チュニジア・エジプト・リビア・アルジェリア

2023年9月19日 (火)

刑務所暮らしこそ相応しいバラク・オバマ

「リビア洪水の被害を受けた人々を支援したいなら、救援活動をしているこれら組織に当たってください」とオバマがTweetした。ええー、すみません? あなた。あなた本当にバラク・オバマさんですよね?

ケイトリン・ジョンストン
2023年9月16日

 この英語記事の朗読を聞く(Tim Foleyによる朗読)。

 本記事執筆時点で既に何千人の人々が亡くなったリビアの恐ろしい洪水の被害者救援組織のリンクを第44代アメリカ大統領のTwitterアカウントがさりげなく、いくつか共有した

 我々が今リビアで見ている荒廃への道を開く上で、第44代アメリカ大統領本人が直接大きな役割を果たしていなければ、第44代アメリカの大統領にとって、もちろん、それは素晴らしく、当然のことだったはずだ。

 「リビア洪水の被害を受けた人々を支援したいなら、救援活動をしているこれら組織に当たってください」とオバマはTweetした。

 ええー、すみません? あなた。あなた本当にバラク・オバマさんですよね?

 2010年、石油豊富なリビアは洪水やその他の自然災害から身を守るための遙かに優れた国家インフラを備えており、国連人間開発指数でアフリカのどの国より上位にランクされていた。今日のリビアは混沌とした人道災害状態で、女性が性的奴隷制を強制されるなど、文字通り人道に対する犯罪が起きていると国連が支援する調査官は現在述べている

 何が変わったのだろう? あなたがこの記事をお読みなら、おそらく既に何が変わったのかご存じのはずだ。

 2011年、アルカイダとの広範なつながりを持つ反政府勢力が長年のリビア指導者ムアンマル・カダフィを殺害するのをアメリカ、フランス、イギリスの軍隊が支援し、それは即座にリビアを暴力、混乱、過激派、不安定に陥れ、今日も続いている。当時NATO諸国は、殺人的なアルカイダとつながりがあるジハード主義者を支援しているのを知っていたことが後に明らかになった

 カダフィ軍による平和的抗議行動参加者に対する大量虐殺やバイアグラを使った大規模強姦計画の疑念を防ぐため企画され、偽って「人道的介入」と呼ばれたNATOのリビア攻撃は、路上でカダフィを残虐にリンチし、肛門を銃剣で突き刺した後、殺した政権転覆作戦へと早々変身した。2016年リビアへの介入を正当化するため使われた話は「入手可能な証拠に裏付けられていない」のを数年後イギリス下院外交委員会が発見した

 「リビアでの反乱の性質についてイギリス政府が適切な分析を行った証拠は見られなかった」と報告書は述べている。「イギリスの戦略は誤った仮定と証拠の不完全な理解に基づいていた。」

 これは、カダフィの死の何か月も前に、アムネスティ・インターナショナル国連の人権調査官が表明した、介入で阻止するのを意図した残虐行為の証拠が見つからないという懸念を裏付けている。イラク侵攻後、政策変更は行われず、世界に恐怖を与えたことで誰も罰せられなかったため、教訓は学ばれず、それが再び起きたのだ。欧米は更なる別の悲惨な軍事介入へとだまされ、今日までこの地域の人々に深刻な影響をもたらし続けている。

 ニジェール危機に関しResponsible Statecraftに今月始めに掲載された記事で、前政権を追放したニジェール軍事政権は、ニジェールやサヘルの他の国々が、リビアでのNATOの危険な冒険の安全、政治的、人道的影響「負の社会経済」のおかげで10年以上苦しんできた「治安状況の継続的悪化」のためクーデターが必要だと明確に述べている」とブランコ・マルセティッチが興味深い観察をした。

 リビアでの政権転覆介入は、同じ手段で、速やかにシリアの政権転覆介入に移行することを意図していたともマルセティックは指摘している。

 「ジョン・マケイン上院議員(共和党)、ジョー・リーバーマン上院議員(無所属-コネチカット州選出)、ジョン・ケリー上院議員(民主党-マサチューセッツ州選出)は全員飛行禁止区域設定を主張した。「私は軍隊が大好きだ...しかし彼らは常に、なぜできるかではなく、できない理由を見つけるようだ」とマケインは不満を漏らした。アメリカン・エンタープライズ・インスティテュートのダニエル・プレトカは、これは「重要な人道的一歩」になるはずだと述べた。今やなき外交政策イニシアチブ(FPI)シンクタンクは、ネオコン人名録をまとめて、同じことを再三促した。当時のバラク・オバマ大統領への手紙の中で、彼らはオバマのノーベル平和賞演説を引用し「無為は我々の良心を引き裂き、後に、もっと費用のかかる介入を招く可能性がある」と主張した。

 「当時のヒラリー・クリントン国務長官は、オバマに行動するよう説得するのに尽力したと報じられたが彼女自身も同様な議論に惑わされていた。カダフィが倒れれば「欧米の限定的ながら的を絞った軍事支援と身元の確かな反乱」は中東の独裁者を倒す新しいモデルになる可能性があると友人で非公式顧問のシドニー・ブルーメンソールが彼女に請け合った。同様なシリアの悪化する状況を指摘して「シリア問題を変える可能性がある最重要な出来事は反乱成功の例となるカダフィ政権崩壊だ」とブルーメンソールは主張した。

 そして、それこそが、まさにオバマ政権がやろうとしていたことだ。政権転覆を実現する狙いで、再びアルカイダとつながる戦士側にシリアに武器を注ぎ込むこと。ダマスカス政権打倒を阻止するためロシアが2015年に介入していなければ、シリアはリビアと同じ運命をたどっていたはずだ。

 つまり前政権がアフガニスタンとイラクに火をつけたのとほぼ同じ方法で、オバマと仲間が、焼却炉に立て続けに投げ込んだ二つの国だ。ブッシュ時代の露骨なハルクスマッシュ風地上侵攻より少々ずる賢く緻密に実行されたが、オバマの悪行に引き起こされた死や苦難や不安定化も同様に現実的なものだった。

 これは明々白々なのに、それでもワシントン・ポストなどの帝国プロパガンダ・メディアは、リビアの現在の問題は「皆に」責任があると言う。ワシントン・ポストは「リビアの大惨事は皆のせいだ」という題の新記事を掲載しているが、これはチャールズ・マンソンがマンソン一家殺害は皆のせいだと言うのといささか似ている。NATOによるカダフィ打倒も何らかの役割を果たしたことを認める前に「各派閥の確執や崩壊したリビア政権政」や、この地域の他の国々は、リビア洪水から国民を適切に保護できなかったと、記事の筆者イシャーン・タロールは非難している。

 「十年間の紛争と分裂が、いかにリビアに災害の危機をもたらしたか」と題するワシントン・ポスト記事は、カダフィは「NATOが支援するアラブの春の蜂起中に反乱軍に殺された」残忍な独裁者だったとだけ言って、リビアの苦難に関するオバマやNATO諸国政権の責任を全く問うていない。しかし、2011年以来、リビアのインフラが崩壊状態にあるためにリビア人が現在死にかけていることは認めている。

 「砂漠や沿岸地域にまたがる地形のこの国は、人為的な気候変動に対し非常に脆弱だ。しかし、ダム・ネットワークなどの基本的サービスやインフラ改善や維持は優先順位が下がっているとワシントンのシンクタンク中東研究所のリビア専門家メアリー・フィッツジェラルドは述べている。

 「2011年から2014年、リビアのインフラ状態について既に懸念があった」とフィッツジェラルドは述べた。そして、リビアは2014年から2020年まで6年の内戦を経験し、その紛争中に多くのインフラが損傷した。あれから3年経ち、敵対する政権が存在し、再び政治力学は複雑になった」

 リビアを粉々に粉砕するNATO作戦をアメリカが主導して以来、この国は紛争、暴力、苦難の継続状態にある。それでもNATOは「防衛同盟」だと帝国あほうは言うだろうし、オバマ最悪のスキャンダルは一度、褐色のスーツを着たことだとリベラル派は言うだろう。

 バラク・オバマは刑務所の中こそ相応しい。彼の犯罪は全く許しがたいもので、法律が連中を保護するのではなく、世界最悪の犯罪者を罰するため存在していれば、彼は重警備刑務所の独房で朽ちているはずなのだ。

 人々がリビアに支援を送り、そうすることへの呼びかけを影響力ある人々が増幅するのは全て正しく良いことだ。しかし第44代アメリカ大統領が、マスメディアに非難されたり酷評されたりすることなく、自ら破壊を幇助した国を支持するふりができる事実は、我々がウソとプロパガンダに支配された世界に暮らしていることを示している。

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画像はNASA HQ photoから (CC BY-NC-ND 2.0)。

記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2023/09/16/barack-obama-belongs-in-a-fucking-cage/4

