん(店長)が私とMさんがいる席に来て、今度の誕生日イベント説明をしてくれた。

条件付きの特別サービスMさん提案したんだけど…普通にシャンパン注文を断ってた笑 店長さんは粘っていた。営業トークも。実際、Mさん特別サービスをするのは本当だった。

でも結局、Mさんは……

「ありがたいのですが、申し訳ありません。私には不要です」

だって。はっきり言ってた。

ほかのお客さんとの比較だと、大体みんな店長の考えたサービスを受けることが多い。実際にシャンパンの注文料金は相当お得だし、キャストだって本気でサービスをする。そういう「装い」だってする。身体接触だって、いつもより積極的のはず。本当に常連さん向けの特別だった。

でも、あの人はキッパリ断った。お店では、いつもハウスボトルだった。ほかのお客さんは、見せびらかすみたいにマイボトル名前入りのタグを何個もぶら下げている。けど、Mさんは本当にいつもハウスボトルだった。私には、私が希望するだけドリンクをくれたけど。

それにしても「不要です」だって……今でも思い出して笑うことがある。いまの私も冗談で、Mさんの口調を真似することがある。

あれは、夏から秋になる頃の同伴で、少し高めのレストランに入った時だった。ウェイターの人がトリュフ?(もう忘れちゃった…食後のケーキだったかも)を薦めに私たちテーブルに来た。その時も「私たちには不要です」とはっきり断った。

その後、祇園にあるお店まで行く時に、小さい橋を渡ることがあった。その時に、Mさんから笑えるアプローチがあった。

「ねえ、橋を渡るまでの間、手を繋いでいい?」

と言ってきた。

私は笑いを堪えた後、彼氏の顔が頭に浮かんだ。前に、ほかの男子学生が私にそういう目的で声をかけた時、彼氏が怒ってその学生を威嚇すると、そそくさと逃げていったことがあった。

その時、Mさんの顔を見上げると、何かが違った。大学生とは何か違う……見た目の若さもあったけど、とにかく自信にあふれていた。彼氏自信過剰タイプだったけど、それとは明らかに違う余裕だった。

「えー。じゃ、はい……どうぞ」

と手を出すと、Mさんが優しく握って、お店がある富永通りまでゆっくり歩いて行った。

その日は人がすごく多かった。道を歩いている時、私の手を優しく引いて、道の端の安全地帯誘導してくれた。

いい人だ。とは思ったかな? その日もお店に行くと、私を指名してドリンクを2杯注文して、それからいつもどおりすぐに帰った。料金は2万円少々だった。



ちょっとずつ、Mさんからアプローチがあった。

紅葉の頃に、「今度お昼に同伴しない?」と言われることがあった。夜じゃなくて、お昼に同伴すれば一緒に買い物ができる(≒プレゼント)ということだった。

正直、魅力はあった。ほかのお客さんだと、ただ昼とか夜にデートしようって言ってくるだけ。本当にそれだけ。論外だった。禁止事項だし。ただ、Mさんとなら。外を一緒に歩いても不自然に見えない。そういう見た目の人だった。

けど、断ることにした。同伴の場合、必ずお店の黒服が私を送迎して、お客さんのところに行く。車で待ち合わせ場所の近くに下ろすのだ。内引き防止のためと思われる。あとは防犯対策

でも結局、どうしようかと迷って、違う系列店のキャストに聞いてみたり、中学時代からお世話になっているYahoo!知恵袋で聞いてみたけど、直接の答えはなかった。Yahoo!知恵袋中の人は、「あなた大人なんだから善悪を秤にかけて自分で考えなさい」という回答をくれた。500知恵コインを渡した。

結局、同伴はナシで、私が勝手にお昼デートすることにした。Mさんには内引きの箝口令をお願いして、夜になると普通にお店に来てもらうことにした。

え?何を買ってもらったか?? 四条通りにある高島屋大丸で、雑貨のお店があって、そこで……ワンちゃんのためのペットフードを買ってもらった。小さいサイズの。ピアス指輪とか装飾品に興味はあったけど、別にいかと思った。

