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【総評】 少女革命ウテナ

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該当作品放送期間話数
▶ 少女革命ウテナ'97年4-12月全39話

▼ 概要

「世界を革命する力を!」
『美少女戦士セーラームーン』シリーズのメインスタッフだった幾原邦彦が少数精鋭のスタッフを集めて制作集団ビーパパスを結成、少女漫画家さいとうちほと組んで世に放った異色作。アニメーション神戸97'TV番組部門最優秀賞受賞。
▼ あらすじ

昔々のお話です。あるところに、お父様とお母様を亡くし、深い悲しみにくれる、幼いお姫様がいました。そんなお姫様の前に、白馬に乗った、旅の王子様が現れます。りりしい姿、やさしい微笑み。王子様はお姫様を、バラの香りで包み込むと、そっと涙をぬぐってくれたのでした。
「たった一人で、深い悲しみに耐える小さな君、その強さ、気高さを、どうか大人になっても失わないで。今日の思い出にこれを」
「私たち、また会えるわよね」
「その指輪が、君を僕のところへ導くだろう」
王子様がくれた指輪は、やはり、Engage Ringだったのでしょうか。...それはいいとして、お姫様は、王子様にあこがれるあまり、自分も王子様になる決意をしてしまったのです。でもいいの?ホントにそれで??

▼ 感想

脚本
(7)
『決闘』『革命』等のキーワード、主人公が男装の麗人、キャラクターデザインなどから『ベルサイユのばら』を連想させます。
そしてどうやらヘッセの『デミアン』がモチーフになっているそうな。

最初はやや単調な物語と侮っていましたが、徐々に寓意性の高さ&耽美な世界観に魅了され、ドハマりしてしまいました。
一貫性を感じる一方で、様々な意見が折衷された様な印象を受けました。そんな印象を受けるほどに難解且つ幾何学的。

近親相姦等、愛憎劇チックな描写もあるので注意ですね。
演出
(10)
決闘・影絵少女パートをはじめとする哲学性&演劇性の高い、奇抜で前衛的な演出が特徴。
日常パートは90年代ならではのシュールさがあります。そんな中でも映像や台詞の中に様々なサジェスチョンが散りばめられていて、こだわりの強さが見て取れます。
作画
(5)
映像美術の素晴らしさは"演出"に加点しました。
アクションシーンはキレが良く、日常パートもコミカルな動きで好印象でしたが、作画の乱れや使い回しも多かったです。また、良くも悪くも敷居の高い・排他的な作風に感じます。
人物
(6)
強さ・気高さを失わないウテナが最高に格好いいです。
心の闇を解放させられた決闘者(知人)に真正面から立ち向かう姿勢・・・ここまで勇ましいヒロインは稀有ですね。
決闘者の中では西園寺が一番好きでした(・∀・)
音楽
(10)
“潔く、カッコ良く、生きて行こう――”
作風に合ったOP「輪舞-revolution」、ED「truth」が◎。
その他挿入曲に関しても、サウンドトラックが全8タイトルも販売される程に名曲が充実している。

何と言っても「絶対運命黙示録」をはじめとする戦闘合唱曲が独特の世界観を作り上げる大きな要因となった。しかも一戦一戦異なる曲を用いるという手の込みようである。
その作詞作曲のセンスには脱帽です。人によっては眉をひそめたくなるような奇怪さに満ちていますが、聴けば聴くほど格好良いミステリアスな曲ばかり。
「スピラ・ミラビリス劇場」「When Where Who Which」、後期EDの「バーチャルスター発生学」・・・好きな曲を挙げたらキリがない!

一転して、挿入BGMである「少女革命 overture」「光さす庭」等は、華やかで心地よい曲調。癒されます。
サントラ購入必至です。
構成
(7)
決闘の相手として順序良くキャラにスポットを当てていく流れが出来上がっていましたね。
ラストシーンも非常に私好み(^^)『どうしてああなったのだろう』と疑問が残ったとしても、未消化で幕を下ろしたという風には決して感じる事のない、感動的な締めくくりでした。
考察サイトに駆け込みたくなりますね(笑)


こんなにも作り込まれた芸術アニメーションを
かしら、かしら、ご存知かしら~?♪
満足度ランク【A】!!
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