« クリミア攻撃に許可が出ない4つの大きな理由 | トップページ | シリア人を溺死させつつあるアメリカ制裁 »

2023年6月22日 (木)

アメリカの秘密帝国:言説のマトリックスの端からのメモ

2023年6月17日
ケイトリン・ジョンストン

この記事の英語朗読を聞く(ティム・フォーリーによる朗読)。

 ダニエル・エルズバーグは亡くなる直前のインタビューで、アメリカは「秘密帝国」を運営していると言ったが、実にうまい表現だ。国々の世界に広がる巨大集団はワシントンの命令に同調して動くが、全てが公式国旗と公式政府を持っているため、意味のあるあらゆる形で一体として機能しているにもかかわらず、帝国のようには見えない。

 

 最も影響力あるメディア全てが、我々全員を文化戦争と選挙政治に集中し続けさせるあらゆる動機を持った非常に裕福な連中に所有され運営されている事実に十分注意を払っていないため、我々は階級戦争や直接行動に十分注力していない。

 テロ計画に関与させるためFBIは精神障害者を絶えず育てていると言うと奇抜な頭がおかしい人のように聞こえるのはシュールだが、何らかの理由で我々は余り話さないが、実際これは十分に文書化されている事実だ

 トランプがマスコミに称賛されたのはシリアを爆撃した時だけだった。バイデンがマスメディアに非難されたのはアフガニスタンから撤退した時だけだった。どこかに教訓がありそうだ。

 ナチが悪いからではなく、戦争プロパガンダとしてまずいので、ナチス記章を身に着けていることでニューヨーク・タイムズが、ウクライナ・ナチスを批判する記事を発表したのは、これまでに起きた中で最もニューヨーク・タイムズらしいことの一つだった。

 

 「ロシアのプロパガンダ」に加担したくないので問題を認めるのを避けるため、欧米の記者たちが実際写真撮影前にウクライナ兵士にナチス記章を外すよう頼んだことさえ、この記事は認めている。自分側のプロパガンダの取り組みを傷つけるという理由で何かを報じないと選択した場合、その人物はジャーナリストではなくプロパガンダ屋だ。

 「ウクライナのナチス」論争で面白いのは、ウクライナのナチスは、ウクライナにおける欧米代理戦争に対する最も強力な反論ですらないことだ。欧米のプロパガンダ活動家連中は「確かにウクライナにはナチス問題があるが、ウクライナ民主主義を守る利点の方が、一部スキンヘッドがあちこちでロケットランチャーを発射するマイナス面を上回ると我々は信じている」などと言うだけで、ほとんどの欧米人はそれを鵜呑みにするのだ。ニューヨーク・タイムズのようなプロパガンダ報道機関が、この問題を無視し、人々の心を操作し、この問題に関して全員に故意に誤った情報を提示し、記憶や知覚や認識を疑うよう仕向ける必要性を感じている唯一の理由は、彼らがアメリカ外交政策に対し完全かつ全面的言論統制を推進するのに慣れているため、滑稽だと思われないように、ほんの僅かでも立場を譲ったり、最も明白なことを認めたりするのを決して思いつかないのだ。

 世界は凶悪犯と暴君に支配されており、その中で最も凶悪で専制的な連中は他の国だけが凶悪犯と暴君に支配されていると国民を説得するのに途方もない量のエネルギーを注ぎ込んでいる。

 人類とデジタル記録が地球の次の核戦争行為を生き延びた場合、我々が毎日明確な警告サインを見ていながら圧倒的にそれらを無視していたことを記録で示してもらおう。

 

 「アメリカはノルドストリームを爆破しなかった、ウクライナが爆破したのだ!」と言うのは「ウィル・スミスはクリス・ロックを平手打ちしなかった、彼の手がしたのだ!」と言うようなものだ。それはアメリカには制御できないはずの独立した行為だとして、どれほど懸命に歪曲しようとしても意味ある違いがない差違だ。

 今のCIAとFBIはダレスやJエドガー・フーバーの時代より堕落していないという信念に根拠はない。

 真面目な話、その時から一体何が変わったのだろう? 当時は冷戦があったのだろうか? 今は冷戦だ。法律や規則や政策が劇的に変更され、それら悪いことをした連中は罰せられただろうか? 連中は罰せられなかった。

 過去にはCIAやFBIが悪事をしたが、現在は悪事をしていないという信念の根拠は皆無だ。その方が心地良いというだけの理由で信じられているのだ。

 CIAやFBIが「過去に」行った悪事について学ぶのは、彼らがやりたかった、そして既にやった悪事について学ぶことにより失うものは何もないからだ。将来、今起きていることが「過去のこと」になり、この時空の一時期に彼らが何をしていたか我々は学ぶのだ。

 これらの機関による最も悪名高い堕落行為の際に存在した全ての条件は今も当てはまる。冷戦。熱い戦争。反体制派集団。アメリカ覇権のための戦い。それらは全て現在起きており、今の連中が、それに関してより素晴らしく可愛いと信じる理由はない。

 


 欧米の自由と民主主義を守るために、検閲やプロパガンダやジャーナリスト迫害を欧米政府が強化し続ける必要があるとしたら、それは本当に自由と民主主義なのだろうか? そして、それは擁護する価値があるのだろうか?

