映画「ホテル・ムンバイ」…あまりに悲惨、テロへ怒り.
原題:HOTEL MUMBAI
制作年;2018年 制作国:オーストラリア 上映時間:123分
金曜は定休日.いそいそと日比谷に出かける.TOHO日比谷で観たのは
オーストラリア/インドの合作作品.本年累積163本目の鑑賞.
2008年に無差別テロの襲撃を受けたインドの5つ星ホテルで起きた
衝撃の実話を映画化した実録群像サスペンス.
テロリスト集団による凄惨な殺戮が繰り返される中、ひとりでも多くの宿泊客を
救うために命がけで行動した誇り高きホテルマンたちによる奇跡の脱出劇を
緊迫感あふれる筆致で描き出す.
主演は「スラムドッグ$ミリオネア」「LION/ライオン ~25年目のただいま~」
のデヴ・パテル.共演にアーミー・ハマー、アヌパム・カー、ジェイソン・アイザックス.
監督は本作が長編デビューとなるアンソニー・マラス.
2008年、インドで同時多発テロが発生し、大都市ムンバイの5つ星ホテル
“タージマハル・パレス・ホテル”はテロリスト集団に占拠されてしまう.
ホテル内には500人以上の宿泊客と従業員が取り残され、テロリストたちは
彼らを見つけ次第、次々と無慈悲な殺害を重ねていく.
そんな中、ホテル側には警察の特殊部隊が到着するまでに数日を要するとの
絶望的な知らせが届く.外部からの助けを期待できないと悟った従業員たちは、
自分たちで宿泊客を守るというあまりにも重い決断を自ら下すと、ホテルマン
としての誇りと信念で恐怖に立ち向かい、銃弾が飛び交う中へと飛び込み、
取り残された人々の誘導に奔走していく.
以上は<allcinema>から転載.
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生真面目なホテルマンの鑑みたいな料理長と少し気が抜けた従業員.
実はこの二人がバディ.懸命に立ち回り宿泊者達の命を守る.
冒頭のテロリスト約10名がゴムボートでムンバイの港へ着くところから
物語は始まる.まだ若く、幼い表情.おどおどとしてとてもテロリストには
全く見えない.
が、残忍且つ非情な首謀者の無線指示により、この若者達は凶器と化す.
この地の住民はみな異教徒で、イスラム原理主義を脅かす者たちゆえ
皆殺しにせよと….若者達はロボットのようにその指示に従う.
慈悲も恩赦もなにもないテロリズム.片っ端から目に入る者を撃ち殺し、
手榴弾で吹っ飛ばす.対テロ要員も首都デリーに居るだけで、大商業都市
のムンバイには地元警察しか居ない.デリーとは1000kmも離れている….
警察はあてにならない、結局自らで宿泊客の命を守しかないと知る
料理長たち.6Fにある堅牢なチェンバールームを城壁にして閉じこもる.
アナキーなテロリストとホテルマン達の対峙は手に汗握る緊迫感に満ちる.
そして24時間も経ってからの救援隊の到着と供に始まる突入.
果たしてホテルマン達と宿泊達は生き延びれるのか?
「お客様は神様です」今では死語のような言葉が乱発されるのは、聴いていて
気恥ずかしいくらい.されど、結果的には宿泊客よりも受業員の死者数の方が
遙かに上まるという事実がこのホテルの顧客を守る意識を表す.
10名のテロリストたちも1名以外は死亡.無線で指示していた首謀者は
今でも捕まっていないよう.また、貧しい若者達を教育いや洗脳して、殺戮者
として育てているのであろう.
そんな狂気の首謀者たちと、資金源、そして武器を彼らに供給する死の商人に
激しい怒りを持たざるを得ない作品.
テロ根絶は我らが祈りでもあり、使命でもあるのだ.
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