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 『私の闇の奥』も、この話題の記事を書いておられる。

リビア洪水死者2万は人災である

 12年前、下記記事を翻訳した。原文へのリンクは切れている。いわゆる検索エンジン、想像通り、隠蔽エンジン化。DuckDuckGoは別。

リビアで二度と見られなくなる16項目

 洗脳電気パネル(TV)属国軍事評論家怪説は見聞きせず英語youtubeを聞く。

 The New Altas

 反攻が失敗する中ウクライナの惨敗でロシア火砲にかなわないのを認める欧米

West Admits Russia Outguns Them as Ukraine Suffers Heavy Losses Amid Failing Offensive 1:00:21

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

がんの要因、感染がトップに、感染は男性の発がん原因の約18%、女性の約15%、男女ガン原因のトップ17% B型やC型の肝炎ウイルスによる肝がん、ヒトパピローマウイルス(HPV)による子宮頸がん、ヘリコバクター・ピロリによる胃がんなど

 日刊IWJガイド

はじめに~平和でも防衛でもなく戦争と軍事帝国を作り出すのがNATOの本質!『グレイゾーン』のコスゴローブ記者が国務省のミラー報道官を追及! NATOとはオープンドア政策を盾に加盟国の拡大を目指す機関!「NATOの絶え間ない拡大は、基本的に米国に諸国家を吸収し、国益を守るという点からその独立性を奪う機会を与えている」! 独立性を奪われた、その先行モデルが日本だった!!

<号外を出しました!>新型コロナワクチンのタブーに切り込む!「ワクチン問題研究会記者会見第3弾、福島雅典医師『ワクチン契約は「不平等条約」』、『政治的な決断で「ワクチンでコロナ対策」に逃げ込んだ』、『ジャーナリストとしての気概と行動力を持て』!

2023年5月14日 (日)

中東とトルコ選挙

2023年5月10日
ビクトル・ミーヒン
New Eastern Outlook

 5月のトルコの重要な選挙結果が、この地域秩序をどのように変える可能性があるか多くの中東専門家たちが益々注目している。不安定な国政と、地域における優位性への野心の上で極めて重要な大統領選挙と議会選挙に国民が投票するのだ。同時に、5月14日の同時選挙は、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領と、20年以上権力を握っている彼の公正発展党(AKP)の運命を決定する可能性がある。

 エルドアンと彼の党は、トルコの政治的行き詰まり、経済運営、50,000人が死亡した2003月のこの地域の壊滅的な地震への対応に対する不満が高まる中、大統領と議会の議席を争うため協力した6つの野党の厳しい挑戦に直面している。トルコの近隣諸国は、それぞれ選挙結果に関心を持っており、問題がより少なく、より予測しやすいトルコ政治の新時代になるよう願っている。2003年に最初は首相として、次に2014年から大統領としてエルドアンが権力を握って以来、トルコは地域舞台で積極的な当事者になり、中東およびそれ以南(リビアなど)の多くの危機に断固介入してきた。

 様々な地域紛争への関与やエルドアンの断固とした攻撃的政策は、多くの中東諸国で彼に対する反感を高め、彼の成功は反対派を失望させてきた。欧米に対するアンカラの見方や近隣諸国との関係などの外交政策問題は、選挙結果に大きな影響を与えると予想され、野党はトルコの外交政策をより国内志向にすることを望んでいる。共和人民党(PRP)党首で野党連合の大統領候補であるケマル・クルチダルオール率いるトルコ野党は、AKP政府が直面している問題を有利に利用しようとしている。エルドアンを権力の座から追い出すため、とりわけ経済危機と、地震への政府の適切な対応の失敗を問題にしている。

 野党の優先事項は内政だ。エルドアンの権威主義的支配と型破りな経済政策の両方を逆転させることだ。エルドアンを批判する人々は、彼が自身のイメージでトルコ政治制度を形成し、彼を頂点とする現代のオスマン・スルタン帝国を建設しようとしていると非難している。何百万人もの人々を財政破綻の危機に陥れた経済政策をエルドアンが推進していることも野党は非難している。2月の地震の影響を受けたトルコの11の州では数百万人が家を失った。

 トルコの法律では、投票の半分以上を獲得した大統領候補は無条件の勝者だ。第1回投票で勝利した候補者がいない場合、二週間後に決選投票が行われる。エルドアンが選挙で敗北すれば、トルコ野党が直面する外交政策課題は膨大なものになるだろう。彼の強引な外交政策はトルコを地域大国に変えることを目的としており、新指導者と政府はトルコ社会が喜ぶ新しい外交政策を考え出さなければならないだろう。

 野党連合は、NATOや欧州連合との困難な関係から、近隣諸国との信頼の再構築まで、世界的、地域的に多数の課題に直面するだろう。トルコはNATO加盟国で、EUとの緊密な提携と貿易関係を深めているが、エルドアンはロシアとの良好な関係や他の多くの政治問題で欧米同盟諸国の怒りを呼び起こしている。ウクライナでロシアに対して解き放たれたアメリカ-NATO戦争や、欧米同盟におけるトルコの将来など、様々な問題における欧米との意見の相違を野党は解決しなければなるまい。

 トルコの近隣諸国に関して言えば、野党にとって最も差し迫った問題は何年にもわたる地政学的緊張の高まりの後、トルコと近隣諸国間の問題を抱えた関係の根本原因に対処することだ。いくつかの紛争への介入、イラク、リビア、シリアで軍事作戦を開始する意欲、地中海での執拗な領土主張など、エルドアンの増大する地域的野心は、ある意味トルコを孤立させ、近隣諸国との関係に疑問を投げかけている。確かに近年エルドアンは、エジプト、イスラエル、サウジアラビアなどの主要な地域大国との和解を含め、外交政策を変更しようとしている。彼は近隣諸国との関係を回復する試みの一環として、バッシャール・アル・アサドのシリア政権との和解も進めている。

 それにもかかわらず、トルコと他の国々間の断絶はエルドアンの友好的身振りを超えている。それは、この地域で指導的役割を果たすという現在のトルコ指導者の野心に対する深い不信と欲求不満の結果だ。アフメト・ダウトオール元トルコ首相が提唱した「近隣諸国との問題ゼロ」政策への回帰は、トルコと地域の他の国々との関係に対する信頼回復に不可欠だ。エルドアンの非常に攻撃的な政策は、近隣諸国の国内政治の不一致では頻繁に一方を支持する結果となるため、将来の野党主導の政府は(野党が選挙に勝った場合)、トルコのゲリラ的介入(例えばイラクやシリア)や海外軍事駐留(例えばリビア)終了など、多くの問題に取り組む必要がある。

 エルドアンとAKP政権の下、クルド人反政府勢力と両国の同盟者からの安全保障に対する脅威とされるものに対抗するため、イラクとシリア両国でトルコは介入を強化した。トルコはイラク北部での軍事駐留を拡大し、数十の基地と前哨基地を建設し、イラクのクルディスタン内のクルディスタン労働者党(PKK)に対し頻繁な航空作戦と地上侵攻を実施している。トルコ・イラク関係におけるもう一つの障害は、イラクが下流の生活を脅かすと恐れている大規模上流プロジェクトによって引き起こされたユーフラテス-チグリス盆地の水不足だ。

 シリアへのトルコ関与の規模は、2011年のシリア蜂起以来、その後の内戦に関するアンカラの懸念に対処するだけでなく、拡大している。政治的に始まったトルコ介入は、後にシリア反政府勢力への軍事援助に発展し、シリア領の大部分の占領に変わった。エルドアンのシリア政策の結果の一つに、現在選挙討論に関与している何百万人ものシリア難民のトルコ内での存在がある。多くのトルコ野党は、反移民の選挙綱領で運動をしており、これら難民をシリアに送り返したいと考えている。

 両国で、この紛争はトルコにおける長年のクルド人問題の根底にある見解を反映している。トルコの戦略家は、両国を巻き込む混乱を利用して、クルド人がイラクとシリアに独自の国家を創設し、トルコのクルド人地域でPKK主導の分離主義運動を加速させる可能性があると恐れている。この問題は、特にトルコに約15万人のクルド人が暮らしており、その有権者が投票結果に決定的影響を与えることを考えると、選挙前に深刻だ。

 トルコの選挙地図は選挙結果がクルド人に依存する可能性があることを示している。最近の世論調査によると、主にクルド人を基盤とする国民民主主義党(HDP)は、投票の少なくとも10%を獲得すると予想されており、選挙後、最有力候補になる可能性がある。HDPは、姉妹政党であるYeşil Sol Parti(緑の左翼)の旗印の下で議会候補を立候補させ、PKKを支持したという告発をめぐりトルコ憲法裁判所で禁止される可能性を回避している。この党はクルチダルオール大統領候補を支持する6党連立に正式に参加していない。代わりに大統領選挙で更に大きな役割を果たす可能性が高い有権者は、HDPが指名した「緑の左翼」を支持している。したがって野党同盟は、クルド人社会弾圧と近隣戦略両方の口実としてPKKの存在を使用することに関するトルコ公共政策に取り組む上で根本的な問題に直面することが予想される。

