はてなキーワード: エンドロールとは
Amazonプライムで4月末から「ウォーフェア 戦地最前線」が見られるようになった。みんなに見てほしい。めっちゃおすすめ。
この映画には現地協力兵が出てくる。米兵ではないけど一緒に作戦に従事している仲間。役割としては通訳。アフガンとかイラク戦争の映画でよくいるやつ。
で、この通訳は、人間の盾として使われて死にます。特にドラマチックな演出もなく、普通に死にます。爆発で、文字通り体がバラバラになって死ぬ。
そして誰もそれを気にしない。
米兵たちは通訳が死んだことに対してリアクションを示さない。悼まない。一言も触れない。「あいつは…」みたいな台詞すら出てこない。作戦はそのまま続いていって、映画もそのまま続いていって、通訳はいなかったことになる。
ラストに、この種の映画でありがちな「この作戦に従事した〇〇に捧げる」みたいな謝辞が出てくる。そのあと「あの人は今」的な、関係者の現在の写真が並ぶシーンも出てくる。仲間たちの顔が、当時の写真と現在の写真で並べられる。
通訳はそこにいない。完全にいない。最初からいなかったみたいに。写真もない。エンドロールの中も居場所はない。
それでいて、誰も通訳のことを気にしないのに、通訳の遺体だけは何度も何度も画面に映る。爆散した通訳の体のパーツが画面に映り込んでいる。地面に転がってる。兵士の足元にある。
でも誰もそれを見ない。といか気にしない。カメラはそれを映すのに、登場人物は誰もそれを見ない。
この映画は、作戦に従事した人間の記憶を頼りに作られている。実際にこの作戦に従事した米兵たちが、自分たちが体験したこと、覚えていることを語って、それをできる限り忠実に再現したという作品。
つまり米兵たちは通訳のことを、仲間のことを記憶として覚えていなかった。正確にはそこにたことは憶えていたけど、それだけだった。
誰も気にしていなかったし、死んだことを悼んでもいなかった。当時としても、そしてその後も何かを感じたりすることはなかった。
記憶を頼りに映画を作ったら、ああいう映画になった。通訳が死んでも誰も気にしない映画になった。謝辞にも写真にも残らない映画になった。
通訳を弾除けに使って、体のパーツだけが石ころみたいに転がっているだけの映画になった。
「仲間が危険にさらされた、みんなで戦った、乗り越えた、今も友情は続いている、現地の通訳は爆発四散した、それはそうと、とにかく仲間が危なかったけどみんなで乗り越えた」
みたいな話。
Amazonプライムで見れる人は「ウォーフェア」を見てほしい。
つい先日、パリに咲くエトワールを観たのだけど観終えた後にこれはリピートすることは無いと思った。
作品自体はとても面白い、単純に2人の少女の夢を追うストーリーとしてだけでなく、女性の立場、世界情勢など歴史的背景なども詰め込まれており興味深いところが多かった。
でも自分らはその後の歴史は分かってるし、エンドロールでも示唆されているように、映画は登場人物全員が最も輝いていたであろう瞬間を切り取ったものでしょ?
ちょっと落差つけすぎて残酷すぎね?悲しい想像をしてしまってもう観れないよ。
ただひたすら悲惨な目に遭う作品や悲惨な目にあっていたけど少しの希望を見出す的な作品の方がよほどマシだよ。結末や将来の希望がその作品に描いてあるから。
少女たちはパリという自由な大都市で時に挫折しながらも仲間とともに夢を追う輝かしい日々を送りその夢もかなえることができました。
いや、幸せになったかもしれないよ?ルスランとフジコは再会できたかもしれない、フジコはモチーフのように絵で成功したかもしれないし、千鶴はまたパリでバレエを続けることができたかもしない。
昨年秋くらいから映画を見る熱が戻ってきたので今年見たやつについて二、三文程度で雑感想
アニメ中心(2/3くらい)でみるのでとりあえずアニメだけ雑に五段階評価
多分今年一のトンチキアニメ
ジャンル的には若干ラブロマンスもあるモダン・ファンタジーな作風かと思いきや、明らかに監督の趣味であるロボットが出てくるので実質マクロス
あまりのトンチキぶりにより評価よろしくないのはわかるが、主題歌である「Sailor, Sail On」は普通にいい曲なので聞いてほしい
作中で呪いにより様々な本の中の世界探検したりするのだが、本の中ということでファンタジーでも何でもござれなオムニバス形式で色々な本の中の世界の演出が楽しめた
ただ、全体的になんか力尽きていそうだな?といった限界を感じる部分があったので色々と惜しい(惜しいと思う程度には面白いので本当に色々と惜しい)
第一章ではハサウェイの飛躍が描かれていたが、第二章からは順当にバッドエンドフラグを積み上げていて見ているこっちがワクワクするとともに辛くなる
モビルスーツの戦闘のCGがとても見ごたえがあって、そのシーンだけでも何回も見たくなる
さすが東野圭吾と思わせる綺麗に起承転結で話が構成されており、安心して楽しく見ることができた
入場者特典の小説である「クスノキの裏技」では作中では主人公の壁として立ちはだかった柳澤将和のエピソードが読め、視聴後の満足感を向上させた
ただ、劇中歌として流れた謎ラップのような何かは雰囲気ぶち壊しなのでマジでよくない
ハルヒの20周年記念のリバイバル上映ということで見たが、元々が名作なので久々に見た今でも名作であった
多分、映画を見た当日の現実世界で消失の世界を体現するような雪の天気だったということもあるのかもしれない
ただ、舞台挨拶をライブビューイングで見ていた時のぶつ切り(?)のような何かだけが不満点
新劇場版とある通り、過去にアニメとして放送された吉原炎上篇の劇場版のリメイクだが実質別物レベルの大作
いつもの万屋のギャグはしっかり笑わせてもらいつつ、各バトルシーンは掛け合いも含め、とにかく熱く面白い
総集編アニメ映画であるが、総集編の前後におねえたちのライブシーンにまつわる新規シーンと、総集編にもかかわらず総集編を構成するための新規カット・再収録部分もあって、ちゃんとファンを楽しませようとしていて嬉しくなる
ただ、2クール分の総集編はちょっときついかな?って感じるシーンもしばしば
とりあえず、ファンは現在発売中のメガミマガジン2026年4月号を買えばいいと思う
何かやけに話題になっていたので映画公開日の初日の朝一で見たが、脚本の出来がものすごく微妙で一部のオタク層との感性の違いを痛感した
ただ、ライトノベル版の出来は普通に楽しく読める類で、文章だけなのに映像や音もある映画版よりもはるかにノイズも少なくわかるものになっているので、物語を楽しみたい人はそちらを読んでライブシーンの一部をyoutubeで公開しているものを見て補完するのがおすすめ(まぁあの3人のライブもライブじゃなくて親しいものとのカラオケに近いので無理な人は無理かも)
まぁライトノベル版を読むと脚本の雑さが際立ち評価が数段下がるトラップがあるけどね
映画の評価としては文句なしの★★★★★なのだが、今回は見たのは2026年2月20日より公開が開始されたScreenX版の方で評価するとこうなる
これは個人の楽しみ方の問題ではあるが、自分が好きなシーンはScreenXを活用した無限城の演出や猗窩座との戦闘シーンじゃなくてScreenXが活用されないシーンなのでちょっと残念
ULTRA 4DXの方も気になったが、いつも行く映画館にないしそもそも日本に4箇所しかない
旧作を令和の価値観と倫理観で丁寧にしたてたリメイク作で、普通に面白い
令和のファミリー(特に子供)向けの映画でちゃんとスネ夫とジャイアンが窒息死しかけるシーンができることにある意味感動した
旧作好きでまだ見ていない人はエンドロールの一枚絵ラッシュを見るためだけにも見る価値はあると思う
みんなライブを見に来ていると思うので、誰もストーリーを見に行く人はいないと思うが予告であったスプリングフロートレースは冒頭3分くらいで終わってて笑った
お手本のような減価償却だったが、映画向けにライブの歌詞を改変して楽しませようとしていたのがいいと思った(アイスマイリン好きは尊死してんじゃないですかね)
基本的に応援上映なのに、ほとんどの人はペンライト振るくらいで静かだったのが心残り
噛めば噛むほど味が出る映画で、極端にいいシーンはないが、順当に面白いを積み上げている
メインの舞台が1912年~(少なくとも1913年は来ているし、終盤は1914年も来ていると思う)ということであらゆる描画にその時代のコンテキストが乗っかってくるのが非常に強いし、制作側もそれを分かって時代考証した上でちゃんと作っているので「なんちゃってパリ」になりすぎなくて良い
