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映画「猿の惑星:新世紀(ライジング)」…人も猿も同じ…か?


原題:DAWN OF THE PLANET OF THE APES
制作年:2014年 製作国:アメリカ 上映時間:131分


秋分の日は火曜日、川崎TOHOで会員価格で観賞したのは前作にそれなりに
価値を見出したリブート・シリーズの続編.本年114本目の鑑賞.

SF映画の金字塔「猿の惑星」を装いも新たにリブート した大ヒット・アクション
「猿の惑星:創世記(ジェネシス)」の続編.

前作から10年後の世界を舞台に、猿の英雄シーザーに率いられ独自の文明を
築き始めた猿の集団と、存亡の危機に陥った人類が、共存と対決の最終選択を迫られる中、
それぞれの存亡を懸けた決断の行方を描く.

主演は前作に引き続きシーザー役を務めるアンディ・サーキス、
共演にジェイソン・クラーク、ゲイリー・オールドマン.
監督は新たに「クローバーフィールド/HAKAISHA」「モール ス」のマット・リーヴス.

高度な知能を獲得した猿のシーザーが自由を求めて立ち上がり、仲間たちを率いて
人類への反乱を起こしてから10年.猿たちは進化を加速させ、森の奥に文明的な
コミュニティを築いて平和に暮らしていた.

一方人類は、蔓延したウイルスによっておよそ90%が死滅し、わずかな生存者グループは、
荒れ果てた都市の一角で身を潜めるように暮らしていた.

そんなある日、電力が底をつきかけた人間たちは、ダムの水力発電を利用しようと
猿のテリトリーに足を踏み入れてしまい、一触即発の危機を招く.

最悪の事態だけは避けたい平和主義のマルコムは、猿のリーダー、シーザーと接触し、
次第に 信頼関係を築いていく.やがて2人は猿対人類の全面戦争を回避すべく
仲間たちの説得に力を尽くすのだったが….

以上は<allcinema>から転載.
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相変わらず感心するのは、モーション・キャプチャーの技術の進化.
人間らしく?動く猿の演技がとっても自然に見える.
なかでもシーザーのアップが多いのだけれど、その表情や目の演技に驚かされる.

冒頭の猿たちの獣狩りのシーンに圧倒される.そこでシーザーの息子コーネリアスは
クマの爪により傷を負う…傷つくことで成長すると長老は言う.この息子のポジションは
大事だ、今後…おそらく次作では中心人物なのかもしれない.

本作における重要なテーマとなるのは前シリーズの有名な格言、
「猿は猿を殺さない」である.対して人は人を殺す…よって猿の方が優位に在る、
という論理は物語途中で破綻する.そう猿も猿を殺すのである.

猿も人間も同じ、権力志向だったり、邪魔者は消せ、的な発想は自然発生する.
そう言う社会同士は当然な帰結として、ぶつかり合う.そう戦争となるのである.

人間側でもゲイリー・オールドマンが対猿の先鋒として活躍する.
彼にしては珍しい役柄、感情を向きだしにする演技は興味深い.

シーザーの挫折と苦悩、そして再起の姿が描かれるのがこの新世紀(ライジング).
前作で人間に背中を向けたシーザーは、本作でも最後に人類に背を向ける.
「既に戦いは始まってしまったから…」と言い残して.

本作はサンフランシスコ地区だけの出来事で終わったが、他の地域に残存する人類の
存在も明らかになり、次作は人類対猿類の全面戦争なのだろうか.

だんだん目を離せなくなってきたこのシリーズ、以前のシリーズ6作との近似性は
ないまま進んでいくのかもしれない.







コメント

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No title

このシリーズ、どうも怖いのです、予告を見るとやはり猿は人間なのです、よくできていると言えばそうなんですが。

>人間らしく?動く猿の演技がとっても自然に見える.
なかでもシーザーのアップが多いのだけれど、その表情や目の演技に驚かされる

これがどうにも怖い。

シーザーの息子がコーネリアス、、、ウーーーム、すごい名前。

No title

じゃむとまるこさん.
キャプチャーモーションの怖さでしょうかね、わかるような気がします.最後の最後のシーンはシーザーの顔のアップというより目のアップなんです.たしかに引きたくなる迫力でした….ナイスありがとうございます.

No title

2・・・(*゚▽゚*)

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クラゲさん.
おはようございます.
2ナイス!ありがとうございます.

No title

猿の惑星シリーズは欧米で繰り返して制作される理由は、「ダーウィンの進化論」に対する「キリスト教的生物進化論」があり、それが原因になっていると聞いた事があります。

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flingscottomomiさん.
へぇ~、そういうバックグラウンドは知りませんでした.「キリスト教的生物進化論」とはどんなものなのでしょうね?ググってみようかな.
ナイスありがとうございます.

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「キリスト教的生物進化論」とは今ココで私が勝手に付けたものですが、ようするに「聖書の教えに法った生物進化」で。かなり「ダーウィンの進化論」と矛盾していると部分があるそうです。我々日本には信じられない話ですが、欧米にはコレを本気で信じている人が多いそうですよ。

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flingscottomomiさん.
さっきググりました.天地創造に従った生物進化論みたいですね.
1996年に時の法王がついにダーウインの進化論を認めた云々の記載がありました….少しは変化しているのでしょうかね….

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猿が頂点に立った時、やはり人間と同じ運命をたどることになることを暗示させる後半部でしたね。
最後のシーザーの悲しい決断、次作はもう決着が完全に着くんでしょうが、猿と人間の悲しい全面戦争の作品になるんでしょうか?
だんだん見るのが辛くなる作品かもしれませんが、完成度の高いシリーズですね。
TBお願いします。

No title

「狂信的キリスト教徒」がかなりいて、学校でダーウィン進化論を教えるのをやめろ!と本気で抗議するとか。日本の街角に立ち「アナタハ、カミヲシンジマスカ~」と呼びかけている欧米人は、そんな団体が派遣している場合が多いらしいと聞きます。
「イスラム国」の様な狂信的イスラム教徒が「欧米に浸透している背景」には、それがアンチテーゼになっているらしいのですが・・。

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atts1964さん.
ふと思ったのですが、シーザーの息子がコーネリアス.思えば前シリーズ6作の第1作に出てくる科学者猿がコーネリアスでした….繫がってきたかなとも思いました.次作は全面戦争でシーザーの完全統治になるのでしょうかねぇ….トラバありがとうございます.

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flingscottomomiさん.
そう、天地創造進化論者はエ○バの証人に多いとも書いてありました.
たしかにあの団体、狂信的…ではありますね.知人が入信してしまい、今じゃ伝道者化しちゃってます、フー.

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こんにちは♪
戦争反対なシーザーがそれを受け容れざるを得ない事態に陥る、
とってもリアルな話ですね。まるで昭和天皇!
シーザーが生い立ちを思い出すシーンには泣けました。
TBさせてください♪

No title

風森 湛さん.
猿側の内面に迫る本作は、以前の「猿惑」シリーズ6作とは一線を課しますね.今後も展開が楽しみであります.トラバありがとうございます.

No title

普段はハリウッド映画の超大作は殆ど観ないのですが、前作を興味深く観たので、続きも観ないとねということで、足を運びましたが、やっぱり、猿の惑星、奥が深いですね。
善悪では表現できないものがあり、今の世界情勢を反映していて、この続編を観るのが怖いくらいです。
TBお願いします。

No title

やっくるママさん.
このシリーズは“深い”ですよね.人間の根源の悪を観るようで怖い部分があります.この次は破戒でしょうか?怖いモノ見たさでまた観てしまいますね.トラバありがとうございます.