 将来のいかなるトルコ反政府勢力主導政府も、南地中海地域におけるトルコの権益を推進するためトルコ兵と外国人戦士が配備されているリビアへの関与も再考する必要がある。野党勢力は同国への軍事介入をやめ、リビアの近隣諸国にその平和的意図で安心させることを目的として、リビアにおけるトルコの代替戦略を提案する必要がある。東地中海の排他的経済水域に対するトルコの主張もライバル主張国に敵対し、地域の緊張を高めている。他の多くの国がこの地域で一連の紛争に巻き込まれており、そこでガス生産が増加している。トルコ野党はエルドアンによるこれら一方的合意を支持しないことを明らかにしており、地域のガス市場におけるトルコの権益を確保するための代替計画を策定していると伝えられている。

 近隣諸国がトルコの経済的、政治的幸福と安全にとって重要なのと同様トルコはこの地域にとって重要だ。トルコ人とアラブ人および他の中東の少数民族との関係は何世紀にもわたる歴史があるが、4世紀にわたるオスマン帝国の支配下で彼らがどのように生き残ったかは意見が異なる。最近ではエルドアンの増大する地域的野心が外交関係を緊張させ、反トルコ感情を煽り、アラブ諸国にトルコに対する慎重な姿勢を強いている。

 誰が選挙に勝っても、次のトルコ政府は、ライバルの隣国に対処する最も効果的な方法を考え出し、より公平で有益な地域協力への道を開くため、これら全ての複雑な問題を念頭に置く必要がある。したがって野党同盟は、クルド人社会の抑圧と、その戦略両方の口実としてPKKの存在を利用するトルコ公共政策に取り組む上で根本的問題に直面すると予想される。

 ビクトル・ミーヒンは、ロシア自然科学アカデミー客員。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2023/05/10/the-middle-east-and-the-upcoming-elections-in-turkey/

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 スコット・リッター氏、著書ロシア語版刊行記念講演、今回はエカテリンブルク

Scott Ritter May 12 Book Event in Yekaterinburg 1:12:06

 Alex Christoforou 狂気のEU外相会談。

Borrell trashes China. Baerbock warns SA. Storm Shadow hits Lugansk. Elensky, Eurovision lies. 44:42

 耕助のブログ

No. 1789 ロバート・F・ケネディ・Jrとドナルド・トランプ

 植草一秀の『知られざる真実』

立憲民主党が衰退する理由

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

老後の生活。国民年金男女全体平均月額:5万6368円、厚生年金男女全体平均月額:14万3965円、65~69歳就業率、2011年36.2%、2021年には50.3%、生活費実収入:23万6576円支出25万5100円、65歳から先の世帯貯蓄・平均値:2376万円・中央値:1588万円

 日刊IWJガイド

「ロバート・F・ケネディ・ジュニア氏への民主党支持層からの支持率が14%から19%に上昇! 2024米大統領選の台風の目となるか?」

はじめに~米大統領候補に名乗りをあげたロバート・F・ケネディ・ジュニア氏への民主党支持層からの支持率が14%から19%に上昇! 2024米大統領選の台風の目となるか? 米左派評論家はケネディ氏の出馬は「最良のリベラリズムの復活」であり、「米国の分断を修復するのはケネディ氏」だと期待! ケネディ氏は米国を再統合できるのか!?

2021年5月 5日 (水)

ワシントンは熊のわなにエルドアンを誘い込んだのか?

2021年4月29日
F.William Engdahl
New Eastern Outlook

 先進的なS-400ロシア防空システムをトルコが購入するのを阻止し損ねた後、ここ数カ月、ワシントン外交は、ウクライナ、アフガニスタンやリビアからアルメニアまで、いくつかの重要な国々におけるアメリカの権益を支持するよう、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領の「姿勢を変える」のに、まんまと成功したように思われる。リラ急落で、トルコ経済は大惨事の瀬戸際で、ワシントンの身勝手な戦略家が、手練手管のエルドアンを、命取りの熊のわなに誘い込んだように益々見えてくる。

 ワシントンや、トルコが重要なメンバーであるNATOから、ロシアやイランや中国に寝返った政治的カメレオン、トルコのエルドアン大統領は全ての相手を自分に有利に動かす名人と呼ばれている。

 2016年、忠誠を度々裏切るエルドアンに、ワシントンがうんざりして、彼を暗殺して、CIAが支配する亡命中のフェトフッラー・ギュレンのネットワークを権力の座につけるためクーデターの企ての背後にいたと彼はCIAを非難した。クーデターは失敗し、ロシアの諜報機関が情報を傍受してエルドアンに伝え、彼の命を救ったと報道された。その後、モスクワとの関係は著しく改善した。2015年11月、シリア領空で、トルコのジェット戦闘機がロシア戦闘機を撃墜した戦争行為に対する報復として、ロシアはロシア観光客にトルコへの厳しい旅行禁止令と、トルコの輸入食品に禁止令を課した。ロシア制裁は、トルコ経済に強烈な打撃となった。

 そこで、エルドアンは、モスクワに向かって移行を始めた。2017年、トルコはワシントンとNATOが繰り返す抗議を無視して、世界で最も進歩していると言われる先進的なロシアのS-400航空防衛ミサイルシステムを買うことに同意した。同じ時期、2016年10月、ロシアが、トルコ向け黒海ガス・パイプライン、最初の二本のトルコストリーム建設を始め、更にアンカラとワシントンを遠ざけた。

2018年リラ危機

 2018年までには、ワシントンとアンカラの関係は、控え目に言って緊張していた。アメリカの三大格付け会社、フィッチ、ムーディーズとS&Pは、全て、エルドアンの最近の敵対的な政治的動きを引き合いにして、トルコ国債を「ジャンク」級に格下げした。その結果、リラが自由落下し、中央銀行に利率を急激に引き上げるよう強いて、その過程で経済成長が締め殺された。2018年8月までに、アメリカは、2016年のギュレン・クーデターの企てのため、アンドリュー・ブランソンとスパイ活動のかどで告訴された他のアメリカ国民の保釈を要求して、トルコに経済封鎖を課していた。インフレーションが進む中、トルコの鉄鋼とアルミニウム輸出は、二倍になったアメリカ関税で打撃を受けた。エルドアンの同盟者で仲間の、ムスリム同胞団の後援者カタールの、トルコに150億ドル投資するという公約が、問題を鎮静することに成功し、それに続く、エルドアンの北京訪問が、中国の支援で、数十億の追加支援を確保した。トルコ外務大臣は、政治的な理由で、リラ危機の背後にいたと「外国勢力」を非難した。

 2019年、イスタンブール市長という重要な政治的とりでの衝撃的に失った後、エルドアンは明らかに、欧米、特にワシントンに対する彼の「有用性」を改善しようと試みた。彼は2023年末、重要な国政選挙に直面するが、もし経済が低下し続ければ、彼は権力を失いかねない。トルコが特にロシアの権益に打撃を与えた際、ドナルド・トランプと、今はジョー・バイデン両者が、トルコの支援を歓迎しているように見えた。それで、2019年に、ロシアに後援されるハフタル大将の軍との戦争で、NATOの承認を得て、ワシントンが支援するトリポリ政府に、トルコが物資と軍事援助を与えて、腐敗したトリポリ政権の破たんを避けた。エルドアンはプーチンとロシアに間接的に反抗したのだ。

 同様に、2020年9月「アルメニア-アゼルバイジャン戦争」発生時には、ロシアのユーラシア経済連合のメンバー、アルメニアに対する、イスラム教同盟国アゼルバイジャンに、トルコは極めて重要なドローンと軍事顧問を提供した。今回はロシアのすぐそばでの、もう一つのロシアの戦略的権益に対する間接的なトルコ攻だった。

 2020年10月、ナゴルノ・カラバフでの、アゼルバイジャンの重要な軍事進撃後、エルドアンはアゼルバイジャンの「自身の領土を守り、占領されていたカラバフを解放した偉大な作戦」を称賛し、トルコは「友好的な兄弟のようなアゼルバイジャンに、全力と全身全霊で」と共にあり続けると述べた。報道によれば、プーチンは、喜んではいなかった。

 トルコとアルメニアの関係は敵対的だが、それはオスマントルコが民族浄化で150万人以上のアルメニア人を絶滅した責任を課された第一次世界大戦に遡る。1920年から、1991年の崩壊までソ連邦の一部だったアルメニアに対し、トルコは現代も大量虐殺の責任を激しく拒絶している。

 4月10日、バイデン・ホワイトハウスが、ウクライナに、現在ロシアの一部であるクリミア半島同様、独立したドンバス地域を取り戻すため軍事行動をするよう圧力を強化する中、エルドアンは、軍事協力で会談するためウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領をトルコに招待した。イスタンブールでの会談後、エルドアンは二人の大統領が、ドンバスを、ロシアの黒海艦隊基地クリミアと同様、キエフに戻すというウクライナの要求に対するトルコの支持を含む20項目の戦略的合意に署名したと発表した。ウクライナでのCIAが支援したクーデター後、2014年3月、クリミア住民が住民投票を行い、圧倒的にロシア加入を票決し、控え目に言っても、NATOにとって不快なことをしていた。加えて、エルドアンは、4月10日、ウクライナがNATO加入を目指すのを、トルコは支持すると発表したが、これはモスクワに対する直接的な戦略上の脅威なので、極めて危険な問題だ。

 既に2020年1月、トルコとウクライナは、ウクライナが6億ドルの巡航ミサイル・エンジンをトルコに提供する合意を含む本格的な軍事貿易協定に署名した。ウクライナは、S-400を巡るアメリカの対トルコ制裁を回避して、トルコ軍にドローンのエンジンも提供する。最近トルコはドンバス戦士に対して使用を計画しているウクライナ軍に、バイラクタル TB2無人戦闘航空機を再販した。要するに、エルドアンは、ここ数カ月、ロシアに対するアメリカ行動を支持する多くのことをしてきたのだ。

 大量虐殺のミステリー?

