中国が脅かしているのは、アメリカ合州国ではなく、アメリカ帝国だ。物語体のマトリックスの端からのメモ
2022年8月15日
ケイトリン・ジョンストン
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実に多くの帝国擁護者連中の主張は、アメリカ帝国が存在しないふりをすることに依存している。アメリカ合州国は他人に干渉せず、自分の職分を守ってじっとしている普通の国に過ぎないふりをしている。もし皆様が、そうしておられれば、実際、全く理由もなしに、ロシアと中国がウクライナと台湾をいじめているように見えてくる。
もし皆様が、アメリカが地球全体に権力を投射している帝国の中枢ではないかのように振る舞うなら、アメリカが全ての主要国際紛争に一枚噛んでいる事実は覆い隠され、邪悪な野蛮な外国人たちが、もっともな理由なしに、邪悪なことをしているように見える。帝国を考慮しなければ、アサドは欧米が支援する政権転覆代理戦争に反撃しているのでなく、人々を殺すのが好きなので、自国民を殺していることになる。中国はアメリカによる包囲に反撃しているのではなく、中国が邪悪なので、近隣諸国に攻撃的なだけなのだ。
アメリカを巡って緩やかに中央集権化した地球規模の権力構造は、昔の帝国のように広く認められてはいない非公式帝国なので、擁護者連中は、マフィアに雇われた悪徳弁護士のように、存在しないと強く主張するだけだ。そうすることで、連中は他の人々に帝国犯罪の責任をなすりつけられる。
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Unfuckingbelievable. https://t.co/6YmK6ehFVK
— Caitlin Johnstone (@caitoz) August 14, 2022
2022年にも、挑発は問題でないふりをめぐって膨大な帝国擁護が構築されている。我々がそうと知り理解して我々の全生涯を送る、この概念が、突然モスクワと北京の異常な、ばかばかしい発明ということになる。
何か悪いことをするように私が誰かを挑発すれば、彼らは良くないことをした罪があるが、私にも彼らを挑発した罪がある。これは卑劣あるいは巧妙な悪党がでる、あらゆる映画やショーの筋書きだ。それはシェークスピア演劇全ての主題だ。私はここで新しいことは何も言っていない。この概念は、たった今発明されたわけではない1
我々の大半は、子供時代に、兄弟姉妹が相手をテーブルの下で蹴ったり、大声で泣きわめいたりして、これを学ぶ、我々は以来それを理解している。だが2022年、皆がこの極めて基本的な幼稚園レベルの概念を何らかの奇異な外国のたわ言のふりをしている。
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中国はアメリカ合州国に対する脅威ではない。アメリカ帝国と、その一極覇権野望にとって中国が脅威なのだ。中国が第一の「脅威」だと様々な行政機関が説明する時はそうだ。
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それらの地域で戦略的支配を確立するアメリカ帝国の取り組みについて語らずに、中国と近隣諸国隣の領土問題について話をするのは、ウソをつくのと同じだ。
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普通の人:中国の悪事は、欧米プロパガンダによって大いに誇張されており、アメリカは定量的に、遙かに殺人的で破壊的だ。
頭がおかしい人:おお。するとあなたは中国が完ぺきな共産主義ユートピアで、中国共産党は決して悪いことをしないと考えているのだな?? あちらに引っ越せばいいだろう??
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CBS: Here's an investigative report on how only 30% of the weapons we're sending to Ukraine are getting to the frontline!
— Caitlin Johnstone (@caitoz) August 9, 2022
Ukrainian government: No. Take it down.
CBS: Okay sorry.
