映画「ノースマン 導かれし復讐者」(DVD観賞)…そして皆死を求めていく.
原題:The Northman 製作年:2022年
製作国:アメリカ 上映時間:137分
今年の1月末に日本公開の本作、さしたる興味も無く観落としたのだが、
もうレンタル新作で出てきたので、観賞してみた.
本年度累積114本目の鑑賞はバイキングもの.
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「ライトハウス」のロバート・エガース監督が、北欧の大地を舞台に繰り広げられる、
1人の男の復讐の旅路を描いたアクション大作.
9世紀、スカンジナビア地域のとある島国.10歳のアムレートは父オーヴァンディル王
を叔父フィヨルニルに殺され、母グートルン王妃も連れ去られてしまう.
たった1人で祖国を脱出したアムレートは、父の復讐と母の救出を心に誓う.
数年後、アムレートは東ヨーロッパ各地で略奪を繰り返すバイキングの一員と
なっていた.預言者との出会いによって己の使命を思い出した彼は、宿敵
フィヨルニルがアイスランドで農場を営んでいることを知り、奴隷に変装して
アイスランドへ向かう.
「ゴジラvsコング」のアレクサンダー・スカルスガルドが主演・製作を務め、
アニヤ・テイラー=ジョイ、ニコール・キッドマン、ウィレム・デフォー、
イーサン・ホーク、ビョークら豪華キャストが共演.
以上は《映画.COM》から転載.
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監督はロバート・エガース、前作「ライトハウス」でへきへきとさせられた
苦い?想い出の監督(笑).初挑戦、新境地の史劇アクションのジャンルでも
その類い稀な才を存分に発揮する.
ヴァイキングの営みや風習、美術や衣装に至るまで、徹底的にリサーチ.
見事に作り上げたとか再現している.リアリティー溢れる中でもダークながら
荘厳な映像美を見せつけてくれる.
プロデューサーも兼任の主役:アレクサンダー・スカルスガルドは前々から
ヴァイキング題材の作品を構想していて10年の歳月をかけて実現.
監督の前々作「ウィッチ」からアニャ・テイラー=ジョイ、「ライトハウス」から
ウィレム・デフォーが引き続き、イーサン・ホークやビョーク、実力派と異色の
キャスティング.敵役とも言える叔父役にクレス・バングと母親役にニコール・
キッドマンと豪華だ.
12世紀の作家サクソのアムレート(アナグラムでHamlet)伝説を、脚本家
ショーンと監督が大胆に翻案して、父を殺され国を追われた王子の復讐劇を、
忠実に再現したヴァイキング社会と共に描く.
アクションやバイオレンスは凄惨.血はおびただしく流れ、身体は切り落とされ、
内臓も露出し….野蛮ではあるが、荒々しく猛々しく、一切の妥協は無い.
このあたりに抵抗がある方は好き嫌いが別れるであろう.
9世紀の北欧.ある島の若き王子アムレートは、叔父フィヨルニル:クレス・バング
の裏切りにより父オーヴァンディル王:イーサン・ホークを殺され、母グートルン
王妃:ニコール・キッドマンを奪われる.
逃げ延びた王子は復讐を誓い、数年後ヴァイキングのベルセルク戦士:
アレクサンダー・スカルスガルドへと成長、預言者(ビョーク)に導かれ、
旅で出会ったオルガ:アニヤ・テイラー=ジョイと共に身分を偽り、
仇敵である叔父の元へと舞いもどる.
父の仇を取る!母を救う!叔父を殺す!…を繰り返し反芻しそれを己の運命と
して、母を救うのが定番と思いきや、いざまだ美しさの残る母親:ニコール・
キッドマンの口からは意外な事実が告げられる.
夫であった王は野蛮人で、奴隷にされ犯され、お前が生まれた.
元々夫など愛していないし、お前の事も….
そんな野蛮な夫に比べ、叔父は愛情を示してくれる.
そもそも叔父の謀反ではなかった.野蛮な夫を殺してくれるよう叔父に頼み
こんだという衝撃の真実….
助けようとした母こそ、元凶であった.誇り高き王で戦士と思っていた父こそ、
極悪人だった.復讐相手の叔父こそ、国や民を率いる王に相応しい….
善悪が逆転してしまう.それはアムレート自身の在り方も変わってしまう.
復讐心に駆られ、罪も無き叔父の子供、弟たちを殺してしまう.
ヒロイックな戦士の姿など微塵も無く、父親と同じ、野蛮で獣のような憎悪.
叔父も実子を殺され憎悪をたぎらせる.憎しみ対憎しみ、復讐対復讐の
決闘がラストシーン. これが逃れられない運命、使命なのか.…?
観終わってみると、なぜか「バーフバリ王の凱旋」を想い出してしまった.
荒唐無稽な部分が無い代わり、陰惨で残虐さが強調されている印象.
あまり自分に向いて無い内容であることを再確認.
劇場で観なくて良かった….
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