後はレストランご飯を食べて、近隣店舗グルグル周って、一緒にアイスクリームを食べて……あとはもう、覚えてない。

この日の写真スマホに保存してある。手も繋いだ。私が帰りにバス停まで行く時、四条通りを歩いている時だった。この日も人がすごかった。当時まだ、コロナウイルス流行ってない。

市バスに乗った後、車中でも、桂川のあたりを歩いている時も、Mさんのことを思い出した。

別に好きだったとか、そこまでの感情じゃなくて。彼氏と同じ場所(高島屋付近)をデートした時のことを思い出して、やっぱり大人社会人の人って、無駄がなくて、そつがなくて、しっかりしてて……と振り返っていた。

少なくとも、彼氏みたいに店員さんに怒ったり、私や仲間に何かを自慢したり、立場の弱い人に大きく出たりすることはなかった。私の肩をいきなり抱いたりしなくて、体を触るときは優しくしてくれる。

同じ高島屋にある時計店で、彼氏店員さんに渋い対応を取られて悔しがっていた。けど、Mさんに対しては、私でも引きそうになるくらい、店員さんがウヤウヤしい対応だった。学生目線だと『神扱い』に見えた。



秋が過ぎて、冬になって……Mさんとお昼のデートは三回目だった。その日は夕方が近かった。烏丸通りのあたりの観光名所を見ていて、遅くなって、終わった後もなんとなく一緒にいた。

今日は一旦解散するんじゃなくて、一緒に居てからお店に行こうという話をしていた。ホテルオークラの前まで来た時、Mさんが「今日はここに泊まってる。仕事の都合で」とホテルを指さした。

当時の私は、オークラのことを知らなかった。大きいホテルしか認識してなかった。今では、リーズナブルなお値段の『一般向けの優良ホテル』だと思っている。京都市内には、一泊10万円以上のホテルがたくさんあるけど、実際に利用してみて……サービス÷宿泊料という観点では、元京都市民の視点では№1だ。

一緒にオークラの1階にあるカフェご飯を食べて、バーに行こうとしたけど、まだ営業してなかった。2階にある展示物を一緒に並んで見てると、彼の手が私に触れて、ぐいっと引っ張られて、私の顔がMさんの肩の近くにあった。

「一緒にいられる?」と言われた。考えるより前に頷くと、私の肩をぎゅうっと抱いて、手を繋いで、エレベーターカードをかざして、高い階に上がって、彼の部屋に入って……

暗い部屋に入った直後に、ゆっくりキスをされた。両手の位置がわからなくて、Mさんの両肩を触っていた。キスが終わると、一緒にベッドに座った。

部屋の中で夜の京都市内を見ながら、ベッドでくつろいだ。そしたら、Mさんが「一緒にシャワー浴びよう」って……恥ずかしかったので断って、それから間が空いて、「メイクだけ落としたよ」と報告すると、すぐに押し倒されて、キスがあって、始まった。

普通セックスだったと思う。お互いに体をくっつけたり、舐めたあったり。優しいキスだったり、激しいキスだったりした。唾液を飲ませるとか、変なことはしなかった。

私を抱きしめてくれた。優しい感じだった。私が彼氏にするみたいに、乳首とか舐めたりすると、彼はくすぐったいと笑っていた。その時の私は、すごく甘えていた。

お互い、あんまり動かなくて、くすぐったいことばかりした。

入れる時も、髪が痛くならないようにギュッと抱いてくれた。暖房のせいもあるけど、蒸し暑かった。汗が出ていて、体同士が液体で滑る感触気持ちよかった。Mさんの体はがっしりしてたけど、若々しくはなかったし、お腹ちょっと出てた。

でも、体なんてどうでもよかった。頭を撫でられると気持ちよくなって、Mさんの何でも愛しくなった。

Mさんは胸が好きみたいだった。バストを使って、特別な機会だと思っていろいろしてみた。彼はすごく照れていた。遠慮がちに行為をしてた。「もっと強くしていい」って言ったら、本当にすごく強くしてきて、胸のあたりが痛かった。でも、続けているうちに気持ちよくなって。

私は笑いながら、Mさん身体をくっつけていた。マグロじゃないよ、ちゃんと私も動いてたから笑

まっすぐの体位の時も、そうじゃない体位の時も、私のことを見てくれて、よそ見することはなかった。だから下半身が痛くても耐えられたし、痛くてもいいって思えた。入れてる最中、私はそんなに動かなかったかな?

