映画「エージェント・スミス」
原題:Above Suspicion
制作年:2019年 制作国:アメリカ 上映時間:104分
これもこの春公開の作品、上映がマイナー過ぎて観られなかった作品の
リターンマッチ鑑賞.本年度家庭内DVD鑑賞累積85本目.
「パトリオット・ゲーム」の監督フィリップ・ノイスと「ミシシッピー・バーニング」の
脚本家クリス・ジェロルモがタッグを組み、実在の事件をモチーフに描いた
クライムサスペンス.
裏社会に生きる女スミスは薬物所持の現場をFBIに押さえられ、捜査官
パットナムから無罪放免の代わりに情報提供者になるよう要請される.
パットナムは裕福な不動産開発業者の娘と結婚していたが、スミスに誘惑
され関係を持ってしまう.
出演はテレビシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」のエミリア・クラークと
「ベン・ハー」(2016)のジャック・ヒューストン.
ヒューマントラストシネマ渋谷で開催の「未体験ゾーンの映画たち2020
延長戦」上映作品.
以上は《映画.COM》から転載.
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恒例の如く、邦題にケチを付けておきたい.全く意味を成さない邦題だ.
原題“Above Suspicion”(疑いの余地も無く…)のままで良いだろうよ.
配給会社の担当の頭の中をぶち割って、どういう脳みそなのか診てみたい.
中身は、1988年ケンタッキー州パイクビルで実際に起きたFBI捜査官と
ドラッグ中毒の情報提供者の痴話話.別れた元夫にしてドラッグの売人と
同居している女性が、ちょっと足りない弟のヘマで捕まり、弟の減刑と元夫
の釈放の為に情報提供者となって巻き起こっていくストーリー.
テンポも悪いし、あまりスリリングに富むわけでも無く、途中で観るのを止めよう
かと思うのだが、ついつい最後まで観てしまったのは、エミリア・クラークの魅力
のせいだろうか?…(苦笑).
エミリア・クラークが捜査官パットナム:ジャック・ヒューストンの家族が引っ越して
赴任する様を眺めている.自分には決して訪れない幸せな家族の姿….
が、その後自分がこの家族の行く末に多大な影響を与えることになろうとは
つゆにも思っていなかったはず.
が関りは出来てしまう. 出世を夢見るFBI捜査官と秘密証人の女との関係は
いつしか男と女の ありふれた関係に堕ちこんでしまう.
が、その関係は捜査官夫婦には 一塵の影響も与えなかった….
捜査官の妻は一見は裕福な家庭の出身だったが、その実は薬物中毒で
あばずれ生活をおくってきたジャンキーな妻だった.夫の浮気なんか全く 気にせず、
ただ夫の順調な出生を望む賢夫人??だったのだ.
町から離れたバーでこの夫人とスミス:エミリア・クラークが会話するシーンの
怖いこと….調子の外れた女同士の妙な連帯感と決して相いれない立場
の違いを見せつけるシーンに驚嘆.一番怖かったシーンかも(笑).
こんな作品誰も観ないだろうからネタバレしちゃうけど、こんな不倫関係の
結末ときたら、FBI捜査官だろうと同じこと.スミスは絞殺されちゃう….
それからが問題.悪魔のような賢夫人は知らぬ存ぜぬを決め込めと
夫をそそのかす…(恐).
さて、FBI捜査官:ジャック・ヒューストンはどうしたでしょう???
事実は小説より奇なり…を地で行く物語でした.
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