『91Days』(ナインティワンデイズ)は、朱夏制作によるオリジナルテレビアニメ、全12話。舞台を禁酒法下で酒を扱う時代(1920年代)に設定し、『ゴッドファーザー』『ワンスアポンアタイム』『ブレイキングバッド』などを参考にしたという。
---{▼あらすじ}-------
他人との交流を断ち、アヴィリオと名を変えて孤独な生活な送る青年アンジェロのもとに一通の手紙が届く。そこには7年前に彼の両親と弟を惨殺した犯人としてヴァネッティ・ファミリーのヴァンノ、ネロ、そしてファミリーのドンであるヴィンセントの名が記されていた。アヴィリオは3人に復讐するため、故郷のローレスに舞い戻る。
(wikipediaより)
---{▼感想}-------「復讐をやめたら、俺は生きている意味を失ってしまうんだ――」
▶ 古典洋画の様な雰囲気がたまらない!
禁酒法時代のマフィア抗争・・・!!もうそれだけで垂涎モノですが、演出も渋くブレない作風で、エンドロールまでしっかり余韻に浸れる素晴らしいアニメでした。マフィア同士の思惑が交錯する様は実に高密度。オリジナルでこれを作れるんだから、今のアニメも捨てたもんじゃないなと思わせてくれました。(偉そうですね、ごめんなさい)
演出が渋いと感じる要因として、台詞が必要最低限というのがあると思います。キャラに口頭で説明させずに、間や映像や音響で理解させてくれるんですね。グラスを傾けながら真面目に見るにはもってこいのアニメですよ!
< --- ▽ここから下はネタバレあり▽ --- >
▶ 展開が読めない復讐劇
マフィアの勢力図が頭に入ってくると途端に面白く感じますね。正面から敵対するだけでなく、協力・裏切り・誘導・仲違い・そして罠に嵌める・・・!!仇敵のファミリーに潜り込み引っ掻き回す復讐劇ですから、雲行きを予想するのが楽しくて仕方が無かった。
他にも、死体1つで話がコロコロと変動したり、トリッキーな奴(ファンゴ)が話に絡み出したり、手紙の差出人・4人目の襲撃犯が誰なのか解らなかったりと、本当に展開が読めなくてワクワクさせられました。
振り返ってみると、『手紙の差出人=4人目の襲撃犯=ガンゾ』だったし、コルテオは味方で、ネロは何も知らない と、誤魔化しの無い簡明直截なストーリーだった訳ですが・・・・私なんかは色々と勘繰ってしまって逆に予想を外しました(笑) 同じ思いをした人もいらっしゃるのではないですか?視聴者の見通しをひらりと躱すこの感じ、小憎たらしいですよねwwww
一切無駄がなかったし、次週はどうなるんだと毎回思わせてくれる脚本の構成力、お見事でした。
復讐相手(ネロ)が仲間想いの良い奴だったり、友人(コルテオ)をやむなく射殺する展開になったりと、胸が痛むシーンが多いのも復讐劇の醍醐味ですね。
そしてラストは悲願が報われたか否かがグレーな状態での幕引き。味わい深い。復讐を肯定せず否定もせず、どう感じるかは視聴者次第。アヴィリオもネロも、虚しさを受け入れていましたから、本望だったんじゃないかな。
ネ『生きてることに理由なんてもんはいらねぇ、ただ生きるだけだ』
ア『俺がお前を殺さなかったのは、お前を殺したくなかったからだ』
--▼【総評*1行表】----
脚本 | 演出 | 作画 | 人物 | 音楽 | 構成 |
8 | 6 | 6 | 6 | 7 | 8 |
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