映画「ノルウェイの森」…やっぱり春樹の相性悪し?!

原題: NORWEGIAN WOOD 製作年度: 2010年 製作国:日本 上映時間: 133分
毎月14日は東宝系シネコンは1000円デー、いそいそと映画館へ.本年124本目.
1987年の発表当時、空前のベストセラーとなり社会現象を巻き起こすとともに、
日本のみならず世界中で翻訳され多くのファンを生み出した村上春樹の同名小説を
松山ケンイチと菊地凛子、モデル出身でこれが演技初挑戦の水原希子で映画化.
共演は玉山鉄二、高良健吾.糸井重里、細野春臣、高橋幸宏.
監督は「青いパパイヤの香り」「夏至」のトラン・アン・ユン.
学生運動が盛んな昭和40年代を背景に、深い喪失感を抱えたまま対照的な2人の女性の間で
揺れ動く青年の切ない瑞々しい青春を美しい映像で繊細に描き出す.
唯一の親友キズキ(高良健吾)を突然の自殺で失ったワタナベ(松山ケンイチ)は、
悲しみから立ち直れないまま東京の大学で学生生活をスタートさせる.
ある日ワタナベはキズキの恋人・直子(菊地凛子)と偶然の再会を果たす.
同じ喪失感を共有する2人は次第に惹かれ合っていく.
2人の関係が深まるにつれ、直子は心のバランスを崩してしまい、
ついには京都の療養所に入院することになる.直子と会うことも叶わないワタナベの前に、
直子とは対照的に若者らしい明るさと生命力に満ちた緑(水原希子)が現われる.
原作はさすがに流行った時に読んだ.基本的にミーハーだったからね.
春樹調にどうも波長が合わず、苦労して読んだ記憶だけが残っている.
映画でもやはり同じ印象.波長が合わないというか、スト-リー自体がなじまない.
菊地凛子は27歳という年齢の割にはちゃんと18~21歳を演じているし、
緑を演じる水原希子も瑞々しい演技でとっても魅力的なのだけどねぇ.
トップ写真のシーンも綺麗だったなぁ….
隣に居るだけで、女性が濡れちゃう松山ケンイチも大奮闘.
この手のセリフが行き交うのもやっぱり村上春樹調の特徴.
この辺も副長の波長に特に合わない(笑).
70年代のファッションが懐かしい.
副長の少し上…そう、まさに70年安保世代の物語.
団塊の世代とも言われた人たちのファッション.
男子はイタリアンカラーのシャツだったり、
女子は(今から見れば)中途半端な丈のミニスカート.
見覚えのある汚い大学(副長の母校だ)の構内で
繰り広げられる、ちょっと屈折した男女の恋愛模様.
音楽の選曲は好いのだが、シーンに不似合いな過剰な音量が
いくつかあって、副長は凄く気になった.
ビートルズの原曲“ノルウェーの森”は好きな曲.
でも、赤盤にクレジットされた順番の関係で、副長の家でも車でも
“ノルウェーの森”の直ぐ後に“ヘルプ”がかかるので、
映画で聴いてても、直ぐに“ヘルプ”が出てくるのではと危惧(笑).
これには参った….
ただ、トラン・アン・ユン監督の表現は凄く好き.
撮影のマーク・リー・ビンビンの映像表現も素晴らしい.
広角で上空から俯瞰したカットや療養所のある山々の緑の風景の
綺麗なことには感嘆….美しい京都?の風景に見とれてしまう.
監督良し、カメラ良し、音楽良し、役者良し…だったけど、
原作との相性の悪さで、ごめんなさいの一作.
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毎月14日は東宝系シネコンは1000円デー、いそいそと映画館へ.本年124本目.
1987年の発表当時、空前のベストセラーとなり社会現象を巻き起こすとともに、
日本のみならず世界中で翻訳され多くのファンを生み出した村上春樹の同名小説を
松山ケンイチと菊地凛子、モデル出身でこれが演技初挑戦の水原希子で映画化.
共演は玉山鉄二、高良健吾.糸井重里、細野春臣、高橋幸宏.
監督は「青いパパイヤの香り」「夏至」のトラン・アン・ユン.
学生運動が盛んな昭和40年代を背景に、深い喪失感を抱えたまま対照的な2人の女性の間で
揺れ動く青年の切ない瑞々しい青春を美しい映像で繊細に描き出す.
唯一の親友キズキ(高良健吾)を突然の自殺で失ったワタナベ(松山ケンイチ)は、
悲しみから立ち直れないまま東京の大学で学生生活をスタートさせる.
ある日ワタナベはキズキの恋人・直子(菊地凛子)と偶然の再会を果たす.
同じ喪失感を共有する2人は次第に惹かれ合っていく.
2人の関係が深まるにつれ、直子は心のバランスを崩してしまい、
ついには京都の療養所に入院することになる.直子と会うことも叶わないワタナベの前に、
直子とは対照的に若者らしい明るさと生命力に満ちた緑(水原希子)が現われる.
原作はさすがに流行った時に読んだ.基本的にミーハーだったからね.
春樹調にどうも波長が合わず、苦労して読んだ記憶だけが残っている.
映画でもやはり同じ印象.波長が合わないというか、スト-リー自体がなじまない.
菊地凛子は27歳という年齢の割にはちゃんと18~21歳を演じているし、
緑を演じる水原希子も瑞々しい演技でとっても魅力的なのだけどねぇ.
トップ写真のシーンも綺麗だったなぁ….
隣に居るだけで、女性が濡れちゃう松山ケンイチも大奮闘.
この手のセリフが行き交うのもやっぱり村上春樹調の特徴.
この辺も副長の波長に特に合わない(笑).
70年代のファッションが懐かしい.
