映画「オールドマン」(DVD観賞)…スティーブン・ラング独演の会

原題:Old Man 製作年:2022年
製作国:アメリカ 上映時間:97分
スティーブン・ラング主演の作品を新作レンタル棚で発見.またもマッドな老人が
見られるかと興味津々で借りてきた.ところが…内容は全く予想を裏切るものだった.
本年度累積274本目はスリラー作品.
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「ドント・ブリーズ」のスティーブン・ラングが狂気の隠居老人を熱演したスリラー.
森の奥深くで迷ったハイカーの青年が、一軒の山小屋にたどり着く.
青年はそこに住む老人に助けを求めるが、老人は青年を殺人鬼かもしれないと
疑い猟銃を突きつけてくる.やがて2人は打ち解け始めたかのように思えたが….
監督は「オール・チアリーダーズ・ダイ」「ザ・ウーマン」のラッキー・マッキー.
新宿シネマカリテの特集企画「カリコレ2023/カリテ・ファンタスティック!
シネマコレクション2023」(23年7月14日~8月10日、新宿シネマカリテ)
の上映作品.
以上は《映画.COM》から転載.
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一人の老人:スティーブン・ラングが小屋の中で目覚めるシーンから始まる.
なにせ、「ドント・ブリーズ」の印象が強いスティーブン・ラングだから、これから
殺戮が始まるのかと期待?してしまうのだが、迷い込んだ来客の青年:マーク・
センターに銃を構えながら扉を開けて、脅して、会話が始まっていくのだが、
その会話が延々続いていく…のには参った.
とにかく主人公の独り舞台に終始する.スティーブン・ラングの顔や言葉、表現が
すごい.徐々に青年と打ち解けていき、攻撃性は微塵も無く解消されていく.
珈琲を飲み、一緒にまきをくべ、お互いの人生に起こったことを話していく.
セット自体は地味で小屋の中での話なのに、二人の隠し事が華やかに延べ
られていく….

ドラマ性は有るのだけど、主人公がなぜそうなったのか自分で話すので
理解はしやすいが、とにかく話が長い.脚本ではなくて、あれはアドリブか?
と思うぐらい長話である.時間的には後半に入り、急転直下に転調する.
老人がラスカルと呼ぶ犬?が実は男の名前だったりして、突然登場する.
と同時に、打ち解けて話し合っていた青年は消散してしまう….

どうやら、話し相手となっていた青年は老人の若き頃の本人だったらしい??
道理で打ち解けて、ぼそぼそ語り始めた互いの履歴は妙に一致していた.
その履歴とは…別れた妻との思い出.虐げられ、馬鹿にされ、男を見捨てた
美しい妻の思い出だった.
ラスカルという男も老人の空想の産物なのか、なにがなんだか判らない
シーンが続く.挙げ句の果て、小屋でテーブル代わりに置いてある木箱から
血まみれの妻が現れたり…(驚).
老人は美しい妻を殺してしまったのか??
ラスカルに謎の水を飲まされ、老人はベッドで眠りにつく.冒頭の寝起きの
シーンと全く同じ格好で….
急転調するまではそれなりには面白くなりそうな感じもあったのだけど、
終盤のネタばれというか、結末にポワーンとさせられてしまった.
ただひたすらスティーブン・ラングの独演会を見せられた気分の一作.
たまにはこんなのも良いか.97分間目を離せなかったのは事実だ(笑).
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