Caitlin Johnstone

2024年12月17日 (火)

イスラエルはシリア問題に介入するつもりはないというネタニヤフ首相の滑稽な主張



ある国を侵略し広大な地域を占領し、48時間以内に480回爆撃し、軍事防衛の80%を破壊しておいて、その国の内政に干渉する意図はないと主張できるのはイスラエルだけだ。

ケイトリン・ジョンストン
2024年12月12日

 物語のマトリックスの端からのメモ

 この英語記事の朗読を聞く(朗読:ティム・フォーリー)。



 イスラエルは「シリア内政に干渉する意図はない」とベンヤミン・ネタニヤフ首相が 滑稽な発言をしている

 ある国を侵略し広大な地域を占領し、48時間以内に480回爆撃し、軍事防衛の80%を破壊しておいて、その国の内政に干渉する意図はないと主張できるのはイスラエルだけだ。



 リビアの時と同じように、シリアで起きる全てのことに今後何年も見て見ないふりをしなければならないと知っているので、欧米諸国による政権転覆応援団連中は、今シリアの件で大いに盛り上がっている。



 国内市場を開放し、世界経済に統合するとシリアで新たに権力を握った連中が発表したが、これはこれまでのこの物語の中で最も意外性だない進展の一つだ。これは、従わない国に対する帝国主義による権力掌握で必ず見られる教科書的な破滅的資本主義だ。今や、シリアは最高額を提示した者に、ばらばらにされ食い尽くされることになる。どうやら、メニューに肉が復活したようだ。



 TikTokは、どうやら本当にすぐ禁止されるか、帝国に忠実な所有者に売却されることになるようだ。全て、パレスチナに関する事実をアメリカ政府が子どもに共有させたくないためだ。



 暴力は決して解決策ではないと言う人々は、彼らが非難する暴力を引き起こした大規模で甚大な影響を及ぼす組織的暴力を無視することが多い。それは10月7日の事件でも起きたし、健康保険会社CEO殺害事件でも起きた。

 昨日、ツイッターのフォロワーに次の文章を完成させるように私はお願いした。「人々の生活を破壊し、殺害することで富と権力を拡大する虐待的金持ちを物理的に攻撃するのではなく、一般市民はそのような不正に対処するために利用できる他の選択肢、例えば_________などを使うべきだ。」

 回答は興味深いものだった。この質問を投げかけた後、暴力を奨励しているという怒りの返信を私は多数受け取った。よく考えてみると、これは実はかなり示唆に富んでいる。私は実際暴力を奨励したわけではなく、暴力に代わる選択肢は何か尋ねただけだ。裕福な寡頭政治家による虐待に対処するための暴力以外の選択肢を、これら回答者が知っていたら、私の質問をそのように見ることは決してなかっただろう。彼ら自身、暴力以外にこれら虐待を解決する方法はないと考えている。彼らはただ、人々は虐待が続くのを甘んじて受け入れるべきだと考えているのだ。

 CEO殺害容疑者のルイジ・マンジョーネへの幅広い支持を見て、2014年にベンチャーキャピタリストのニック・ハナウアーが書いた「怒りの熊手が我々富豪に迫っている」というエッセイを思い出す。エッセイで、彼が「大富豪仲間」と呼ぶ人々に対し「このような不平等の拡大を持続させる社会は存続しない」と彼は警告している。

 「問題は不平等があることではない」とハナウアーは書いている。「問題は不平等が歴史的に高いレベルにあり、日々悪化していることだ。我が国は急速に資本主義社会から封建社会へと変貌しつつある。政策が劇的に変わらなければ中流階級は消え去り、革命前の18世紀後半のフランスに逆戻りしてしまうだろう。」

 「この経済の明らかな不平等を是正する対策を講じなければ、我々は厳しい罰を受けることになる」とハナウアーは警告した。「このような不平等の拡大を持続できる社会などない。実際、人類史上、このように富が蓄積され、最終的に厳しい罰を受けなかった例はない。極めて不平等な社会を見せてくれたら、警察国家や暴動を私が見せてやる。反例などない。皆無だ。問題は、そうなるかどうかではなく、いつそうなるかだ」

 同情や利他主義からではなく基本的な自分に対する配慮からハナウアーは発言している。彼は貧しい人々を助けようとしているのではなく、ギロチンの刃の先で神に会うのを避けようとしているのだ。

 これら富豪に向けられた怒りと血への渇望は、彼が警告した沸点に近づいているようだ。これがどう展開するかは分からないが、歴史上興味深い地点に我々はいるとだけ言っておこう。

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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2024/12/12/netanyahu-hilariously-claims-israel-doesnt-seek-to-intervene-in-syrias-affairs/

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 Judging Freedom アサド元大統領によるアメリカ・ディープ・ステート説明は正しいとミアシャイマー教授。
Prof. John Mearsheimer : Can Trump beat the Deep State in his second term ?  2:15
 日刊IWJガイド
「イランの防空力の破壊は『イランを無防備にすることが目的』とイスラエルのガラント元国防相! 米国とともに対イラン戦争を準備!?」2024.12.17号

■はじめに~シリアの防空力の徹底破壊に続き、今年10月26日のイスラエルによるイランへの報復攻撃は、「将来(本格的な侵攻の)のために、イランを無防備にすることが目的だった」と、イスラエルのヨアブ・ガラント元国防相が証言! イスラエルは防空網を徹底的に破壊したため、イランを、ガザやレバノンと同じくらい容易に攻撃できる! 脆弱化したイランが核保有に走れば米国とイスラエルが躊躇せず軍事行動に! トランプ次期大統領は、任期中にイランとの戦争になる可能性について、「何が起きてもおかしくない」と「前のめり」の発言!

■12月は13日までの13日間で、29件、42万4100円のご寄付・カンパをいただきました。ありがとうございます! これは月間目標額の約12%に相当します。11月のご寄付・カンパの金額は150万4000円と月間目標額の43%しか集まらず、IWJの財政は大ピンチです! 11月からカンパの月間目標額を400万円から350万円に下げたのですが、8月からの今期第15期は、4ヶ月連続で未達です!「IWJしか報じていない情報」自体は激増中です! IWJが活動を続けられますように、ぜひ、この年末の12月こそは、無事に年を越せますように、緊急のご支援をお願いいたします!

■【中継番組表】

■本日午後7時より、「激戦の地ドンバスまで足を運び、自分の目と耳で調査した『学者魂』の研究者に聞く! 第2次トランプ政権でウクライナ政策が見直される今だからこそ、日本も、2014年のユーロマイダン革命にまで立ち返って現在に至る経緯を検証する必要がある! 岩上安身によるインタビュー第1173回 ゲスト 東京大学法学部教授の松里公孝氏 第1部」を撮りおろし初配信します! 配信終了後、会員向けIWJサイトのアーカイブにアップします!