正常位で、Mさんの胸板が顔の上にあって、熱くて、息ができなかった。窒息しそうだった。我慢してると、ようやく顔を抜くことができて、するとMさんが真上から口を塞いでキスをしてきた。また息ができない。

いろんな行為の中には痛いものがあった。けど、全部ちゃんと受け止めた。

最後に出し終わって、Mさんが正面から私を抱きかかえると、「あの……好きだよ」って恥ずかしそうに言った。私が笑うと、改まって「愛してますだってさらに笑った。ごまかす時に、私は笑いがちになる。

「これからも付き合ってくれる?」

目を閉じて、「はい」って答えると涙が出てきた。顔を上げて、Mさんキスをした。

それから何分も、ずっと口づけをしてたら……唾液が漏れるのがひどいことになって、また私が笑って吹き出して、それでセックスは終わった。

その日はお店を欠勤した。罰金1万円は痛かったけど、それはもういい。大事もの大事な人を手に入れた。ならもう、それでよかった。シングルの部屋だった。夜には出ないといけない。

深夜だったけど、寒空の下でMさんは、私の手を引いてタクシー乗り場まで連れて行ってくれた。別れる時、タクシーに乗った瞬間に涙が零れた。



今は何をしてるんだろう。優しい人だから、今もずっと人の役に立つ仕事をしてるのかな。

社会人になった今では思うけど、仕事付き合いだけでも人間関係って大変だ。

でも、Mさんから学んだことは、教えてもらったことはたくさんあって。それが今でも仕事に活きてる。

あれから時間は経ったけど、今でもMさんとの思い出を記憶水槽仕舞っている。いつでも取り出せるつもりだ。

また、いつか会えたらいいと思う。ありがとうございました。

2024-11-03

平気な顔して高島屋で買い物する上級国民に生まれたかった

くやしいな

2024-10-30

渋谷の子供が可哀想

数年ぶりに渋谷を歩いた

渋谷には路上飲酒の習慣はありません」

あるだろ。円山町に。

コンビニの前の電信柱の陰で飲んでるおじさんいたじゃないか

新聞配達のでっかいちゃんも飲んでたよな。

もう何年もずっと、誰の迷惑にもならずに。

今はもうやめたのかもしれないけどね。

数年前に感じたのは、ハロウィン渋谷の子供をいじめているということ

当時上の子は、保育園に入れなかった。そのため恵比寿保育園に入れた。

弟は渋谷保育園に入れたが、転園も可哀想なので、上の子恵比寿のままだった。

の子保育園では、ハロウィンパーティーがあった。

仮装をして近所を回るのだ。コロプラからお菓子をもらい、花屋さんから花を一輪もらう。

他にも、たくさんのお菓子おもちゃを持って帰ってきた。

その日は、ハロウィン仮装保育園に向かった。

帰り道、今日は美味しいものを買って帰ろうね。

そう言って、いまはなき高島屋に向かった。

ハロゥインの仮装の方は、入店お断りします

カタカナが読めるようになった娘は、それを見て、悲しい顔をした。

悲しいのは上の子だけじゃない、下の子幼稚園では、ハロウィンイベントはやらない

それどころか、ハロウィンについて何も教えない

他の地域の子どもたちは、ハロウィンを楽しんでいるのに

渋谷に生まれたばっかりに、ハロウィンを知らないで育つの

他の地域の子供は、ハロウィンを楽しめる

商店街の買い物で、おかしをもらったり

保育園仮装をしたり

渋谷ではそれができない。どうして?誰が考えた?