副長の少し上…そう、まさに70年安保世代の物語.
団塊の世代とも言われた人たちのファッション.
男子はイタリアンカラーのシャツだったり、
女子は(今から見れば)中途半端な丈のミニスカート.
見覚えのある汚い大学(副長の母校だ)の構内で
繰り広げられる、ちょっと屈折した男女の恋愛模様.
音楽の選曲は好いのだが、シーンに不似合いな過剰な音量が
いくつかあって、副長は凄く気になった.
ビートルズの原曲“ノルウェーの森”は好きな曲.
でも、赤盤にクレジットされた順番の関係で、副長の家でも車でも
“ノルウェーの森”の直ぐ後に“ヘルプ”がかかるので、
映画で聴いてても、直ぐに“ヘルプ”が出てくるのではと危惧(笑).
これには参った….
ただ、トラン・アン・ユン監督の表現は凄く好き.
撮影のマーク・リー・ビンビンの映像表現も素晴らしい.
広角で上空から俯瞰したカットや療養所のある山々の緑の風景の
綺麗なことには感嘆….美しい京都?の風景に見とれてしまう.
監督良し、カメラ良し、音楽良し、役者良し…だったけど、
原作との相性の悪さで、ごめんなさいの一作.
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コメント
No title
ハイ!DVDにでもなったら観てみましょう。
2010-12-14 23:30 ruby URL 編集
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ビートルズの「ノーウェジェンウッド」はとても良い歌で、
耳と心に残りますね。
思わず口ずさみます。
2010-12-14 23:42 kokoro3 URL 編集
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久々に見に行こうかな、などと考えていましたが、
2010-12-15 00:14 KAN URL 編集
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そうそう、あの緑赤本以来、春樹アレルギーになってしまいました.
流行っても、売れまくっても、相性や自分が好きになれないモノはありますよねぇ….松山ケンイチ、いいですねぇ.男の目から見ても色気があります.
2010-12-15 00:15 チャコティ副長 URL 編集
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このビートルズの曲はいいですよねぇ、シタールの音が妙に耳に残ります.
2010-12-15 00:16 チャコティ副長 URL 編集
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副長に合わないだけで、監督やカメラは凄く好いと思うのです.
でも、お勧めは「武士の家計簿」かも(笑).
2010-12-15 00:17 チャコティ副長 URL 編集
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局の順番っていつも同じだと次が思い浮かんでしまうので、ランダムにして聴いてま~す。昔のレコードやカセットの時代じゃできなかったことです。
2010-12-15 10:00 めーちゃん。 URL 編集
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でも 内容が思い出せなかった
記事を見てあ~そうだっけ?って程度
その前に読んだ「キッチン」の方はしっかり覚えてるんだけどな~?
2010-12-15 11:48 きみちゃん URL 編集
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副長さんの厳しい評論はいつもの事だけど、松山ケンイチ最近好きかも?
あの上目使いの目つきがいろいろ言ってる感じがするでしょ?
2010-12-15 11:50 - URL 編集
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私もそっくりの状況です.文体も内容も性に合わず、なかなか読み進めなかった記憶だけ残って、肝心の内容が記憶に残らず….今回映画観ながら、あぁそうだった…みたいな調子でした.
この曲は何回も繰り返し聴いているから、頭がそういう風になってしまっている.今さらシャッフルして聴けばリセットできるかなぁ?
2010-12-15 23:12 チャコティ副長 URL 編集
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やはり私とおなじなのですね.嬉しいなぁ(笑).
当時世間を圧巻するよな流行り方だったのは事実.連れられて読んだ…みたいな感じでした.無理な部分があったんでしょうね.今じゃ、流行り廃りに関係なく、自分の好きなものだけを読んでいくようにしています.
2010-12-15 23:16 チャコティ副長 URL 編集
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そんな厳しいこと書いてます?(笑).今回はかなり誉めていると思うのだけどなぁ….松ケン、好いですねぇ.あの目、あの横顔…を見ると女の子は「ねぇ、今あたしが何を考えているか分かる…?」と意味深な問いを投げかけちゃう…というエロな男と女のシーンが上手く描けてましたよ.松ケンだからこそのシーンです.
2010-12-15 23:20 チャコティ副長 URL 編集
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リー・ビンビンの映像表現、すごく素敵~。
そして心理状態を描き出してました。
うわ~チャコティさん、すごい。母校だったのですか!
TBさせてくださいね。
2010-12-16 09:45 car*ou*he*ak URL 編集
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そう、そこだけなんですよ
監督のセンス、映像の表現の豊かさ…高水準ですよね。
あの汚い大学での醜いシーンがありました。糸井重里扮する大学教授が小生意気な全共闘(あるいはあの学校だから革マル?)の学生に授業(教室)を奪われるシーン。若者特有の狭視性と独りよがりの論理に腹が立ちました。もし私があの時代に生きていたなら、革マルに角材でボコボコにされていたのでしょうね(苦笑)。
2010-12-16 19:06 チャコティ副長 URL 編集
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2010-12-16 21:28 mossan URL 編集
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この作品、原作に忠実と言うよりやはりトラン・アン・ユンなりの解釈の出来になっていると思うのです.それはそれで好し…ですよね.
2010-12-16 21:46 チャコティ副長 URL 編集
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CMで映画の宣伝観て、映像がキレイなんだろうな、と思ってたんですが、多分、私はハルキ文学とは相性が良くないので観ようかどうか、迷うところです。(「ねじまき」しか読んでないけど)
2010-12-16 23:42 らぷらす URL 編集
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映像表現は素晴らしいデス.もし松山ケンイチがお好きであるなら…絶対観るべきです(笑).玉山鉄二も決まってたなぁ~.
2010-12-17 05:06 チャコティ副長 URL 編集