2024年12月16日 (月)

「テロ組織」は、アメリカがそう呼びたいもののこと



アメリカ政府は(A)シリアのバッシャール・アル・アサド政権を追放する攻撃を主導した集団を指定テロ組織リストから削除する準備を進めながら(B)シリアがテロリストに乗っ取られたと主張して、イスラエルによるシリア領奪取を正当化している。

ケイトリン・ジョンストン
2024年12月11日

 この英語記事の朗読を聞く(朗読:ティム・フォーリー)。

 アメリカ政府は(A)シリアがテロリストに占領されたと言ってイスラエルによるシリア領奪取を正当化すると同時に(B)その同じ勢力を指定テロ組織リストから削除することを検討している。

 アメリカ人言論人は、アサド政権排除によるシリア国民の解放祝賀から、シリアに何百回も空爆しながらシリアの広大な地域を軍事占領するイスラエルの急速な動きを擁護するため、今やシリアがテロリスト勢力で溢れている事実に触れることへと滑らかに方向転換した。

 月曜の記者会見で、イスラエルによるこうした動きは「国境を守るための一時的なものだ」とし、アサド大統領追放は「イスラエルを脅かし、イスラエル内の民間人を脅かすテロ組織に空白が埋められる可能性がある」と国務省のマシュー・ミラー報道官は述べた。

 「全ての国はテロ組織に対して行動を起こす権利がある」とミラーは付け加えた。

 火曜の記者会見で、イスラエルの領土奪取に関するアメリカの立場を更に明確にし、「緩衝地帯へのイスラエル侵入を促したのはシリア軍の撤退で、昨日述べた通り、撤退により潜在的空白が生じ、シリア国内でイスラエルの破壊を誓い活動を続ける多数のテロ組織のいずれかが、その空白を埋める可能性がある」とミラーは述べた。

 同じ火曜日の記者会見で、またダマスカス襲撃を主導し、指導者がISISとアルカイダ両方の幹部だったHTSのような指定テロ集団と「対話することに法的障壁はない」とミラーは述べた。

 そして、偶然にも、今、HTSを指定テロ組織リストから削除することにアメリカ政府は突然関心を示しており、この集団をリストから即時削除すべきかどうかについて「ワシントンで激しい議論が繰り広げられている」とポリティコは報じている。どういうわけか、この議論が実際それほど「激しい」ものだとは思えない。

 つまり、ある説によれば、シリアは勇敢な自由戦士によって解放され、それは素晴らしいことだが、同時に語られる別の説によれば、シリアは邪悪なテロリストに乗っ取られたばかりなので、明らかにイスラエルはシリアに侵攻する必要があるとされており、更に別の説によれば、それら邪悪なテロリストは、アメリカ傀儡政権を運営することになるので、もはや邪悪なテロリストではないとされている。

 これらは真実や道徳ではなく、世界支配の闇雲な追求によって政策が導かれる時に遭遇する矛盾の一種だ。

 実際は「テロ組織」というのは政治的呼称で、その行動による呼称ではない。ある組織がどう行動し運営しているかということより、アメリカ帝国の戦略的権益を推進するかどうかということの方が遙かに重要だ。

 アメリカや、その同盟諸国と戦う非国家主体集団のどれを見ても、アメリカ政府のテロ組織リストに載っていることがわかる。ハマス、ヒズボラ。イランのイスラム革命防衛隊のような公式国家軍でさえリストに載せられる。アメリカが「テロとの戦い」の旗印の下、世界的に軍事プレゼンスを拡大していた頃、東トルキスタン・イスラム運動はテロ組織リストに載っていたが、トランプ政権末期にリストから外された。ウイグル人イスラム主義集団がシリアでアサドと戦っており、帝国の対中国冷戦侵略に役立つ可能性があるからだ。

 現在も、アメリカ下院は、ガザ保健省が指定テロ組織ハマスに運営されているという理由で、アメリカ政府が同保健省統計を使ってガザ地区でのイスラエルによる大量虐殺死者数を計算するのを禁止しようと動いている。ガザ保健省の死者数は信頼できると考えられており、アメリカ国務省が報告書で、その統計を使用しているために、下院はそうする必要がある。

 こんな分析が必要な大量虐殺を犯している集団は、もちろん指定テロ組織ではないのだ

 なぜなら「テロ組織」というレッテルは帝国の言説支配手段に過ぎないからだ。帝国の言語では、単に「爆弾を落とす必要がある従がわない連中」という意味だ。服従すると彼らが決心すれば、爆弾を落とす必要はなくなり、もはやテロリストとはみなされなくなる。

 アメリカ帝国の友人である限り、テロ組織とみなされることはなく、好きな方法で好きなだけ民間人を殺害できる。

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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2024/12/11/terrorist-organization-means-whatever-the-us-wants-it-to-mean/

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 最近のシリア状況で、ずっと前に翻訳したアメリカ地政学?記事を思い出した。
 2009年4月15日に掲載したRalph Peters記事。
「血の国境 より良い中東とはどんな姿なのか」
 興味深いのは有名検索エンジンとされるYaohooやGoogleで検索しても、この記事全く出てこない。

 DuckDuckGo検索でしかみつからない。恐るべし隠蔽エンジン。

 Sabby Sabs
Scott Ritter: "I'M PISSED OFF!" (Interview) 1:03:15
 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
私は英国MI6“スパイ”に次を問うた。「スパイの仕事=情報入手、相手の国を自国に利益に誘導と思う。それは外交官も同じ。スパイと外交官はどこが違うのか」この“スパイ”の答え 「確かにめざすものは同じ。我々は反モラル的行動や、相手国の法律にとらわれずに行動する。それが外交官との違い」
 日刊IWJガイド
「記者クラブメディアが報じない岩屋外務大臣のIR汚職疑惑に関するIWJの追及がSNSで大きな話題に! ぜひIWJをご支援ください!」2024.12.16号

2024年12月15日 (日)

もう一つの国が帝国の塊に吸収された



そして今、帝国の塊は、代理戦争や制裁やイスラエルによる執拗な爆撃作戦や食糧や燃料を奪うことを狙った軍事占領を通じて、何年もかけてシリアを弱体化させ、シリア全土の大きさにまで成長し、次の標的を吸収するため動き続けている。

ケイトリン・ジョンストン
2024年12月9日

 この英語記事の朗読を聞く(朗読:ティム・フォーリー)。
 バッシャール・アル・アサドはシリアからモスクワに逃亡し、ロシアから亡命を認められたと報じられている。アサドを追い出したアルカイダ関連組織は、ダマスカスでの「ムジャヒディーン」勝利を宣言した。政権転覆を支援したのをバイデンネタニヤフ両人は公式に認めており、もちろんトルコのエルドアンも多大な功績を認められるに値する。

 それでも、欧米の主流言説では、これをアメリカと同盟諸国が支援する政権転覆作戦と呼ぶには依然タブーがある。何年にもわたる反証があるにもかかわらず、これが完全にシリア国民のみに引き起こされた、100%自然発生的蜂起であるかのように我々全員装わなければならない。代理戦争や飢餓制裁や絶え間ない爆撃作戦や、欧米が支援した内戦後、復興を阻止するため、明らかにシリアから石油と小麦を断つことを意図した軍事占領によりアメリカ権力同盟がシリアを粉砕するのを見たばかりなのに、我々はそう装わなければならないのだ。

 こう言うと怒る人もいるだろうが、これは事実だ。世界的大事件は、その結果に利害関係を持つ大国の行動と無関係に起きるものでないのは単なる事実だ。私がこう言うのを不快に感じるなら、その不快感は認知的不協和と呼ばれる。何か変だという感覚だ。

 シリアにおけるアメリカ権力同盟の関与を指摘されると、あなたは不快に感じるかもしれない。そして、ハリウッド映画のように勇敢な自由戦士の一団が邪悪な超悪人独裁者を独力で勇敢に倒したと信じたいのかもしれない。だが現実はあなたの好み通りには進まない。現実には、アメリカを中心とする地球規模の帝国が、そのような出来事に深く関与しているのは確実だ。