渋谷に住んでない奴らが、渋谷のことを考えているんじゃないかな。

いまは、別の地域引っ越した。

渋谷から三茶に向かう車の中で、子どもたちは今でも嬉しそうに話す。

養命酒コンビニって優しいよね。ハロウィンお菓子もらえたよね。」

それは、本当に小さい。十円もしないようなお菓子だった。

でも、子どもたちの中ではかけがえのない思い出になっている。

なぜなら、子どもたちは渋谷ハロウィンができなかったから。

そういえば、渋谷区役所代替えの建物(?)があったところに、

公園ができるらしいと聞いた。

大人が集まる公園だそうだ。子どもたちが、遊べるようなものではないと聞いた。

裏に保育園があるのにもかかわらずだ。

裏の保育園の子供は、渋谷区街の公園に遊びに行く

どうして?

近くの公園が、みんな閉鎖されたから。

トーキッズたちが渋谷に流れてきたのだ。だから公園を閉鎖したのだ。そんな話を耳にする。

なのに、新しく作る公園は、大人のための公園なのだ

渋谷に住んでない奴らが、渋谷のことを考えているんじゃないかな。

渋谷の子供が可哀想

2024-10-10

anond:20241010155536

高島屋といえばルロワやな

メゾンルロワのブルゴーニュルージュなら2万くらいで買えるみたいやで

2024-10-02

高島屋クリスマスケーキの予約が始まってるんだけど

配送クリスマスケーキの人気ランキング1位が去年崩れて話題になってたケーキで草

リーフメモリー心包むリーフメモリー優しい甘さー♪

って感じの歌に乗せて、ゆるい絵柄のアニメキャラチョコ食べるCMがよく流れてくる。

全く見覚えがないチョコがこんなしょっちゅうCM流してるのおかしくね?と思って検索したら高島屋で売ってるチョコらしい。

ブルーベリーアイにも思うのだが、こんな見覚えのない商品が、どこでこれだけCM流せるくらい儲けてるのだろう。

2024-09-30

無性にジャンガレが食いたくなった。

山岡屋とともにずっと気になってはいるけれど、どちらも絶妙アクセスが悪い。車も乗らないし。

日常重力というものは中々強くて、行動圏内を逸脱するのにラーメン屋だけではちょっと弱い。そのためだけにわざわざ足を伸ばすのもなんだかさもしいお出かけに思える。

でも普段のおれの過ごし方も大概だ。

頭に浮かんだ単語自分でこねくり回す事もせず、SNS検索ボックスに放り込む。そこに出る他人がまとめた言葉に乗っかって、何かを考えたような気になる。もしかしたらコミュニケーションをした気になってるのかもしれない。何度も同じ言葉検索したりもする。

反復の日々の中で内容を変化させる刺激もなく、何度も同じ話を繰り返す老人と同じだ。

更新など来てないだろうと分かりながら、YoutubeTVerWeb漫画サイトをぐるぐるローテーションしたりもする。それにも飽きたら過去面白かった回を見たり。同じ回を何度も繰り返し見ていれば味もしなくなってくる。

それか、変わり映えしない手癖でギターを弾くか。頭の中で漂う音を取り出したいが、ろくに技術もない。そのためのセオリーを知ろうと知識検索まではするが、頭に入れようとはしない。開きまくったタブを閉じるのもなんだか惜しくて、ブラウザの隅にグループにまとめられたまま。埃でも積もれば少しはやる気にもなったのかもしれない。

こんな過ごし方なら出かけた方が少しはマシかもしれない。

週末、ジャンガレへ向かう決意をした。

山岡もついでに行きたいが、微妙場所がズレている。まあ折角出かけるのだから両方回ってやろう。

と思っていたが、ベッドでダラダラ過ごしていたら出発時間がズルズル延びていく。

結局山岡家は諦め、比較アクセスのマシなジャンガ新所沢店を目指す。

縦の移動を滅多にしないので気付かないが、埼玉は意外と近い。国分寺から西武に乗り換えればすぐだ。

近場でも県を跨げばなんだか旅行気分になる。それが移動の楽しさでもあり、億劫さを生じてもいる。

国分寺線は車内に電子表示がないらしい。イヤホンつけてスマホ凝視している現代の陰気人間に対して実に優しくない。Yahoo路線googleマップ現在地を神経質に確認しつつ、新所沢駅へと降り立つ。

