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【総評】 昭和元禄落語心中

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 ≪下記の作品を評価対象に含めます≫    放送開始:2016年01月~
◆昭和元禄落語心中(第一期)
◆昭和元禄落語心中 -助六再び篇-(第二期)
---{▼概要}-------
『昭和元禄落語心中』(しょうわげんろくらくごしんじゅう)は、雲田はるこによる日本の漫画。『ITAN』(講談社)にて連載。第17回「文化庁メディア芸術祭」マンガ部門優秀賞、第38回「講談社漫画賞」一般部門受賞。
アニメ版はスタジオディーン制作、第1期は全13話。第1話は過去にOVA化された「与太郎放浪篇」をテレビ向けに再編集した1時間スペシャルとして放送し、第2話以降は「八雲と助六編」が放送された。第2期は全12話。計25話。
---{▼あらすじ}-------
刑務所の落語慰問会で見た大名人・八雲の「死神」が忘れられず、出所した与太郎が真っ先に向かった先は、寄席だった。拝み倒して八雲の住み込みの弟子となった与太郎だが、八雲のもとでは小夏という女性が暮らしていた。八雲と小夏には他人が容易に触れられない因縁があるらしく…
---{▼感想}-------
噺家の愛おしき素顔と業。
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時代と共に移り変わる”落語”。そしてその流れに巻き込まれてゆく噺家たちの因縁や人間関係を描いた作品、ですね。心の機微を繊細なタッチで描いていて、惹き込まれます。

噺の上手いベテラン声優陣の起用により、実際に落語を楽しめるアニメとして実現されている点がまず凄い。そしてその演目が、物語とリンクしたりと実にドラマチックですね。落語が聞きたいだけならば寄席へ足を運べば良い・・・しかし、本作は物語が進むに連れ狂おしいほどの愛憎劇へと発展します。そこが見所ですね。

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登場人物みな思念を持ち、それがどれも共感に値して、最後の結末は本当に切なかった。第1話の時点で結末が判明しているという構成にも関わらず、あの結末には息を呑みました。カタルシスがドバァ~~!!まさに、人に歴史有りと言ったところでしょうか。次世代(第2期)へどう影響してゆくのか、今から楽しみです。

「死神」「野ざらし」など様々な演目が登場しましたが、皆さんどれが一番好きでしたか?心入れ替えた男の話「芝浜」なんかは印象に残りますよねー。
演目以外にも印象に残った台詞があったのでご紹介。
「型はキチッとしとるが、隙が無ぇ。色気ってのは隙から生まれるんだ。完璧なものに色気はささねぇ。隙ってのは余裕ともとれるな。それぐれぇのが愛嬌があって、あぁいい落語だなって思うもんなんだよ」 (第4話 先代 八雲)
「人ってのは全て分かり合えるわけがない。それでも人は共に暮らす。取るに足らない詮無いことを、ただ分け合うのが好きな生き物なんだ。だから人は一人にならないんじゃないか」 (第12話 菊比古)

---{▼第2期感想}-------

次世代の落語・菊比古(八雲)の生涯・(前期の)愛憎劇の真実などが描かれた第2期。相も変わらず落語の魅力が詰まったお話でした。「居残り」は話し手によって全く違う、我の出る話だというのが中々印象的でしたねぇ。ちょっと気になったので調べてみたら、落語の演目の総数は500噺以上あるらしいです。その奥深さは言うに及びませんね。

全25話を振り返ってみて思うことは良くも悪くも辛気臭いストーリーだということ(笑)。しかしながら主人公である菊比古(八雲)が天寿を全うするまで描き切るだなんて見事なものじゃあありませんか。幽霊やら死後世界やらは少し野暮な要素にも思えますが。

野暮と言えば男女関係。八雲の視点で考えると、嘗て三角関係だった二人(助六・みよ吉)から生まれた養女(小夏)に子種を仕込み、弟子(与太郎)に父親代わりをさせる・・・という不気味な相関関係はまるで昼ドラの様ですね(^_^;)
時代が時代ですからありそうな話です。そう思う一方で、本作者は元々BL作家ですから、ホモカップル(助六×八雲)の遺伝子を絡み合わせたかっただけなんじゃ・・・と頭をよぎります。

話が少し脱線してしまいましたが・・・。
落語と心中する者と、落語を後世に残す者。落語という文化を見つめ直すという事に焦点を当てた本筋の話は称賛に値します。主に第2期から登場する、樋口センセイが語る落語論なんかは凄く面白いなぁと感心させられましたねぇ・・・。

「よそう。また夢になるといけねえ」と締めくくる“芝浜”の様に、すっきりと幸せを噛み締められる幕引きになれば言う事無しだったのですが。淀みのある人間関係に若干の不快感が尾を引く・・・そんな惜しい作品であったように思います。

--▼【総評*1行表】----
脚本演出作画人物音楽構成
766776
満足度ランク【A】!!
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