 私がこう言うと、私が「シリア人の主体性を否定している」とあなたは思いたがるかもしれない。そして「主体性の否定」は人が犯し得る最悪の罪だ。だが私が言っているのは、シリア人は主体性を持っているという考えと矛盾するものではない。アサド退陣を望むシリア人は明らかに多数いたし、アメリカ帝国と何の関係もない独自の理由でアサドと戦った人も明らかに多数いた。この明白な事実と、2011年の紛争の始めから、シリアに深く入り込んでいたアメリカを中心とする権力構造や、その関与が、今日我々が目にしている出来事につながったという十分文書化された現実との間に矛盾はない。

 シリア人の心をアメリカ帝国が支配し、彼らに自らの力で政府に背くよう強制したという主張ではない。天秤にアメリカ帝国が大きな力を加えて、シリア人のある集団ではなく、別の集団が思い通りに行動できるようにしたという主張なのだ。

 欧米諸国の政権転覆介入主義が今回良い結果につながると主張することは可能だ(一貫して、その逆を示す膨大な歴史的証拠を無視する覚悟がある限り)が、欧米諸国の政権転覆介入主義がシリアで起きたことは、いかなる合理的根拠に基づいても否定できない。

 欧米の自由主義がおかしいのは、欧米帝国の行動、更には帝国の存在そのものから、信奉者連中が、心理的に断絶する能力に大きく依存している点だ。欧米諸国が自分たちのことに大いに気を配り、欧米指導者連中が演壇から平和と外交を訴えながら、世界中で暴力と破壊が広がるのを受動的に見る架空の別世界に欧米の自由主義者は生きている。彼らは帝国が存在しないふりをし、ワシントンの戦略的利益に有利な形で紛争やクーデターや暴動が起こり続けるのは、単なる偶然だと考えている。

 現実には、アメリカが、そうとは宣言していない帝国の中心で、その帝国が自ら支配する単一権力の傘の下に世界中の人々をまとめようと精力的に活動しているのを理解しなければ世界で起きていることを理解するのは不可能だ。この帝国の塊に吸収されることにうまく抵抗している数少ない国々は、我々欧米人が憎むよう洗脳されている公式の悪人だ。中国やロシアやイランや北朝鮮や中南米のいくつかの社会主義国だ。以前シリアもこのリストに含まれていたが、今やもう終わりだ。シリアは帝国の塊に吸収されてしまったのだ。

 そして明日には、帝国の塊は、吸収されていない次の国に照準を移すだろう。これが地球上のあらゆる主要紛争の背後にある根本的力学だ。この力学は、マスメディアとして知られる欧米宣伝機関と、学校教育として知られる欧米の洗脳制度の支援により、主流の欧米西世界観から消し去られている。この力学は、世界の情報システムを操作する金権政治家や帝国管理者によって、我々の世界観から消し去られ、我々の注目から隠されている。さもないと、アメリカ帝国が今日のこの地球で最も暴君的で虐待的権力構造であることに我々が気付いてしまうためだ。

 そしてそれは疑いようのない事実なのだ。21世紀に侵略戦争で何百万人もの人々を殺しながら、何百もの軍事基地で地球を包囲し、世界のどこであれ自らの命令に反対する集団を粉砕するため絶えず活動してきた権力構造は他にない。中国でも、ロシアでも、イランでも、キューバでも、バッシャール・アル・アサドでもない。現代、これほどまでに世界を圧制し虐待してきたのは、アメリカ帝国だけだ。

 そして今、帝国の塊は、代理戦争や制裁やイスラエルによる執拗な爆撃作戦や食糧や燃料を奪うことを目的とした軍事占領を通じて何年もかけてシリアを弱体化させ、シリア全土の大きさにまで成長し、次の標的を吸収するため動き続けている。

 人間の血の無限の流れによって支えられている帝国に支配されている限り、世界は平和を知ることはできない。それが、帝国の終焉が早く訪れるよう祈る理由なのだ。

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 The Chris Hedges YouTube Channel
The Fall of Assad & What it Means for The Mid East (w/ Alastair Crooke) | The Chris Hedges Report  1:10:46
 今朝の孫崎享氏メルマガ題名
韓国社会、民主主義国家として権力の恣意性に対する抵抗力証明。日本にあるか。韓国議会、尹大統領への2回目弾劾訴追案を採決し議案可決。今後は憲法裁判所が180日以内に、弾劾の妥当性を判断。憲法裁判所が大統領の罷免を認めれば60日以内に大統領選挙。

2024年12月12日 (木)

アサドは去り、目覚めたアルカイダが台頭



またしても帝国が勝利を収めた。
ケイトリン・ジョンストン
2024年12月8日

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 どうやらシリアのバッシャール・アル・アサド大統領政権は崩壊に向かっているようだ。シリアが現在の国境を維持するか、あるいは別々の国家に分割されるかにより、一つ以上のアメリカ傀儡政権に取って代わられる可能性が高い。またしても帝国が勝利を収めた。

 私は軍事評論家ではないが、通常、アサドを支持して楽観的なイライジャ・マグニエペペ・エスコバルなどの評論家たちは、これで終わりだと言っている。トルコが支援する戦闘員や、欧米諸国の支援を受けた歴史を持つアルカイダ系勢力が驚くべき速さ国中を席巻する中、アサドの所在は不明で、現在、ロシアとイランは、サウジアラビア、エジプト、ヨルダン、トルコなどのアメリカ同盟諸国政府と連携し、政治的解決のため戦闘を終わらせるよう呼びかけている。反政府勢力がアサドを捜してダマスカスに入ったと報じており、アサド軍が大統領の主な住居がある地域から撤退する様子が映像で示されているとCNNは報じている

 レバノンとウクライナにおけるアメリカ代理戦争は、今では戦略的にずっと意味を成している。ヒズボラとロシアを他の紛争で縛り付けることにより、ダマスカスへの再攻撃への道が開かれ、ヒズボラへの供給を更に断つ好機が生まれたのだ。私と同じ立場の評論家の多くは、こうした代理戦争を自滅的なものと呼び、死にゆく帝国の必死のあがきで、終焉を加速させるだけだと位置づけてきたが、今や我々は、帝国が何年も追求してきた勝利を収めるのを目の当たりにしており、中東における欧米諸国とイスラエルの締め付けはかつてないほど強まっている。

 一方、アルカイダは目覚めたという物語をマスコミが広め、この政権転覆を支持するため奔走している。

 シリア反体制組織ハヤト・タハリール・アル・シャムを率いる元ISISやアルカイダのメンバー、アブ・モハメド・アル・ジョラニの甘やかし気味のインタビューをCNNは公開したばかりだ。同組織はシリアのアルカイダから改名した分派だ。ジョラニは、過去の過激なやり方から改心したとCNNに語り、「時には現実に適応することが不可欠だ」と付け加えた。「柔軟性を持たず特定の考えや原則に固執する人は社会を効果的に導くことも、シリアで起きているような複雑な紛争を切り抜けることもできない」と補足した。

 CNNの「シリア反政府勢力指導者はいかにして過激ジハード主義者からブレザーを着た『革命家』になったか」や、イスラエル・タイムズの「シリア反政府勢力指導者ゴラニ:過激ジハード主義者から表向き実用主義者へ」、テレグラフの「シリアの『多様性に優しい』ジハード主義者は国家建設をどのように計画しているのか」といった見出しで、今や帝国主義報道機関は溢れている。