 だから、4月25日、アメリカのバイデン大統領が、NATO同盟国トルコに対し、1915年に、アルメニア人大量虐殺の罪でトルコを告発する最初のアメリカ大統領になったのは一層不思議だ。トルコがNATOに加入して以来、アルメニア人大量虐殺の話題は、アンカラが繰り返して明らかにしている通りタブーだった。アメリカ政権の反ロシアの思惑で、エルドアンが鍵となる支援役を果たしている、まさにその時、バイデンや補佐官が、なぜ106年前に行われたアルメニア人に対する大量虐殺を、オスマントルコのせいにする必要があると考えたのだろう?

 先月エルドアンが、中央銀行総裁を解雇し、党のお仲間で置き換えて以来、リラ危機が再燃し、トルコは2018年より更に脆弱になっている。この時点で、ワシントンが手練手管のエルドアンを熊のわなに追い込んだように思われる。もし彼の新中央銀行総裁がリラ危機の中、経済を浮揚させるために利率を切り下げようとすれば、何百億という欧米の投資資金がトルコから逃げ出し、2023年の国政選挙前に、経済を、おそらく2018年より、もっとひどい状態に陥りかねない。何年もの間、トルコ企業は、トルコよりはるかに利率が低いドル債券市場に頼ってきた。経済がコロナ危機で打撃を受け、covidリスクを口実に、しかし明らかにエルドアンの最近の対ウクライナ行動に関連して、観光事業が再び六月までモスクワに阻止される中、リラ下落は特にドルでの返済を遥かに高価にする。

 エルドアンは、この侮辱に即座に反撃した。戦略的に重要なNATOインジルリク空軍基地の外で抗議が始まり、トルコ人はアメリカ兵撤退を要求している。

 4月24日、ワシントンが予定しているアルメニア人大量虐殺文書をエルドアンに通知した一日後、エルドアンはイラクとシリアで軍事行動を開始した。トルコ軍は、トルコ南部のシリアとの国境におけるテロの脅威を「完全に終わらせる」クロウ・ライトニング作戦を再開したと発表した。それはダマスカスに対して、アメリカが支援しているPKKクルド人陣地への空襲を伴っている。トルコは、PKKクルド人はトルコを脅かすテロリストだと主張している。同時にトルコ軍は、戦車、歩兵戦闘車、大砲、ロケット発射装置、監視システム、ジャマーや防空システムを含む重装備武器や何千という兵隊がいる大イドリブにおける彼らの陣地を強化した。2018年以来、トルコのイドリブ駐留は、ロシアと共同でシリア領での相互の段階的縮小を監視するとされていた。

 アラブ諸国との関係修復

 より驚くべきは、アラブの近隣諸国との関係を修復すべく、エルドアンは素早く動いていることだ。4月26日、エルドアンの報道官イブラーヒム・カリンは、トルコは、2020年、2018年10月、イスタンブールで、サウジアラビアのジャーナリスト、ジャマル・カショギを残酷に暗殺したというエルドアンの挑発的で極めて公的な非難や、サウジアラビアのボイコットのさなか、カタールに対するトルコの支援を、サウジアラビアが敵対的なトルコの行動と呼んでの、サウジアラビアによるトルコ商品公式ボイコットで、二国間貿易が驚異的に98%も下がったサウジアラビアとの関係改善を期待していると述べた。2013年以前、リヤドは、シリアのアサドに対する戦争で鍵となる当事者だったエルドアンの主要財政支援者だった。トランプ時代からの大きな変化で、ワシントン新政権は、これまでのところ、サウジアラビアに対して非常に冷たい。

 同時にアンカラは、ムスリム同胞団のアメリカに支援されたアラブの春に対する2013年の反クーデターで、エジプト軍がムルシを追放し、アッ=シーシーを支持した時以来、緊張しているエジプトのアッ=シーシー大統領との関係を再構築しようと努めている。もしエルドアンが、サウジアラビアを含め、アラブ湾岸諸国の支持を取り戻すのに成功すれば、湾岸諸国に対するトルコ軍の支援は、中東地政学を、ワシントンに不利なように変えることができるかも知れない。過去二年にわたり、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領の女婿セルチュク・ バイラクタルの家族が所有する実戦で証明されたバイラクタル TB2無人戦闘航空機を通して、トルコは驚くべき主要な軍隊として出現した。リビアやナゴルノ・カラバフやシリアで、彼らは決定的だった。

 最初首相として、今は大統領として、20年近く権力を維持しているレジェップ・タイイップ・エルドアンの激動する支配では、次に何が起きるかは益々不確実だ。国政選挙が2023年に予定されており、経済が下落し続ければ、全て帳消しになる。バイデンの「大量虐殺」宣言は、2023年よりずっと前に、ワシントンが彼を吹き飛ばすかもしれないことを示唆している。だが現時点では、結果は確実からはほど遠く、非常に多くが、有効な新同盟を推進するエルドアンの能力に依存している。

 F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師。プリンストン大学の政治学位を持つ石油と地政学のベストセラー作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2021/04/29/has-washington-lured-erdogan-into-a-bear-trap/

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 今日の孫崎氏のメルマガ題名

高木仁三郎氏(2000年死亡)は物理学者。福島原発等に『考えられる事態とは、地震とともに津波に襲われた時 』を警告していた。老朽化原発についても、強い警告を出している。高経年原発の復活の動きがある中、彼の警告を聞くべし、著書『原子力神話からの解放』

 『原子力神話からの解放』については、2011年3月30日に掲載した翻訳記事「福島のメルトダウンが地下水に到達すれば、チェルノブイリより深刻」の後記で触れた。

 デモクラシータイムス 下記番組も、全くの無能政府・首相に全権を与える「緊急事態条項」を、コロナを口実に導入しようという悪辣さを、どなたかが批判しておられた。

【国会女性会議 No16】森×紙×舟山×福島 再選挙・補欠選挙を終えて コロナ禍の東京五輪 20210428

 日刊IWJガイド から 引用させていただこう。

自民党・下村博文政調会長がコロナを緊急事態条項の対象にと発言! 菅総理も権力強化ばかりを口にして「お願い」を「命令」に変えようとする一方、必要な医療体制の拡充はなされないまま!

 5月3日の憲法記念日、改憲派の「美しい日本の憲法をつくる国民の会」が開いた「公開憲法フォーラム」のウェブ会合に参加した、自民党の下村博文政調会長が、自民党の「憲法改正案4項目の一つに掲げる緊急事態条項の対象に、新型コロナウイルス感染症を含めるべきだ」との認識を示し、「『日本は今、国難だ。コロナのピンチを逆にチャンスに変えるべきだ』と強調した」と、4日、共同通信が批判を加えることなく、報じました。

※コロナのピンチをチャンスに 自民下村氏、改憲巡り(共同通信、2021年5月4日)
https://this.kiji.is/761967683903111168?c=39546741839462401

 しかし、新型コロナウイルスの感染拡大を逆手に取って政治的に悪用し、改憲へとすり替えようとする下村氏の発言に対してSNS上などでは下村発言の内容に批判の声が噴出しています。

2021年4月10日 (土)

アメリカとNATO同盟諸国は、一体いつリビア略奪の責任を取るのだろう?

