映画「43年後のアイ・ラヴ・ユー」
原題：Remember Me
制作年：2019年 制作国：スペイン・アメリカ・フランス合作 上映時間：89分
父のＭＲＩ検査を終えてホームに帰着．そのまま家へ直帰するのは忍びなく、
途中Movix柏の葉へ寄って、気になっていた作品を本年度累積18本目に．
「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」でカンヌ国際映画祭男優賞を受賞し、
アカデミー賞にもノミネートされた名優ブルース・ダーンが主演を務め、
アルツハイマーで過去の記憶が失われた元恋人に思いを伝えようと奮闘する
老人の姿を描いたハートフルドラマ．
妻に先立たれ、ひとり気ままな老後生活を送っていた70歳の元演劇評論家
クロードは、昔の恋人で人気舞台女優のリリィがアルツハイマーのため
介護施設に入ったことを知る．
もう一度リリィに会いたいと考えたクロードは、自身もアルツハイマーのフリをして
同じ施設に入居するという大胆な計画を実行．リリィと再会を果たすことに成功
するが、リリィの記憶からクロードの存在はきれいに失われていた．
そんなリリィに対し、クロードは毎日のように2人の思い出を語って聞かせる．
そしてある日、かつてリリィが演じたこともあるシェイクスピアの「冬物語」を
施設で観劇することなり、クロードは孫娘と一緒にある作戦を立てる．
以上は《映画.COM》から転載．
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紹介文にあるように、一見するとハートウォーミングなドラマなのだけど、
主人公クロード：ブルース・ダーンの行動はイリーガル(不法）だし、
インモラル（不道徳）なのだ．この辺りが気になる方は手離しで本作を
誉めようとはしないだろう．
元演劇評論家であったクロードは、まだまだ頭脳明晰で、シニカルで、
少ない友人と楽しく一人暮らししている．料理の腕も上々だ．
元カノの演劇女優リリィがアルツハイマーで施設に入所したことを知り、
策略を立てる．医学書を読み漁り、アルツハイマー症を研究し 尽くしてだ．
そして見事にアルツハイマーを演じてリリィと同じフロアーに入所してしまう．
それからのリリィの記憶を蘇らせようとする努力は涙ぐましい．
百合の花束を部屋に送り、嗅覚からの記憶戻しや、好きだったガーシュイン
の音楽で攻めてみたり、昔のラヴレターを読ませたり…．
さすが研究しつくしただけはある諸手法だが、効き目は無い．
そのうち、リリィにはまだ旦那が居ることが露見するが、クロードは
お構いなしで突き進む…．不道徳の極みだよね．過去の自らの 想いと、
彼女の想いを呼び起こして、それからどうなるというものでは無い．
行く先の結論にハッピーエンドはあり得ないのだ． 自己のエゴの実現に
血道をあげる愚かな老人の愚行にしか見えない．
と冷たい見方も出来よう（本音が出ちゃったね）．
それよりも、愚かでエセ著名人の不倫野郎の娘の旦那の処置とか、
大学でいじめられている孫娘の処遇とか、明晰な頭脳の使い方は
他にいっぱいあるじゃないかと説教してくなる(笑)．
孫娘のいじめ問題は、最後の所内演劇シェークスピアの「冬物語」 で
解決するのだけど、この劇で見事にリリィの記憶も蘇らせてしまう．
やはり自己が精も根も詰めて演じた役柄はリリィの昔のクロードへの
愛をも蘇らせてしまった…．
だからなんなんだ！！
その後、クロードは正気なことを証明し施設を去ってしまう．
何たる自己チュー男の所業だろう．
観終わって、決してほのぼのとはしなかった．
男はいくつになっても自己チューと思う．
周囲の迷惑、他人の想い関係なしだ…(怒)．
．
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