西友と一体化した駅のロータリーは、郊外平均の生活感漂う趣。決して高円寺やそこらの「生活感」ではない。

都心に住んでる者には田舎郊外に住む者には日常光景ガチ田舎に住む者には割と都会。寂れはせずとも活気もない風景は決して気分の上がるものではない。

ジャンガレを目指し脇の通りに出ると飲み屋が並ぶ。町の息づきを隠しやがって、と思うのも束の間、スタスタ歩いているとそれも一瞬で過ぎ去り国道沿いへと放り出される。歩道車道曖昧さに少し田舎さを感じる。いやむしろ駅に近いからか。

コンビニファミレスか、塾やら車屋やらブックオフやらが点在する、ネットバカにされがちなあの光景

中高生の頃もほっつき回れる範囲は「コレ」か住宅外の二択だった。

晩飯までの時間制限はそのまま距離制限になる。電車あっちこっち行くような金もない。楽しげな景色は全て画面の向こう側だったな。せめて河川敷でもあれば良かったのだけど。

歩行者マイノリティのそういう道を歩く度、当時の事を思い出す。目に入る情報が少ないと意識自分の内に向きがちなのかもしれない。今も昔も。

ジャンガレは駅から離れるとすぐに見つかった。

小綺麗で小さめの店内にもう一軒ラーメンの入った、二店舗だけのフードコート形式

卵なしまそば(790JPY)の食券を購入し、受け渡し口へ。

トッピングを聞かれ、慣れた風にニンニクWとだけ。

店員のおばちゃんの声色と表情が「それだけでええんか……?」的な雰囲気を漂わせる。

別にいいだろ。おれは口の中の味が少ない方が好きなんだよ。

何やらメニュー表の写真を指差しながら説明しているが、ここで掌を返せば自分が不慣れのようではないか。実際不慣れなのだから何ら恥じることはないのだが、意地になってロクに確認もせず「それで大丈夫です」で通す。

そこまで言うからにはよほど質素な素ラーメンが供されるのではないかと若干怯えつつ、10秒程度の駆け引きを済ませる。フードコート特有のブーブー鳴るアレを渡され、テーブル席へ陣取る。

すぐさま脳内自分反省回を開く。おれのトッピングは変だったのだろうか。

数m先のメニュー表を確認することなく、インターネット無料トッピング情報を探る。

ニンニク。入れた。

エビマヨチーズ。いらん。味がゴチャゴチャする。

ベビースター。いらん。カリッとしたもんをわざわざふやかすのは嫌いだ。

辛味。まあ初回だしいらんだろう。

あ、アブラを入れ忘れてた……

まあ致命的なミスはなかろう。

スマホを置き店内を改めて見渡すと、数割の埋まり具合といったところ。

若者連れ、ご婦人ペアソロ中年男性

二郎(系)特有の窮屈で急かされてるような雰囲気はない。もう一軒普通(?)のラーメン屋も入ってるしな。

これを求めてたんだよ。家で手間をかけることもなくゆったり食える。

二郎は好きだけどあのガツガツした空気は嫌いだ。早食い美徳とも思わない。回転率とか店の都合だし 。

ナイトホークスとまでは言わないが、郊外の週末夕方の気怠い空気が心地よい。

地元の店といった趣はむしろアウェイ感すら抱かせるほどだ。

時間がゆったりと流れるような感覚。でも給水器の水の出がやたら遅かったのは多分気のせいではない。

呼び出しのブザーが鳴る。

ネット確認して尚も素ラーメンが出てくるのを若干恐れつつ、受け取りへ。

なんだ、ちゃん二郎系の姿をしてるじゃないか

受け取り口脇で紙エプロンが目につく。周りに目を遣ると着けてる奴はいない。こういう時、なんかお上ぶってるみたいで使うのが恥ずかしい。だが、週末のお出かけだしと着てきたお気に入りの白シャツは守りたい。