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アメリカ政府がマルクス主義者に乗っ取られたふりをするのは「ポピュリスト右翼」に彼らが共産主義について金切り声を上げると、相手を殴りつけ、戦っているかのように感じさせるが、実際は、連中は、中国に対し長く続いているネオコンの狙いや、西欧の社会主義者に対し長く続いているCIA/FBIの狙いを推進しているだけなのだ。
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ロシアゲートが最初に始まり、リベラル派が冷戦ゾンビに変わり始めた時は恐ろしかった。洗脳は、人々を醜悪で危険なものに同意させるために使われようとしていたのを皆様おわかりのはずなのだ。中国に対する洗脳は更に一層恐ろしいが、始めったばかりだ。
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もし皆様の政府が外国の戦争の結果に対して明確な興味を示す際、皆様の最初の反応が、皆様の政府が、その戦争を始める上で役割を演じたかどうかに関し、厳しい知的に誠実な調査でなければ、皆様の心は、どこか変だ。
皆様が、そうである場合、気を悪くするには及ばない。大半の人の心には何かおかしいところがある。大半の人々の心の問題は、権力者連中が自分たちに有利なよう、人々を操るため膨大な量のエネルギーを注ぐことだ。これは長年知られており研究されている。
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ウクライナがロシアに対するプロパガンダ戦争に勝つのを支援するのがニュース・メディアと監視組織の仕事だという広く行き渡った主流の考え方が本当にあるのだ。
メディアと監視組織が、真実を話すよう望むことと、連中がウクライナが情報戦争に勝つのを助けるよう望むこと、二つの相互排他的概念であることを人々は本当に分からないのだろうか? いいとこ取りは出来ない。ウソをついて欲しいと願うか、真実を言って欲しいと願うかいずれかだ。
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アメリカ人は地球上最も洗脳された国民で、アメリカ軍人は最も洗脳されたアメリカ人だ。
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リベラル派は、迫り来るファシズムの脅威について叫んで、トランプ政権を過ごし、結局いまいましい防諜法応援で終わった。
Rand Paul is now calling to repeal the Espionage Act after the world learned Donald Trump is under investigation for violating it.
— Charles Booker (@Booker4KY) August 14, 2022
When I am elected to the Senate, you will never have to question my loyalty to our country.
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しばらくすると、党派的な理由で健全な狙いを支持する人々は、本当に健全な狙いを支持していないことに気づき始める。民主党員はイラク戦争に本当に反対せず、彼らはブッシュに反対しただけだ。共和党員は本当にFBIに抵抗せず、トランプを支援するだけだ。
政治的に都合が良いから、何かに反対するだけなら、それが政治的に都合が良くなくなると、すぐに反対するのをやめるだろう。ブッシュ時代以来の全ての「反戦民主党員」は、オバマの戦争挑発には反対皆無で、バイデンの戦争挑発を完全に支持している。私が主流共和党員が、CIAな何であれ、懐疑を表現するのを見るたびに、期待したものだが、CIAが気に入らない政府を標的に定めた時、彼らがマイク・ポンペオに声援するのを見て、その懐疑心が完全に消滅するのに気が付いた。それはエセのたわごとだ。
単なる党派的行動から生ずる一見健全に見える意見を利用する試みより、それが根を下ろせるよう、存在している健全な考えを植えつけようと努力するほうが、ずっと役立つことに私は気が付いた。党派的なら偽物だ。政治的な有用性を越えれば一分と続くまい。
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人が、それで金もうけできるもの:
- 戦争
- 環境破壊
- 病気
- 有限な商品
人が、それで金もうけできないもの:
- 平和
- 繁栄する生物圏
- 健康
- 人が支配できないエネルギー源
物事を評価するために我々が金を使っている間は、我々は決して自由ではないだろう。
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13:00にIWJの購読者向け号外を受け取った。下記が題名。
【号外】中南米諸国を、麻薬密売と投資行動で食い物にしてきた! 米国の、ロバート・パリー氏による旧統一教会の最暗部追及の報道シリーズ第1回(後編) 文鮮明のダーク・サイド! 麻薬と文鮮明の関係を追及!
これから拝読する。つくづくとんでもない組織だが、故人の祖父岸信介が満州でアヘン密売で儲けたという話を思い出す。
魚住昭氏による下記記事がある。
2016.07.32
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