映画「特捜部Q 檻の中の女」 (DVD観賞)…この主人公二人は魅力的だ.
原題:Kvinden i buret 製作年:2013年
製作国:デンマーク 上映時間:97分
本シリーズ、なぜか最新作第5作から観始めてしまった.
その北欧らしい暗さ、テンポの良さ、なにより主人公たちのキャラ付けが
面白く、遡って観ると決めた.本作はシリーズ第1作.
本年度累積164本目の鑑賞.
————————————————————
世界的に人気を集めるユッシ・エーズラ・オールスン原作のミステリー小説
「特捜部Q」シリーズの第1作「檻の中の女」を、本国デンマークで映画化.
「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」のニコライ・アーセルが脚本を手がけた.
コペンハーゲン警察殺人課の刑事カールは、新設されたばかりの未解決
事件班「特捜部Q」に左遷させられてしまう.
捜査終了と判断された事件の資料を整理するだけの仕事にやる気を
見出せないカールだったが、資料の中から5年前に世間を騒がせた
美人議員失踪事件の捜査ファイルを発見し、その捜査結果に違和感を抱く.
助手アサドと共に調査に乗り出したカールは、やがて議員がまだ生きている
可能性にたどり着く.
主人公カール役を「天使と悪魔」のニコライ・リー・カース、助手アサド役を
「ゼロ・ダーク・サーティ」のファレス・ファレス、失踪した議員役を「しあわせな
孤独」のソニア・リクターが演じた.
2015年1~2月、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷で開催の
「未体験ゾーンの映画たち 2015」上映作品.
以上は《映画.COM》から転載.
——————————————————————
原作がしっかりとしているので、ストーリー展開は安心して観ていられる.
情緒あふれる、でも陰鬱な北欧の風景が、この事件の捜査シーンと
絶妙にマッチしていて映画の魅力を高めている.
殺人課のカール:ニコライ・リー・カースは、解決を焦って同僚を事件の
被害者にしてしまう.第5作でも定期的に病院へ見舞いに行く同僚の
位置付けとその理由が判った.
いつでも性急で、考え無し?に突っ走る癖が災いして同僚をベッドから
動けない体にしてしまった悔いは大きい.そんなカールをニコライ・カース
はぶきっちょに演ずる.その行動は情けなすぎて、見てられないけど端々に
必死さが伝わってくる.
アサド:ファレス・ファレスはモスリムの刑事、目茶濃い珈琲を常飲する
いい人すぎる刑事には相応しくない人物.カールとの相性が極めて好い.
というか、アサドは誰とでも上手くやっていける.
第5作目でこの二人の演者は替わってしまうのだけど、皆が惜しむ理由が
よく判った.それほどこのコンビは魅力的である.
勝手に自分で復職を決めたカールの飛ばされた場所は過去の犯罪資料室
「特捜部Q」.同僚アサドと資料を整理しているうちに、いい加減に処理された
と思われる過去の事件に行き当たる.
5年前の美人議員ミレーデ:ソニア・リクターの失跡事件.調査もいい加減に
自殺と片付けられていた.
残された自閉症の弟も含めて二人の調査は進んでいく.
推理物としてはそれ程深いもの内のだが、未解決事件の発掘からラスト迄
の展開はしっかりとしていて、緊迫感を醸し出す.
なんとこの美人議員は、加圧室という特殊環境で5年間も監禁されていた.
精神に異常をきたさなかったのは、意志の強さそれとも残してきた自閉症
の弟のことが気がかりだから?
犯行動機の明示もしっかりとしていて、20年前の交通事故の原因まで
遡る.事故を起こした直後のミレーデ少女の天真爛漫な赤いドレス姿は
印象深いシーンだ.
未解決事件の掘り出しものとは思えない緊迫感と面白さが詰まった作品.
こりゃぁ、2〜4作も観賞必須だね(笑).
.
コメント