と悩んでいると、店員から「よければ紙エプロンどうぞ」の声が。渡りに船。まあ、勧められたなら使っといてやるか。

席へ戻る。卓上のカエシを垂らし、ヤサイを除去するように喰らう。コショウをドバドバ振り撒いてブタを喰らう。ニンニクをかき混ぜて麺を喰らう。

うまい。濃くてうまい。味がしてうまい

他の二郎系と何が違うのかはよく分からんけど、かねてから実行しかねていた欲求をきちんと消化し、しかも美味いのだ。何の不満があろうか。

と、汁がシャツの裾に飛ぶ。ちょうど紙ナプキン範囲外へ。

一気に萎える。

コップの水を紙ナプキンに浸して拭うが、薄まりもしない。

シミ抜きめんどくせえな。忘れないようアラームをつけ、自分で抱えてると気の滅入る記憶を外部委託する。

最後の一啜りを慎重に済ませ、退店。

まだ7時頃だかすっかり日も暮れた。もう夏も終わりか。

道路沿いで光り輝く塾の中でガキ共が勉強してやがる。こいつらは幸せなんだろうか。幸せになれるんだろうか。まあおれの知ったことではない。

完全に一服の口になってきたので、googleマップ喫煙所を探す。駅前タバコ屋があるらしい。

喫煙所のある街は良い所だ。目に楽しい街は傾向的に大体パブリック喫煙所が設置されている。寛容さとか、そういう抽象的な理屈じゃなく。

プライベートサービスの灰皿があるだけとなると、ギリギリ及第点といったところか。まあそれもすぐ消えゆくのかもしれない。

タバコ屋へに辿り着くと、分煙へったくれもなく灰皿だけが置かれたストロングスタイル

くどいラーメン後の一服は実にうまい。肉体作業でもした後ならさぞ染み渡るんだろうな。まあそんなんしなとも十分満足だ。さて帰るか。

駅でオシッコしようとしたら、トイレは仮設らしい。小×2と大×1の窮屈なボックスが3つ並ぶだけ。駅の規模の割に小さい。ええんかこれで。

スッキリした所で、ガラガラ新宿行きへドカッと座り込む。

このまま新宿まで行ってしまおうか。映画でも観て、バスタ高島屋でボーッと夜景でも眺めたら締まりのある週末だ。

乗り換えるまでの数駅分の猶予で、まあ今日はもういいかなと思った。

車窓の向こうは晩夏か初秋の暗闇。団地とタワマンの灯りだけがかぶ

家までの帰り道、せめてもの抵抗ゲーセン寄ってった。

なんというか、西武線に揺られ所沢に降り立ちジャンガレを啜るという全ての体験所沢感、というか郊外感があったな。非日常にすら感じるほどの、絵に描いたような日常。それに抗うつもりでゲーセン行ったのがむしろ更にそれを強める。