ラストではなんかいい感じに綺麗に終わったが、その後はどうなったか考えたくないがとても気になる(エンドロール的のフジコの絵画から断片的に情報はあるけど不条理にまみれてそうで……)
良質なアニマルパニックもので動物たちの捕食者・非捕食者の関係がちゃんと描画されたり(これにより作中のカオスさが際立つ)、サメが質量兵器として空を飛んで襲ってくるシーンがあったりするなど何でもあり
ただ、主人公のメイベルは人間視点では作中で最も自己中心で環境活動家要素をもったカスで、衝動的に交渉相手を殺したりするザ・ポリコレディズニーの体現者なので、その手の要素が地雷の人は注意
プロジェクト・ヘイル・メアリーのスタッフロール短かった気がする
黒背景でずーっとスタッフロールが流れていくパートが来るかと思ったら
背景ありのスタッフクレジット表示だけでロールせずに終わって驚いた
全然映画見ないから最近の洋画の傾向知らないけれど、一視聴者としては短く感じるのは嬉しいことだ
実際に他の映画と比べて短かったのか、それとも同じくらいだったのに短く感じたのか、どちらなのかは気になるところだ
Amazon映画はエンドロールが爆速、という情報を得た これによるものかもしれない
そういえばライオンがガオーとするロゴの下にAmazonの文字があったなあ いつのまに配下に 2021とか2022とかそんくらいか
田舎町の道端で目が覚めた主人公はなぜか記憶がない。通りがかった車に乗せてもらおうと呼び止めようとするも運転手は死亡しており、近くのダイナーに立ち寄るも客も従業員も全滅。なんとか家に帰ると庭仕事をしていた使用人を発見し、呼び寄せるも途中で死亡。主人公は自分の15m以内に近づいた動物が死亡するという法則を発見してしまう。困り果てた主人公の下に彼のことを知っている気がするという一人の記憶のない女性が現れるが彼女は15m以内に入っても死亡しなかった。実験の結果、ヒロインが15m以内にいれば主人公の能力が発動しなくなることがわかる。死亡能力のおかげで警察に追われる中、記憶と能力の謎を追う旅が始まる。
みたいな映画。
新幹線大爆破とかスピードとかコナンとかにもあった「ある条件を満たさなくなると問題が発生する」というサスペンスを2人が一定の距離内にいることというフォーマットに落とし込んだのはいいアイデアだと思う。いるだけで人が死んでしまうという主人公の苦悩と条件をどうやって満たし続けるかというサスペンス。
例えば(ぶっちゃけもうちょっと何とか出来ただろって部分ではあるんだけど)、2人が能力の検査のために病院に行った際に主人公だけエレベーターに乗ってしまい、ヒロインが乗り損ねる展開がある。主人公との直線距離15mを保つためにヒロインは慌ててエレベーター横の階段を駆け下り、主人公は乗員を慌てて降ろす。みたいな金のかからないハラハラシーンを作れたりする。
また、能力を人が死ぬに設定したことで主人公は警察に追われることになり、警察に捕まると当然ヒロインとは引き離されるのでこれは絶対に割けないといけないという逃避の必然性を持たせることに成功しているし、実際に信頼している人物に助けを求めた結果裏切られ警察を呼ばれ拘束された2人が徐々に引き離されるというサスペンスとその後の野次馬含めた大量死亡というスペクタクルシーンにもつながっていてなかなかよい。
オチのネタバレするとヒロインは姉が行方不明になっておりその捜索に疲れ果て自殺しようとしていたところに主人公と出会い好意を寄せるようになるが、実は主人公は連続殺人鬼で姉を殺したのも彼だったことがわかる。そして2人は対決することになるがそこに雷的なものが落ちて2人は意識と記憶を失い能力を得たのだった。
つまり、主人公の「近寄る人をみな殺してしまう」能力は、記憶を失うまでの主人公をカリカチュアしたものにちゃんとなっているし、ヒロインの能力も「主人公の近くにいたい」「殺しを止めたい」「復讐したい」という思いからの派生にちゃんとなっていて単なるギミックではなく人間ドラマにちゃんと沿ったものになっている。
最終的にヒロインはチンピラに撃たれて病院に運ばれ、警察に追われる身であり手術室の外で待つこともできないであろう主人公はこれ以上悲劇が広がらないように自分の頭を撃ち抜く。ただただ利己的に快楽のために人を殺し続けてきた人間が、記憶を失い能力を得ることで自身が行ってきたことを突き付けられ最後は他己で死ぬというストーリーテリングは、なんていうかちゃんとよくできてるなって思った。
映画もその後を描いたりもせずに手術室に運ばれるヒロイン、それを見送り頭を撃つ主人公。叫ぶヒロイン、倒れる主人公を映しそのままエンドロールに入るのも、静かに人が死に続けるこの映画らしくてコンパクトにまとまっており非常によかった。
あとは主人公がヒロインに自分の能力を信じさせるために殺す対象が「山羊」だったり、主人公の本名が「ローズ」で姉の名前が「リリー」だったり、過去にヒロインを殺そうと襲い掛かる主人公に落ちるのが「雷」だったり、そもそもRadiusの語源は放射状に差す光を表していたり、ヒロインの夫による裏切りが悲劇を招いたりといたるところにキリスト教的モチーフがちりばめられている気がするが、別にそれは特に回収されないので製作者側も意図していない可能性もあらずんば虎児を得ずというところ。
誰が何でそんな能力を付与したんだ?みたいな部分は特に語られたりはしないのでそういうのが気になる人にはちょっと微妙かもしれないけど、静かに人が死ぬコンパクトな条件式サスペンスの佳作としてまあまあオススメ。
びっくりするくらいすがすがしいほどの2で草。ただ偉大な1は超えられなかったかな。70点。
前作で燃やしたロシアンマフィアの年金の返済をかつて自分が所属していた組織に肩代わりしてもらった結果、殺し屋に逆戻りした主人公は忙しさのあまり家族と再び距離ができてしまう。そんな彼は一念発起、夏休みに家族みんなでバカンスに行く計画を立てる。そしてたどり着いたアドベンチャーパークのゲームセンターで地元のチンピラとうっかり息子が喧嘩をしてしまい、店員に娘の頭をはたかれたことから主人公はブチ切れてゲームセンターに戻り大暴れ。ちゃっかり逮捕され保安官に死ぬほど脅され釈放。なぜか保安官がチンピラを引き連れ襲い掛かってくることに。なんとそのパークは裏組織の物流拠点だったのだ。そこを仕切る極悪シャロン・ストーンとの戦いが幕を開ける。
もう冒頭から取調室に傷だらけの主人公が座っていて目の前には男女コンビの捜査官。そして主人公の隣には今度はクソデカ狼犬とかいう完璧な1のオマージュ(1では子猫だった)で草。そして庇護されるものだった猫から狼犬にパワーアップしていて、これ以降、同じように少しずつ1より進んだ1の繰り返し演出が次々と登場する。
前作でも印象的に使われていたジャンプカットでボロボロになりながら殺し屋の仕事を続ける主人公と主人公に会えずに寂しがってる妻という現在の日常。そして1では毎日「家のドアを開けるところ」の繰り返しだったのが、今作では車が出発するところの繰り返しに代わっており、ついに主人公が休みを取ることを決意したシーンではゴミ捨てについに成功する。
前作では強盗に果敢にとびかかり顔面パンチされて目の周りにあざを作っていた息子はバスケの試合で同じようにあざを作っているし、同じように妹のためにチンピラガキにとびかかりそれが火種に発展する。そして最後には今度こそ侵入してきた敵にチョークネックを成功させる。ゲームセンターからうまく脱出できた主人公はやっぱり自分の足で中に戻って暴力の世界に足を踏み入れるし、ロシアンマフィアと同じようにシャロン・ストーンの楽しい楽しいお仕事パートも用意されてる。今作では保安官が中間管理職役を担っており、その上にストーンがいるというのもちょっとパワーアップ要素。今作でもストーンの金を燃やします。
バスでのアクションが今回は水上バスになってるし、バスでのアクションと同じように水上バスでも主人公はバーに頭をぶつける。最終決戦は前回は工場内だったけど、今回はパーク全部を使っていて尚且つ、ジジイとRAZに加えて改心した方の保安官が加わって1人増えてるし、最後の最後で守られるだけだった妻が戦力に加わる。
上記のように徹底的に1を下敷きにしたうえで、それをちょっとずつ上回る形に変換しているのは何気にすごい。
あと前作ではスナイパーだったRZAが今作は大阪での仕事帰りでニンジャ+サムライにかぶれててブレードアクションを披露。こいつ好き放題やってるな。
そして前作ではミドルエイジクライシスがテーマになっていたけど今作ではワーカーホリック、仕事と家庭がテーマになっている。