 元ISISやアルカイダのメンバーが、自分の名の横に好みの性別代名詞を添えて、リベラルな欧米諸国の対談番組で語り合う姿を見るようになるのも時間の問題だろう。

 幸運なことに「イスラエルを愛している」ので、イスラエルの利益を損なうようなことは決ししないと、この「多様性に好意的な聖戦主義者」はイスラエル報道機関に語った。従って、この「革命」は結晶メタンフェタミンと同じくらい有機的に成長したと言っても過言ではない。

 世界を支配する超大国の多くの特典の一つは時間的な余裕があることだ。政権転覆作戦が一つ失敗しても心配はいらない。チェスの駒を動かして再度挑戦すれば良い。中南米でクーデターが失敗しても心配することはない。クーデターはまた起こせる。シリア奪取の試みが失敗しても、制裁でシリアを粉砕し、油田を占領し、貧困化させ、他の場所での代理戦争で軍事同盟国を過度に手を広げさせてから、後で奪取すれば良い。

 優れたキックボクサーは、ほとんどのパンチが外れるか防御されるか、最小限の打撃しか与えないと理解して、最終的にはノックアウトの一撃を当てられると信じて、多くのコンビネーションを繰り出す。

 永遠に続く帝国などないが、この帝国が近い将来に消滅する証拠はない。この醜悪さは、おそらく何世代にもわたって続くだろう。
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 画像は、YouTube の CNN からのスクリーンショット (フェアユース)。

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 Judging Freedom
COL Douglas Macgregor : SYRIA - a looming crisis awaits. 25:34
Prof. John Mearsheimer : "Russophobic " - Buzzword for MSM 28:26

2024年12月 3日 (火)

ガザについて連中は嘘をつき、シリアについても嘘をついている



 ガザに関する嘘を見抜いたら、そこで止まらないで頂きたい。続けよう。調べ続けよう。学び続けよう。好奇心を持ち続けよう。彼らはガザについて嘘をついた。イラクについて嘘をついた。リビアについて嘘をついた。ウクライナについて嘘をついた。そしてシリアについても嘘をついている。

ケイトリン・ジョンストン
2024年12月1日

物語マトリックスの端からのメモ

 この英語記事の朗読を聞く(朗読:ティム・フォーリー)。



 欧米諸国から資金援助を受けてきた歴史を持つアルカイダ系組織が、トルコの支援を受ける戦闘員とともにシリアで活動を再開し、戦争で荒廃した同国で、かなりの領土を奪還しようとしている。

 現時点で何が起きているのか正確に言うのは難しいが、ロシアがウクライナに縛り付けられ、ヒズボラがイスラエルに壊滅させられたことで、これら二つの代理紛争を支援してきた同じ欧米帝国の長年の政権転覆計画に、再びシリアが曝されることになったのは実に好都合なことだと言わざるを得ない。



 シリアはガザより複雑で理解しにくいが、調べてみれば、政権転覆を狙って、アメリカや同盟諸国やパートナーがシリアで暴力や混乱や破壊を長年にわたり積極的に煽動してきた山のような証拠が見つかる。これを否定する人は無知か不誠実かのどちらかで、この十分に証明された事実を人が言ったことで、ロシア・プロパガンダやアサド支持者だと呼ぶ連中も同様だ。

 ガザに関する帝国の嘘は見抜いているのに、シリアに関する帝国の嘘を信じている人はたくさんいる。それは主に、ガザに関する嘘の方が遙かに見抜きやすいためだ。2011年以来シリアで見られる紛争が、悪人であるがゆえに民間人を殺害したいだけの暴君独裁者に対する完全に自然な反乱だと見せかけるため、膨大な量のプロパガンダと情報工作が行われている。しかし、パレスチナ人の窮状に向けるのと同じ真摯な好奇心と徹底的な調査をこの問題に向ければ、欧米諸国の政治・メディア支配層がガザについて広めてきたのと同じ種類の嘘と歪曲が、シリアについても同様、しばしば同じ連中が広めているとわかる。

 帝国の嘘を解き明かせば、人々はそうなる。ベトナム戦争やイラク侵攻やガザ攻撃など、公式説明に非常に明らかな矛盾点があることに目を見開き、それらの嘘を見抜けば、他でどのように騙されているのか興味を持ち始める。他の糸口を探り、どんどん学んで、しばらくすると、地球を支配する狙いを掲げて、世界中の人類に恐ろしい虐待を加えているアメリカを中心とする帝国の全体像が見えてくる。

 ガザに関する嘘を見抜いたら、そこで止まらないで頂きたい。続けよう。調べ続けよう。学び続けよう。好奇心を持ち続けよう。彼らはガザについて嘘をついた。イラクについて嘘をついた。リビアについて嘘をついた。ウクライナについて嘘をついた。シリアについても嘘をついているのだ。あなたの好奇心を鈍らせようとする人の言うことに耳を傾けてはいけない。都合の悪い質問をしたからといって、あなたを怒鳴りつけ、黙らせようとする人は無視して頂きたい。あなたの目が本当に澄み渡るまで、帝国のプロパガンダ・マトリックスから目覚め続けよう。



 最近のテレグラフ紙インタビューで、ウクライナで欧米諸国が「代理戦争を仕掛けている」とボリス・ジョンソンがはテレグラフ紙に語ったが、これは明らかに真実である一方、かつて欧米政治メディア関係者の間では、極めてタブーな発言とみなされていた。

 「我々は代理戦争を展開しているが、任務を遂行する十分な能力を代理軍に与えていない」とジョンソンは語った。「何年間も、彼らが片手を縛られた状態で戦うのを我々は許してきたが、それは残酷なことだ」

 長年、ウクライナ戦争をロシアに対する欧米の代理戦争と呼ぶのはクレムリン・プロパガンダだと考えられてきた。今では「まあ、これは明らかに代理戦争なのだから、我々は代理軍にもっと武器を与える必要がある、当然だ!」という言い方になっている。



 英雄とは悪者を倒す欧米の兵士や警官のことだと我々は教えられるが、欧米諸国のジャーナリストがプロパガンダをする一方、本当の英雄は欧米諸国政府に支援される大量虐殺残虐行為について真実を伝えるために全てを危険にさらしているパレスチナ人ジャーナリストだ。



 私はオーストラリア政府に子どものソーシャルメディア利用を禁止してもらいたいのではなく、オーストラリア政府には、イスラエルの大量虐殺残虐行為支援をやめ、ワシントンと中国との戦争に備えて、この国を巨大米軍基地に変えるのをやめてもらいたいのだ。



 ホームレスの人々を強制的に移動させることは違法とするべきだ。裕福な地域が野宿するのに最高の場所なら、ホームレスの原因になっている根本的問題が解決されるまで、裕福な人々は自分たちが暮らすディストピアを毎日思い出すことになるはずなのだ。人々を安心させるため、そのようなことを隠すことは許されるべきではない。

 ホームレスを犯罪人扱いし、強制的に移動移住させるために制定された全ての法律は、プロパガンダやインターネット検閲や、パレスチナ人ジャーナリスト殺害と同様、我々が暮らすディストピアが虐待や矛盾を大衆の目から隠すための一つの方法にすぎない。彼らは、戦争や大量虐殺が人々の目に触れずに忘れ去られるのと同様、ホームレスを人々の目に触れずに忘れ去らせたいのだ。

 彼らはただホームレスに「消え去って」ほしいだけだ。なぜなら彼らが支配する権力構造を覆さなければ、ホームレスの原因となる不正や不平等を正すことはできないためだ。彼らは社会における貧困や不正の兆候が全て、彼らの戦争のように、広大な海の向こう側に隠されればよいと願っているのだ。

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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2024/12/01/they-lied-about-gaza-and-theyre-lying-about-syria/