これをいつもの週末にしたくはないなって思いと、そうなりそうな予感があった。

帰ってフロがてらシャツのシミをシコシコ落とす。かったるい。汚れてもいいTシャツで近所をうろつくばかりの日々はもうすぐそこまで来てるのかもしれない。

後日山岡家も行った。

瑞穂店。どこだよマジで

最寄りは箱根ヶ崎かい温泉街パチモンみたいな名前しといて、実態八高線田舎駅。ドアの開閉はボタン式。狛犬ポジションの罪は重い。

駅前ロータリーコンビニけが目を引く。

国道沿いの道は片側二車線で、より歩行者の疎外感が強い。リサイクルショップの掲げる「作業靴買い取ります」の文言に色々な想像を浮かべる。

所沢って結構マシだったのかも。

15分ほど歩き山岡家に着く。駐車場はかなり埋まってる。思ってたほど臭くねえ。

醤油大盛り

店内は金髪ツーブロの兄ちゃん家族連れ。一人者にテーブル席は許されず、肩身の狭いカウンターへ。

しばし待たされ着丼。

啜る。なんなシメ雑炊出汁みてえな味がする。気がする。分からん。濃くてうまい

ニンニクコショウをドバドバ入れると、叩かれがちな壱系とあんまり変わらん気がする。まあ美味いのでいい。

帰りに寄る場所もなく、来た道をそっくりそのまま辿る。

おれの人生から日常はどんどん失われて、着実に「これ」へと染まりつつあるのかもしれない。

2ch脳じみた考えもとっくに薄れてきて、そういう日常バカにする気もあんまりなくなってきた。自分楽しいか、満足してるか、納得してるか。それが全てなんだし。

大して違いが分からなくたって、美味いと思えるものが食えたらいい。

別に美術館図書館デパートも行かない。

から出なくたってネットに色んなものが転がってる。

でも楽しい景色はこの目で見たいし、自分の足で踏みしめたいんですよぇ。

2024-09-23

霞が関トランス女性女子トイレ使用許可を出すよう最高裁が命じる

この50代のトランス女性は未手術で男性器を維持し、戸籍上も男性のままだが女性として生活している

職場近くの女子トイレ使用を認めず、多目的トイレ男子トイレ使用者のいない離れた場所女子トイレだけ使用させる運用になっていたが、

それを不服として訴えて最高裁で勝訴

しか現場では、女子トイレ使用不可のままになっている

経済産業省トランスジェンダー女性の50代職員に対し、勤務階から2階以上離れた女性トイレを使わせたのは「違法」と判断した昨年夏の最高裁判決めぐり、同省が判決から1年以上経っても、トイレ制限を続けていることが分かった。

https://archive.md/iRiUa

このトランス女性投稿

トランス男性への品評)

わきまえないトランスジェンダー・霞が関にゃんにゃんOL🙀@METI_GID_MtF

普通に膣使ってせくすしていそう。

良い悪いじゃなくて。

https://archive.md/eeios

(手術してないのに女子トイレに入るなと言われ)

わきまえないトランスジェンダー🇺🇦霞が関にゃんにゃんOL🙀@METI_GID_MtF

はいはいちんちん至上主義者なんですね。

わきまえないトランスジェンダー🇺🇦霞が関にゃんにゃんOL🙀@METI_GID_MtF

そんなにチンチンが気になって気になって仕方ないのですね。

それって、ちんちんに対する恋なのかも???

https://archive.md/oWhqk

わきまえないトランスジェンダー・霞が関にゃんにゃんOL🙀@METI_GID_MtF

ちんちんがいつも気になって仕方ないのですね。

世の中の普通の人は、女性に見えて女性として生活しているMTFに対して、「この人にはちんちんがついているのか、ついていないのか」みたいなことは気にしません。

https://archive.md/19y77

霞が関ハードコアOL @METI_GID_MtF

日夜、そんなに人の性器を気にされているのですね。大変ですね………。

性器の大きさとか硬さにも気をかけていらっしゃるのでしょうか?また生殖能力とかも?

https://archive.md/1NrNH

わきまえないトランスジェンダー・霞が関にゃんにゃんOL 🙀

‏ @METI_GID_MtF

#どの施設男性器ありの人の入場を許すのかの情報一覧

イオンモール東久留米

ドンキホーテ武蔵小金井

丸井国分寺

西友国分寺

島忠府中店、島忠小平店、ドイト東久留米

ジョイフル本田瑞穂

伊勢丹新宿店、高島屋新宿店、西武百貨店池袋店

そごう横浜店、忘れてた、ヤオコー全店

https://archive.md/GXstT

わきまえないトランスジェンダー・霞が関にゃんにゃんOL 🙀 @METI_GID_MtF

今日イオンモール東久留米行ったよーー

あと、スターバックス西東京新町店にも!!

