映画「レ・ミゼラブル」
原題:Les miserables
制作年:2019年 制作国:フランス 上映時間:104分
映画ブロ友じゃむまるさんのご紹介作品.うかつなことにミュージカルの「レ・ミゼラブル」
の再演かと勘違いして無視していた作品.同名の全く別物作品だった.Movix柏の葉に
遠征して、本年累積54本目の鑑賞.
ビクトル・ユゴーの小説「レ・ミゼラブル」で知られ、現在は犯罪多発地区の一部と
なっているパリ郊外のモンフェルメイユを舞台に、現代社会が抱えている闇を
リアルに描いたドラマ.
モンフェルメイユ出身で現在もその地に暮らすラジ・リの初長編監督作品で、
2019年・第72回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞.第92回アカデミー賞の
国際長編映画賞にノミネートもされた.
パリ郊外に位置するモンフェルメイユの警察署.地方出身のステファンが犯罪防止班に
新しく加わることとなった.知的で自制心のあるステファンは、未成年に対して粗暴な
言動をとる気性の荒いクリス、警官である自分の力を信じて疑わないグワダとともに
パトロールを開始する.
そんな中、ステファンたちは複数のグループが緊張関係にあることを察知するが、
イッサという名の少年が引き起こした些細な出来事から、事態は取り返しのつかない
大きな騒動へと発展してしまう.
以上は《映画.COM》から転載.
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パリ郊外の周辺都市ってこんな風にやばい町がいっぱいある気がする.
在仏時、娘と妻が先行帰任する時に娘が空港で具合が悪くなり、周辺の
ある街の総合病院に3日ほど入院していた.その街が黒人ばかりで、かなり
危険な匂いがプンプンしていた街だった.首都圏とはまた違う雰囲気を持つ
地域があるのは実感している.
そんな街での風景、街を仕切る怪しげな黒人、アラブ人が闊歩している.
そしてそんな街で育つ子供達の荒廃した生活….イッサという名の少年が
しょうもない悪(わる)として登場.移動遊園地の檻から子供のライオンを
盗むことから悪の連鎖が始まってしまう.
主人公ステファンと同僚のクリス、グワダらはこの街を警らする警官.
ライオンを盗んだ子供を捜す内にトラブルに巻き込まれていく.
新入りだけど理知的なステファン、リーダー気取りで荒っぽいクリス、自信家の
グワダとそれぞれの個性の描き方とその家族のありさまも描くことで、警官にも
その市民としての生活を抱えていることを観客に伝える.
無事ライオンを保護し、犯人イッサを捕らえることは出来たが、捕らえる際に
間違ってゴム弾を顔に打ち込み怪我をさせてしまう.その事の隠蔽に走るクリス.
こうして負の連鎖が始まってしまう.
一見反省したかのように見せたイッサであったが、イッサを含めた子供達の
大人への反撃が始まってしまう….理不尽な大人の世界への反撃だ.
エネルギッシュで暴力的だ.最後までは見せてくれないエンディング.
最後に、ヴィクトル・ユーゴーの言葉が….
「悪い人間はいない、悪い草はない、育てた人間が悪いだけである…」
さて、どう解釈すべきか….移民社会のなれの果て、いつか日本もこうなるだろうか?
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