戦争プロパガンダが始まるまでは全員反戦
2022年4月27日
ケイトリン・ジョンストン
❖
戦争プロパガンダが始まるまでは全員反戦だ。誰も自分を主戦論者とは思わないが、情報操作機構マシンが起動すると、皆がそうと気づく前に、人々は、とうとうと語るようプログラムされたスローガンをまくしたて、振るようにプログラムされた旗を振り、帝国の戦争マシンがその時点で欲するもの何にでも同意する。
聞かれれば事実上全員が平和が好きで、戦争を憎むと言うだろう。戦争は世界最悪のことで、健全な人はそういう考えを楽しまない。だがいよいよ肝心な戦争に反対して、平和を要求する時になると、以前「反戦」だと主張していた人々は、政府が意図的に挑発した代理戦争に、より多くの兵器を注ぎこむよう絶叫する側にいるのだ。
これは反戦であり続ける理論が、現実と非常に異なっているためだ。理論上、もっともな理由なしで他人を吹き飛ばす考えに、人々は反対だ。現実には、なぜそれらの人々を吹き飛ばす必要があるかについて、実にもっともな理由に見えるものを人々に与える極めて集中的なメディア・メッセージで、人々は常に激しく攻撃されている。
本当に反戦であり続けるのは容易ではない。それは人々が想像力で描くものには似ていない。洗脳にやられた人々から金切り声で言われながら、操作し混乱させるべく設計された情報の大洪水で粉々に粉砕されるようなものだ。それは格好良くない。それは楽しくない。それは彼らが自身の平和を求める姿を見る時に、人々が直感した良い気持ちにさせてくれたフラワー・パワー時代とは違う。今までに存在した最も洗練されたプロパガンダ機関に立ち向かいながら、そうしないようにする、あらゆる理由を提供されるのだ。
人々が自身を「反戦」と考える時、彼らは通常、次のイラク戦争反対や、あるいは人々を殺すことが好きで、戦争を始める誰か理論的なヒトラーのような大統領への反対を想像しているが、それは実際の反戦行動の現実を描写していない。
戦争を大衆に売りこむのは、あらゆる戦争戦略に内蔵された要素で、常に主流の見地からは、戦争は必要に見え、我々が今振り返って、間違いだったとを知っている他の戦争のように見えないはずだ。それは常に魅力的に見えるよう意図されている。残虐行為プロパガンダのようには決して見えない。この軍事介入は特別で、完全に必要だという以外の理由が皆様に売り込まれることは決してない。現代の戦争は、そういう風にパッケージされ、提示されるので、ありとあらゆる場合、そうなのだ。
これが最近のアメリカ戦争プロジェクトを常に多くの自称左派や反帝国主義者が声援するのを皆様が見ている理由だ。彼らは、理論上、イデオロギー的に戦争の考えに反対だが、それが実際現れる姿は、常に彼らが描写したものと異なっているのだ。
我々の文明社会全体は国内プロパガンダによって形成されるが、皆様が主流言説においてその単語を聞く唯一の機会は、ロシア・プロパガンダの我々の社会に対する、ほとんど実在しない影響力を論じるために使われる時だ。ロシア・プロパガンダについて鳴らされるあらゆる主流警鐘は、実際は欧米人が消費するプロパガンダ全体の1パーセントの、ほんのわずかでしないのに、プロパガンダ全体のほぼ100パーセントを構成するような印象を与えている。プロパガンダのほとんど全ては欧米の源からのものだ。
プロパガンダは我々の社会において、唯一の最も見過ごされ、過小評価されているものだ。それは我々の公式機構のどれがしていよりも、大衆がどのように考え、行動し、投票するかに対し遙かに大きな影響力を持っているのに、ほとんど論じられず、学校で教えられず、最良の政治的イデオロギーでさえ、彼らの他の焦点領域と比較して、ごく僅かしか、それに触れない。
支配体制の言説管理者の、ロシア・プロパガンダに関する、あらゆるいらだちは、彼らの秘密を漏らす寸前だ。連中が媒体を使って、大衆が考え、行動し、投票する方法を操作するのが可能だと知っていることを。連中は自分たちが、これをしているのを認めないだけだ。
実際、直接我々の心や、我々の暮らし全体に影響を与え、社会全体の組織のされ方に直接影響するものかかあるのに、我々が常にそれについて話をしないというのは世界でも最も奇妙なことだ。それは我々の注意と活動領域の中心にあるべきなのだ。
だが、それは、もちろん全体の趣旨だ。プロパガンダは自分たちがプロパガンダ洗脳されているのを知らない人たちにだけ、うまく機能する。アメリカに中央集権化した帝国のプロパガンダ機関を隠す能力は、その才能の基礎的要素だ。