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 この記事、December 2, 2024のStrategic Culture Foundationでも紹介されている。

 Judging Freedom シリアでの過激派攻撃の背景をラリー・ションソンが解説。   
Larry Johnson : Who’s Fighting in Syria? 26:57
 儲け話に目がくらみ、イスラエル、アメリカ、イギリスにつきロシアと対決を決めたエルドアンは痛い目にあうとラリー・ションソン。エルドアンは、世界最悪の卑劣な国家指導者。バイデンさえまともに見えると酷評。ロシアとの決別は決定的。

 今朝の孫崎享氏のメルマガ題名
隣国でいがみ合ってよいことはない。「日中世論調査 中国側“日本に良くない印象” 24ポイント増えて87%に。日本側では対中国印象「良くない」「どちらかといえば良くない」去年比3ポイント減り、89%」(NHK)
 東京新聞 朝刊 国際・総合面 て虚報を見た。
シリア 反体制派に空爆強化。
政府軍とロシア 市民含め死者440に超
反体制派が大都市アレッポの大半を掌握したとシリア人権監視団(英国)が明らかにした。
 この反体制派なるもの、ラリー・ジョンソン氏も語っている通り、ISISが大本の虐殺を業とするイスラム過激派狂信者集団。
シリア人権監視団(英国)(Syrian Observatory for Human Rights ; SOHR)Wikipediaを見ても正体不明。ロンドンの洋服屋?参照するに値しない実態皆無の怪しい組織。

2024年11月22日 (金)

本物のイスラエル



 ガザで起きている容赦ない悪夢から生まれた数少ない良いことの一つは、ようやく欧米諸国がイスラエルをはっきり見られるようになったことだ。本物のイスラエルを。

ケイトリン・ジョンストン
2024年11月21日

 この英語記事の朗読を聞く(朗読:ティム・フォーリー)

 ガザで起きている容赦ない悪夢から生まれた数少ない良いことの一つは、ようやく欧米諸国がイスラエルをはっきり見られるようになったことだ。本物のイスラエルを。

 学校で教わるイスラエルではない。ナチスの手で、ユダヤ人が被害を受けた後、安全な避難所を与えられ、ユダヤ人を滅ぼそうとする野蛮な敵の海に存在しながら、繁栄する社会を築けた「中東唯一の民主主義国」ではないものを。

 あのイスラエルではない。本物だ。建国以来、国の存在が絶え間ない暴力、窃盗、暴政、虐待に依存してきた、おそらく世界で最も人種差別的な社会だ。

 本物のイスラエルは、単に民族が違うというだけの理由で、政府が、何万人ものパレスチナ民間人を故意に計画的に飢え死にさせている。

 本物のイスラエルは、パレスチナ人の子どもの頭を狙撃兵が日常的に銃撃して殺す国だ。

 本物のイスラエル軍は非常に残酷で、ハマス戦闘員と疑われる人物が家族と家にいる時に特に標的とするAIシステムを作成し、子どもと家にいる父親を殺すためにAIが「パパはどこ?」と呼ぶのだ

 本物のイスラエル兵連中は、亡くなったり避難したりしたパレスチナ人女性の下着を着て嘲笑したり、亡くなったか避難したパレスチナ人の子どもの玩具で遊んだりする映像を投稿するのをやめられない。

 本物のイスラエルでは、パレスチナ人医師がレイプされたり、拷問されたりしてで死亡する

 本物のイスラエルでは、知人による強姦や配偶者による強姦は実際の犯罪だとは大多数の男性が考えておらず、またパレスチナ人捕虜を強姦し、重傷を負わせるほど拷問したとして告発された兵士が刑事訴追を受けるべきだと大多数の男性が考えていない

 本物のイスラエルは、民間人で一杯の建物を頻繁に爆撃し、更に狙撃ドローンを使って子どもを含め生存者を狙い撃ちする。  本物のイスラエルは、民間人を誘い出して殺すために、赤ん坊の泣き声や女性の叫び声を再生するドローンを飛ばしている。  本物のイスラエルは、何百もの標的攻撃でガザ医療施設の94%を損傷または破壊した。

 本物のイスラエルは、医療従事者を軍が計画的に標的にしており、ガザの医師や看護師は暗殺を避けるため病院を出る時には制服を着替えると伝えられている。

 本物のイスラエルは、真実を憎むあまり、ガザ地区で歴史的な人数のジャーナリストを殺害し、ガザ地区への外国人ジャーナリスト立ち入りを阻止している

 本物のイスラエルは、人道支援活動家の拠点を意図的に攻撃してきた

 本物のイスラエルは、ガザ地区の荒廃を愉しんで目撃するために国民が遊覧船ツアーに参加するほど歪み、ひねくれている。

 本物のイスラエルでは、国民はガザの飢えた民間人のもとに援助トラックが到着するのを阻止するために封鎖し、一方でバーベキューを楽しみ、子どものためトランポリンや綿菓子製造機を設置している。

 本物のイスラエルでは、TikTokのインフルエンサー連中がガザ民間人の苦しみを嘲笑する傾向を広め始めている

 本物のイスラエルでは、国民は外国旅行し、パレスチナ国旗を引き裂き、ガザには子どもがいないと歌い、その後、人々が反論すると、被害者だと泣き叫ぶ。

 これが栄光に満ちた本物のイスラエルだ。そして、それが見られているのは良いことだ。

 誰もがこの異常で残忍な社会を支持するのをやめ、正常な人間の価値観が、この社会を維持している狂った勢力に勝つべきだと主張し始めるのが早ければ早いほど、この地域に平和が訪れるのも早くなる。そして人類全体がより幸せになるだろう。

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 画像はWikimedia Commons/IDFより。

記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2024/11/21/the-real-israel/

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 Judging Freedom 国際刑事裁判所、戦争犯罪と人道に対する罪の疑いでネタニヤフ、ガラント前国防相の逮捕状発行
 アメリカも共謀で同罪では無いか?とナポリターノ判事。
 ロシア本土攻撃をやめよ!という明確な意思表示だとマグレガー氏。
COL. Douglas Macgregor : Netanyahu Arrest Warrant !!! - PLUS - Russia fires ICBM into #Ukraine !!! 27:40
 箒川兵庫助様から長文を投稿頂いた。トップから見えにくいためリンクを明記させていただく。

2024年11月17日 (日)

ドナルド・トランプはあなたの友人ではない



トランプ支持者はロン・ポール支持者になりすましたジョージ・W・ブッシュ支持者だ。

ケイトリン・ジョンストン
2024年11月8日

 この英語記事の朗読を聞く(朗読:ティム・フォーリー)

 ドナルド・トランプは、今回は状況が違ってトランプが本当に戦争を終わらせ、ディープステート(闇の政府)と戦うという希望をまだ抱いていた場合に備えて、次期政権の国務省を支援すべくイランに対する強硬派ブライアン・フックが選ばれたと報じられている

 読者は、2017年に漏洩した国務省メモに登場した沼の怪物フックのことを覚えておられるかもしれない。そのメモで、人権を敵を弱体化させ同盟を強化するための身勝手的な手段として利用するアメリカ政府政策についてレックス・ティラーソンに彼は説教している。フックの説明によれば、これはアメリカ同盟国が人権侵害をしている場合には無視する一方で、敵国政府の場合には、あらゆる機会に、人権侵害を強調して「負担を課し、圧力をかけ、戦略的に主導権を取り戻す」ためだという。

