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2021年1月29日 (金)

トランプ主義への対処は権威主義政策ではなく、彼らを生んだ条件を終わらせることだ

2021年1月22日
ケイトリン・ジョンストン


 アメリカの政治/メディア支配層は、国会議事堂乱入後、「国内テロ」の脅威を食い止めるため、一層権威主義的な政策を推進している。1月6日前に、新たな国内対テロ政策導入に既に尽力していたバイデン大統領は、これら新法案を優先させることを、暴動後に確認した。インターネットの政治的検閲が益々当然のようになっており、対デモ法が成立し、官憲に報告すべく、トランプ支持者をスパイするための「デジタル軍」を作るようリベラル派が奨励されているのを我々は目にしている。

 驚くほど多数のアメリカ国民が、このいずれにも何の問題も感じていないように思われる。今頃、事態をもう少しわきまえているべき政治党派でさえも。

 「我々は他に何ができるだろう?」と彼らは論じる。「権力と影響力を獲得し続けている危険なファシストや陰謀論者の脅威に他にどんな解決があり得るだろう?」

 できることは色々あり、そのどれも、全面的な新対テロ条例のような権威主義法案に同意したり、独占的シリコンバレー富豪に、世界的に政治発言を検閲したりするよう奨励していない。皆に明白になるのを継続的に阻止している大規模言説操作が存在している。

新しい国内対テロ戦争がやってくる https://t.co/DEBw4qB1yr
グレン・グリーンワールド(@ggreenwald) 2021年1月19日

 トランプ主義(あるいはファシズム、あるいは白人至上主義、あるいはトランプ・カルト、あるいは人々が懸念していることに使うどんな用語あれ)の潮流を止める方法は、それを生み出した条件を無くすことだ。

 そもそも、トランプは、支配体制が人々の利益を推進しない不正な政治体制であり、排水が必要な沼があるという、広く行き渡っている既存の意見を利用して、彼のエセ・ポピュリスト運動をまんまと始めただけなのだ。

 政府が、しばしば悪事を働き、マスメディアの助けを借りて国民にウソをつき、政府秘密の不透明な壁の背後で一体何が起きているか、国民に想像するよう強いているがゆえに、陰謀理論は存在可能なのだ。

 人々は、体制が彼らを裏切るなら、体制を徹底的に修正する信頼できる政治指導者が、必要だと考えているのだ。

 実際、トランプ主義を終わらせることに関心を持っている人々は、政治制度の腐敗の終焉、政府の不透明の終焉、比類なく酷い選挙制度の終焉や、国民を守ると主張する政府の、益々少ない支援で、アメリカ国民を益々貧しくしているネオリベ政策の終焉を推進しているはずだ。

 だがアメリカの政治/メディア支配層は、こうしたものに依存する帝国を代弁しているので、アメリカの政治/メディア支配層は、こうした変化を推進しない。

 汚職なしには、金権政治支配階級は、彼らの権益を推進する政治家を据え、支援するために選挙献金や企業ロビー活動を使うことができない

 政府の秘密なしには、寡頭政治帝国は、帝国をばらばらにならないよう維持する接着剤を形成する軍事的、経済的な狙いの秘密裏に推進をすることができない。

 ウソを言うマスメディアなしには、戦争や、国民の利益にならない体制のための国民の同意をでっちあげられない

 広範囲にわたる貧困と国内緊縮政策なしには、富豪の強大な政治的影響力に挑戦するのに、政治的に人々を余りにも忙しく、無力にしておくことはできない。

1月6日、国会議事堂乱入の日以来、少なくとも9つの州が14の反抗議行動の法案を導入した。https://t.co/TcyifxsS9D
Intercept (@theintercept) 2021年1月22日

 だから、体制を変えることで、トランプ主義の勃興を止めるという選択肢は議論から外され、可能性として、決して、主流サークルで論じられるのを聞かない理由だ。人々が、良い点と悪い点を議論するため与えられる唯一の選択肢は、まさにトランプを作り出した腐敗した体制、まさにその体制によって出世する次のトランプ主義者の支配下になるだろう権力に、より多くの権力を与えるかどうかなのだ。

 巨大な権威主義の怪物を作り出して、踏みつぶして沈黙させることでは、ファシズムを防げまいし、たとえ、そうすることができたにせよ、人はファシズムになることによって、ファシズムを止めているだけだ。ファシズムの勃興を止めるためには、人は実際に変わる必要がある。劇的に。自分の状況を変えずに、それを消失させられると信じるのは、目を手で覆えば、接近中の列車を避けることができると信じるのと同じことだ。

 ここで私が言っていることに対する有効な議論はない。権力側の連中は、どんな積極的な変化も許さないだろうと言うのは、私が言っていること全ての確認であり、権力側の連中を権力から追いだす必要性の確認だ。腐敗や、政府の秘密や、不正を終わらせるのは、テロリストに、連中が欲するものを与えることだと読者が言うなら、読者は、からかうのに英語に十分な言葉がないほど漫画的に卑屈なおべっか者になる。

 そう、変化は絶望的に必要だ。そう、権力側の連中は彼らができる全てのことで、そうした変化に抵抗するだろう。だが連中の代案は、世界を暗闇と破壊に陥れさせることだ。我々は、これに打ち勝つ方法を見出さなければならない。

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