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映画「夜に生きる」…罪を重ねて、愛に溺れて.



原題:LIVE BY NIGHT  
制作年:2016年 制作国:アメリカ 上映時間;129分


素晴らしいドキュメンタリーを観た後は、ぶらぶらと柏散歩.久々にボンベイ西口店を訪ね、
超極辛カレーなんぞに汗してみる.その午後に柏の葉シネコンで観たのは
最近弟の良き仕事に感心したが、その兄主演の作品を観てみる.
本年累積72本目の鑑賞.

警察一家の父親とその息子たちを巡る激動の一大サーガを綴った人気ミステリー作家
デニス・ルヘインの傑作三部作の一編を「ザ・タウン」「アルゴ」のベン・アフレック監督・
主演で映画化した犯罪ドラマ.

禁酒法時代を舞台に、警察一家に生まれながら裏社会でのし上がっていく一人の若者の
愛と野望の行方を描く.

共演はエル・ファニング、ブレンダン・グリーソン、クリス・メッシーナ、ゾーイ・サルダナ、
シエナ・ミラー、クリス・クーパー.
 
禁酒法時代のボストン.警察幹部トーマス・コフリンの三男として生まれたジョーは、
厳格な父に反発して家を飛び出し、不良仲間とチンピラ稼業に明け暮れていた.

そんなある日、賭博場を襲撃したジョーは、そこでアイルランド系ギャングのボス、
ホワイトの愛人エマと出会い恋に落ちる.しかしホワイトの罠にはまって刑務所送りと
なってしまう.

危険な獄中生活で裏社会での生きる術を身につけていったジョーは、父トーマスの尽力で
わずか3年で出所すると、ホワイトと敵対するイタリアン・マフィアの傘下に入り、
ホワイトが牛耳るフロリダ州タンパへと乗り込んでいくのだったが….

以上は<allcinema>から転載.
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ギャング映画なのだけどさっぱりしているのは、主人公が切ったはったが嫌いなせいか、
恋愛ごとをさらりと混ぜてあるせいなのだろうか?

邦題「夜に生きて」、久々のおつな題名と思ったらほぼ直訳(笑).
ベン・アフレック主演のうえ、監督、脚本や制作も兼ねる.

第1次大戦で戦うも命令を下すお役人の馬鹿らしさに嫌気が指し、
命令に従わないで済む仕事…裏稼業を始めた主人公の半生の物語.

勝手気ままな非道行為に励んでいたものの、闇の組織の傘下に入らざるを得なく
なる.結局は上に命令をされる立場に舞い戻る羽目になる.

そして南の地区タンバへ赴き闇家業の主にのし上がっていく.
禁酒法の盛んな時期ゆえ、酒の密造、販売を主に稼ぎをのばすが、禁酒法の廃止
を睨んで麻薬や賭博への職種転換を図ろうとする.

ご多分にもれず、警察幹部との癒着や政治家との密約等々が描かれるのは、
昔も今も利権構造は変わっていないから.今や政府いや総理大臣が自ら手を染めて
ギャンブル業に血道を上げようとするこの国、どこかネジが緩んでいるんじゃないだろうか?

本作ではそのギャンブル化に歯止めをかけるのは宗教団体と位置付けられている
のが面白い.敬虔なプロテスタントの旗手として警察本部長の娘が、その道徳観
を前面に押し出し反対するさまが描かれる.

主人公ジョーは彼女を始末できずに、闇の家業の上司;ボスとの板挟みになる.
そして起きる最終的な両者間の争い….

「悔い改めよ」の言葉を残して警察本部長の娘は自害してしまうが、この言葉は
最後の最期まで主人公を苦しめる….

政治と宗教と暴力の三すくみというテーマはいつの時代にも適用できるから不思議.
今の日本だって、安倍某首相が属する日本会議なる極右団体は母体は神道を
中心とした寺社連合の宗教団体だし、極右という意味では暴力団とのつながりも…、
おっと止めておこう.この話題はきりがないし、共謀法で捕まえられちゃうから(笑).

ついつい暴力と政治と宗教つながりでそんな不遜な連想をしちゃいましたとさ.
映画としては上出来で満足でした.












コメント

非公開コメント

No title

3・・・(*゚▽゚*)

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何時の時代も 絡みますね~その三つ

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こんばんは。

禁酒法時代のギャング映画と聞くと、かなり興味をそそられます。
ベン・アフレックは監督としての手腕も高いみたいですね。
エル・ファニングがどのようにストーリーに絡んでいるのか気になります。

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> 1kurageさん
こんばんは.
初コメと3ナイスありがとうございます.

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> きみちゃんさん
そうなんですね、今でも…!
ナイスありがとうございます.

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> kurohyo:rさん
もしご覧になったら、ご感想お聞かせ下さいね.
ナイスありがとうございます.

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ギャング映画は定期的に出ますね。
やはり見る人が多い題材でしょうかね。
読んでいると・・家が煩くって、やっと静かになったと思ったら、ダーリン帰って来てまた騒がしい我が家・・長文が頭に部分的にしか入らない(^▽^;)<m(__)m>

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> 小梅ママさん
それだけ、ギャングとか暴力団が身近なのかも…(怖).
今回の記事は不発ですねぇ反省してます(笑).
でもナイスありがとうございます.

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何か時代背景とは違ったテイストでしたね。原作自体が新しいせいかなって思いました。
ラストは彼だけが幸せってわけには行きませんでしたね。
後ほどTBお願い致します。

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> atts1964さん
確かに1920、30年代なのに古臭さを感じさせない演出でしたね。監督の手腕でしょうか?
ナイスありがとうございます。トラバ楽しみにしてますね。

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これは面白そうですね。
上映映画館さがしてみます。

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> やっくるママさん
ギャング映画でありますが、愛の物語でもあります♪
お勧めです.
ナイスありがとうございます.

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悪・政治・宗教までを含めての記事、流石ですね。ベン・アフレックというと「アルゴ」を思い出し、あのキレと面白さを期待し過ぎてしまったかも。ポイントが絞りきれていない印象を抱いてしまいました。

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> アンダンテさん
おっしゃる部分わかります。確かに散漫な部分も感じますね。役者としても弟の方が魅力的だと思いました(苦笑)。
ナイスありがとうございます。

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ベン・アフレックは役者としては表情も少ないし、全体に固いと思っています。
監督の方が才能があるのでは?(汗)
TBさせてください。

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> あきりんさん
その硬さが好きな方もいらっしゃるようですが…(笑)。まだこれからが楽しみですね。
トラバありがとうございます。