 「『現実主義者』の見解は、アメリカ同盟国は、実際的かつ原則的な理由から、しつこく迫るのではなく、支援されるべきで、アメリカが道徳的模範となるのは確実だが、他国との外交は、国内慣行そのものではなく、主に外交政策の行動に焦点を当てるべきだ」とフックはメモに記し、「エジプト、サウジアラビア、フィリピンなどのアメリカ同盟諸国の場合、政権がテロ対策を含む様々な重要な理由から良好な関係を強調し、人権に関する困難な矛盾に正直に向き合うのは全く正しい」と述べていた。

 「現実的で成功する外交政策のための有用な指針の一つは、同盟国は敵国とは違い、より良く扱われるべきことだ」とフックは書いている。「我々は海外の敵国を力づけようとしているのではなく、彼らに圧力をかけ、競争し、出し抜くことを目指している。このため、アメリカと中国やロシアや北朝鮮やイランとの関係において、人権を重要な問題として考慮すべきだ。これは、これらの国々の国内慣行に対する道徳的懸念のためだけではない。これら政権に人権侵害問題で迫るのは、代償を課し、圧力をかけ、戦略的に主導権を取り戻す方法でもあるためだ。」

 フックの言葉は、政治の素人ティラーソンに内密に伝えたものだが、破壊の対象とする国々で人権侵害が行われているという主張に対し、欧米帝国の経営者連中が怒りを装う際、何をしているか知るには絶好の機会だった。トランプが最初に挙げた名前の一人がフックだった事実は、大統領再選後の大統領には、更に卑劣で無謀な外交政策しか期待できなことを示唆している。

 私がこのような展開を指摘すると、すぐに「トランプにチャンスを与えろ」、就任前に批判するのはやめろ、という声が聞こえてくる。トランプにチャンスを与える? 彼には4年の任期があったのだ。彼は4年間も大統領だったのだ。トランプは、彼がどんな人間なのか我々に見せつけた。前任者連中と同じ、残忍で戦争好きな帝国の手先だ

 将来の行動を最もよく予測できるのは過去の行動だ。今回は違うと考える理由はない。トランプが外国介入主義を批判するのは、そのような言説が人気があるからで、本気でそう思っているからではない。トランプは今の地位にたどり着くため、シオニスト寡頭政治家や強力なロビー団体や、ここ数年、嫌な共和党大統領を生み出した共和党の支持基盤や寄付者層とほぼ同じ連中と取引してきた。たとえトランプが戦争を終わらせ、体制と戦いたいと思っていたにせよ(しかも、そうしたいという証拠はない)、彼は自分が奉仕すると約束した強力な体制派閥と結んだ合意で既に自分の手を縛っているのだ。

 トランプ支持者は、ジョージ・W・ブッシュ支持者がロン・ポール支持者になりすましているようなものだ。体制に対し意義ある立場を取る反戦活動家を支持しているかのように彼らは振舞っているが、実際は、4年間の長きにわたり、ネオコン政策を展開してきた人物を支持しているのだ。

 彼らがこんなにも迷惑なのは、そこだ。少なくともリベラル派は、現状維持を望んでいることについて多かれ少なかれ正直だ。選挙日に共和党に投票することで、自分たちが何か大きな革命行為に参加したのだという自分の信念を真剣に受け止めてほしいとトランプ支持者は思っている。自分の国が選挙で選ばれていないディープステート(それが実際誰かについては非常に混乱しているが)に支配されていると、彼らは正しく考えているが、投票箱に示される主流候補二人のどちらかに投票すれば、選挙で選ばれていない権力構造を打倒できると誤って信じているのだ。そんな選択肢などあるはずがない。

 正直に言おう。こんなにゲスなことが更に四年も続くのはとても嫌だ。ゴミのような四年、私が批判するトランプの行動は全て実はディープステートに対する見事な47次元チェス戦術だと、このバカどもは私のコメント欄に言ってくる。イラン攻勢を強めたり、ベネズエラでクーデターを起こしたりといったCIAやネオコンの沼の怪物連中の長年の計画をトランプが公然と進めていた時でさえ。私がメディアを批判し、腐敗した権力構造について話しているのを見て、彼らは「おお、彼女は私に似ている!」と言いながら、私に親しみを感じている。だが、なぜ連中のゴミのような共和党の父親像を私が批判し続けるのか彼らは理解できない。そして私は、彼らの英雄が殺人帝国主義の汚物だと説明するのに時間を費やさなければならない。

 そして同時に私は民主党を批判せざるを得なくなる。なぜならトランプが外交政策で強硬姿勢が不十分だと彼らは攻撃するからだ。なぜなら、主流政治やメディアで大統領に向けられる唯一の外交政策批判は、それだからだ。そして、それはトランプ支持者が私が彼らの味方だと思っているという問題に拍車をかけるだけだ。それは民主党が戦争機構を率いている時より、私にとっては遙かに非効率的で率直なやり方だ。それは私が好むやり方ではない。

 簡単に言えば、あなたが、アメリカ大統領を支持しているなら、権力と戦っているわけではない。あなたは権力を崇拝するおべっか使いで、恥ずかしい思いをするべきだ。

 大統領はあなたの友人ではない。あなたが正しく反対する必要があると感じている好戦的権力構造に、アメリカ大統領は常に従う。あなたの国を支配する金権政治家や帝国経営者は、あなたが投票で彼らを権力から追放するのを決して許さない。

 この記事がお役に立てれば幸いだ。

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 画像は統合参謀本部議長より(CC BY 2.0)

記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2024/11/08/donald-trump-is-not-your-friend/

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 2023年8月24日に公開した同じケイトリン・ジョンストン記事にも、このブライアン・フックと、レックス・ティラーソン国務長官のエピソードが書かれている。
国務長官という肩書きを偽善長官に変えよう
 スコット・リッター最新記事は司法長官に指名され話題の「マット・ゲイツ」
Why Matt Gaetz Matters
Scott Ritter
Nov 17, 2024
President-elect Donald Trump has nominated Matt Gaetz to be the next Attorney General of the United States. Many Americans are appalled and offended by this choice. I find it one of the best nominations made by Trump. Let me tell you why. And please take note—it is personal.
 今朝の孫崎享氏メルマガは講演会の案内。
「アメリカ大統領選挙と分断する社会」17日(日)13時半、全国家電会館、私の発言①ウクライナ終結の方向へ、②中東、紛争継続、③中国周辺緊迫、指名で最も注目はケネディ、駆除剤、殺虫剤と遺伝子組み換え生物の禁止、ワクチン承認見直しなど。日米関係はぎくしゃく。

2024年11月16日 (土)

既に戦争狂で一杯のトランプ政権



 これは、今度こそ自分たちの候補者が本当に戦争を終わらせて、泥沼を一掃してくれるだろうという世界中のトランプ支持者の希望を粉砕するはずだ。

ケイトリン・ジョンストン
2024年11月12日

 この英語記事の朗読を聞く(朗読:ティム・フォーリー)

 ドナルド・トランプ大統領は、共和党下院議員マイク・ウォルツを次期国家安全保障問題担当補佐官に指名した。この職位は、前トランプ政権では超強硬派のジョン・ボルトンが務めていた。

