欧米の言説に異議を唱える議論を精査しなければ問題は理解できない
2021年12月27日
ケイトリン・ジョンストン
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最近、帝国に標的に定められた政府に関する欧米の政治/メディア支配層による主張に私があえて異論を唱えると、人々が衝撃と憤慨で反応するので、彼らに、その問題を巡る、どんな反対意見を読んだのか尋ね始めた。その政府に関する公式欧米言説に反対するどんな記事を彼らは読んでいるのだろう?
それはアメリカに中央集権化した帝国が好まない、どんな政府に関する、争点となっている欧米の言説にも適用できる疑問だ。ロシアは積極的な挑発をしている。アサドは化学兵器を使っている。新彊では大量虐殺が行われている。イランは核兵器を開発している。マドゥロは意図的に自国民を飢えさせている。何であれ、公式の悪人に関する、今日のお薦め公式帝国言説だ。
私がこの作業で興味深く思ったのは、私が質問をした人々は彼らが発言している問題で、対立する意見は全く検討していないだろうというのは想像通りだったが、彼らがそれを認める厚かましさを私は予想できなかった。実にしばしば、彼らはすぐさま、それらを読んだふりも、それらを探すどんな努力もせず、そのような反論が存在するという、まさにその考えに不信感を表現するのだ。
彼らがこれをすると、我々が議論しているどんな問題に対しても反論のリンクを彼らに示す前にさえ、彼らはすでに議論で負けているのだ。彼らは既に欧米の言説が実際真実かどうか本当に調査をせず、それを真実だと鵜呑みにしているのを認めているのだ。彼らは誰かが彼らにそれを信じるよう言ったために、言われたことを信じているのだ。人々がイラク戦争に至るまでの間にしたのと全く同様に、帝国に標的に定められた政府に関する帝国の言説を彼らは催吐反射皆無で鵜呑みにしているのだ。
その時点で、少なくとも議論中の話題に関するかぎり、彼らがどんなTVニュースの平均的視聴者同様無知なことははっきりしている。なぜなら彼らはTVニュース言説に反する議論や証拠を探し、再検討する努力をしなかったから。
帝国に目標を定められた政府への欧米による批判に対して常に反論がある。それらはあなたが、あなたが議院の言葉を繰り返せと自己強化型の反響室から、あえて踏み出して冒険する気持ちがある限りは、そうしたものを捜そうと決めた途端見つけるのは困難でなくなる。そうしたものは常に素晴らしい議論とは限らない。それらは帝国に標的に定められた問題になっている政府を常に完全に無辜に見えるようにするわけではない。そして、そうした議論は、一般にニューヨーク・タイムズやウォール・ストリート・ジャーナルや、首尾一貫して欧米帝国主義者言説を擁護し、推進する他のあらゆる欧米メディアでは見いだせるまい。だがそういう議論は存在しており、そうした主張や証拠を再検討し、そうしたものに十分配慮しない限り、議論の話題について何でも知っているふりをする立場にはないのだ。
この同じ原則は、同様「陰謀理論」の賛成派にも反対派にもあてはまる。ある理論に関する賛成と反対の証拠と理論を検討しなければ、ざっと見ただけでも自明のばかばかしいものでない限り、どちらかの側で確信ある立場をとるのは愚かだろう。これはCovid-19に対して実行された措置や実行される可能性があるものへの賛成や反対の議論にも当てはまる。
徹底的に反対の立場を研究しなければ、自分自身のものも理解できない。公式の言説に賛成であれ、反対であれ、これは本当だ。特定の傾向の人々は、しばしば、主流言説に偏見をもって、主流言説の方が証拠がより揃っている場合でさえ、主流言説に反対する彼らの偏見を裏付ける議論を選択する。それは、よしあし両面の効果がある。
ある問題に関し、自分のイデオロギー的嗜好と世界観に合う見解を選択するのは非常に容易だ。心から、あることが本当かどうか、あるいはことの真相が欧米ニュース・メディアの話評論家連中が、そう思わせているよりずっと不確実なのかどうか判断するのに全力を傾けるのは遙かに困難だ。だがそれが、このような問題に対し、正当な位置を持てる唯一の方法だ。
これは普及した常識的理解であるべきなのに、そうでないのは皆にとっての損失だ。
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