自分で言うのは憚れるし恥ずかしいが)完パスMTFトランスジェンダーが女性トイレ使っているからね!!!

https://archive.md/FtABd

わきまえないトランスジェンダー🇺🇦霞が関にゃんにゃんOL🙀@METI_GID_MtF

😙✨😜✨😅✨🤤✨🥰✨🙄

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🙄✨ #キンタマキラキラ金曜日 ✨😘

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😲✨😙✨😚✨😝✨😜✨🤩

      ∧_∧    

    O、( ・∀・)O 

    ノ, )    ノ ヽ   

   ん、/  👺 ヽ_、_,ゝ   

   (_ノ ヽ_)

㊗️夏棒🍆

https://archive.md/iiIfZ

わきまえないトランスジェンダー🇺🇦霞が関にゃんにゃんOL🙀@METI_GID_MtF

こっちは数百万円かけて死ぬ気でトランスしているんじゃい。

あんたか戦争ふっかけてきたのなら、受けて立つし、どちらかが殲滅するまで続ける。

わきまえないトランスジェンダー🇺🇦霞が関にゃんにゃんOL🙀@METI_GID_MtF

TERFさんたち、カジュアル喧嘩をふっかけるし、自分には被害が及ばないと考えている。

大間違いなのにね。

https://archive.md/O8rkz

わきまえないトランスジェンダー🇺🇦霞が関にゃんにゃんOL🙀@METI_GID_MtF

私が下ネタ書くとかみついて来るTERFさんたち、たくさんいますけど、

女性ヘテロ彼氏旦那さんがいるのなら、夜はちんぽ咥えて、つっこまれて喜んでいるんでしょ?

ネットでは、やたら性的もの拒否したがる女子中学生みたいな言動をしつつ。

ネットカマトトとでも言うのかな?

わきまえないトランスジェンダー🇺🇦霞が関にゃんにゃんOL🙀@METI_GID_MtF

女子中学生「きゃ~不潔!!!センセー!めてぃ君がこんなイヤらしいこと言っていました」

n十年後、せっくすざんまい

archive.md/p1LbJ

わきまえないトランスジェンダー🇺🇦霞が関にゃんにゃんOL🙀@METI_GID_MtF

トランスジェンダーを排除して安全を確保するように再婚相手排除すればよかったのに。

「しすぎたらバカになるぞ…」母の再婚相手から性的虐待を受けた女性絶句した「すべてが壊れた日」(現代ビジネス)

archive.md/w8RqJ

2024-07-22

anond:20240722103233

からAIRDogは高島屋しか売ってないんだな。 

単なる空気清浄機なのに、電気屋では買えない。

高島屋しか買えない。 

しかし、高島屋ブランドもそろそろ搾りカスになりそうだが。

2024-07-11

京都市辺境で暮らす俺が感じる京都文化資本

・春になるとウグイスが鳴く(最初は下手なのにだんだん上手く鳴くのが分かる)

・桜が咲くので花見ができる

・秋は紅葉が見られる

・街に出ると都会的な店は大抵ある

伝統的な料理も新しい料理もどちらもある

・老舗のデパートがある(大丸高島屋、あと一応伊勢丹とか)

展覧会もそこそこある(東京大阪よりはかなり少ないけど)

映画館も大小ある

世界遺産国宝レベル建物がそこらじゅうにある

海外から旅行客が多いので異国情緒に触れられる

水族館動物園もある

・足を伸ばせば大阪にも神戸にも名古屋にも行ける

祭りがある(今なら祇園祭

電車JR近鉄阪急京阪地下鉄と多い


ないもの

・大きなコンサート会場

プロ野球

子育て世代(とそれに付随する施設

・快適な気温(蒸し暑いし、冬は極寒)

・海

お金

2024-06-27

anond:20240627083656

三越とか高島屋なんかのデパート画廊スペースはタダなので行くべき。あとは銀座蔦屋とか。あ、ゴジラで壊される和光の上階にもタダで入れるアートスペースがあるよ

2024-05-14

anond:20240514170308

そうやで。高島屋の反対側のスタバを眺めてたんや。Googleマップ確認たからまちがいない。

でもよく見たら違う店だったような気がしてあんまり自信が無い

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