ウキウキで暴力の世界に戻った主人公だが今度は毎日のように殺しの仕事漬けになって家族と疎遠ですぐに仕事が嫌になっちゃう。趣味を仕事にすべきではないな。ウン。となんだか切なくなってしまう。妻は自分をもう愛してないかしらと思い詰めてるし子供のバスケの試合も見に行けないし嫌になって休みを取るも、趣味を仕事にしたもんだから、旅先でもついつい仕事に精を出して家族を危険にさらしてしまう。
一方で主人公の息子と喧嘩したチンピラガキの親の保安官はパワハラ上司のストーンに嫌気がさしていて「もう借金返せたやろ」とたてついた結果、息子を殺されそうになりそれを主人公に救われ仲間に加わる。彼も息子も嫌な奴として登場するけど、互いに絆は感じていて非常に人間臭い親子として描かれているし、その借金も親から引き継いだものだったんだよなぁ。
一方でクソパワハラ上司のストーンはどう見てもひとり身で周囲を女性ボディガードで固めていて他人との絆なんて一切信じていない非常に対照的な悪役として描かれている、ちなみにその下っ端の保安官もどう見てもひとり身。
そして追い詰められた主人公を妻が仕事(野生動物の保全活動)で培った麻酔銃スキルで救出するという展開の美しさ。そして1と同じようにドタバタの後に再び取調室に戻るんだけど1では主人公と猫だけだったのが、今回は主人公、狼犬、そして妻が一緒に座っているのもよいし、エンドロール前には家族みんなで娘が撮ったチェキをプロジェクターで流すのを眺めているシーンからシームレスで「あんなこともあったけど楽しいバカンスだったね」という家族の物語の〆として完璧だと思いましたよ。
ただ、この手の作品で最も大事な「普通のおっさんがキレて殺人マシーンになる瞬間」が今作では当然ないので、そのカタルシスの薄さはどうしても出てしまう。そういう意味で今作では冒頭から暴力全開なのでメリハリに欠ける部分は否めないのは正直マイナス。そして前作で主人公はやりたい放題やる奴だってわかってるので、今作での金焼きも「前作をなぞってるなぁ」感はあっても「そこまでやっちゃうの~」感はなくてやっぱ盛り上がりに欠ける。
そしてアクションだけど今作でもきっちり長回しでアクションを見せてくれるし、前作にはあんまなかったアクションでやられた被写体にカメラを固定してぐりっと回転させるダイナミックなカメラワークが追加されていて楽しませてくれる。でも、前作がかなりもう上位まで行っちゃってたのでそこを超えるほどの衝撃はあんまなかったのも残念。
最終アクションが工場からパークに規模が上がったのはいいけど、結果的により荒唐無稽でド派手方向に振れちゃっててそこを良しとするか悪しとするかは人によって評価は分かれそう。俺は正直ちょっと微妙だった。
そんなわけで1を見た人には大満足だとは思うんだけど1を見てると逆にちょっとやりに行き過ぎてるなぁって感じもするし、1の偉大さを再確認させられる結果になりそう。とはいえアクション映画として十二分な強度はあるし、90分しかない上質なアクション映画を見たいならオススメ。
ふいんき(なぜか変換できない)重視のクライムサスペンス映画だったけどあんま刺さらなかった56点。
商社勤務だったがミスをおっかぶせられてクビになり妻とは離婚、タクシー運転手をしてうだつの上がらない日々を送る窪塚洋介。ある日、乗せた客が大物政治家とその愛人でbig dealがあることを聞いてしまう。チョコプラ長田にいびられてイライラして事故ったりいろいろあった結果、タクシー会社の同僚でサヴァン症候群の坂口涼太郎と元自衛官で博徒の葵揚と3人で絵画窃盗計画を企てる。絵画を捌くヤクザのJin Doggらも絡み合い壮絶な作戦が幕を開ける。
みたいな話。
まずオープニングがよくてねぇ。中華料理屋でもちゃもちゃちゃんと汚く飯を食うJin Doggらヤクザとそれに相対する黒スーツを決めた主人公組3人を細かいカット割りでスタイリッシュに映して。虚勢を張る3人に対してJin Doggがコンビニ袋を渡し、恐る恐る中を見ると中には目玉が。その目玉を拾い上げてビールの入ったコップに入れるJin Dogg。その後ろで時計が逆回転を始める。
ここ超カッコイイ。絶対にキレさせたくないラッパー全一のJin Doggがそのキャラクター性をいかんなく発揮したキケンなヤクザを演じていてめっちゃよかった。ただどうしても役者ではないので、その後のアクションシーンとかはやっぱちょっとキツいなぁって感じはあったけど。殴る蹴るの暴行は「当てたらあかんねやろなぁ」感が出てた。
演者で言えば、窪塚は社会に抑圧される冴えないおじさんを演じていていい年の取り方をしたなと思ったし、何より葵揚がいかにもキレてる元自衛隊員って役を演じていてルックスも含めてこの作品内でかなり存在感があってよかった。演者は概ねよくて演技を見る映画としては普通に面白かった印象。
話としてはタイトルのsin clockはsinとsynchronicityをかけているらしく、作中では「時計」と「偶然の同期」が非常に印象的に使われている。冒頭で出てきた逆転する時計もそうだし、いきなりネタバレするんだけど今回の窃盗計画の失敗に大いに寄与するのもタクシーの車内時計だし、黒幕が息子に買ってもらったと語り金を横取りした後ゴミ箱に捨ててしまうのも時計だ。そして彼が国外逃亡に使った飛行機はエンドロール前で行方不明になったことが知らされ、空港のゴミ箱の中で時計は進み続けて終わる。
synchronicityに関しても主人公組3人の誕生日が平成3年3月3日の素数でありフィボナッチ数列である3で揃っていることから「俺たちが揃ったのは奇跡だ。運命が俺たちに行動しろと言ってる」という謎の啓示を受けこの計画がスタートする。窪塚がタクシー運転手の資格を得たのが令和6年6月9日で3の倍数。3時30分に金の受け渡しをする予定が、窪塚が遅れ金を横取りされる。窪塚の時計は3分送らされており、彼が時間通りに受け渡し場所に行ったと思っていた時間は本当は3時33分だった。
逆に3に関係のない数字になると途端に具合が悪くなる。商社で起きた問題を上司と広告代理店に2人で謝りに行く窪塚。ちなみに相手は3人。窪塚は職を失う。その後、タクシー運転手をしているときにだいたい嫌な目に合わされるのは客が1人で社内に2人の時。
Jin側のヤクザは2名で、大物議員が雇ったと思われる絵を奪還に来たヤクザも2名。こいつらはそれぞれ殺し合って全滅。ネズミ捕りをしていた警官は2人体制だし、離婚後も子供と元嫁の3人だったときは状態は悪いとはいえ安定していたが嫁に新しい恋人ができて関係は破綻。同じく離婚して3人だった黒幕は息子からもらった時計を棄て縁を切ったことで行方不明になる。
また黒幕とは基本は坂口涼太郎を交えた3人で接することが多いのだが窪塚と2人で話をする印象的なシーンがあるが実はそこが今回の計画が破綻する決定的な場面だったことがわかる。
といったように、この映画自体は非常に綿密に設計されているのはわかるが、それが映画としての面白さに寄与しているかはまた別の話だと思う。もろちん、普通に生きてるだけなのになんかうまくいかない市井の人が「できすぎた偶然」から道を踏み外してしまうという作品のテーマの性質上、前振りの何でもないうまくいかない日常シーンが必要なのはわかるけど正直かったるいし、やりに行き過ぎてる感じがちょっと苦手。盗むという工程自体は特に問題もなくシンプルに終わってしまうのも正直拍子抜け。
特にチョコプラ長田演じる警官にいびられてイライラしてバカみたいにタクシーで暴走して事故る展開はシンプルアホなのかな?としか思えなくて、そこで一気に感情移入度が下がってしまった。坂口涼太郎が学校をクビになった理由もちょっとなぁって感じだし、葵揚は存在感はピカイチだが「そういう役!」って感じの書割で人間間が薄い。
仕掛けを頑張った結果、役者はみんな魅力的だが登場人物の魅力が薄くなってしまった印象。実際のところクライムの部分も割と拍子抜け感があるし。寓話なんですよと言われればそれはそうかもしれないけど、俺的には微妙。
とはいえ、おじさんになってなおシュッとした雰囲気イケメンの窪塚と何よりヤバいヤクザのJin Doggは一見の価値があるし、どんでん返し含めてクライムサスペンスとしても一定の強度はあるので、邦画のクライムサスペンス見たい夜にはそこそこオススメ。
主人公がなんかキモい以外はアクションありラブありの総合型SFエンタメ施設映画だった66点。