 ボルトン同様、ウォルツも好戦的変人だ。ジャーナリストのマイケル・トレイシーは、この発表以来、ウォルツの異常なタカ派ぶりをツイッターで列挙し続けている。ウクライナがアメリカ兵器を使ってロシア領奥深く攻撃する承認や、ウクライナ問題でバイデンが十分積極的にエスカレートしていないという批判や、イラン爆撃の主張や、アフガニスタンからの米軍撤退反対や、イラン、北朝鮮、中国、ロシア、ベネズエラをアメリカに対する世界紛争への「進軍」と呼んだりしたことだ。主流メディアはウォルツを「中国タカ派」と呼んでいるが、様々な点から判断すれば、彼はアメリカの公式敵国全てに対して好戦的なタカ派だ。

 また、共和党下院議員エリース・ステファニックを国連大使に就任させるとトランプ大統領は確認した。この役職は、前政権下では戦争屋ニッキー・ヘイリーが務めていた。ここでも、古いタカ派と新しいタカ派の間に大きな違いはなさそうだ。

 憲法修正第1条の権利の重要性をトランプが口先で主張するのを無視して、大学キャンパスでの言論の自由を抑圧しようと議会で動いたことでステファニクは良く知られている。反戦活動家デイブ・デキャンプが説明する通り、彼女はワシントンで最も忌まわしいネオコン系シンクタンクで政治経験を積んだタカ派の沼の怪物で、イスラエルに対するアメリカ軍事支援にいかなる制限を設けることにも反対している。今年初め、ステファニクは実際イスラエルに飛び、イスラエル国会で演説し、アメリカの大学でイスラエルの大量虐殺行為に抗議する人々の「反ユダヤ主義」を止めるのに協力すると誓っていた。

 そして今、狂気の戦争狂マルコ・ルビオがトランプ大統領の新国務長官に任命されたという報道があらゆる マスコミを通じて流れている。あらゆる機会を利用して更なる戦争や制裁や虐殺の推進に政治経歴の全てを費やしてきたこの戦争狂以上に、ワシントンの最高外交官の役割にふさわしくない人物を想像するのは実際困難だ。

 これは、今度こそトランプが本当に戦争を終わらせ、泥沼を一掃してくれるだろうという世界中のトランプ支持者の希望を粉砕するはずだ。次期政権の国務省スタッフにイラン強硬派のブライアン・フックをトランプが任命したことや、国防長官にマイク・ロジャースを検討しているという噂も同様に悪い兆だ。中国強硬派エルブリッジ・コルビーが政権内で役割を果たす可能性が高いとタッカー・カールソンが主張しているのも同様だ。

 先日、マイク・ポンペオとニッキー・ヘイリーは次期政権に入れないとトランプが突然発表した際、トランプの反介入主義支持者たちは大声で拍手喝采した。この発表に対して、ポンペオを止めるだけでは不十分で「全てのネオコンと戦争タカ派をトランプ政権から締め出すために最大限の圧力をかける必要がある」とリバタリアン・コメディアンでポッドキャスターのデイブ・スミスがツイッターで述べた。スミスの投稿に対し、ドナルド・トランプ・ジュニアが「賛成!!! やります」とツイートした

 これを見た時、私は下記のようにツイートした。  
「彼らの言葉は無視し、行動を見て頂きたい。何年も私は言い続けてきたし、これからも言い続けるつもりだ。彼らの言葉は無視し、行動を見て頂きたい。よく言われる通り、言うは易しだ。」
 今のところ、彼らの行動は、彼らの言葉より多くのことを我々に伝えている。

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 画像はGage Skidmoreより(CC BY-SA 2.0)

記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2024/11/12/the-incoming-trump-administration-is-already-filling-up-with-war-sluts/

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 Sabby Sabs テヘラン大学教授インタビュー
Israel's Regime Is FINISHED w/Seyed Mohammad Marandi (Interview) 1:01:58
  Gerald Celente 平和を語り、戦争を推進するトランプ閣僚を品定め
TRUMP ADVOCATING FOR PEACE, CABINET PICKS ADVOCATE WAR 24:08

2024年11月 8日 (金)

そうだ、そうだ、UNRWAはハマスだ。イスラエルが嫌っているものは皆ハマスだ。



ガザへの人道支援で極めて重要な機関であるUNRWAをイスラエル国会が禁止したが、これは「UNRWAはハマスに等しい」ためだと法案の立案者は述べている。

ケイトリン・ジョンストン
2024年10月30日

 物語のマトリックスの端からのメモ

 この英語記事の朗読を聞く(朗読:ティム・フォーリー)。



 ガザへの人道支援で極めて重要な機関であるUNRWAをイスラエル国会が禁止したが、これは「UNRWAはハマスに等しい」ためだと法案の立案者は述べている。

 この大量虐殺は、他のあらゆることに加え、我々の諜報活動に対する甚大な侮辱となっている。UNRWAはハマスだ。病院もハマスだ。ジャーナリストもハマスだ。民間インフラもハマスだ。救急車、学校、モスクもハマスだ。女性や赤ん坊は厳密にはハマスでないかもしれないが、ハマスは確実に彼女たちの後ろに隠れ、人間の盾として利用している。

 自明の愚かなことを信じるよう我々は要求されており、信じなければ、ナチスのユダヤ人嫌いだと言われる。我が国政府と同盟している外国の情報権益を促進するために、頭の空っぽな愚か者になるよう我々は要求されているのだ。愚かさは愛国心の表れだとみなされる。騙されやすさは、反ユダヤ主義否定の表れとみなされる。この道徳的に破綻した邪悪な文明において、最も高潔なのは徹底的な愚か者になることだ。



 イスラエルのガザでの行動をバイデン政権がいかに「懸念」しているかに関するニュース記事に見せかけたホワイトハウス報道発表を、またしてもAxiosとイスラエル情報機関部内者のバラク・ラビドが書いた。

 「月曜日、イスラエル国会で可決された2つの法案が、既に深刻なガザの人道危機を悪化させ、東エルサレムとヨルダン川西岸のパレスチナ人に危害を加えることをバイデン政権は『深く懸念している』」とラビッドは書いている

 ああ、やばい、イスラエルがガザで悪いことをしているとバイデン政権は深く懸念しているんだ! 君たちは今困った状況だぞ、ビビ!

 言った通りだ。我々の知性に対する絶え間ない侮辱だ。



 パネリスト仲間のメフディ・ハサンがパレスチナ人を支持すると発言した後、パネリストのライアン・ガーダスキーが「君のポケベルが鳴らないことを願うよ」と言ったことについてCNNは謝罪した。、数週間にわたり「フレー、フレー、おまえたちは爆発ポケベルで殺されるべきだ」という冗談をイスラエル支持者がイスラエル批判者に対して飛ばしてきたが、興奮のあまり、ガーダスキーは自分がどこにいるのか忘れてしまったようだ。

 CNNは「我々のパネリストがイギリスのイスラム教徒ジャーナリストを爆発するポケベルで殺害すると冗談を言ったことに、放送局は衝撃を受け、憤慨している。そのような言葉は、中東に暮らすイスラム教徒に向けた場合のみ適切だ」とコメントした。



 欧米帝国の規則によれば、生涯にわたり虐待してきた占領軍と戦いたいなら、あなたは宗教的過激派だが、聖書の予言を成就するために中東を絨毯爆撃したいなら、あなたは宗教的過激派ではないのだ。



 「ロシアがアメリカの選挙に干渉している」という主張をMSNBCのレイチェル・マドーが再び推進しているので、カマラが負けたら、また何を聞くことになるか分かっている。誰が勝っても選はが不正だったと反対派が怒りの叫び声を上げるのは予想できる。

 アメリカ大統領選は明らかに寡頭政治家が支配するシオニスト戦争売春婦二人の争いだが、来週の結果発表後も、国民の半分は「なんてことだ、選挙干渉だ!選挙は不正だ!」と叫ぶだろう。

