fc2ブログ

映画「ラビング・パブロ」 (DVD観賞)


映画ラビング・パブロ
原題:LOVING PABLO
制作年:2017年 制作国:スペイン 上映時間:123分



ふとレンタル屋の棚で、バルデムとクルスの夫婦の顔を見つけ借りてきてしまった.
日本では公開されなかったコロンビアの麻薬王の伝記ものを本年家庭内DVD観賞
75本目に観賞.

2008年に出版されたバージニア・バレーオ著のスペイン語のベストセラー回顧録
「Loving Pablo, Hating Escobar(英題)」をもとに映画化された作品.コロンビア人
ジャーナリストのバレーオは、1980年代半ばにエスコバルと恋愛関係にあり、
回顧録を出版して3年後アメリカに亡命した.

映画では、南米のゴッドファーザーと呼ばれたエスコバル役をハビエル・バルデム、
バージニア・バレーオ役をペネロペ・クルスが演じている.共演に、エスコバルを追う
麻薬取締局の捜査官ネイマール役にピーター・サースガード.
監督はフェルナンド・レオン・デ・アラノア.
————————————————————————


コロンビアの麻薬王の話はうっすらは知っていたが、本作で好く勉強できた.
最初に、事実に基づいて多少の脚色を加えて…云々のフリップが入る.
これはとにもかくにも、原作が元TVキャスターのバージニア・バレーオによる
ものだから.麻薬王の愛人サイドからの伝記だからね.

麻薬をアメリカに大量投入することで莫大な収入を得たパブロ・エスコバル.
本国コロンビアでは、悪行をやりたい放題.誘拐、淫行、殺人….犯罪人の
他国引き渡し法の成立に反対する為に国会議員へ立候補する.

金のばらまきで無論当選してしまうのだが、国会で或る大臣から麻薬業を
追求される.あげくのはて、その大臣を暗殺してしまう.議員は辞任し、
国家権力との戦争状態へ入ってしまう.

そんな超悪役パブロをハビエル・バルデムが演ずる.あのダンディーさは影を
潜め、だらしない体型、みだらな長髪で、あのバルデムとは思えない自堕落さ.

そんなパブロに見そめられたTVキャスターにペネロペ・クルス.派手な衣装に、
ケバイ化粧で、これまた強大なイメージダウンなルックス.なにせ目の回りが
真っ黒で、まるでパンダみたいな化粧姿にはげんなり.麻薬王の愛人役に
ふさわしい化粧と言えばそうなのだけど….

こんな二人の姿しか映されない作品じゃ、日本公開は無かったのは当然であろう.
幻滅以外に無いのである.こんな掃き溜め映画になぜか鶴が一羽だけ…いた.

麻薬王のパブロの正妻:ヴィクトリア役のフリエット・レストレポがとびきりの清楚な
美人なのだ.ペネロペの愛人以外にも、誘拐した少女など愛人し放題のパブロの
影で、ひっそりと耐える美人妻の役柄.

一男を育てながら、パブロにつくし、さらに子を授かる.今度は娘だ.パブロは
この一男一女と妻を、目に入れても痛くないほど溺愛するが、…浮気癖は別
だった.

 大臣殺しの罪で留置されるのだが、自らの富で自分専用の刑務所を作ってしまう.
脱獄は出来ないが、何でもやり邦題のハーレムのような専用刑務所.
が、その中で仲間内の殺人を犯してしまう.

麻薬の蔓延で苦しむ米国側からもCIAとDIA(麻薬取締局)がコロンビア政府と
共同で、この刑務所を襲い、パブロを追い込んでいく.そしてその結末は….

その後バージニア:ペネロペ・クルスはアメリカへ亡命して、連邦裁判でパブロの
兇状を暴露した上で、伝記を仕上げる.それが本作の原作.

とかく劇的な人生ゆえ、他にもいくつか映画化されているよう.
私的には…これでもう十分な気がする.




コメント

非公開コメント