報道価値とニュースは全く無関係
あまり触れないが、私は実際ジャーナリズム学位を持っている。私は2003年にロイヤル・メルボルン工科大学を優秀な成績で卒業し、その学位を活用するまでには更に13年かかったが、その経験は私の意見形成上大きな役割を果たした。
ケイトリン・ジョンストン
2023年9月28日
この英語記事の朗読を聞く(ケイトリン・ジョンストンによる朗読)。
あまり触れないが、私は実際ジャーナリズム学位を持っている。私は2003年にロイヤル・メルボルン工科大学を優秀な成績で卒業し、その学位を活用するまでに更に13年かかったが、その経験は私の意見形成上大きな役割を果たした。
私がよく考える教訓の一つは、チャンネル10のEyewitness(目撃者)ニュース(現在は10ニュース・ファースト)での二週間の実習初め、ある朝、その番組のみすぼらしいニュース編集者が全員の記事割り当てをホワイトボードに書くのを見ていた時だった。当時、テレビ・ニュースに多くの注意を払っていたのは、それが私たちが研究していたことで、チャンネル9が報じる話題は、チャンネル7やチャンネル9が報じる話題と常に全く同じで、通常順序まで全く同じなのに気がついたのだ。
「なぜあなたたちは常にチャンネル7とチャンネル9と同じ話題を報じるのですか?」私は尋ねた。「調整するために、あなたたちはお互い電話をするのですか?」
彼は笑った。
「いや。でも、これはちょっと奇妙だね」と彼は同意した。「それは、いわゆるニュース・センスだと思う」
当時でさえ出来事や苦難に満ちた世界で、日々各人がどれが最も報道価値があるニュースだと分かる何か不思議な「センス」をニュース編集者全員が持っていると私は到底信じられなかった。
その時以来、そこで出世する人々によると、主流報道機関で働く人々の心に与える傾向がある集団思考効果や、金権政治メディアの話題設定任務に合わせて踊るのを知らなかったり、気にしなかったりするジャーナリストは、ニュース編集者に出世できないことを私は学んだ。編集者が所属メディアを越えて互いに調整したり、オリガルヒや政府機関から何を報告するかについて指示を受けたりしているのではなく、何を報じるか知るためにそのようなことをする必要がある人物だったら、そもそも彼らはその場所で働いていないはずだ。
ウクライナ・ナチスがカナダ議会で称賛されたスキャンダルを無視するのを主流マスコミはどうやって知ったのだろう? バーニー・サンダースやジェレミー・コービンを中傷するのを彼らはどうやって知ったのだろう? ホームレスや経済的不公正を無視しながら、あらゆる戦争を支援することを彼らはどうして知っているのだろう? それは確実に「ニュース・センス」のはずはない。
イギリス人ジャーナリスト、アンドリュー・マーとの間で論争の的となった1996年の議論で、欧米世界で最も影響力がある組織のトップに誰が到達するかを決定する「服従と従属で選ぶ」「選別機構」についてノーム・チョムスキーが説明した。彼は主流ジャーナリストが自分たちは「反骨」で「権力に立ち向かう」「追求を続ける職業」だと考える誤ったイメージを嘲笑し、優れたジャーナリストが欧米マスコミで意味ある形でそうするのはほとんど不可能だと述べた。
「私が自己検閲していると、どうしてわかりますか?」とマーは反論した。「ジャーナリストがそうだと、どうしてわかるのですか?」
「あなたが自己検閲していると私は言っていない」とチョムスキーは答えた。「あなたは自分が言っていることを全て信じていると私は確信している。だが私が言っているのは、もしあなたが違うことを信じていたら、あなたは今いる場所にいないはずだということだ。」
1997年のエッセイで「重要なのは、いずれにせよ正しいことを言うのだから、何を書くべきか彼らに誰も言う必要がないことを既に示していない限り、彼らはそこにいないはずだということだ」とチョムスキーは付け加えた。
卒業する頃には、ジャーナリズム学位を使って実際のジャーナリズム活動はできないと既に理解していた。最初の数年間、ロイターやAPの記事を書き直し、波風を立てないようにしなければならないこと、たとえその時点を通過できたとしても将来期待できることがほとんどないのが私には十分に明らかだった。チャンネル10のテレビ記者は報道現場に行く前に記事を書き、事前に書かれた言説を裏付けるものを探すだけで、本当の事実調査や本当のジャーナリズムが現場で行われることは決してないのだ。
だから私は思い悩まなかった。代わりに、私は何人か子供を育て、いくつか企業の仕事をし、事業と小さなエコブログを運営し、人生について学ぶのに時間を費やした。インターネットが最終的にクラウドファンディング・ジャーナリズムの新たな波を生み出し、この惑星で今のように時間を過ごせるようになるとは想像できなかった。しかし今私はEyewitnessニュースのあのニュース編集者を振り返って、どの日も、私が焦点を当てる記事は主流報道機関に取り上げられているものと同じことがほとんどないのに気がついた。
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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2023/09/28/the-news-has-nothing-to-do-with-newsworthiness/
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属国大本営広報部「ニュース」、報道価値ではなく、人心攪乱効果を基準に選んでいるとしか思えない。従って、ほとんど見ない。
芸能プロダクション・スキャンダルはしつこく報じるが、ポンコツ兵器爆買いや沖縄の島嶼の基地強化には触れない。
クリントン財団がモロッコで主催する会議に国務省職員は出席させるなとFoxx議員。
The Clinton Foundation Is Involved In Corruption That Would ‘Make Even Hunter Biden Blush’: Foxx 7:12
今朝の孫崎享氏メルマガ題名
米下院は9月30日、連邦政府の2023会計年度末を迎える寸前で期間45日間のつなぎ予算案を可決。ウクライナ支援含まれず。下院議長米国本土に近い問題、南部国境 – はより差し迫った懸念事項。国防総省、ウクライナに送られた武器を交換する資金が不足と議会に警告
「第14期は徹底的な支出カットをしても、なお赤字ならばIWJをたたむ不退転の覚悟で経営再建に臨みます!」
<IWJ取材報告 3>漫画家・由高れおん氏「年収が低いアシスタントに『消費税を払え』となると本当にやっていけない。業界が成り立たなくなる」~9.19 開始間近のインボイスにNo!「漫画家が新宿でライブドローイング&初の青空インボイス勉強会」
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コメント
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アメリカではMSMは高価な授業料を払って名門大学を出た裕福な白人によって担われています。
https://rp.kddi-research.jp/blog/srf/2020/11/19/msm/
NYTやWSJのスタッフは「教育達成の点で上院議員、億万長者、世界経済フォーラムの出席者に似ています」。
https://fair.org/home/journalism-of-by-and-for-the-elite/
彼らはエリートの手先などではなく、エリートそのものなのです。
政治家や金持ちと同じバックグラウンドを持つジャーナリストたちは、
彼らと問題意識や思考様式が似てくるため、たとえ圧力を受けたり
自己検閲を行ったりしなくとも自ずと彼らの広報担当者のように振る舞うことになるでしょう。
投稿: 一読者 | 2023年10月 5日 (木) 23時33分