2021年4月4日
ウラジーミル・オディンツォフ
New Eastern Outlook

 2011年、欧米が約束した「民主主義と自由」の代わりに、アメリカ合州国とそのNATO同盟国に浴びせられた軍事侵略の結果、リビアは深刻な経済、社会問題に陥った。そして過激派と国際犯罪の温床となった。

 アメリカの出版物Diario de Americaが、2011年に書いたように、リビアは、一つの軍事介入の標的になっただけでなく、アメリカとNATOの「情報作戦」最新世代サイバー戦争を実現する上で最初の実験場にもされていた。

 ワシントンとそのNATO同盟諸国は、介入開始二日前に採決された国連安全保障理事会決議1973の隠れ蓑の下、リビア侵略を実行した。だが決議自身、厳密に言えば、外部からの武装侵略を明記していなかったことは指摘する価値がある。それはリビアでの紛争の停止武と飛行禁止区域の導入を規定していた。その文言には、具体的に「占領軍の導入を除く」一般住民に対するあらゆる形の保護が許されると述べていた。大規模爆撃や「第一標的」として知られる現地指導者の殺人については何も書かれていなかった。

 2月28日、当時のイギリス首相デイビッド・キャメロンは「飛行禁止区域」の考えを思いつき、3月1日に最初の2隻のアメリカ戦艦は位置を変え、地中海(空母エンタープライズと、マウント・ホィットニー)に向かったが、国連における、それに関する議論は、まだ準備さえされていなかった。まさに同じ言葉遣い「飛行禁止区域」は、リビア領空で、この北アフリカの国が自由に使える航空機より遥かに進歩した外国戦闘機と爆撃機の出現を合法化した。2011年3月19日、自身をリビアの航空防衛体制から守るという言説を隠れ蓑に、8つのNATO加盟諸国が、リビア全域に大規模空爆作戦を開始した。ベルギー、カナダ、デンマーク、フランス、イタリア、ノルウェー、イギリスとアメリカだ。初日に、トリポリ向けだけでも、100発以上のトマホーク・ミサイルが発射された。

 まさに介入初日、エリゼ宮殿は、ベンガジ郊外への爆弾投下は、リビア民間人の懸念には関係なく、中立的な調子の公式国連決議を否定し、実際国連には許容されない、紛争関係者の一方の支援を意味する「反政府勢力に支配された都市をカダフィ部隊から守る」ためなのを明らかにした。その後は、親欧米派関係者の誰も、真面目に国連決議を振り返らず、リビアの軍装備品と人的資源の組織的破壊が始まり、一般人が死に始めた。

 そして既に、2011年8月、アメリカ民主党のデニス・クシニッチ下院議員が「NATO指導部は、NATO爆撃の結果、リビア一般人の死に対する責任で、国際刑事裁判所で責任を問われなければならない」と指摘した。この発言は、下院議員が公表したプレスリリースを引用して、ヒル紙が発表した。このアメリカ政治家が強調した通り、アメリカ軍隊のリビア介入は、内政干渉の犯罪行為だ。

 アメリカ軍の他に、イギリス、フランス、カタールとヨルダンの軍は、特にこのアフリカ国家で活動していた。これは、当時、NATO代表とイギリス軍当局者発言を引用して、イギリスとアメリカのマスコミで詳細に報じられた(デイリー・テレグラフインディペンデントCNN)。それにもかかわらず、トリポリ占領で重要な役割を果たしたのはNATOの軍要員だった。彼らは反政府派に行われる行動を調整し、現地の服を着て、現地兵器を装備したイギリス空軍特殊部隊(SAS)兵士が、リビア指導者ムアマル・カダフィ「狩り」に行った。

 だが再度、国連はNATOにリビアで地上作戦を行うことを許していなかったことは繰り返す価値がある。同盟勢力は、国連安全保障理事会決議に規定されたアフリカの共和制国家上空の飛行禁止区域が決して侵されないようにすることだけ許されていた。

 リビアでのNATO軍事介入の結果は壊滅的だった。2011年までにさえ、統一された国として破綻し、実際の権力は、地域に密着した部族の多数の武装集団に掌握された。彼らはトリポリ政府に従わず、いずれもロシアで活動を禁止されている組織、テロ組織アルカイダや公正建設党(ムスリム同胞団支部)支配下にあった。リビアの予算損失だけで約140億ドルになった。2011年8月までに全ての製油所は操業停止していた。2011年秋までに、GDP損失は77億ドルになっており、直接NATO爆撃による損失は140億ドルと見積もられた。

 NATOがリビアで点火した炎は、素早く西アフリカ、特にマリに広がった。NATO爆弾が雨のように降る中、カダフィ政権崩壊は、アフリカ大陸中で、あらゆる種類の過激派集団を素早く武装させただけでなく、多くの地域での激しい過激化に貢献した。

 リビア戦争への西側諸国の参加は2011年、ドイツとスペインで反発感情を招いた。

 2015年、前国務長官ヒラリー・クリントンのメール・システムへのハッカー攻撃が、一般大衆向けでない情報を暴露して、こうした出来事の基盤は一層明確になった。2016年、イギリス議会外交委員会は戦争の発端となったカダフィに対する疑念が誇張されており、ロンドンを同調させたパリの動機が「狭いフランス国益に基づいていた」と認めた。

 フォーリン・ポリシー誌で、著名な国際人権機関Airwarsの専門家ジョー・ダイクが、いくつかの証言に依拠して、2011年、NATOがこの国での内紛介入で、大規模にリビアの一般人を殺害したと主張している。だが、10年後でさえ、イギリス、フランスやアメリカを含め、これらの国々は、彼らが与えた損害に対し責任をとったり、補償を支払ったりするのを拒否している。

 加害者連中は、2011年のアメリカ・NATO介入による、リビアの一般人の死や、リビアと、その国民に与えた損害に対する責任を、いつの日か問われるのだろうか?

 ウラジーミル・オディンツォフは政治評論家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2021/04/04/when-will-the-us-and-its-nato-allies-answer-for-the-looting-of-libya/

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 最近、アラブの春にまつわる下記講演を拝聴した。

 日本記者クラブ

「“アラブの春”から10年 中東のいま」酒井啓子・千葉大学教授 2021.4.7

 再生回数数字が伸びないという。タヌキのたぶらかしも解けたのか?化けの皮がはがれたのか。竹山バッシング批判記事、最後が良い。

 日刊ゲンダイDIGITAL

小池知事“数字”取れず…竹山が批判の動画も再生回数伸びず

小池都政の竹山“激オコ抗議文”に芸能界から続々と声あがる

2021年2月23日 (火)

バーレーンで革命を潰しながら、アメリカ-イギリスはリビアとシリアで政権転覆を企んでいた

Finian Cunningham
2021年2月19日
Strategic Culture Foundation

 10年前の出来事の影響は、今日に至るまで反響している。アントニー・ブリンケン国務長官を含めバイデン政権の数人のメンバーは、これら破壊に対する責任を負っている。

 10年前の今月、中東と北アフリカは蜂起とごまかしで激しく揺り動いていた。一般に、アラブの春は広大な地域に押し寄せた民主化運動の一つの波と考えられている。だが実態はそれからほど遠く、この出来事は、欧米列強が、欧米メディアが描いているようには、歴史の正義側ではない寄せ集めの出来事だった。実際、これらの権力は、いかなる進歩の可能性も阻止するため、確実にアラブの春を挫折させる極悪非道な役割を演じたのだ。

 バーレーンとリビアとシリアで同時期に起きた出来事を瞥見すれば、アメリカ、イギリスや他のヨーロッパNATO政権が実際に果たした悪質な役割がわかる。アラブの春は、確かに、遥かに多くの国々でおきたが、アラブ諸国での、この三つの出来事は、全中東と北アフリカ地域に、苦難、失敗、対立とテロという進行中の遺産を残した欧米列強の悪質な狙いを強調している。

 以前の評論で報じられているように、アメリカとイギリスの政府は、2011年2月14日に始まったバーレーンの専制的だが親欧米派の君主国家、隣接するサウジアラビアの、より金持ちで、より強力なサウド王家政権にとって代理でもあるハリーファ政権に対する民衆革命を抑制する上で重要な役割を果たした。サウジアラビアは、アメリカとイギリスから、2011年3月14日に、大多数のバーレーン人が、自由な、公正な選挙、人権と、独自の法による支配を要求している一カ月間の蜂起を残酷に鎮圧するため、ペルシャ湾の島を侵略する許可を与えられた。

 皮肉なのは、ワシントンとロンドンが、不穏状態にある他のアラブ諸国における同じ民主主義の価値を支持すると主張していたことだ。

 2011年3月15日、欧米政府とメディアは、彼らがシリアのバッシャール・アル・アサド大統領の政府に対する、「民主化運動」蜂起の始まりと呼ぶもの歓迎した。そして、3月19日、アメリカとイギリスと他のNATO政権は、その国の元首ムアマル・カダフィ支配下にある軍隊から「人権を守る」という名目で、リビアでの軍事介入を開始した。