 巧妙に他人の行動を操る連中が実際何を狙っているのか理解する唯一の方法は、連中は人々を操り、欲しいものを引き出すためだけに言葉を使うので、連中の言葉は無視し、連中の行動を監視することだ。これを政治家や政府や自己陶酔者連中に適用願いたい。

 例:自由と民主主義とルールに基づく秩序への愛に関するアメリカ政府の話は無視し、行動だけを見れば、見えてくるのは、自分に従わない世界中の国々を破壊し、破壊するために絶えず働いている暴力的で専制的な政権だ。

 私が人生で学ばなければならなかった最も難しい教訓の一つは投影が諸刃の剣であることだ。我々は自分の悪い資質や動機を他人に投影し、彼らは我々と同じ性格の欠陥を持っていると誤って仮定するが、我々の肯定的な特徴を、それを持っていないかもしれない他人に投影することもできるのだ。

 自己陶酔者や社会病質者や巧妙に他人の行動を操る連中で一杯の世界では、政治家や政府、またはあなた自身の対人関係を見ているかどうかにかかわらず、これに注意することが重要だ。過去、私に対する有害な行動で、本当に連中が望んでいたのは私を利用し、征服するだけだったのに、相手には健康的で共感し得る理由があるに違いないと仮定して、私自身の正当な動機を連中に投影して深刻な結果に苦しんだ経験がある。

 想像上の動機が否定的であれ、あるいは肯定的であれ、誰かがあなたと同じ内なる動機から行動していると仮定することはできない。一部の人々は搾取するだけで、あなたには決して思いつかない動機のため、あなたが決してしないことをするのだ。

_________________

 私の記事は全て読者のご支援によるものなので、本記事を良いと思われたら共有し、FacebookTwitterSoundcloudあるいは、YouTubeをフォローするか、Ko-fiPatreonPaypalのチップ入れにいくらか投げ銭していただきたい。更に多く読みたいとご希望なら、私の本を購入可能だ。私が発表する記事を読めるようにする最善の方法は、私のウェブサイトか、Substackでメーリングリストを購読することで、そうすれば私が掲載する全てのものについて電子メールで通知が行く。人種差別サイト以外、どなたでも無料で、お好きなあらゆる方法で、この記事のどの部分でも(あるいは私が書いた他のあらゆる記事でも)再配布、使用、翻訳されるのを私は無条件に許可している。私が一体誰で、私がどういう立場で、この場で何をしようとしているのかなどについて、より詳細をお知りになりたい場合には、ここをクリック願いたい。全ての記事はアメリカ人の夫ティム・フォーリーとの共同執筆。

 ビットコイン寄付:1Ac7PCQXoQoLA9Sh8fhAgiU3PHA2EX5Zm2

 画像はウィキメディア・コモンズ経由、ツリーヒルによるもの。

 気に入っていただけただろうか? Patreonで、ケイトリン・ジョンストン支援のために、数秒時間を頂きたい! 

記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com/2023/06/17/the-usas-covert-empire-notes-from-the-edge-of-the-narrative-matrix/

----------

 マグレガー氏のような洞察を宗主国支配層の拡声器でしかない属国傀儡評論家から聞けるだろうか?

Douglas Macgregor: U.S. NATO Council to give the Russians a role in Europe | Ukraine Russia Update 43:20

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

大統領候補が有罪判決を受けた場合、選挙に出れるのか。1世紀前独房から(大統領)選挙活動を行った例あり。トランプ前大統領には選挙運動の制限はない。出馬可能。監獄で選出されたらどうなるかー規定なし。判決前だったら、任命する司法長官が起訴撤回がありうる。

 日刊IWJガイド

「ブリンケン国務長官の訪中は国内で酷評! そればかりか、バイデン大統領は習近平氏を『独裁者』呼ばわり!」

はじめに~ブリンケン国務長官の訪中は米国内で酷評! そればかりか、バイデン大統領は習近平氏を「独裁者」呼ばわり! 他方、ブリンケン国務長官は「デカップリング」を諦め、なんと「デリスキング」(リスク低減)へ方向転換!! バイデン政権は、大統領と国務長官とで対中姿勢がバラバラ状態に!

« クリミア攻撃に許可が出ない4つの大きな理由 | トップページ | シリア人を溺死させつつあるアメリカ制裁 »

アメリカ」カテゴリの記事

Caitlin Johnstone」カテゴリの記事

ウクライナ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« クリミア攻撃に許可が出ない4つの大きな理由 | トップページ | シリア人を溺死させつつあるアメリカ制裁 »

お勧め

  • IWJ
    岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

カテゴリー

ブックマーク

最近のトラックバック

無料ブログはココログ