空に浮かぶ楽園ザレムと地上のゴミ箱アイアンシティ。そのアイアンシティで医者をやっているイドはゴミ山で半壊した記憶喪失の女性型アンドロイドを発見、持って帰って修理してアリータって名前を付けて色々教えたりする。アリータはパーツ調達の仕事をしているヒューゴとなんかいい感じになったり、賞金稼ぎになったり、モーターボールとかいう世紀末スポーツに参加したりしてアイアンシティを覆う黒い陰謀に立ち向かっていく。
みたいな感じの話。
主人公のアリータがたぶん人間とCGIの融合した形で描かれてるんだけど、目が異様にデカくてそこもちょっとキモいし、少女みたいな顔つきなんだけどふとした表情がめっちゃオバサンでそれもなんかキモいし、頭に対して身体が小さくて細すぎるのもなんかキモい。
日本の漫画的、アニメ的なデフォルメを現実的に落とし込んだんだと思うんだけど、まぁ、まだまだかな。顔はともかく、ボディに関してもバーサーカーボディに換装した時は、デコルテまでが人肌でそれ以降が機械なんだけど、デコルテの広がりに対してボディが小さすぎて違和感がすごくて笑った。
ただ、じゃあヴィジュアル全部が悪いのかっていうと全体的な完成度で言えばこないだ見た実写版のGITCよりも相当レベルが高い。アイアンシティもしっかりしてるし、アリータ以外にもいろんな半ロボが出てくるけどだいたい(一部ウーンってのもいるけど)よくできてた。ザパンとかいう見た目全振りのプライド高いかませロボがいるんだけど、こいつの造形の特に背中とかはめちゃめちゃカッコいいけど機能性全くなさそうで完璧だった。この辺はキャメロンの力やろな。
アクションもいろんな工夫が凝らされていてよかった。路地裏でアリータが身体の記憶――格闘術を思い出すアクションは徒手型と元来アリータが持つ残虐性が出ててよかったし、酒場を飛び回りながらのアクションも昔ながらのスラップスティックアクション形式でよかったし、その後の負けイベも縦横無尽に襲い来るチェーンブレードを立体的にかわしながら戦うのがイカしてたし、モーターボールの走りながら妨害、武器アリと様々なギミックを使って戦ったりと、アトラクションとして飽きさせない工夫が感じられた。
ストーリーに関しては物語全体の大筋は散漫なところがあり3部作の1作目みたいな感じなのでなんかスッキリしないなってなりながらも、細かい部分は意外とちゃんと考えられててよかった。
例えばイドは自分の娘のために楽園を棄ててきた愛の民でしかし娘は死亡、娘に与えるためのボディをアリータ(娘の名前を付けているのも象徴的)与え、彼女を娘のように溺愛して育てるが恋を知り思春期になった娘は反発し、ボディは破壊され、大人の(バーサーカー)ボディを経た後は彼女の意思を尊重するようになる、とかは子育てものとして一貫した姿勢を感じるし、娘をめぐって対立していた妻も最初はアリータを目の敵にするけど最終的には受け入れて彼女を救い、そして死ぬ。
実はイドと妻、それぞれが序盤と終盤でアリータの涙を指で拭うシーンが登場してなんかエモいし、恋人を失った後、エンドロールの直前、ザレムを目指すために文字通りバーサーカーになった彼女がこぼれた涙(人間性の象徴)の雫をブレードで真っ二つに切り裂いてそのブレードでザレムを指すのも、ここから始まる復讐譚の幕開けとして完璧。ちなみに2025年の11月に2絶対作ろうね!って二人で言い合ってるよってキャメロンとロバロドが話してたらしい。
またヒューゴもパーツ調達と言いながら実際には集団強盗でその辺のロボを襲ってパーツを奪っていたんだけど、結局、そこで奪ったチェーンブレード入りの腕が愛するアリータを破壊するところを目の当たりにするというカルマの円環を成しているのもいいし、強盗団の一員であった過去が自身の命を奪いかける。
ちょっと話が逸れて、ヒューゴが強盗してまで金を稼ごうとしていたのは金を貯めればザレムに行けると思っていたからでそれを知ったアリータが高額な自身の心臓(ハート)を差し出すというのは未来のラブとしてめっちゃエモいなーって思ったし、命を失いかけたヒューゴの頭部に自分の循環器を接続するっていうもうそれセックスじゃんってのもよかったし、頭部だけ生き残ったヒューゴが機械の体というアリータと同じ存在になるのもよかった。
そのあと亡くなっちゃったんだよね。
そんなこんなで主人公の見た目に対してある程度許容できる人だったら普通に見て楽しめると思う。たぶんもう10年くらい前の映画だからその時見てたらCGスゲーってなった可能性もあると思うし、大アバター時代を経て今のキャメロンの技術で作られる予定(などと本人らは供述している)2はもっとすごいかもしれないなとか思った。
失敗した舞台演劇みたいな映画で個人的にはまったくハマらなかったがエンディングは爽やかでよかった33点。
公園で古物商を営む主人公は小銭稼ぎに古書店でヒロインと出会う。その後いろいろあってヒロインと再会したり、婦警に警棒で頭を殴られたり、師匠に連れられて山奥の競り会場に行ったら頭がおかしくなって地獄が見えるようになったり、大家さんを殴り倒して逃走してホームレスになったりした挙句、暴走した若者に殴り殺されて終わったと思ったら冒頭にタイムリープしてまたヒロインと出会って終わる。
みたいな話。
まぁやらんとしてることはわかるんだがとにかく台本が気に入らない。
何かめちゃくちゃ説明的だし、ここでこんなこと言うやついるか?みたいな台詞がめちゃくちゃ出てくる。極めつけは最後の最後で、再び路上で物売りをしていたらキッショいおっさんが出てきてその絵を売ってくれつって300万円押し付けて絵を持って去ってくんだけど、一人になってからクソデカ声で「ようやく高島野十郎の作品を見つけたぞ!これを扱うために俺は画商になったんだ~!!」って叫びながらどっか行く。キチガイやん。
別に主人公から買う時に「どうしてその絵にこだわるんですか?」「実は……」とかでもええやん。なんでバカみたいな独り言で説明させるん?みたいな台詞がめっちゃ出てきて話に全然集中できない。
洋ドラはクズしか出てこなくて邦ドラはバカしか出てこないが俺の持論なんだけど、今作ではバカなクズしか出てこない。寓話的とも違う純粋にこんな人類いないだろみたいな、人がいっぱいいる居酒屋で因縁つけてきて暴力ふるう古物商仲間とか、警棒で頭フルスイングして相手が血を流してぶっ倒れてるのに気にしない婦警とか、暴走する若者なんかもその設定のためにそうしてます感がすごいし、なぜか急に盛ってくる大家を主人公が鈍器のようなものでぶん殴って逃走する展開があるんだけど、さすがに救急車やろ。まだ生きてたぞ。そしてその話はその後出てこない。
申し訳ないけど終始設定を並べてるだけ感があってずっとおもんないなって思いながら見ていた。
個人的に人生をもう一度やり直せる系の作品なら最初、主人公が何かに執着していたのを現世という名の地獄をめぐることで手放したり、再定義しなおしたりするようなことが必要だと思うのだが実際にはそれはない。ただ流されるように地獄に落ちて、何かよくわからんうちに殺されて死ぬだけ。
で、生き返ったらなんか何もかもがいい感じになっていて再びヒロインと出会って終わる。
まぁ仏教的な感覚でいけば「現世という修行の場で苦しんだから来世はいい感じにしとくわ」って感じかもしれないけど、そもそも仏教の修行って現世を幸せに生きるためにするものだからやっぱモチーフとしても合ってないと感じる。
この構成にするならもう少し前半をスリムにしてタイムリープ(輪廻転生)してから、主人公がどうやり直すのかに尺を割いた方がよかったんじゃないかと感じる。そもそも地獄に行ったところの描写が後に全然生きてこないし、めっちゃチープでバカみたいだったからあそこ全部削っていいだろうし。
主人公の名前が大貫大という回文になった名前からしても本来描きたかったのは「やり直し」ということだったと思うのだが、実際には現代での唐突で意味不明な地獄に大きな尺が撮られていて、地獄と現実を行き来するような展開もほとんどないし、やり直しの後が雑すぎる。
とはいえ「懐かしい匂いがした。それが何なのかは思い出せないが」という冒頭に主人公がヒロインに出会った時のモノローグが、エンドロールの直前でヒロイン目線で「懐かしい匂いがした。それが何なのかは思い出せないが」と繰り返されるのは、あぁ覚えていなくても人生というものは何度も繰り返していてその中で善かったり悪かったりするもんなんだろうなっていうちょっとした爽やかさを残して終わるのは悪くなかったかな。
あとは競りのパートはちょっとした蘊蓄んがあって面白かったのでお仕事映画として興味深さもあった。
萩原聖人がいかにもくわせものという感じで出ていてよかったかな。
俺が小劇場系のサブカル演劇苦手なんもあって全然ハマらんかったけど、それ系とか説教臭い映画が好きで考察したくてしたくてたまらない系の人にはオススメなんじゃないかな?
