『フリップフラッパーズ』は、Studio 3Hz制作による日本のオリジナルテレビアニメ。ヒロインのパピカとココナの2人を中心に繰り広げられるSF冒険活劇物語となっている。全13話。
---{▼あらすじ}-------
ある日、志望校を決めかねていた中学2年生のココナの前に突如現れた謎の少女パピカ。謎の組織「フリップフラップ」に所属しているパピカは、どんな願いも叶えてくれるという「ミミの欠片」を集めているらしい。ミミの欠片が存在する不思議な世界「ピュアイリュージョン」に行くには、一人では力が足りないというパピカ。そんなパピカに引きずられるように、ココナは「ピュアイリュージョン」へと旅立つ。ミミの欠片を求め、パピカとココナの不思議な冒険が始まる。
(wikipediaより)
---{▼感想}-------”あなたには、世界はどう見えているんだろう”
摩訶不思議な世界"ピュアイリュージョン"にダイブするパラレルワールド冒険譚である本作。うさぎの穴に毎回突き落とされるような感覚が味わえる魅惑的なアニメーションです。
と言うのも、本作は『有名な夢物語』『哲学者の幻想的な格言』『名画や建造物等の芸術作品』 などの様々な学術ネタを織り交ぜたオムニバス風味な作品になっています。
(e.g. ダリやミレーの絵画・超芸術トマソン、ニーチェやウィトゲンシュタイン哲学、ルイスキャロルやグリム童話、絵本“おしいれのぼうけん”、etc...)。
それらはストーリー自体にも影響していて、意味のある謎や隠されたメッセージが混在する。本筋のキーとなる部分に関しては話が進むに連れて解明されてゆきますが、手探りで考察・深読みしても答えに辿り着けないものも多く、『各自想像してください』というスタンスなので、こういう見方も出来るな~・・・と考えるのが楽しい作品なのです。考えずに視聴していても面白いですけどね(笑)。根源的感覚に訴えてくるような演出と構成をしていて、毎話見終わるたびに「なんか凄い回だった・・・!」と言ってしまうこと請け合いです。これぞアニメーション!!という趣。
< --- ▽ここから下はネタバレあり▽ --- >
「あなたは選べないんじゃない、ただ少し勇気がなかっただけ。あなたが自分で選ぶの、あなたが進みたい世界を――。」
本筋は・・・
パピカの目的は、【1】アモルファス(ミミの欠片)の力でミミ(ココナの母)と再会するという願いを叶える 【2】 自由に生きれなかったミミの代わりにココナに冒険の楽しさを気付かせる の2つ。そして優柔不断だったココナは母の想いを知り、冒険の楽しさを教えてくれたパピカと共に、ピュアイリュージョンの旅を続けていく―――・・・といった感じでしょうか(解らない部分もあったので間違っていたらごめんなさい)。
ココナが冒険に魅せられていく感覚と、こちらが視聴していてどんどん楽しくなってくるのとがリンクして、最後には「冒険って素敵だな・・・」と自然に思えるとても良い作品だったと思います。
・・・若干、冒険よりも百合に比重を置いていた様な気がしないでもないですがまあそれも含めて最高でした(笑)
因みに“フリップフラップ(flip-flap)”は擬音語で、ビーチサンダルやシーソーの「パッタン・パッタン」という音の意味だそうな。各話サブタイトルが全て音響系の用語だったり、EDのラストが二人の足跡だったりするのもフリップフラップから来てますね。リズムよく軽快に気持ちを揺さぶってくれるという意味ではまさしくフリップフラッパーなアニメでした。
最後に一つ野暮な事を言わせてもらうと・・・
本作で使われたロボットや魔法少女要素・アニメパロディ等は所謂エンタメ的なエッセンスであって、これを排除していればそれこそ学術的な意味で評価が高まった気がします。あれがあるからいいという意見も解りますが、私にはお茶を濁しているようにしか思えませんでした。特に第3話と8話は丸々ギャグ回でしたからね・・・不満と言えば其れ位です。
--▼【総評*1行表】----
脚本 | 演出 | 作画 | 人物 | 音楽 | 構成 |
6 | 8 | 7 | 7 | 8 | 7 |
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