Yahooブログ終了に伴う難民です.引越してきました.
ぐずついた東京の曇り空の中、上野に出かけた.
未見のデンマークの画家:ヴィルヘルム・ハンマースホイの回顧展.
いままでまったく観たことがなかった.
先々週の「大琳派展」の際に西洋美術館の前を通り、
その看板(写真)を観て、一気に惹かれた.
フェルメールを思わせるような室内風景画が中心.
写実的で精緻な表現なのだが、その対象の境界はぼやけ、
幽玄な印象を与える.
写真の作品のように、妻:イーダの後ろ姿を描いた作品が多い.
“うなじ”の美学とでも言いたくなるほど、
妻の後ろ姿はモノを言う…語っている.
後期の作品になるとその妻さえも居なくなり、
窓やドア、ソファ…といった室内風景だけになる.
そこにあるのは、“静寂”.
止まったような、穏やかな時間の流れ.
いや、本当に止まってしまっているのかもしれない
と思ってしまうその作品風景.
少ない観客のおかげでゆっくりと鑑賞できた.
国立西洋美術館で日曜の鑑賞でこれほど人が少ないのは驚異的.
素晴らしい作家を知りえて大満足の日曜のひと時.
この後は娘の美大へ直行.
アーティストの卵たちの作品を愛でてみようかな….
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