映画「デッド×リミット絶体絶命」(DVD観賞)…この結末はバッド・エンドだ.
原題:Pilote 製作年:2022年
製作国:フランス 上映時間:79分
借りたDVDの新作予告の中で邦題は酷いが、中味はまともそうに
見えたので、借りてきて観た.
なんとフランス製のドローン・パイロットの物語.
本年度累積90本目の鑑賞.
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アフリカ・マリ共和国.フランスはテロ組織のリーダーを抹殺するため
2つのドローンチームによる襲撃作戦を立てるが、チームリーダーの
妻子がホテルで人質に取られてしまい首謀者を逃がすよう脅迫される.
監督はポール・デゥセ.
主演はヒューゴ・ベッカー、アイ・アダラ、カヒナ・カリーナ
以上は〈Firmarks〉からの転載.
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無人ドローン攻撃機MQ-9 リーパーを主役にした映画というと、
ヘレン・ミレンが出ていた「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」
とか、イーサン・ホーク主演の「ドローン・オブ・ウォー」が思い浮かぶ.
いずれも、安全な場所からリモート・コントロールのドローンで戦争する
非情な様を描いたものであった.本作はNATO参加国のフランスで
やはりMQ-9 リーパーを使用した物語.
本来なら安全な場所からの操縦、攻撃可能な職場なのに、家族が
人質に捕らわれることで、危険な綱渡りの職場と化す様子を緊迫感
ある映像で綴る.
ドローンの映像とか人質になった妻子の様子、軍本部とのやり取りなど、
すべてがパソコン画面上で行われるため、78分でコンパクトにまとめた
つい最近観た「サーチ」と同じ印象をも受けてしまう.
元来、離れた土地からの遠隔操作が基本だろうに、過去の同種作品に
おいても、中東やアフガニスタンが戦場でも、操縦していたのはアメリカ
のアリゾナやテキサスであったのも記憶にある.
が、本作ではマリ共和国内での操縦だし、なにより隊長の家族がマリ共和国
へのこのこ訪ねてくるという間抜けな設定がテロ集団の人質になってしまう
というお馬鹿な展開に繫がってしまう.
テロ指導者を襲撃しようとしていたドローン攻撃隊の隊長に、家族を殺され
たくなければ次の作戦内容を教えろという脅迫電話がかかってくる.
それからは、家族を救いたい隊長と作戦を実行しなければならない軍務の
板挟みという葛藤を描く.
作戦を実行しながらも、スマホでテロ集団と交信したり、友人に助けを
求めたりと、懸命の行為が描かれるのだが、フランス映画らしくノアール
な結末にアッと驚かされる.
或る意味でこの最悪の結末で印象に残ってしまった作品.
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