 アメリカとイギリスは、それが一連の湾岸アラブ君主諸国全体を脅かす可能性があったため、バーレーン反乱を素早く鎮圧するよう強いられた。もしバーレーンで民主主義が出現するようなことになれば、その独裁支配が、世界的なオイルダラー体制と、中東における欧米帝国の権益、とりわけ、大いに儲かるあらゆる軍備物資の輸出を維持する上で極めて重要な、他の石油に富んだ湾岸諸国の不安定化をまねきかねない。バーレーンの民主的願望を犠牲にするのは、ワシントンとロンドンが何のためらいもなしに、支払うのをいとわない代償だった。

 メディアの沈黙を含めたアメリカとイギリス共謀と、サウジアラビアの支配で団結した君主国家に、バーレーンの民主的願望は今日に至るまで暴力的に抑圧されている。

 2011年3月14日、バーレーン侵略に対し、サウジアラビアが許可を得た際の見返りは、ペペ・エスコバールによれば、アメリカのヒラリー・クリントン国務長官が、湾岸君主諸国から、リビアでの差し迫ったNATO軍事介入に、22カ国のアラブ連盟は反対しないという保証を得たことだった。こうして、バーレーン鎮圧は、5日後、リビアに対するNATO電撃攻撃と、10月20日、カダフィ打倒と殺害で頂点に達した容赦ない8カ月の空爆作戦への道を開いたのだ。

 その後、リビアは、アフリカで最も発達した先進国から、内戦で引き裂かれ、ジハード戦士部族軍長、今日に至るまでヨーロッパを悩ませている人身売買という戦争で荒廃した破綻国家へと、あっと言う間に落ちぶれた。アメリカやイギリスや他のNATO政権が、アラブの春の一環として、人権を守り、民主主義を奨励するという名目で、リビアへの犯罪侵略を正当化したのはグロテスクだ。

 更に一層非難されるべきことは、リビア破綻国家は、間もなく、CIAとイギリスMI6がジハード傭兵派遣と、NATOとアラブが支援するシリアで展開する政権転覆作戦の兵器の供給源となったのだ。

 2011年3月15日、イギリスとアメリカがバーレーンで民主化運動を潰す作戦を支援した一日後、シリアにおける出来事が不吉な展開をした。ヨルダン国境の南部シリアの都市ダラーで、屋上の狙撃兵が保安部隊と反政府抗議者を射殺した。欧米メディアは、シリア、ダマスカスのアサド中央政府に対する民主化運動の始まりを直ぐさま歓迎した。だが当時も、今もほとんど報じられていないの、政権転覆戦争を燃え上がらせるため、NATO軍が狙撃兵を密かに派遣していたことだ。実際それは、NATO軍による秘密侵略戦争で、ほぼ10年間続き、シリア北国境を不安定にし続けてる戦争は、湾岸アラブ諸国に資金供給され、多数の国からジハード傭兵を採用しているのに、皮肉にも不誠実に、欧米メディアは、民主化運動蜂起として描いている。

 リビアはTimber Sycamoreと呼ばれる、アサド大統領を打倒するための秘密のNATO戦争を拡大させるため、シリアにテロ戦士と兵器をつぎ込んだ、CIAとMI6の作戦の重要なリンクだった。その作戦は、2015年末、シリア政府を支持するロシアによる軍事介入のため最終的に失敗した。欧米列強の政権転覆計画を挫折させる上で、イランとレバノンのヒズボラの支援も肝要だった。

 10年前の出来事の影響は、今日に至るまで反響している。アントニー・ブリンケン国務長官を含めバイデン政権の数人のメンバーは、これら破壊に対する責任を負っている。リビアは膨大な石油の富にもかかわらず、経済崩壊に苦しめられている分裂した国だ。シリアは、おそらく500,000人の死者で、戦争で荒廃しており、アサド政府に対するアメリカとヨーロッパ制裁のため、再建で苦闘している。欧米の政権転覆の狙いで、それらの国々で生みだされたテロは、中東やそれをこえて、つきまとい続けている。

 バーレーンは、長年苦労し、民主主義を要求しただけの人々は、民主主義、人権と、法による支配で、世界の国々に対する模範だと主張する二つ国、アメリカとイギリスの指示を受けた専制アラブ諸国政権に残酷に鎮圧され続けている。

 Finian Cunninghamは主要報道機関の元編集者・記者。国際問題について多く書いており、記事は複数言語で刊行されている。

個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2021/02/19/killing-bahrain-revolution-us-uk-plotted-regime-change-libya-syria/

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 「全く問題ない」「批判は当たらない」「そのような指摘は当たらない」氏、総務省疑獄で火達磨。肉親から出た錆。 次の首相記者会見で、7万円接待を受けた山田広報官も質問されるのだろうか?速記者ではなく記者に。

 LITERA

菅首相の長男による総務省幹部接待は贈収賄だ! 見返りの便宜供与も次々…接待の録音データに収録されていた菅長男の意味深なセリフ

 日刊ゲンダイ

菅首相が墓穴…長男に就職時「総務省と関わるな」と釘刺し

 下記のような番組を提供している会社の製品は買いたくなる。こうしたyoutubeを見たまま眠り、異様な話に目が覚めることがある。サプリメント会社がスポンサーの番組だ。この企業の提供番組に自動的に切り替わるのはなぜだろう。決して切り替わらない設定にできないのだろうか。トリエンナーレの件でインチキ・リコールを推進した連中も活躍する番組。驚くほど視聴者数が多い。謎だ。

寺島実郎の世界を知る力 #5「コロナ禍のパラドックス/「赤胴鈴之助」から「鬼滅の刃」まで!漫画の社会学」(2021年2月21日放送)

2021年2月15日 (月)

ビクトリア・ヌーランドが危険で、承認されるべきでない理由

リック・スターリング
2021年2月11日
Antiwar.com

 ビクトリア・ヌーランドは、説明責任を避けながら、これまで30年、アメリカ外交政策で、次から次と大惨事をもたらしたネオコンの典型だ。ジョー・バイデン大統領がビクトリア・ヌーランドを国務省で三番目の高位、政務次官に指名したのは良くない兆しだ。

 高位の被任命者として、ビクトリアヌーランドは、アメリカ上院に承認される必要がある。彼女の承認を阻止する運動がある。彼女の実績の下記検証は、ビクトリア・ヌーランドがなぜ不適任で、大いに危険で、承認されるべきではないかを示している。

アフガニスタンとイラク

 2000年から2003年まで、ブッシュ政権がアフガニスタンを攻撃し、侵略する中、ヌーランドは、アメリカ政府代表部NATO大使だった。アフガニスタン政府は、アルカイダを排除するため、アメリカに協力すると申し出たが、拒絶された。アルカイダを破った後、アメリカはアフガニスタンから撤退できたはずだが、そうではなく、留まり、半永久基地を建設し、20年後も、現地で、まだ戦っている。

 2003年から2005年まで、ヌーランドは「イラクの大量破壊兵器とされるものを理由に、ブッシュ政権による先制的軍事行動を正当化する主張をでっち上げたことを含め、サダム・フセインを打倒する戦争を計画し、運営するのを支援した」ディック・チェイニー副大統領の主要外交政策補佐官だった。極右のヌーランドがいる外交政策支配体制は、サダム・フセイン排除と、アメリカ「同盟者」の設置は簡単だと信じていた。

 侵略と、その後の占領は、6兆ドルの経費、百万以上のイラク人の死者、何千人ものアメリカ兵の死者、何十万人も心的外傷後ストレス障害にした。

 2005年から2008年まで、ビクトリア・ヌーランドは、アフガニスタンとイラク占領のため「連合軍の支援を強化する」役割のNATOアメリカ大使だった。

 侵略10周年記念日に、得た教訓を問われて、ヌーランドは「サダム時代と比較すると、我々は今二国間安全保障条約があり、深い経済上の利権と結びつきがある。我々には安全保障関係がある。我々には政治的関係がある。」と答えた。ヌーランドは経費には無関心だ。ヌーランドの忠誠は、悲劇から利益を得ているエリートに対してのものだ。オンライン検索によれば「イラク戦争でトップ不当利益者の一社は、油田サービス企業ハリバートンだった。ハリバートンは「イラク戦争と関係する連邦政府との契約」で395億ドル稼いだ。ヌーランドの上司ディック・チェイニー副大統領は、以前ハリバートンCEOだった。

 2020年1月、アメリカ侵略から17年後、イラク議会はアメリカ兵と請負業者の撤退を要求する決議を通過させた。一年以上たった今も、彼らはまだ撤退していない。

リビア

 2011年春、リビアのムアマル・カダフィに対する「政権転覆」攻撃が激化するにつれ、ビクトリア・ヌーランドはヒラリー・クリントンの国務省報道官になった。国連安全保障理事会決議1973は、リビア政府軍に対する空爆のためではなく、一般人保護のため「飛行禁止区域」を認可していたのだ。

 その夏、アメリカと他の国々がリビア軍隊を爆撃し、攻撃する中、彼女はリビアでの平和的移行の選択肢を切って捨て、国連安全保障理事会に、カダフィ解任を要求するよう偽って示唆した。

