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映画「ソロモンの偽証 後篇・裁判」…前半ほどの迫力無し.


公開年:2015年 製作国:日本 上映時間:146分


新しく開店した二子玉のシネコンで開催した“1100円で邦画を楽しむ友の会”で
観賞したのは、その前編でスリリングな素人演技に度肝を抜かれた作品の後編.
本年48本目の鑑賞.
 
人気作家・宮部みゆきの同名ベストセラー巨編を「八日目の蝉」「ふしぎな岬の物語」
の成島出監督が、前後編の2部作で映画化したミステリー・サスペンス大作.

本作はその後編.ついに始まった中学生だけによる前代未聞の学校内裁判の
行方をスリリングに描く.
 
クリスマスに謎の死を遂げた城東第三中学校の2年A組生徒・柏木卓也.
当初は自殺と思われたその死に対し、いじめグループを率いる問題児・大出俊次による
殺人という匿名の告発状がバラまかれ、事態は急展開を見せる.

そして2年A組のクラス委員・藤野涼子は、大人たちを排除し、中学生だけで
真相究明の学校内裁判を開くことを提案する.やがてそれは様々な困難を乗り越え、
ついに実現することに.

こうして検事役には藤野涼子、一方の弁護人を他校の生徒・神原和彦が務め、
大出俊次を被告人とする学校内裁判が開廷する.

白熱した審理が進む中、争点は次第に事件当夜の被告人のアリバイに絞られていくが….

以上は<allcinema>から転載.
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やはり原作も長編、映画も前後編に分かれてしまい、集中力も分散してしまう.
それでもテンポ良く“裁判”含めその前後の緊張感と開放感を描く.

役名を芸名にしてしまった藤野涼子は相変わらず強い眼力を武器に
しっかりとした、ぶれない演技をみせてくれる.
けっきょくこの作品の残してくれたものは…この娘女優だけかも.

その藤野涼子のその20年後を尾野真千子が演じていて、教師としてこの中学に
戻ってくるのだけど、ここは原作通りなのだろうけど、余計なシーンに感じた.
いまさら校長役:余貴美子と昔話に興じて感想を交わす意味がどこに在っただろう?

主役たちの中学生は素人が多いのだけど、脇役はベテランで固められている.
上手いなぁと感じたのは、キモとなる女子中学生の母親役の永作博美.
盲目的なバカ母親役を時に滑稽に、時に哀しく演じ切る.

心の弱い女性担任:黒木華をいわれない理由でうらみ、迫害する隣人役、
市川美和子も病的でギラギラして好かったぁ.副長はどうもこういう病的な、
ちょっとおかしい役柄が大好き.だって、正論ばかりの綺麗事を吐くのはねぇ….

着々と進行する中学生だけの“裁判”にほんとかよぉ…の違和感をもちながらも
いろんな事実の暴露をはじめ、けっこうドラマティックな展開を見せながら
真実にたどりつく、その脚本には感心.でも前編ほどの迫力が伝わらないのも事実.

裁判を終えた開放感の笑顔の演技が一番上手かったのは、オーディションで
選ばれたという“まえだまえだ”の前田航基.やっぱりプロの片鱗を見せてくれた.

エンディングテーマは U2 「ウィズ・オア・ウィズアウト・ユー」.
誰かもブログで書いていたけど、これって監督の趣味だろうか?
かなりの違和感を感じた(笑).






コメント

非公開コメント

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1

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> flingscottomomiさん
おはようございます.
初コメ&初ナイスありがとうございます.

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蒼井 優さんに似てますね

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> きみちゃんさん
顔立ちも似ていますが、その演技も芯が通っていてそんな意味からも蒼井優に似ていますが、歳はその半分です(笑).

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そーそー。蒼井優に似ているのよね。
皆、そう思っているのか―(;´∀`)

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> 小梅と小麦と小豆さん
そうなんですね.でも14歳…の役どころ、蒼井優には無理ですね(笑).ナイスありがとうございます.

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えっっっ!!! 藤野涼子ちゃん強い眼力って…私は、ぜんぜん感じませんでした。
んんん~っ、なんて表情に乏しいのぉぉぉっとかって思っちゃいましたもん。。。
そうそう現代の校長先生との会話シーンは必要ないですね。これは、大同感でっす。
あれれ、あの子、まえだまえだくんだったんですか? 初めて知りました。

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> わかめさん
えへっ、少し藤野涼子に思い入れが強過ぎるかもしれません.
そうなんです.太っているので判りにくいですが、前田君なんですね.
出番は少ないものの達者な演技でした.

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裁判物を盛り上げるのは大変ですよね。ましてや子供たちの疑似裁判ですから。でも映画としてはしっかり作っていましたが、ここが限界でしょうね。
ご指摘のように永作博美や市川美和子に心が行くのは当然で、変化に目が行ってしまいますよね。
私は裁判自体は大人がしっかり参加していていい感じだったんですが、終わった後生徒たちが素に戻る幼さに逆に違和感を感じました。「すっきりした」という表情に見えてしまい、充実感ではない感じに見えちゃったので。
それを締めていたのは塚地くんと池谷のぶえの浅井夫婦でした。
TBお願いします。

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> atts1964さん
そうそう、塚地/池谷の浅井夫婦は好い演技でしたね.理不尽な娘の死にジッと耐える役でした.それにしても脇の演技が目立った後編になってしまいましたね.ナイス&トラバありがとうございます.

No title

こちらにもお邪魔いたします♪
TV放送を録画して一気観したので集中できましたが、
シアター鑑賞の様に日にちが空くと少し冷めたかも知れません。
藤野家のまっとうな親よりも永作博美はインパクトありました。
TBさせてください♪

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> 風森湛さん
そうかもしれませんね。今演っている「64」なんかもそんな印象になってしまうような気がしてなりません。そうそう、永作博美は生々しい演技をしてましたね♪流石と思いました。
ナイス&トラバありがとうございます。