よりイカれた砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけないみたいなサイコシスターフッドサスペンス映画だった、63点。
ガタイが良くてイカつい顔をした主人公は小柄でかわいいイズミとひょんなことから仲良くなる。二人でキャッキャウフフしてるまになんかいい感じになるんだけど、そこからイズミがヤンデレ化しどんどん様子がおかしくなっていく。そしてそれがマックス高まったとき、地獄のふたが開く。
みたいな感じの映画。
増田の民として作中に✋(👁👅👁)🤚 シーンがあることについてまず述べておく必要があるだろう。
守護と拘束、自己と他己みたいなアンビバレンツさを扱った作品だと思ったかな。
冒頭、幼き日の主人公がリードもつけずに犬の散歩をしていると犬がいなくなってしまうシーンから始まり、後に車に轢かれて死んだことがわかる。その後も、鳥籠に閉じ込められたインコを飼い、学校ではたった一人の生物部員として水槽に閉じ込められた金魚を飼っている。
彼女は弱きものを拘束して守護することで自分を確立していて、そこにイズミという拘束癖のあるヤンデレ小動物が入ってくる。
印象的なシーンとして生理痛に苦しむ主人公にイズミが三陰交圧痛をかけ、列海王が悶絶するシーン(混線する記憶)。しかしその後、生理痛が治まることとなるわけで、イズミが主人公に対して「痛みを与えて」「安らぎをくれる」存在なんだろうなって百合スキーとしてちょっとキュンとした。
また小道具から照明に至るまで、主人公が青でイズミが赤と明確に描き分けられている。しかしイズミからの主人個の生活への侵略が進んだ際には主人公のペディキュアが赤に塗られて、最後にイズミの呪縛から逃れてからは今度は青いペディキュアが塗られるなど芸も細かい。
また主人公は金魚には金次郎(金太郎だったかも)、インコにはチュン太と男の名前を付けており、イズミはそのことに異常な嫉妬心を抱いている描写が多い。イズミが明日一緒に帰れる?と主人公に問い、主人公が金次郎の世話があるからと断ると、翌日には水槽を破壊し金次郎を殺害してしまう。これ砂糖菓子で見たやつや~ってなった。
その後、チュン太まで強請り取られた主人公は精神の状態がおかしくなっていく。
で、まぁその後、イズミが担任教師の弱みを握って付き合ってたり、イズミが行方不明になってたいじめっ子のクラスメイトを拉致監禁していたりしたことがわかって、最終的にイズミは担任教師を殺害しいじめっ子も殺害、そこに居合わせた主人公に襲い掛かってくる。
ところで急に冒頭にちょっと出てた全然知らん女と、また別の全然知らん男が現れこれまでの話が殺人罪で起訴された主人公の接見中の供述であったことが分かり、主人公はその後、イズミを返り討ちに合わせていたことがわかり、弁護士が頑張って主人公は無罪に。日常に戻るのであった。
と思いきや、前半での印象的なシーン。鏡を見ていたイズミが目が赤くなっているのを見かけて動揺し鏡をぶち割り「自分を守るための嘘、あんたの武器でしょ」と語り掛ける場面が、裁判後に今度は主人公がまったく同じシーンを繰り返しその後「自分を守るのは自分だけ」と付け加える。
こうなると裁判前までのイズミと主人公のあれこれがすべて主人公の供述だったことで、どこまでが本当でどこまでが嘘か急に分からなくなってくる。主人公の裁判も「イズミ」「教師」の死亡だけで「いじめっ子」については新聞記事にも載っていない。死んだと語られていたチュン太も籠の外でどうやら生きているようだ。
さて、ここからは俺の解釈になるんだけど、教師と付き合っていたのはイズミではなく主人公だと思う。これは「男」を拘束して守護する(弱みをバラさない)ことに執着していたのは主人公だから。教師を呼び込んでからのシーンでイズミは煙草をふかしているが、作中で喫煙癖があるのは主人公の方だし。
そうなるといじめっ子を監禁したのは誰かという話になるがもしかしたらこっちはイズミの仕業かもしれない。女性に対して加虐性と拘束性を発揮しているのはイズミなので。そして2人のサイコパスが揃った結果、教師がいじめっ子に性的に襲い掛かりそれを発見した主人公が教師を殺害、それを見られていじめっ子も殺害しチュン太の代わりに埋めて、イズミも殺害した。とするのが一番俺の中ではしっくり来たかな。
もしくはもう一歩踏み込んで、"イズミ"はそもそも存在しなかった。新聞に出ていた死んだクラスメイトと教師というのは「いじめっ子」と「教師」だった可能性。だがだとしたら最後のシーンでまだいじめっ子の捜索願のポスターが残っているのはややおかしいか。
そしてすべて終わって「あたしを守れるのはあたしだけ」と付け加えたときには主人公の目は青くなっていて電線に止まるチュン太が映し出される。イズミという拘束してくるけど安らぎをくれる飼い主様を自分の中に取り込んで自由になった主人公は、エンドロール後に元々の自分の席に座る女の子をじっと見つめている。その女の子の形態にはかつて自分がイズミからもらってつけていた南京錠のストラップがついている。
ここも「元々主人公がイズミだった」としてもある程度成立するように作られているようにも思える。
そんな感じで常に2つのモチーフを対比しながらもいかにも考察がはかどるように考えて作られていて、この人なかなか腕があるなと感心してしまった。とはいえ、やりすぎてふわふわしてて具体的に結局どういう話やったん?っておさまりの悪いところもあるので個人的にはもっとちゃんとわかるほうが好み。
インディーズ作品らしいけど、前に見た傀儡よりはちゃんとエンタメに振って作られていたかなって印象。
主人公とイズミのコンビは役者の妙もあって見ていて飽きないし、それぞれリアリティをもって演じられていてこの2人のキャイキャイを見るためだけに百合スキーは見てもいいと思う。まぁ最後にはおかしなことになるんやけど。そんなこんなでインディーズ好きと百合スキーにはわりとオススメ。
たぶんもっと面白くていいと思うんだけど何がこんなにもつまらなく感じさせるのだろう系ホラー映画で43点。
勝手に彼女の家に居候する気で上京してきた主人公は彼女に拒否され激安シェアハウスに泊ることに。ヤバい住人達といろいろありつつ彼女と和解、ちょうど東京で起業していた先輩に誘われ就職するも隣のヒゲはネチネチうるせぇし、シェアハウスの住人はよりやべぇし、どんどん追い詰められていく主人公。そして驚愕の真実が明らかになったりならなかったりする。
元々が韓ドラである程度の長さがある作品をギュギュッと2時間に収めるために話をどうやって展開するかを考えた結果として、せや!登場人物を全員エキセントリックにしたらええんや!ってなったんじゃないかなって気がしないでもない。まぁ原作見てないんでわかんないんですけど、そう邪推したくなるくらいにはなんかみんなエキセントリックすぎて逆にノイズだった。まぁエキセントリック通り越して幼稚っていうのは実際にそういう役どころだから合ってるのかもしれないけど見てておぉ~!ってよりはフーンってなっちゃったかな。
でもこれって俺が日本人だから日本人のエキセントリック演技に鼻白んじゃうのが原因なのかなぁ。韓国映画とかでもエキセントリックな演技する役者多いけど別にここまで気になることないもんな。
で、話の内容に入るんだけども。
冒頭からツボにぎゅうぎゅうに入れられた虫さんが映し出されて「は~い、これは蟲毒的な話ですよ!」ってわかりやすく教えてくれるんだけど、写ってるのどう見ても南米産の無害なゴキちゃんだし、全部同じ虫さんだから「蟲毒ってそういうのじゃなくね!?」って思うし、途中でヴィランがその中の虫を一匹取り出して足を4本くらいモギモギして「こいつが生き残ることに賭けますよ」的なこと言ってて「手負いの虎が一番怖い」的な話かなと思ったらそれも回収しない。
もうざっくりネタバレすると、ヴィランは殺人因子的なサムシングを持った人間を特定の場所に集めて人間蟲毒を行っている人間もしくは思念体で主人公はうっかりそこに紛れ込んだだけかと思いきや、主人公自身も異常者でしたっていうオチで、最後に逮捕された主人公がうっかり逃亡して、シェアハウスの屋上で空っぽのツボから一匹虫さんが這い出して「蟲毒の勝者は主人公でした!」的に終わるんだけど、蟲毒だったら壺になんもは言ってないピカピカなのはなんかおかしいし、ヴィランが足四本もいだ蟲が主人公なんだとしたらそこを映さないと意味ないし。なんかうまくねぇんだよなって感じ。
あと、たぶん2時間にしちゃった影響だと思うんだけど、主人公がわりと早々に一般人の皮を脱ぎ捨て始めるからかなり早い段階からこれスーパーキチガイ大戦やん!ってなって、一般人ポジの主人公に感情移入して不安な感じとか恐怖とかを味わうつもりだったのがはしごを外されるのが単純に体験として不快。もっと段階踏めたやろって思う。
ヴィランは純粋に見た目にオーラがないのが残念。こいつは悪のカリスマみたいな感じでさっきも書いたけど人間蟲毒をやってるんだけど、その割になんか明確にシェアハウスの初期メンを指揮して入居者を殺させているのでそれだと蟲毒にならなくね?って思う。これが「そうは言わずにそそのかして」住人同士に疑心暗鬼を生んで殺し合わせるとかならOKだけど、呼び込んで殺すは蟲毒じゃないよ。テーマ設定が間違ってるし、終盤でいきなり中二病拗らせた世界の悪意についてのお説教始めたのには本当にうんざり。
良さとしてはゴア表現頑張ってたのはよかった。あとこの作品に限らず人肉食が出てくる作品でいつも思うんやけど人肉ってなんであんなに赤いん?生きてる肉塊から削いで持ってきてるんならギリわかるけど血抜きしたらあんな色にならなくね?食ったことあるニキいたら教えてほしい。