 この攻撃作戦はリビア政府打倒とカダフィ殺害をもたらした。カダフィ殺害と銃剣で肛門を責めたことについて、ヌーランドの上司、ヒラリー・クリントンは「我々は来た、我々は見た、彼は死んだ。」と高笑いした。

 征服以前、リビアは、アフリカ最高の生活水準だった。アメリカが攻撃を率いて以来、リビアは、指揮官連中が競合し、莫大なインフレ、大量失業や、破綻国家、近隣諸国にも広がった爆発する過激主義と暴力で、破綻国家になった。ヨーロッパに行こうとして地中海を渡ったり、溺死したりする大半の移民はリビアからだ。どんな尺度からしても、リビアの一般人を「守る」という目標は見事に失敗した。

シリア

 カダフィを殺した後、クリントンやヌーランドなどのタカ派は、アメリカがリビアの兵器庫を支配しているのに気がついた。彼らはシリア政府を打倒しようとしている反抗分子に、その兵器を注ぎ込むことができた。これは国防省秘密文書で確認された。「2011年10月の((カダフィ))政権崩壊後の余波に生じた、2012年9月初旬までの不安定化の中、リビアのベンガジにある旧リビア軍の兵器庫の兵器が、リビアのベンガジ港から、シリアのバニアス港と、ブルジ・イスラム港に送られた」

 2012年1月、アメリカは「シリアの穏やかな変化を望んでいる人々の味方だ」とヌーランドは主張した。こう言いながら、アメリカは「穏やかな」反政府派に、狙撃用ライフル銃や、対戦車擲弾や、125ミリ、155ミリ榴弾砲ミサイルを供給していた。

 アメリカのシリアでの「政権転覆」戦略は、リビアでの手口の繰り返しだった。最初、抗議行動参加者は穏やかだと主張する。次に政府の対応が不釣り合いだと主張する。代理抗議行動参加者とテロリストの支持を強化しながら、標的にした政府を麻痺させるため圧力をかける。証拠記録の通り、初めから強暴なシリア抗議行動参加者がいたのだ。2011年3月中旬、抗議行動の始めの頃、ダルアーで、七人の警察官が殺された。ヌーランドは国務省報道官として「政権交代」作戦を正当化するエセ言説を推進する重要人物だった。

ウクライナ

 2013年9月、ビクトリア・ヌーランドは、ヨーロッパとユーラシア担当国務次官補に任命された。マイダンとして知られる中央広場での蜂起は、彼女の到着直後に始まった。抗議に対するアメリカ支持を強調するため、ヌーランドとジョン・マケイン上院議員は群衆にパンとクッキーを配った。

 抗議行動は、2014年1月に入っても続いた。喫緊の問題は、天然ガス代金の40パーセント値上げを必要とする国際通貨基金からの融資を受けるか、安い石油とガスを含むロシアの融資を受けるかだった。野党はヤヌコーヴィッチ政府がEU/IMF融資を受け入れることを望んだ。反政府派は、ネオ・ナチのスボボダ党や、右派セクターを含む様々な派閥で構成されていた。

 2014年2月始め、駐ウクライナ・アメリカ大使ジェフリー・パイアットと話すビクトリア・ヌーランドの録音が一般大衆に漏れた。「EUなど、くそくらえ」というビクトリア・ヌーランド発言を含んでいたので、この4分会話はマスコミで大騒ぎになった。」

 だが、ヌーランドの罵倒は、本当に重要なことから目を散らす邪魔物だった。録音は、ヌーランドがウクライナ内政に干渉し、主要野党指導者と直接接触し、誰をクーデター後の政府に入れるか、入れないかを決めるほど、抗議を支配しているのを示していた!彼女は「私はクリッチ[ヴィタリー・クリチコ]が政府に入るべきと思わない、ヤッツ[アルセニー・ヤツェニューク]が適任と思う」と言っていた。

 彼女が「EUなど、くそくらえ」と言ったのは、EU交渉や妥協を認めなかったためだ。ヌーランドとパイアットは、ヤヌコーヴィッチ政府が、OSCE(欧州安全保障協力機構)に監督され、実質的に認められた選挙で政権を掌握したにもかかわらず、その打倒に「一役買い」「集中する」ことを望んでいた。

 次の数週間、抗議行動はエスカレートした。駐キエフ・アメリカ商工会議所会頭バーナード・ケイシーが、次に何が起きたか述べている。「2月18日-20日、狙撃兵がマイダンで、約100人[抗議者と警察両方]を虐殺した。アメリカ大使と野党はヤヌコーヴィッチ政権のせいにしているが、証拠は、超国家主義者が占領したホテルからの銃撃を示しており、弾道学が抗議行動参加者と警官が全て同じ武器で撃たれたことを明らかにした。」

 エストニア外務大臣も後に同じことを言った。「狙撃兵の背後にいたのは、ヤヌコーヴィッチではなく、新しい(野党)連合の誰かだった」。

 在ウクライナ・アメリカ商工会議所会頭バーナード・ケイシーは続けている。「2014年2月20日、EU代表団がヤヌコーヴィッチ大統領と抗議行動参加者の交渉を仲介し、2014年5月ではなく、2015年2月の早い選挙に同意した。協定調印にもかかわらず超国家主義抗議行動参加者と、アメリカ・スポンサーは、それを拒絶し、暴力的活動を強化した。」

 クーデターは数日のうちに完了した。ヤヌコーヴィッチは亡命し、クーデター後、ヤツェニュークが計画通り大統領になった。

 クーデター指導体制最初の行為の一つは、特に南部と東部で何百万人ものウクライナ人の第一言語であるにもかかわらず、ロシア語を公式国家言語から排除することだった。その後の期間、クーデター政府の「誕生」で、超国家主義者とネオ・ナチによる暴力が蔓延した。彼らは、オデッサで、クーデターに平和的に抗議する人々を攻撃した。このビデオは、最初の攻撃後、抗議者が撤退していた建物を焼夷弾で攻撃する一連の出来事が続いたことを示している。消火し、内部の市民を救助するため、消防車が建物に近寄るのを阻止された。42人が死亡し、100人が負傷した。

 クリミア半島に戻るバス車列が攻撃され、反クーデター派乗客が殴打され、何人か殺害された。

 東ウクライナのドンバス地域では、反クーデター抗議行動が致命的武力で攻撃された。

 彼女の会話が公に漏れたので、ビクトリア・ヌーランドは「犠牲者」だと主張している。本当の犠牲者は、亡くなったウクライナ人数千人と、ウクライナをNATOに引き入れるヌーランドの十字軍活動で、難民になった数十万人だ。

 録音は、ヌーランドが、抗議を頂点で、指揮しており、結果(「ヤッツこそ玉だ」)が計画通りだったことを裏付けている。

 なぜ2月18日に狙撃兵が派遣されたのだろう?おそらく時間切れになりそうだったからだ。ロシア指導部は、2月23日に終わるソチ・オリンピックに気を取られたいた。おそらく、クーデター管理者は、事前にそれを「固定しよう」と急いでいたのだ。

ロシア

 1990年代、ヌーランドは旧ソ連問題の次長としての仕事を含め、国務省のロシア関連部署で働いていた。アメリカは無数の方法でロシアの内政に干渉していた。タイム誌は、「救いの手を差し伸べるヤンキー。アメリカ人顧問がどのようにエリツィン勝利を支援したかについての秘話。」と誇らしげに宣言した。エリツィンの指導部と、アメリカが推し進めた政策は、悲惨な結果をもたらした。1991年から1999年までの間に、社会保障が廃止されるにつれ、ロシアの国内総生産は、ほぼ50パーセント減少した。ロシア経済は崩壊した、オリガルヒと無法状態が出現した。ヌーランドはロシアに干渉し、経済の「ショック療法」を実施し、広範囲な社会的絶望をひき起こしたアメリカ人集団の一員だった。

 一方、アメリカは、NATOは東方に「1インチ」も拡大しないというソ連の指導者ゴルバチョフとの約束を破った。それどころか、NATOは、国際法に違反し、ユーゴスラビアに爆弾を投下し、次にポーランド、ハンガリー、ブルガリア、ルーマニア、バルト諸国、チェコ共和国、アルバニア、クロアチアや、更に多くをとりこみ、攻撃的協定になった。

 2000年に権力の座につくと、プーチンはオリガルヒを締めつけ、秩序を復活させ、経済を再構築し始めた。オリガルヒは税金を支払い、生産的企業への投資を始めるよう強いられた。経済と信頼は復活した。7年で、GDPは1兆3000億ドル(米ドル)から2兆3000億ドルに伸びた。それが、85パーセントから、「低い」60パーセントの支持率の間に分布し、プーチンに対する国民の支持率が首尾一貫して高い理由だ。

