“ルノワール~伝統と革新” @東京国立新美術館
その企画のあざとさと展示の偏向性から
忌み嫌っていた国立新美術館でルノワールを
演っている事が気になっていた.
忌み嫌っていた国立新美術館でルノワールを
演っている事が気になっていた.
好きな印象派でも中心となるルノワールゆえ
性格的にも向いてない六本木(笑)に
やはり観にいってしまった.
性格的にも向いてない六本木(笑)に
やはり観にいってしまった.
結果的には、久々の満足感を得られた.
良かった~とため息が出るよな充実感.
やはり観てみないと始らない….
良かった~とため息が出るよな充実感.
やはり観てみないと始らない….
印象派の代表みたいに思っていたが、
その印象派的表現からの脱出への模索や
その表現、タッチの変遷や科学的手法による
その表現方法の解説が判りやすい展示だった.
その印象派的表現からの脱出への模索や
その表現、タッチの変遷や科学的手法による
その表現方法の解説が判りやすい展示だった.
よく見れば、豊かな印象派コレクションを誇る
副長の大好きな箱根ポーラ美術館が協賛.
そのポーラ美術館からのコレクションや
技術的支援がこの展示会の好印象の理由.
副長の大好きな箱根ポーラ美術館が協賛.
そのポーラ美術館からのコレクションや
技術的支援がこの展示会の好印象の理由.
そうは言っても、日頃見慣れたポーラ美術館以外の
展示作品に素晴らしいものが今回の大収穫.
トップ写真の本展覧会のポスターは
ボストン美術館所蔵の「ブージヴァルのダンス」と
ワシントン・ナショナル・ギャラリー所蔵の「アンリオ夫人」.
展示作品に素晴らしいものが今回の大収穫.
トップ写真の本展覧会のポスターは
ボストン美術館所蔵の「ブージヴァルのダンス」と
ワシントン・ナショナル・ギャラリー所蔵の「アンリオ夫人」.
「アンリオ夫人」はルノワール売れ出し頃印象派時代の作品.
モデリは当時かけだしの舞台女優であったアンリエット・アンリオ.
華やかな衣装と透ける様な肌の表現といい
輝く色彩に溶け込んだ印象派的な特徴が素晴らしい.
これが日本で見られた事だけでも大満足.
モデリは当時かけだしの舞台女優であったアンリエット・アンリオ.
華やかな衣装と透ける様な肌の表現といい
輝く色彩に溶け込んだ印象派的な特徴が素晴らしい.
これが日本で見られた事だけでも大満足.
その他にも本家パリのオルセー美術館や英国美術館所蔵品も
多々借用してありボリューム的にも満足の展示.
個人所蔵もいくつかあり(決して良作と言い難いが)、
日本各地の美術館からも出展されている.
ひろしま美術館にある名品たちは大阪開催展にしか
出展されないようで、これは残念.
多々借用してありボリューム的にも満足の展示.
個人所蔵もいくつかあり(決して良作と言い難いが)、
日本各地の美術館からも出展されている.
ひろしま美術館にある名品たちは大阪開催展にしか
出展されないようで、これは残念.
この展示会でもう一つ特徴的なのは、ポーラ美術館学芸部門による
ルノアール作品の科学的分析結果の説明パート.
X線投射や赤外線分析による筆致や下書きの分析、
蛍光X線分析による使用絵の具の種類特定など、
科学的に偏らない、美術的観点がキチンと入った分析だった.
ルノアール作品の科学的分析結果の説明パート.
X線投射や赤外線分析による筆致や下書きの分析、
蛍光X線分析による使用絵の具の種類特定など、
科学的に偏らない、美術的観点がキチンと入った分析だった.
興味深かったのは、ルノアール中期の印象派脱出の模索時期の
作品には下書きの存在や、書き直しの跡が見られた事.
女性の下半身のラインの書き足し(豊満になっていた)や
垂らした髪型をアップのまとめ髪に書き直した形跡が一目瞭然.
作品には下書きの存在や、書き直しの跡が見られた事.
女性の下半身のラインの書き足し(豊満になっていた)や
垂らした髪型をアップのまとめ髪に書き直した形跡が一目瞭然.
ところが、後期円熟期の作品には下書きも無く一気描きであったこと.
その筆致の勢いがあったこと(一気呵成に描いたらしい).
書き直しが一切無いことが判る.
その筆致の勢いがあったこと(一気呵成に描いたらしい).
書き直しが一切無いことが判る.
後期というとリューマチで筆も持てない病状で、他人に筆を手に
結びつけてもらって描いていた時期のはず.
いまさらながら驚かされるこの画家の偉大さ.
結びつけてもらって描いていた時期のはず.
いまさらながら驚かされるこの画家の偉大さ.
ルノワールはその日記に、毎日毎日キャンバスに向かって
朝から晩まで書き続けたとある.気が乗らなくても、何がなんだか
判らなくても描き続けていくうちに見えてくるもの、描きたいもの
が出てきたのだろうか….
朝から晩まで書き続けたとある.気が乗らなくても、何がなんだか
判らなくても描き続けていくうちに見えてくるもの、描きたいもの
が出てきたのだろうか….
画家の生活は計り知れないのだけど、
その一端に少しだけ触れた気にさせてくれたので、
この展示会は「当たり」とした次第です.
その一端に少しだけ触れた気にさせてくれたので、
この展示会は「当たり」とした次第です.
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コメント
No title
そして、ルノワールのその当時の姿が(どんな人かわからないけど)想像であっても目に浮かんできます。
後にこんなに世界中の誰でもが自分の名前を知る事になろうとは、考えもしなかったのでは?
2010-02-21 17:43 rei URL 編集
No title
ダンスの方も、二人の情感が出ていて、今にも動き出しそうで。。。
素敵ですね~
きっと、題材のない無の状態で筆を持って見えてくるものがあるんですよ~^^v
2010-02-21 18:38 ゆん URL 編集
No title
ありがとうございます.この人は生前から著名になっていたのですが、どうもそんな事お構いなしで、老後も毎日絵筆をとってキャンバスに向かうだけの生活だったみたいですねぇ.
2010-02-21 21:19 チャコティ副長 URL 編集
No title
ルノワールはアンリオ夫人を計11枚も描いているそうですが、彼女は死ぬまでこの絵だけを個人で持っていたそうです.お気に入りの1枚だったのでしょうね….
2010-02-21 21:22 チャコティ副長 URL 編集
No title
数年前パリの美術館で柔らかな光を放つような素晴らしい絵に
惹きつけられて近寄って見たらルノワールの作品たちでした。
印象派の絵画って既視感があるのですが、でも実際見ると
新たな感動をすることがほとんど。
ああ・行きたいです。
2010-02-21 23:01 car*ou*he*ak URL 編集
No title
実は昨年副長もパリのオルセーやマルモッタンでさんざルノワールは観て来たのですが、今回は北米や英からの出展も多く、見ごたえがありました.お勧めデス.
2010-02-21 23:05 チャコティ副長 URL 編集