本当に反戦でいるのは、現在帝国戦争マシンが広めている、あらゆる戦争言説について何が本当かを見いだすだけでなく、幼い時から、世界について吹き込まれた全ての言説について真実を見つけだそうとするこだわりだ。本気で支持する場合、皆様の生活のあらゆる側面に影響する、ほとんど崇高な性質の、真実へのこだわりだ。
世界の新しいこと研究し学ぶのは大切だが、等しく重要ながら、ほとんど十分に強調されていないのが、自分の社会、自分の政府、自分の国や、自分の世界について既に抱いている信念を検討する実践だ。それらが実際に本当なのか、自分がそれを信じたら、一体誰が恩恵を得るかもしれないか調べるのだ。
自分は全てのウソを即座に見やぶるほど十分意識が高く情報通だと想定する間違いを犯してはいけない。皆様は今までに存在した唯一最も高度で強力なプロパガンダ機関に対処しており、皆様は今までその効果で人生を漬け込まれていたのだ。それにはしばらく時間がかかる。我々の中で最も気付いている人々でさえ、彼らの人生早くに、ある程度主流世界観に洗脳され、今日に至るまで彼らが世界について手に入れる情報の大部分が、プロパガンダ・マトリックスに、その根や枝があるのだ。
本当に真実に基づく世界観を形成するのに十分なだけ、はっきりものを見るのは大仕事だ。だが人は自分が理解していないものに巧みに反対できないので、皆様が、これをしない限り、本当の反戦になるのは不可能だ。帝国の戦争マシンと戦うことは、帝国のプロパガンダ機関と戦うことなのだ。
______________________
私の記事は完全に読者の支持によるものなので、本記事を良いと思われたら共有し、Facebook、Twitter、Soundcloudあるいは、YouTubeをフォローするか、Ko-fiやPatreonやPaypalのチップ入れにいくらか投げ銭していただきたい。更に多く読みたいとご希望なら、私の本を購入可能だ。私が発表する記事を読めるようにする最善の方法は、私のウェブサイトか、Substackでメーリングリストを購読することで、そうすれば私が掲載する全てのものについて電子メールで通知が行く。人種差別サイト以外、どなたでも無料で、お好きなあらゆる方法で、この記事のどの部分でも(あるいは私が書いた他のあらゆる記事でも)再配布、使用、翻訳されるのを私は無条件に許可している。私が一体誰で、私がどういう立場で、この場で何をしようとしているのかなどについて、より詳細をお知りになりたい場合には、ここをクリック願いたい。
ビットコイン寄付:1Ac7PCQXoQoLA9Sh8fhAgiU3PHA2EX5Zm2
気に入っていただけただろうか? Patreonで、ケイトリン・ジョンストン支援のために、1秒時間をかけて頂きたい!
ウラジーミル・ヤイツキー画像の大きさを変更(表示 - 継承 2.0 日本 (CC BY-SA 2.0 JP) )。
記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com/2022/04/27/everyones-anti-war-until-the-war-propaganda-starts/
----------
The Jimmy Dore Showで、kleptocracy(泥棒政治)という単語を何度も言いよどむ大統領映像を見た。
認知症がかなり進んでいるのは素人でもわかる。
何度も書く。子供時代、上野動物園に「お猿の電車」があった。行けば必ず乗っていた。当時猿が運転していると思っていた。もちろん、くさりで運転席につながれているだけで、別の場所で人が運転したに決まっている。これだけぼけた人が采配を振るうわけがない。背後のオリガルヒが支配しているのが見え見え。とはいえ発音明瞭・意味不明の属国傀儡連中とて同じこと。宗主国黒幕にあやつられ、ウクライナ全面支援や、敵基地攻撃能力や、憲法破壊を推進しているに決まっている。大本営広報部は共犯。そういう連中に投票する人がいるのが不思議。
もまなく始まる相撲は見る。のど自慢も見る。心旅や犬猫育ても見る。だがニュースはアメリカかインドかロシアものしか見ない。時に間違って属国呆導を見てしまう。この年になって英語聞き取りで苦労するとは全く想像しなかった。高校一年生の時、ただで英語勉強をしようと、米軍放送を半年ほど我慢しながら聞いて以来。属国呆導で馬鹿になるよりましかも。新聞は電子版を見ているが、もはや読むのもつらい。属国化の深刻さを確認するため読んでいるようなもの。下記日刊IWJガイドの話題も今朝の新聞には載っていない。宗主国の言い分のみ。