 はじめから不正だったのだ、バカども。選挙戦が始まる前から不正だった。後は単なる物語に過ぎない。



 ここ数ヶ月、従順にガザについて語るのをやめたアメリカ人進歩主義者連中が、選挙が終わったら、またその話題を取り上げるのを忘れないでほしいと心から願っている。



 あらかじめ言っておくが、大量虐殺を続けるよう宣伝活動をしておいて、負けたら他人のせいにすることなどできない。そんなことはあり得ない。



 「ガザに対して、トランプはもっと酷いだろう」というのは実に不誠実な主張だ。これは全く反証不能で、いずれにせよ、ガザでの虐待は悪化し続けるのだから、選挙後も検証できない。そしてイスラエルの残虐行為を、現政権が既に行っている以上に彼が助長する証明だという主張は、トランプの非常に曖昧な発言に基づいているに過ぎない。これは、証拠となる事実に全く根拠がない、中身皆無の戯言だ。

 いくつかの国内政策や環境面で、トランプよりハリスのほうが多少ましなはずだという様々な主張があるが、既にガザで大量虐殺を行っている政権より、トランプが酷いなどとは全く主張できない。彼はハリスより酷いかもしれないし、よりましかもしれないし、あるいは全く同じかもしれない。それを知る術はない。各大統領候補が勝ったら、一体どうしたかを比較するために、別の現実を観察できないこの宇宙で、知る術はない。それは全く答えの出ない質問で、人々は答えを知っているふりをしているだけだ。

 大統領時代に、イランと戦争を始めなかったかどでと、ハリスと民主党はトランプを繰り返し攻撃している。トランプがイラン爆撃を拒否して、ジョン・ボルトンを悲しませたと彼女は批判した。トランプ発言と比べて、それが、いかに親イスラエル的でないと言えるだろうか?

 生殖の権利などに関してはハリスの方が良いとあなたが主張したいなら、ご自由に。だがガザに関して、私の足に小便をかけておいて、雨が降っているなどと言うのはやめなさい。

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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2024/10/30/yeah-yeah-unrwa-is-hamas-everyone-israel-hates-is-hamas/

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  『耕助のブログ』の下記翻訳記事で、バラク・ラビドについて詳しく書かれている。
No. 2315 アメリカのニュースをイスラエル人が書いていることが発覚
 トランプのウクライナ停戦案に関するRachel Blevis最新記事は手厳しい。

 The Chris Hedges Report
The World According to Trump (w/ Col. Lawrence Wilkerson) | The Chris Hedges Report 53:34
Chris Hedges
Nov 08, 2024
 今朝の孫崎享氏メルマガは英文。
A time for patience  By UKERU MAGOSAKI |China Daily As US dominance comes to an end, it intends to create tensions in Asia, using Japan, the Taiwan island or the Philippines as pawns, but non-G7 countries must treat it carefully
 東京新聞朝刊一面で福島デブリ回収記事を読んだ。
回収したデブリは直径5ミリほどの小石状で3グラム以下とみられる。
 デブリ総量は880トンと言われる。毎日3グラム取り出すと全部取り出すのに33万年かかる。
しかも、取り出したデブリの保管場所も不明だ。
チェルノブイリ同様の石棺以外、対策はないだろうに。

2024年11月 6日 (水)

大量虐殺の「多すぎる証拠」



イスラエルに対する進行中の大量虐殺訴訟の一環として、南アフリカ弁護団がいわゆる「否定できない証拠」を含む数百の文書を提出しており、「我々が抱える問題は証拠が多すぎることだ」とハーグ駐在南アフリカ代表がアルジャジーラに語った

ケイトリン・ジョンストン
2024年11月1日

 この英語記事の朗読を聞く(朗読:ティム・フォーリー)

 イスラエルに対する進行中の大量虐殺訴訟の一環として、いわゆる「否定できない証拠」を含む数百の文書を南アフリカ弁護団は、提出しており、「我々が抱える問題は、証拠が多すぎることだ」とハーグ駐在南アフリカ代表はアルジャジーラに語った。

 暴力による民族浄化でパレスチナ領土を奪取するいわゆる「将軍計画」の一環として、ガザ北部から追放したパレスチナ人の帰還を、イスラエル国防軍兵士らが積極的に阻止しているとイスラエルの新聞ハアレツが報じている

 ハアレツ紙は、欧米メディアよりもイスラエルの行動を遙かに批判してきた。最近同紙は「民族浄化のように見えるなら、それはおそらくそうだ」と題する社説を発表した。イスラエル政府によるアパルトヘイト濫用とパレスチナ国家への反対を理由とする国際的制裁を現在ハアレツ紙の発行人アモス・ショッケンが公然と主張しており、ネタニヤフ政権の激しい反応を引き起こしている。

 先週、複数のイスラエル政府関係者が出席した「ガザ再定住準備会議」と呼ばれる二日間の集会があった。これはまさにその名の通りイスラエル要人が集まり、パレスチナ人をガザ地区から追い出し、領土をユダヤ人入植地に換える議題を話し合う会議だった。

 イスラエルの大量虐殺攻撃が始まって以来、ガザ地区への人道支援は最低レベルに落ち込んだと報じられている。10月1日から22日までの間にガザ地区に入ったのはトラック数百台分に過ぎず、北部には何も届かなかった。国連人道問題担当事務次長が「北ガザ地区の住民全員が死亡の危険にさらされている」と最近警告したが、この警告は同国支配地域全体でUNRWA支援を遮断することをイスラエル国会が決議する直前に出された。

 ワシントンポストの最新報道によれば、アメリカが供給する兵器がガザ地区の民間人を不必要に殺害し傷つけるために使用されているという何百もの報告に圧倒されるが、アメリカ国務省は自らの規則に違反して、その一件についても何の措置も講じていない。ワシントンポストの情報源の一人によれば、これら報道の調査は、イスラエル政府に言い分を尋ねる「検証」段階で行き詰まる傾向があるという。

 火曜日、イスラエル軍は数百人の民間人が眠っていたアパートを爆破し、一回の虐殺でパレスチナ人109人を殺害したと報じられている。この中には数十人の子どもも含まれている。

 先週日曜一日で、イスラエル国防軍はジャーナリスト5人を殺害し、イスラエルの大量虐殺攻撃で殺害されたジャーナリスト総数は少なくとも180人となった。これは秘密のハマス戦闘員だとイスラエルが主張するアルジャジーラ・ジャーナリスト6人の殺害リストを発表した直後の出来事だが、殺害された5人にアルジャジーラ記者は含まれていなかった。

 しかも、これはガザだけでだ。レバノンへの攻撃でイスラエルは既に約164人の医療従事者を殺害しており、ネタニヤフ政権は停戦交渉を妨害し、イスラエル戦闘機のレバノン領空進入許可やら、南レバノンでイスラエル軍が軍事作戦を行い、停戦協定の警備を行うことを許可するなど、ばかばかしい実現不可能な要求を持ち出している。

 中東では、イスラエルと、その虐待を可能にしている強力な欧米諸国が行う醜いニュースが毎日益々増えている。状況を把握するのは益々困難になりつつある。本当に「証拠が多すぎて」追いつけないのだ。

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画像はAdobe Stockより。

記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2024/11/01/too-much-evidence-of-genocide/

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 例によって、郵送投票数などを悪用し、ハリス勝利にもちこむだろう。
宗主国は民主主義を騙る独裁国家。

 大統領選挙を前に語る二人。

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