駆け足すぎるとは言ったけど主人公がどんどん追い詰められていって壊れていく様子は見ていてゾクゾクしたし、ヒロインの首を発見した時に拳を噛むところはまさに「怪演」て感じでかなりよかった。全体の演技プランはともかく部分部分で光る演技があったのはよかった。エンドロールで横になんか書いてあったから多分アイドルさん。
シェアハウスの管理人ポジのババアが見るからにおせっかいクソババアって感じでよくできた造形だなと思ったら青木さやかだったのもよかった。いや、いい役もらったと思うしいい演技したと思う。
まぁそんな感じかな。
原作見てないからわかんないけどとにかく主人公がとんでもない勢いでアクセル踏んでハンドル切っていくからそこが多分一番ノレなかったポイントで、たぶん本来はもっとゆっくりじっくりやるべき話なんだと思う。他人は地獄だっていうよりもう全部地獄やん!みたいな映画で俺はあんま乗り切れなかった。なんかグロい系の邦画ホラー見たいって人にはオススメだけどたぶん原作見たほうが面白いだろうなと思う。
久々に完全に見る態度を間違えてしまった俺が悪い映画体験だった。54点。
きっしょい点検作業員の男が女の家にやってきてきっしょい話をする話、学生さんが道端で困っている車椅子の老婆を助けたことから事件に巻き込まれる話、マッチングアプリで出会った女と男が喧嘩になるんだけどそれどころじゃなくなる話、運命を信じない男が自動販売機に入っていた手紙を通じて運命を知る話、きっしょいストーカー男が対象の隣人の家に忍び込む話、希死念慮に侵されたコンビニバイトが事件に巻き込まれる話。
給料日に繁華街歩いてたらちょっと高級そうな「鉄板焼き」の店があったので、ちょっと贅沢しちゃおうかなと思って入ってメニューみたらお好み焼きともんじゃ焼きと焼きそばしかなくて、いや確かに鉄板で焼くけど俺の口そっちになってないよ~!みたいな感じだった。
っていうのも、これ絶対に知ってから見た方がいいので書いとくんだけどエンドロールに
IMAGE Base on 日本のテレビドラマシリーズ「トリハダ」
って書いてあるんだよ。トリハダの詳細は省くけど、要するにこれって腑落ちしたりトリックがあったり捜査があったりっていう一般的なサスペンスやミステリではなくて、世界のハズレ値と出会って不条理に人が死んで「えぇ……」ってなって嫌な気持ちになるだけのタイプのホラー作品なんだよね。で、尚且つオムニバスのそれぞれがちょっと「え?どういうこと?」ってなるんだけど別にそれが最終章で解決したりはしない。それぞれの登場人物がちょっと被ってるくらいの世界観の共有はあるけど、それが映画として有機的に絡み合ったりは基本的にしない。そういう作品だと思って見ればよかった。
ってことは俺がこの映画に求めていたのは基本的にはそういう部分なのね。だから最後まで「で、子の話って結局どこに収束するの?」と思って見てたから、それが達成されずに最後のコンビニの話が終わってあれ?終わった?ってなっちゃった。まぁ、コンビニの話はその前のストーカーの話に繋がってはいたからそれはよかったんだけど。
なので、これに関しては最初から韓国版トリハダを見る気持ちで見ればよかったとめちゃくちゃ後悔してる。期待値コントロールを完全に失敗してしまった。
話としては基本的にどれも「えっ、そうなるの!?」ってなるような仕掛けがあって見ていて退屈はしない。演技巧者を集めてやってるので見応えがあるし、ハラハラ感やソワソワ感を引き立てる演出も冴えてる。冒頭のきっしょい点検作業員、目が完全に三角形(△)でネチネチネチネチきっしょいこと言うの本当に無理で草。良い演技。
個人的にトリハダ、ヒトコワ好きの俺の中では自販機の中の手紙を追いかけていく話とストーカーが隣の家に忍び込む話が良かった。特にストーカーの話はストーカーが隣の女性の家に忍び込んであれやこれやをやる中で洗面所の歯ブラシを発見しそれを永遠に咥えてるってゲロキショ描写があるんだけど、最終的にベッド下にぽつんと残された歯ブラシノショットに「あの歯ブラシどこやった?排水溝磨く用のやつ」って台詞が入って、何もかもうまくいかんかったな……っていう諸行無常感と笑いのエッセンスがまじりあったバランス感がめっちゃ好きだった。
逆に学生さんが事件に巻き込まれる話はつまりどういうこと?感が強すぎてちょっと微妙。オムニバスにあるハズレ回。
あとはアレだな多分見た人全員が言うと思うんだけど最終章のコンビ店員がなんかヤンキー女みたいな感じなんだけどこの役者がめちゃくちゃよかった。ビジュもそうだし演技の感じも力強い感じもありつつ人生を投げ捨てた希死念慮に囚われた女性って役をしっかりやっててよかった。
そんなこんなで韓国版トリハダとして見れば十二分に合格点は出ているでしょう。元から天井が高いジャンルでもないので。重厚な韓国ミステリ、サスペンス、スリラー映画を見るつもりじゃなくて最初からそっちを見るつもりでみるならまぁまぁオススメ。
なんかいろいろ間違ったインドネシア産ジョン・ウィックみたいな映画だった52点。
インドネシアで船上生活を送る主人公は市場に買い出し中にスラム街のガキにうっかり懐かれてしまう。いろいろあってその家族と仲良くなった主人公だったが、近隣を仕切る海賊にガキを車で撥ねられうっかり海賊を惨殺。海賊経由で元アン作者だった主人公の情報を求めていたマフィアに漏れてしまう。ガキを攫われ怒り新党の主人公は暗殺者協会に復帰し復讐を開始する。
みたいな映画だった気がする。
最初のガキを撥ねた海賊を路地裏におびき寄せて惨殺するシークエンスだけど映倫がないインドネシア映画らしくめちゃくちゃゴアっててよかった。マチェットを片手にイキってる海賊に対して神速でマチェットを奪って腕をバコバコ切断し、最後の敵は両腕を切断したうえで首チョンパ。このへん、スピード感と無敵感、主人公の異常性を表すシーンとしてはよかった。
あとスラムのガキに仕事を聞かれて「引退したんだ」「引退って何?」「仕事をもうしてないってことさ」「その引退って難しいの?」って会話をするシーンがあるんだけど、実際のところそういう映画だったので"引退"って言葉自体をよくわかってないガキを使って「引退って難しいの?」って言わせるのは若干露骨すぎるなぁって気もしつつパンチラインだなって感じがした。
主人公はシラットの使い手って設定で全盛期のセガールよろしく接近戦での無駄も容赦もない爆速格闘はよかった。途中から殺し屋協会から派遣されたスナイパーと共闘するんだけど、狙撃手を頼むって言ったら対戦車ライフル持ってくるっていうあまりにバカな展開は笑った。次々敵の頭を文字通り"吹き飛ばす"スナイパー怖すぎるだろ。
敵のアジトに乗り込む際に途中で知り合ったトゥクトゥクの運転手を先に送り込んで、セキュリティや店内の強面たちにドル札を渡しながら「◯◯って人知らない?」って聞いて回らせるってシークエンスがあって、誰か探す必要なんかあったっけ?俺が見落としただけ?と思ってたら、実はドル札型遠隔爆弾でドル札を丸めて耳に挟んでたセキュリティの頭がふっ飛ぶバカ展開も面白かった。ドル札程度の質量にそんな爆発力ねぇだろとか、そもそもどうやって起爆したんだよとか言いたいことがないわけではない。
たぶんジョンウィックをパク、インスパイアしたんだと思うんだけど主人公は元殺し屋協会の会員で今回のヴィランは主人公に両親を殺されたって設定なんだけど、まぁそれは(映画的にも)どうでもよくて。途中でヴィランに殺し屋を送り込まれた主人公は体内のカプセルを起動して殺し屋協会に復帰するんだけど、復帰そんな簡単なんやって感じもするし、殺し屋協会ってメガネのカワイ子ちゃんが一人でデジタルキーボードをパタパタしてるだけで規模感が全然ない。深夜のすき家なん?中途半端なんはいっちゃん冷めるから。
序盤は超絶無敵主人公が敵を上回る殺戮力を発揮する展開なんだけど、その後はどんどん敵が間抜けになっていくのでこれ主人公が強いんじゃなくて敵が弱いだけじゃね?ってなるし、敵のアジトに侵入してからは主人公もどんどん間抜けになっていくのでナンダカナーって感じ。子供時代に両親を殺し屋に殺されてその復讐に燃えていたって設定のヴィランなんだからめっちゃ鍛えてて大立ち回りを用意してくれててよかったのに、それもないし。っていうか、ヴィランに魅力がなさすぎる。こいつがバカなせいで話が全部おかしなことになっとる。
アクションシークエンスもいいところと悪いところの差が激しい。接近戦は概ねいいけど、一部いまさらカメラに向けてパンチ撃つ?みたいなのがあったり、遠距離の銃撃戦になるととたんにオリジナリティがなくなるのもこの手の映画では致命的な気がする。
あと主人公がなんかヘンなやつでさぁ。(おそらく)殺し屋協会みたいな組織に元々所属していて倫理観がちょっとおかしい。途中、ガキが飼ってたニワトリが野犬に襲われて死んじゃうシーンがあって悲しみに暮れるガキに主人公が「どこの犬だ。その犬を探し出して殺さないのか」と真顔で言いだして「なにこいつこわ」ってなった。そしてそのシーンではガキは「殺しちゃダメだよ。それは悪いことだよ」って言って主人公は「あ、そうなん?」みたいな感じで終わるんだけど、作品の最後でヴィランに背中に弓を撃ち込んだ(一緒に弓を練習するシーンもある)ガキが「犬は殺さなきゃ」って言い出して、いやこの話の展開でそっち方向に倫理振ることあるんだ!って驚かされてしまいましたよ。
あと最後、ヴィランをぶっ殺してエンドロール前のCパートで救ったガキと家族の話をやるのかと思いきや、それは一切なしで手伝ってくれたトゥクトゥクの運ちゃんにオシャレに金渡してエンドロールに入ってまたまたビックリ。ガキと家族はどうなったの!?
