ガザの状況はトランプ政権下で悪化する。ハリス政権下では更に悪化する。
なぜ私がそれを知っているのか? ガザの状況は丸1年にわたり悪化の一途をたどっており、状況を悪化させている国を無条件で支援し続けるとトランプもハリスも誓約しているからだ。
ケイトリン・ジョンストン
2024年10月25日
物語マトリックスの端からのメモ
この英語記事の朗読を聞く(朗読:ティム・フォーリー)。
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トランプが勝利すればガザの状況は悪化すると主張する連中の事実は、厳密に言えば間違っていない。トランプが勝利すればガザの状況は悪化する。だが、ハリスが勝利しても状況は悪化する。
なぜ私がそれを知っているのか? ガザの状況は丸1年にわたり悪化の一途をたどっており、状況を悪化させている国を無条件で支援し続けるとトランプもハリスも誓約しているからだ。
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狂った人: トランプが勝ったら悪いことが起きるかもしれない!
普通の人:彼の競争相手は、まさに今、大量虐殺を犯している。
狂った人: いや、でも本当に酷いことじゃないぞ!
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先日フロガンという名のイスラム教のストリーミング・メディア投稿者が、米軍は世界における巨大な悪の勢力で、米軍のために働く人々が、その巨大な悪を直接実行しているという非常に正しく明白な観察をして、世界中の欧米リベラル派全員を激怒させた。
彼女の言う通りだ。もしあなたが彼女の言ったことの一部に腹を立てるなら、あなたはおべっか使いの負け犬だ。
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私は公然の社会主義者だが、パレスチナ以外のあらゆる問題で私が同意する左翼のどの人々よりも、ガザ虐殺に反対するアメリカ人自由主義者との共通点が多い。もし、あなたがガザについて正しく理解していれば、たとえ、あなたの他の政治意識がばかげていて、相手の他の政治意識がまともだとしても、間違って理解している連中よりは良い人だ。
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もし民主党が、またしても簡単に勝てる選挙で自滅的なミスで負け、またしても自分たちの敗北を自分以外の人々のせいにしようとしたら、私は民主党に大いに意地悪するつもりだ。私は彼らの一日を台無しにしてやる。良い大人を泣かせてやる。
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イスラエル擁護者は二種類いる。
1. 公然と人種差別的かつ大量虐殺的な「ハハ、全員殺してしまえ」という類の連中。
2. 悪意ある主張をし、自分が間違っていると知りながら信じているふりをする不誠実な連中。
この二種類だけだ。他にない。イスラエルの大量虐殺的残虐行為を擁護できる方法は、(1) 大量虐殺的残虐行為は良いことだと主張するか、(2) 擁護できない大量虐殺的残虐行為が起きており、直ちに停止する必要がある現実を曖昧にすることの二つしかないからだ。知的誠実さのレベルに関係なく実行できるのは、最初の方法だけだ。
❖If you liked "All the hospitals in Gaza are Hamas", you'll love Israel's new hit "All the hospitals in Lebanon are Hezbollah." https://t.co/V8VXbAB28D
— Caitlin Johnstone (@caitoz) October 21, 2024
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ガザにおけるアメリカとイスラエルによる大量虐殺に関する広報活動の多くは、人々に常識を捨てさせ、自明の愚かな戯言を信じ込ませることに重点が置かれている。なぜなら、連中にはそれしか方法がないからだ。
イスラエルが病院を爆撃し、パレスチナの子どもの頭を始終銃撃し、ジャーナリストや医師や文化指導者を暗殺し、民間人で一杯だと知られている地域を意図的に標的にしていることを正当化できないので、批判的思考能力を停止して、それらの人々全員(A)ハマスか(B)ハマスの「人間の盾」のいずれかだと受け入れるよう連中は要求しているのだ。
イスラエルの歴史と、パレスチナ人の土地を全て奪い取ろうというイスラエル長年の計画について、あなたが知っていることは全て捨て、ガザで行われていることは全て自衛とテロとの戦いだと信じて受け入れるよう連中は本気で要求しているのだ。
あなたの目の前で丸1年大量虐殺を助長し、その後停戦に向けて懸命に努力しており、飢えた民間人に援助をすぐに届けられると信じるよう、連中はあなたに要求しているのだ。
自分の大量虐殺残虐行為を正当化しようとして、次から次へと嘘を重ね、それでもなお、ガザのジャーナリストの多くがハマス秘密戦闘員で、ベイルートの病院の地下にはヒズボラの秘密基地が隠されていると連中は主張しようとしているのだ。
連中の立場はあまりに邪悪で愚かで、いかなる道徳的、合理的な根拠からも全く擁護できないため、連中が使える唯一の手段は、自発的によだれを垂らす愚か者になり、露骨なプロパガンダを嘔吐反射なしで飲み込むよう、あなたに要求することだけだ。
それが、今世界で起きている最も醜い出来事を正当化するために使われていなければ、可愛いい面白いものだったはずだ。
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欧米主流メディアが、プロパガンダ報道員でなく、本当のジャーナリストで構成されていれば、ガザ地区のアルジャジーラ記者6人がハマスの秘密メンバーだとイスラエルが主張し、彼らを殺害標的に決めたことに対し、大抗議が起きていたはずだ。
欧米メディアを欧米帝国のプロパガンダとみなしているのは私だけではない。彼らは自分をそのようにみなしているのだ。彼らは口には出さないし、考えもしないかもしれないが、帝国を批判するジャーナリストと、帝国の方針に忠実に従う主流メディアの記者の扱いの差を見れば、それが暗黙のうちに認められているとわかる。ウォールストリート・ジャーナル記者エヴァン・ガーシュコヴィッチが逮捕されたり、ワシントン・ポストのコラムニスト、ジャマル・カショギが殺害されたりしたことに対する主流メディアの抗議は、ガザで殺害されたパレスチナ人ジャーナリスト全員や、ジュリアン・アサンジ投獄や、アサ・ウィンスタンリーやジェレミー・ロフレドなどの親パレスチナ・ジャーナリスト迫害など、我々が目にしている、どんなことに対するより桁違いに大きい。
この不一致は、欧米主要メディアにおける「我々対彼ら」という姿勢が明らかなことを示している。この姿勢は、欧米帝国の情報権益を推進するジャーナリストと、そうでないジャーナリストとの間に明確な線引きをしており、ワシントンと同盟諸国の公式見解に異議を唱えるジャーナリストは、しっかり「彼ら」の範疇に分類される。 既に独立系反体制メディアが報じたニュースを、独立系メディアによる初報道の功績を認めずに、主流メディアが「スクープ」として報じるのを日常的に目にする光景さえ、この「我々と彼ら」という視点を物語っている。ニューヨーク・タイムズやBBCなどの帝国主義メディアで働いていない限り、連中は、ジャーナリストを真のジャーナリストと見なさず、それゆえジャーナリストを尊敬も評価もしない。
これは、彼らが「ジャーナリスト」という仕事を、単にジャーナリズムを行う人と捉えていないことを示している。彼らにとって真のジャーナリストとは、アメリカ政府や同盟諸国と連携し、その戦争や計画を国民に売り込むのを手伝う人物だ。もしあなたがそうしなければ、あなたは「我々」ではなく「彼ら」の一人で、それに応じた扱いを受ける。そして連中が自分が属していると考えている「我々」とは、職業プロパガンダ集団だ。
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画像はウィキメディア・コモンズから Gage Skidmoreによるもの。
記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2024/10/25/gaza-will-get-worse-under-trump-itll-also-get-worse-under-harris/
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