"天使と教会と百年戦争に魔女はケンカを売った。処女だけど。"
『純潔のマリア』は、石川雅之による日本の漫画作品。アニメ版はProduction I.G制作、監督:谷口悟朗。全12話。
---{▼あらすじ}-------
戦争絶えぬ中世・百年戦争中のフランス。戦を嫌う処女で聖母の名をもつ魔女・マリアが夜な夜な戦場にサキュバスを遣わし、戦争をかき乱していた。しかし、その天界の方針に沿わない行動のため、マリアは大天使ミカエルに目をつけられ、制裁として純潔(処女)を失ったとき魔女としての力も失うようにされてしまう。
(wikipediaより)
---{▼感想}-------魔女視点で見る百年戦争
平和と戦争と宗教。そんな堅固で考えさせられるテーマを、歴史的ディテールの整った世界観で表現してくれるものだから、すっかり入り込んで楽しく視聴出来ました!!
歴史や宗教には疎い私だが、本作がしっかり時代考証を行って制作された事は見て取れます。中世欧州の戦争ってこうだったのかと勉強になりました。騎士と傭兵の違いだとか、金目当てに戦争してる感が良い。また、旧キリスト教が作る教会側と農民との関係性、そこに介入する魔女、そして神・・・。中世らしい駆け引きが最大の魅力だった様に思います。
原作者はもやしもんの人と知って驚きました。ただ、もっと驚いたのはアニメ版は原作に手を加えまくりだという事!!アニメ本編の中枢とも言える”傭兵ガルファ”や”修道長ベルナール”等はアニメオリジナルキャラクターであり、彼らが関わるエピソードも全てオリジナル展開。着地点が読めない不安もありましたが、結論としてむしろアニメオリジナルの方が良い味出してる。特にベルナールは修道長にもかかわらず、最終的に”悪魔の証明”に行き着くという見事なシナリオ。実に良改変でした。
良改変と言ったらやはりマリアのキャタクターデザインじゃないですかね(*^^*)マリア可愛い!猫目(三白眼?)&華奢な体つき。処女設定がギャグにもシリアスにもなってくるのが面白いですよね。相手役のジョセフ共々初心なだけでなく勇ましい面がありました。あとフクロウ可愛い。
全体的に緊張感あり涙あり雰囲気よしと良いこと尽くしだったのですが・・・・最終話の大団円で「う~ん?」と拍子抜けしてしまいました。主にミカエルの世論調査とその結論に「???」。オリキャラのケルヌンノスの存在意義もよくわからなかった。その所為あってか、振り返ると作品として纏まってはいるけれど引き締まってはいないかな~という所感になってしまいました。
--▼【総評*1行表】----
脚本 | 演出 | 作画 | 人物 | 音楽 | 構成 |
6 | 7 | 5 | 6 | 6 | 6 |
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