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映画「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」


映画「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」-1
原題:Je t'aime moi non plus
制作年:1975年 制作国:フランス 上映時間:90分 R18+



月曜は朝から歯科医へ.間隔は短くしたが治療の段取りは変えないらしい(苦笑).

それから柏へ向かい某生命保険会社を訪問.実は先週保険料の給与天引きを
口座引き落としに切り替える処理を会社で行ったが、保険員が持参したタブレット
の調子が悪く、処理が終了しなかった.そのリターンマッチの為に保険会社で.

その約束の時間の前にちょうど時間があったので、柏キネマ旬報シアターで
18禁のフランス映画を観賞.本年累積144本目の鑑賞.

歌手・俳優・映画監督・小説家など多岐にわたり活躍し、後世に名を残した
セルジュ・ゲンズブールの初監督作品.

ゲンズブールが1969年に発表し、性行為を思わせる歌詞など官能的な内容で
物議をかもした反面、イギリスや日本など世界各国で大ヒットを記録した楽曲
「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」をモチーフに、ゲンズブールが自らメガホンを
とり映画化した.

ゴミ処理をしながら町を転々とし、仕事仲間以上の強い絆で結ばれている
クラスキーとパドバン.2人は立ち寄ったカフェで、ウェイトレスとして働く
ボーイッシュな女性ジョニーと出会う.
クラスキーとジョニーはお互いに興味を持つのだが…….

ゲンズブールが監督のほか脚本、音楽も担当。ジョニー役は、モチーフと
なった楽曲「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」をゲンズブールとデュエットした
ジェーン・バーキン.

日本では1983年に「ジュ・テーム…」のタイトルで初公開されたが、
赤裸々な性描写のシーンは修正が加えられ、英語版での上映だった.

1995年のリバイバル上映およびビデオ発売以降、タイトルは
「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」.ゲンズブール没後30年となる2021年には、
「4K完全無修正版」でリバイバル公開.

以上は《映画.COM》から転載.
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ゲンズブールが亡くなってもう30年も経った.亡くなった時ちょうどフランスで
暮らしていた.それはもうフランス中が上へ下への大騒ぎで改めて国民的な
英雄、才能だったのだと感心した覚えがある.

副長個人的な想い出としては、いつもゴロアーズ(仏製の強烈な煙草)を
咥えてボソボソと態度悪く(笑)唱う姿だけだ.仏のTVで好く観た.

さて、そのゲンズブールの処女監督作品.
とにもかくにもジェーン・バーキンの初々しさ、美しさ、その中性的な魅力に
圧倒されっぱなし.性的表現は今となっては何も問題無いレベルであろう.

4Kで細密に再現された画面の中は汚れた汚物で占められている.
美しいものなど何も無い.糞尿、ゴミ、蠅、体臭…それらのすえた臭いが
スクリーンから漏れ出すような映像だ.

それでも、観客がこの画面から受ける透明な美しさは何だろうか?
ジェーン・バーキン、ジョー・ダレッサンドロの穢れることのない美しさ.
そこにある愛の形.世間を突き抜けたところに愛をまとった美しさが現れる.


映画「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」-2


ゴミ運びをすることが仕事のクラスキー:ジョー・ダレッサンドロ.
パワハラ気質の職場にいざるをえないジョニー:ジェーン・バーキン.
あらゆる不条理や理不尽さばかりのなかで、それでも2人が愛する瞬間
のみが美しく描かれる.

セルジュ・ゲンズブールが愛することの素晴らしさを描きたかったことは
よくわかる.原題の“愛してる、でもまっぴらだ”の意にあるよう愛の不条理を
見事に描いている.セルジュ・ゲンズブールによる楽曲がまた映像を盛り上げる.

リバイバル、4Kでしかも無修正で、映画館で観られたことに感謝.
こういうのをもっと掘り出して、演ってほしいなぁ.

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