そんなこんなでやりたいことはわからないじゃないけど、ちょっと今の一線級の作品に比べると距離があるかなぁって感じかな。金ローっていうよりは平日の13時くらいにローカル局でかかってるアクション映画って感じの作品だった。主人公の見た目もチャックノリスみたいだし。
とりあえず思ったことを書いていく。
正直、開始一秒で「しゃらくせえ」と思った。
立ち回りがやたら小狡い。
そんな捜査官Aに呼び出され、単身Aの車に乗り込む詩織さん。そのまま連れ去られてもおかしくないような状況に見えたのでハラハラした。
というのもこの捜査官A、公の場で証言して欲しいと頼まれるたびに「そんなことをしたら失職してしまう。責任とって結婚してくれるんですか?」「私が無職になって、生活の面倒を見てくれるなら考えますけど」と、2人の共同生活にやたら前向きなことを言ってくる。冗談めかしてはいるものの、声だけ聞くに、圧倒的中年男性のそれである。キモすぎやしないか? お上に不利な証言をしたとて、クビになる前に自分で辞めればいくらでも潰しがききそうなものだが、自分の証言と引き換えに全力で縋ろうとしてくる姿には違和感がある。とても信用できない人物に見えるが、この人間臭さ(=小物臭)がスパイ疑惑を打ち消す効果として作用しているようにも見える。
捜査官Aのことはどうにもずっと怪しいと思って見てしまっていたが、詩織さんは普通に信頼できる相談者として、常に気遣う言葉もかけてくれるので涙を浮かべたりする。私の心が汚れているだけだった。
この人に比べると、ドアマンはもう少し人が良さそうに見える。
映画の始まりで詩織さんは「証拠がないんです」と警察からはっきり言われている。山口のDNAが付着したという下着くらいしかなく、それだけではレイプの証拠にはならないのだ。
正直、ここでもう勝敗は決していると思った。過去の強姦、強制わいせつに関する刑事事件においても「被害者の申告」だけではなかなか起訴まで持っていくことは難しいのはわかっている。
この薄い証拠で山口が逮捕されていたら、それこそ人権派の弁護士が不当逮捕と噴き上がっていただろうし、即不起訴になる。安倍と友達であろうともなかろうともだ。そのくらい、証拠が弱い。
しかしドアマンがいくら証言しようとも、密室で行われたことであり、和姦か強姦かを証明することはもっとハッキリした証拠がなければ難しい。世の中では、市長の女性が部下の男性とラブホテルに行って業務に関する入念な打ち合わせが行われることもあるのだ。
捜査官Aが語るところによると、山口の逮捕を中止するよう指示を出したのは中村格という現・警察庁長官で、当時は警視庁の偉い人だった。真意を問いただすため、詩織さんは仲間たちと共に彼の出勤前を狙って自宅付近に張り込む。
小学生の通学路にもなっている、見通しの良い閑静な住宅街。そこに車で乗り付けて仲間たちと張り込む詩織さん、明らかに不審車両である。
案の定、登校中の小学生が車を怪しみ、何度も振り返って確認する様子を見て、彼らはくすくすと笑う。昔のこととはいえ、2人の小学生の顔はバッチリ映っている。もう彼らも成長して顔も変わっているだろうが、親がこれを見たら憤死するのではないだろうか。プライバシーの侵害についてよく語られる本作だが、登校中の子供の顔を無断で晒すのはさすがにあらゆる権利を侵害しすぎである。
表向きは防犯カメラの映像の無断使用と言っているが、彼らが本当に見られて困るのは終盤に出てくる国会議事堂前で抗議活動を行っている高齢の女性たちの明らかにアウトな言動の方じゃないだろうか。
普段は韓国の従軍慰安婦から辺野古基地の返還まで幅広く抗議活動を行っている活動家の皆さんである。詩織さんの告発は、山口が安倍晋三と親密な関係であることも含めて国会で取り上げられる問題になったので、彼女たちはそこに乗じてさっそく詩織さんの名前も挙げてアジりだす。
そこへ詩織さんが通りがかり、声をかけた。
最初は不審そうな顔をしていた2人の女性は、「伊藤詩織です」と詩織さんが名乗った途端、態度を一変させた。顔も知らずにアジテーションのネタにしていたとわかる、インパクトのあるシーンだ。詩織さんが去った後、2人はテレビで見るのと印象が違ってすぐに気づけなかった、とカメラの前でしどろもどろになる。
だがまだこの2人はマシである。問題はその後、2人と詩織さんのやり取りを近くにいながら関わろうとしなかった女性である。詩織さんが立ち去った後、さっきこちらにきたのはあの伊藤詩織さんだよと伝えられた彼女は驚いてこう言った。
「強姦された伊藤詩織さん? さっきの、強姦された伊藤詩織さんだったの? もう行っちゃったの、だったら話せばよかった!」
映画では、ここで画面が切り替わる。
映画が公開されるや否や批判的な立場を表明した北原みのり氏によると、彼女らのやりとりには続きがあり、ここで切るのは悪意ある切り取りだという。ここから入れる保険があるって本当ですか?
その後のやりとりとやらを確認したところ、やはりとても入れるような保険ではなかった。「みんなで民事訴訟の傍聴に行って応援しましょう」という意思確認をしただけだった。アジテーションのネタにしたのに本人が来なければ傍聴すら行く気がなかったのか?
なお、さらなる彼女らの擁護者によると「強姦された○○さん」という呼び方は、従軍慰安婦界隈では「売春していた人」と区別するために使う言葉なので、特別に性被害者を貶める言葉ではないらしい。つまり、売春していた人は区別してもいいようである。それはそれでものすごい職業蔑視をしているように見えるが、自覚は薄そうだ。
しかし、元草津町長(先日の選挙で負けた)には絶対に謝らない北原みのりが、「昔から知っている間柄だから」と無神経な高齢女性たちを庇う姿は、長年親密な間柄故に山口を守ったとされる安倍晋三にそっくりである。
最高裁まで進んだ山口との訴訟の一つは、安倍晋三が撃たれ、その死が公表された日に判決が出た。ただの偶然なのだが、二つのニュースをタクシーの中で聞いた詩織さんはある時代の終わりを感じ取り、音楽をかけて友人と小躍りして映画は終わる。この安倍晋三の死によって、もっととんでもない箱が開いてものすごい化け物が飛び出してきたことなど、当時の彼女には知る由もない。監督の意図しないところではあるのだが、物語の終わりは、奇しくも新しい物語の始まりを思わせる。
2017年に出版された著作「Black Box」を読んでいなければわからないことが多すぎる。
エンドロールも全部英語、しかも文字が小さく読みづらい。たぶん読ませる気がない。
つまり、一つのストーリー性を持つドキュメンタリーとしてBBDだけを見たらちょっとわかりにくい。原作(本「Black Box」)、映画、そして映画パンフレットの3点セットをもって、全ての情報が補完できるメディアミックス作品なのである。チェンソーマンでいうといきなりレゼ篇を見せられているようなものだ。
ドキュメンタリー映画としては、やはりそれ一本だけで完結させて欲しかった。ふらりと映画館に立ち寄って見られるのが映画の良さでもあるのだから。
ちなみに強姦した人こと山口が現在どうしているのかと思って調べてみたら、元気に参政党の連中と共に陰謀論界隈に出入りしていた。
なんかもっとロジカルな脱出系サスペンスかと思ったら割とメンタルホラーよりで教育的にあんまよろしくなくて50点。
ヤク中の夫と別れ家から追い出した幼い子供2人の母の主人公。追い出した小児性愛者のクズの家に転がり込んだ夫が家に戻ってきて物置に主人公を閉じ込めて帰ってしまう。物置からの脱出を図りながらグズる幼い子供たちは心配だし途中でクズは戻ってくるし、これから私どうなっちゃうの~~!