「西側が報道しない不都合な真実! ラブロフ露外相が新華社インタビューで語った『脱ドル・脱オフショア』と停戦保障国組織への中国参加構想!」
ロシア外務省記事を引用して、The Sakereにも同じインタビュー全文英語記事がある。
Foreign Minister Sergey Lavrov’s interview with the Xinhua News Agency (China), April 30, 2022
« ポール・クレイグ・ロバーツは大量虐殺が好きなのか? | トップページ | アメリカ帝国支持は常に間違い:言説のマトリックスの端からのメモ »
「アメリカ」カテゴリの記事
- 空騒ぎ:トランプ大統領のウクライナ大詰め計画(2024.12.19)
- シリア:全てが、金、金、金の問題(2024.12.18)
- イスラエルはシリア問題に介入するつもりはないというネタニヤフ首相の滑稽な主張(2024.12.17)
- 「テロ組織」は、アメリカがそう呼びたいもののこと(2024.12.16)
「マスコミ」カテゴリの記事
- 欧米帝国主義は常に嘘の溜まり場だったが、今やメディア・トイレは詰まっている(2024.11.30)
- なぜワシントン・ポストは存在しないトランプ・プーチン電話会話を報道するのか?(2024.11.18)
- NYタイムズ、ウクライナに関する報道の変更を発表(2024.11.07)
- ジャーナリズムに対する戦争を続けるイスラエル(2024.10.27)
- イスラエル国防軍兵士が殺害された時とガザで病院患者が生きたまま焼かれた時のメディア報道(2024.10.18)
「アメリカ軍・軍事産業」カテゴリの記事
- 空騒ぎ:トランプ大統領のウクライナ大詰め計画(2024.12.19)
- シリア:全てが、金、金、金の問題(2024.12.18)
- イスラエルはシリア問題に介入するつもりはないというネタニヤフ首相の滑稽な主張(2024.12.17)
- 13年間にわたるアメリカによる国家テロ後のシリア…一体何が期待できよう?(2024.12.14)
「ロシア」カテゴリの記事
- 空騒ぎ:トランプ大統領のウクライナ大詰め計画(2024.12.19)
- シリア:全てが、金、金、金の問題(2024.12.18)
- イスラエルはシリア問題に介入するつもりはないというネタニヤフ首相の滑稽な主張(2024.12.17)
- シリア崩壊(2024.12.09)
「インターネット」カテゴリの記事
- 欧米帝国主義は常に嘘の溜まり場だったが、今やメディア・トイレは詰まっている(2024.11.30)
- アメリカとイスラエルの戦争挑発に対する批判を積極的に検閲するメタ(2024.10.10)
- 余計者パベル・ドゥーロフ(2024.10.04)
- まだ分かっていないドゥーロフ(2024.09.17)
- Telegramのパベル・デュロフを人質に取ったフランス(2024.09.02)
「Caitlin Johnstone」カテゴリの記事
- イスラエルはシリア問題に介入するつもりはないというネタニヤフ首相の滑稽な主張(2024.12.17)
- 「テロ組織」は、アメリカがそう呼びたいもののこと(2024.12.16)
- もう一つの国が帝国の塊に吸収された(2024.12.15)
- アサドは去り、目覚めたアルカイダが台頭(2024.12.12)
- ガザについて連中は嘘をつき、シリアについても嘘をついている(2024.12.03)
コメント
« ポール・クレイグ・ロバーツは大量虐殺が好きなのか? | トップページ | アメリカ帝国支持は常に間違い:言説のマトリックスの端からのメモ »
キエフの極右ネオナチ政権による民族浄化作戦に反対し、独立運動を続けてきた市民を、ネオナチ軍は、1万人以上も殺害してきました。
そのキエフ政権に、大量の武器を提供してきたのは、アメリカ、イギリス帝国です。
日本のインチキマスコミは、8年間もの長い期間にわたる、キエフ政権による一般市民殺害の事実を、ほとんど報道していません。
この戦争に対する見解で、その人の、知的レベルが分かるような気がします。
日本マスコミの嘘を妄信するだけなら、人間としての知性を疑います。
投稿: まだ ない | 2022年5月 4日 (水) 05時26分