という話。
冒頭で夫が出て行った後の物置の整理をするシーンから始まって、で、いったん予行演習的にそこで主人公が閉じ込められる展開があってこの映画はこういうことが起こりますよ、こう困りますよというのが観客も予行演習できるんだけど、まぁそこじゃなくて。その整理のシーンで物置にあった痛んだリンゴを軒先にベベベって投げ捨てるシーンがある。
で、最終盤に主人公は元夫を2階の窓から同じ軒先に突き落として頭をカチ割って殺害する。
そしてエンドロール前におばあちゃんの秘密のレシピの最後に「痛んだ部分を切り取ったらいい料理になる」みたいな感じのことが書いてあることがわかって、「痛んだ部分(元夫)を切り取っていい人生が始まるんだね」みたいな感じで終わるんだけど、さすがに殺人を積極的に肯定しすぎてないか。
そりゃこいつド級のドクズだし、見ててもこいつ殺さんと話し終わらんやろなと思うけど。殺した上で「人生を邪魔するヤバい奴をぶっ殺していい人生歩もうぜ!」ってメッセージまで出すのは流石にいかがなもんか。ここめっちゃノイズやったわ~。
でアホみたいなタイトルの「トジコメ」だけど原題は「SHUT IN」で「閉じ込められる」という意味なので意外に原題準拠で草。まぁ、アオラレつけたやつと同じ奴がつけたんだろう。
最初に書いたけど閉じ込められたところからの脱出としては思ったような快感はなくて、要するに、限られた場所、物資を利用してロジカルに解決するというような展開はない。途中で娘がドライバーを拾ってきてやったぜ!ってなって床を掘り始めるてある程度デカい穴が開くんだけど、結局、その床からは脱出しないし。まぁドライバーはその後、小児性愛者の手を刺し貫いて娘を守ることには使えるんだけど。
どちらかというとどうやって脱出するかよりも、本来なら数分も目を話しておきたくない幼子――たぶん1歳くらいのベイビーちゃんと4歳くらいのガッキの設定だと思う――と強制的に引き離されてしまってしかも様子も見れない。指示もうまく伝わらないし、お腹空いたって騒ぎだすし、おしっこ漏らしちゃうし、寂しくて寝られないって言ってくるし、ガッキはベイビーちゃん運ぼうとして落っことしちゃうし。さっきも書いたけど小児性愛者は攻めてくるし。それを物置の中だけを映すことで、音でしか判断できないので焦燥感がすごい。
「危ないから鍵かけて閉じこもっとけ!」って言うんだけど本当にそうしたのか、今どうなっちゃってるのか、主人公からはわからない。
このあたりの演出はよくできてるなーって思った。
ただ結局夫との決着は部屋から脱出してからつけるのがなんかアイデアとしてはもう一つなんかなかったかって感じ。
あとは主人公がいきなり手のひらを釘で刺されるって言うモロモチーフが出てきたり、聖書に祖母のレシピや金がはさんであったり十字架が貼ってあったことが最終的な脱出のヒントになったりとキリスト教的な主張がなんかすごい。個人的にあんまうまくいってるとは思わなかったけどまぁ必要やったんやろうな。
っていうのもこの映画、The Daily Wireっていうバリバリの保守メディアが初めて自社制作した映画なのね。「自己責任」「キリスト教原理主義」「家族至上主義」「力による平和」というゴリゴリの保守的メッセージで撮られている。なので、まぁ若干のメッセージ性が先行しすぎる感じが個人的にはあんまだったかな。
主役の人は良かった。主人公が好きか嫌いかは別として「元ヤク中の危うさを秘めた一人の実在感のある女性」を熱演していたと思う。元夫をムッキーってなって責め立てたかと思ったらビンタされて(´・ω・`)ってなるシーンとかめっちゃ熱演で好き。
ただ幼子がいる、いたことがある親の人にはわりと身につまされるというか共感できたり、逆に共感できなかったりと楽しめる要素自体はあると思うのでそういう人にはオススメ。
この作品はなぜ人を惹きつけるのか。「オール・ユー・ニード・イズ・キル」
ハリウッド映画の方は10年以上前にテレビで見たが、アニメでも映画になったということで暇なので見に行った。
ハリウッド映画の方で一番覚えているシーンは特訓のシーンだった。
主人公とヒロインが特訓を介しながら親密になっていくというものだ。
まずアニメ映画にそれがあるか期待したが、今回の主人公に残された時間は起床後から2時間程度しかないようだ。
なので、朝食を食べる時間と移動時間も考えるとほとんど特訓はできず、現地で死にながら鍛える方式がメインのようだ。
始まりは、大きい木みたいなものが地球(日本)に降ってきて、1年間ぐらいは何もしてこず、邪魔なので人間が木を伐採していた中で突如宇宙人が襲ってくるというのもで、ハリウッド映画とは違う点だと思う。ハリウッド映画では戦時中みたいな感じだったと思う。
主人公はそこで伐採メンバーだったが宇宙人と出会い偶然相打ちになり、死に戻りの能力を獲得する。ここは一緒かな。
何回か死に戻りして夢じゃない確信を得た主人公が取る方法がみんなに危険性を伝える→伝わらないから自分だけ逃げるという方法を模索するのが、確かに俺でもそうするなという共感があったので良かったと思う。
中盤で死に戻り能力を得たのが主人公だけでなく、もう一人男がいてメカニックに詳しいのでドローンを大量に作れたの戦況は優位に進む。
その中で変わった周波数を持つ敵がラスボスだとなったのだが、そいつを倒してもなにもならず。
ここがハリウッド映画ってどうなったのか記憶にないんだけど・・・
宇宙人は死に戻りする奴が勝手にたまるエネルギーを狙っていたみたいで、タイムループを繰り返すと最終的には宇宙人と同期してしまうらしい。
そこで同期した状態で殺すことで宇宙人をやっつけるという方法で世界は平和になった。
ここがちょっと映画の中だと分かりにくくて、同期したとはいえ相方を殺さないといけないから男側がけしかけて殺してもらう感じなんだけど
(両方をいっぺんに同期することはないらしい。)
最初の狙いが、宇宙人は同期したらエネルギー補給できて満足して地球から去っていくのを狙っているのかと考えていた。変だけど・・・
殺される理由もどちらかが死ねば、片方は死んでなくてもタイムループするという特徴があるので、それを狙ってるのかと勘違いした。
もちろんなんか宇宙人が死んでるので辻褄が合わないな?って混乱した。
エンドロールで同期した状態で殺したから宇宙人は死んだのかと理解できた。
最後はちょっとわかりにくかったけど、全体的に良かったのではないだろうか。
ただいじめの描写で男がにやけてやり過ごすみたいなストーリはその術は俺に効く状態であった。ていうかこの話いる?
男女の恋仲に発展するという感じもしなかったので健全な関係という感じだった。ただ結婚したら尻に敷かれる感じだなと思った。
映画の予告PVはすごく叩かれていて、この作品ってすごく愛されてるんだなということも知ることができた。
機会があればハリウッド映画の方も見直そうかと思う。
ポスターヴィジュアルが一番の罠なソリッドシチュエーションスリラーの佳作。62点
陰キャなマフィアの会計士をアラスカで捕縛した保安官補の主人公、裁判に間に合うようにプライベート機をチャーターしいざ出発。しかしその操縦士は実はマフィアが放った殺し屋で……逃げ場のない飛行機の中で会計士と保安官と殺し屋の戦いが今幕を開ける。
みたいな話でさ。これ、ポスターヴィジュアルが傷だらけのマーク・ウォールバーグがドーンって出てて、マークは操縦士として飛行機に乗り込んでくるのね。ふーん、これは操縦士マークと主人公が飛行中に起きるいろんな問題、もしくは飛行機が墜落して起きる様々な危機を乗り越えていく話なんだろうなと思ったら、なんとビックリめちゃくちゃクズの殺し屋でしかも頭頂部がハゲ散らかしてる。こりゃあ一本取られたなって感じでしたわ。
個人的に主人公はビジュがあんまいいとは思わなかったんだけど、マークはもうハゲで粗野で口煩い殺し屋役を好演通り越して怪演していてめっちゃよかった。マークがもっとしょうもない役者だったら50点くらいだったと思う。
作品としては離陸してから着陸寸前まで一度も飛行機内部と周辺しか写さない。
主人公はいろんなところと通信しながら「なぜこの移送計画が漏れていたのか」「組織内の犯人捜し」「管制室のアドバイスを受けながら飛行機を飛ばす」ということを行うんだけど、それは全部音声のみで表現される。結果的にこの管制室のやつが「軽口飛ばしながらちょっと主人公を口説いてくるナイスガイ」すぎて、いやこいつ、マフィアの手下なのでは?こいつの指示に従って飛んでいて大丈夫か?っていうじわっとした不安感がずっと続くのがよい。
そして上にも書いたけど、このシチュエーションには2つのリスクがあって、1つはもろちんマークというヤバい殺し屋の相手をずっとしてなきゃいけないこと。もう一つは操縦士として乗り込んできたマークを拘束している間、主人公が飛行機を操縦する必要があること。
とはいえ、後者がちょっと弱すぎるのは問題と思ったかな。2回だけガチでヤバくなることがあるんだけどそれ以外は普通に自動操縦で飛ばしっぱなしだし、この手の航空機パニックものにありがちな燃料問題も発生しない。あと、あんま高度を感じるように撮られてない。飛行機から落とされるかもみたいなアクションもないので、「フライト」である必要どこまであったかなっていうのは正直疑問。
代わりに対人間に関しては非常に強固に撮られていて割とよくできてる。
拘束されたマークが主人公をどうにかして挑発しておびき寄せたくて彼女のトラウマをえぐりにきて思惑通り主人公はブチ切れてマークをボコボコに殴る。しかしその際にマークは主人公から拘束を解く道具を盗み取っており、マークの知恵が主人公を上回った、と見せかけて、マークがトラウマをえぐったことで「その情報を知っている人間が内通者である」という情報が主人公に渡ってしまう。
というようにああすればこうなる、こうしたらああなるというのがロジックが無駄なく配置されていてヒリヒリするやりとりを楽しめる。
とはいえ、予想外の出来事はほとんど起きないし作品としてはあまりに小規模でストレートな出来なので特に話すことがない。
一番びっくりしたのはエンドロールが流れて一番最初に「directed by MEL GIBSON」って出たことかな。
いまさらこんな2000年代に金ローでかかるような作品をメルギブが撮るんやっていう。
アポカリプト、パッション、ハクソーリッジのメルギブがこれを!?ってなった。
終盤でマークが親指を自分でへし折って手の皮剥ぎながら無理やり手錠を抜けるシーンは監督のヘキ出てるやろこれ。
まぁシチュエーションソリッドスリラーの佳作としては普通に面白いくらいの強度はあるので、メル・ギブソン映画だウオオオオオオみたいなテンションで見たらナニコレしょうもなってなる可能性は全然あるけど、90分しかないし普通に面白い映画見たな程度には楽しめると思うのでオススメ。
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