 大半のアメリカ人は、これらの事実に気付かない。逆に、プーチンとロシアは、繰り返し悪者にされる。これはバーニー・サンダースや、ドナルド・トランプの落選に対する汚い策略から目を逸らすものが必要な民主党支配層にとって、好都合なのだ。ロシアの悪魔化は、特に、軍産メディア複合体にとっても、便利で、儲かるのだ。

 ロシアとトランプ間の協力や他の卑劣な説を主張する「スティール調査書類」を、ビクトリア・ヌーランドは宣伝した。彼女の主張はメディアに溢れ、ロシアへの態度を汚した。遅ればせながら「スティール調査書類」の真実が現れた。去年夏、ウォールストリート・ジャーナルは「2017年に、連邦捜査局(FBI)は、ロシア情報がいんちきなのを知っていた」「調査書類の主張には事実の根拠がなかった」と報じた

 デマを促進しながら、ビクトリア・ヌーランドは益々攻撃的なアメリカ外交政策を推進している。「プーチンを身動きできなくする」という題の記事で、「リベラルな世界に対するロシアの脅威は大きくなっており」ワシントンは「クレムリンによる危険な行動を阻止し押し返す」べきで「世界中の不安定地域でのロシア侵略を撃退する」と言う。

 ビクトリア・ヌーランドや他のワシントン・ネオコンが宣伝している主要「不安定地域」は、特にシリアとウクライナでの紛争だ。シリアで、アメリカと同盟国はアサド政府打倒促進に何千億ドルも費やした。これまでのところ彼らは失敗しているが、諦めていない。事実は明確だ。シリアのアメリカ軍と基地は、シリア政府の承認を得ていない。彼らは積極的にシリアの貴重な石油資源を盗んでいる。「侵略して」いるのはロシアではなく、アメリカだ。危険な行動はモスクワではなく、ワシントンによるものだ。

結論

 ビクトリア・ヌーランドは、クーデター、代理戦争、侵略と進行中の占領を通して介入外交政策を推進している。この政策はアフガニスタン、イラク、リビア、シリアとウクライナで、血まみれの悲惨な結果で実行されている。

 最高の偽善で、アメリカでデマを広めたと言って、ロシアを非難しながら、彼女は公然と「彼の国民を含め、プーチンの弱点に圧力を加えよう」と努めている。彼女は「NATOの東国境沿いに永久基地を確立し、共同演習の頻度と認知度を高めよう」と狙っている。

 ビクトリア・ヌーランドは、兵役を免れたタカ派の女王、絶え間ない戦争のマクベス夫人だ。彼女が推進した政策で、何十万人もの犠牲者がいる。それなのに彼女はかき傷一つを受けていない。それどころか、ビクトリア・ヌーランドは、おそらく軍請負業者だらけの株式ポートフォリオで利益を得ているのだ。

 今ビクトリア・ヌーランドは、ロシア挑発し、恫喝し、「押し返そう」と望んでいる。米軍事基地地図を一瞥すれば、誰が誰を脅迫しているか直ぐわかる。

 ビクトリアヌーランドは大いに危険で、承認されるべきではない。

 リック・スターリングは、サンフランシスコ・ベイエリア在住の調査ジャーナリスト。彼は[email protected]で連絡できる。

記事原文のurl:https://original.antiwar.com/Rick_Sterling/2021/02/10/why-victoria-nuland-is-dangerous-and-should-not-be-confirmed/

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 リビアでのヒラリーの凶行愚行写真をみた人は、彼女が制作したTVドラマなどに興味を持つまい。売国傀儡の支持率が40%近いというのが真実とは信じがたいが、こういう人物を大統領候補にする宗主国、恐ろしいものだ。カダフィ虐殺を巡るヒラリーの異常な笑いや発言については、多くの翻訳記事でも触れられている。下記は代表的なもの。

 ブログ『私の闇の奥』の1月31日記事に目を疑いたくなる情報がある。洗脳プロパガンダ、金をもらっても見ない。

ヒラリー・クリントンがクルド人女性戦士達主題のTVドラマを制作!!

 恫喝政治家に、透明性を期待しても無理。

 日刊ゲンダイDIGITAL

菅首相は川淵会長案を事前了解…「透明性を」どの口が?

 植草一秀の『知られざる真実』 属国大本営が絶対に触れない重要な話題について書いておられる。

メディアが伝えない日本政治の真実

 UIチャンネルに出演されるという。これは必見。午後8時から

2月15日(月)放送の第380回UIチャンネルに出演させていただく。
https://bit.ly/37cW7Bs

 日刊IWJガイド 米国医師会 CDC論文 無症状者からの感染が全体の感染の過半数

大々的に報じられない重大な真実! 大手マスコミや日本政府も黙殺! 米国医師会が衝撃的なCDCの論文を発表! 新型コロナの陽性の無症状者からの感染が全体の感染の過半数を占める! 無症状者への全員検査をしなければ新型コロナは制圧できない!

2020年2月21日 (金)

トランプはアメリカ軍をイラクに永久配備する計画

2020年2月17日
The SakerブログへのEric Zuesse寄稿

 公的に特定されるのを望まない、信頼できる非常に情報に通じた関係筋が、CENTCOM(アメリカ中央軍)指揮下ではなく、NATO指揮下で、アメリカ軍が永久にイラク駐留する合意に達したと、秘密で、私に知らせてくれた。

 2月12日、NATO諸国の防衛大臣は、イラクで作戦を増すことに同意した。2019年秋から、NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務局長は、この計画(トランプはそれ以前から要求していた)を準備するため、ずっと働いており、チュニジアが、他のNATO加盟国を中東を支配するアメリカの代理人として使うトランプ計画の鍵となる部分なので、ストルテンベルグは、ヨルダンで、アブドラ国王と、ブリュッセルで、チュニジアのサブリー・バッシュトブジ外務大臣と会談した。

 2月1日、ムスリム同胞団支持派のトルコは、この計画に同意し、(元カダフィ支持者で、今リビア内戦で、リビア内の全てのジハード戦士打倒が目的だと主張している)ハリファ・ハフタルの軍隊を破るべく、ファイズ・サラージ(今アメリカ、EU、トルコに支援されている元君主主義者)の軍隊を支援するため、チュニジア経由で、ジハード戦士(アルカイダ関連集団、プラス多少のISIS)を、ジハード戦士で満たされたシリアのイドリブ県から、リビアへ移動するだろう。アメリカ、EUとトルコがファイズ・サラージを支持しているのに対し、ロシアは、そこで平和を仲介することを除いて、戦争には関係していないが、ファイズ・サラージはロシアによる、いかなる関与も拒否している。リビアに対するトルコの関心は、付近の地中海の石油とガスの利権に対して始まっている競合で、縄張りを勝ち取るより強い立場になれるよう、リビアの支持を勝ち取ることだ。リビアにトルコの恩義を感じさせることは、トルコが沖合の石油を得る可能性を増やすことになる。

 シリアのイドリブ県で、トルコが保護しているジハード戦士に対するアメリカの立場は、トルコも支持している、サラージをひいきして、アメリカが反対しているハフタルを打倒する上で、彼らは、代理現地軍として有用だということだ。それで、リビアでこの取り組みに関して、トルコとアメリカは協力している。

 アメリカの関心は、シリアの非宗教的政府を打倒し、サウジアラビアを所有する原理主義スンニ派のサウド家に受け入れられる政府で置き換えることだ。従って、これを実現するため、アメリカはイラクで軍隊を維持する必要がある。さもなければ、アメリカとサウド家は、究極的に、両方征服したいと望んでいるロシアとイランが、中東で、更に強い影響力を持つことになるが、それは、アメリカもサウド家も望んでいない。アメリカがイラクを侵略したのは、直接、アメリカ国際企業が利益を得るためだけでなく、そこに、2003年の侵略後、バグダッドに建設された建物、世界最大の大使館ビル(そこから他のアメリカ大使館にさえ供給する)から供給される何百もの基地を造り、そこから全中東を支配するためなのだ。現在、トランプの計画は、彼らに、過去よりも、中東で手伝わせるために、NATO同盟諸国者を引き込むことだ。トランプは、アメリカ納税者が、全経費の資金を負担せずに済むように、アメリカや、同盟諸国(あるいは属国諸国)(他のNATO諸国を含め)に本拠がある巨大国際企業の億万長者所有者のために、帝国主義を押しつけるための財政負担の一部を、アメリカ属国諸国に負担させたがっているのだ。これが、トランプ計画を実施するため、シュトルテンベルクが何カ月間も働いていた理由だ。

 2月1日、「独占記事:米軍、イラクに部分的撤退を申し出」をベテラン中東記者デイビッド・ハーストがMiddle East Eyeサイトの見出し記事にして、こう報じた。

 アメリカは、バグダッドの80キロ北に位置し、アメリカ人指導者と請負業者を収容しているバラド空軍基地のような、シーア派が多数派の地域や、付近の陣地を去る用意を調えたと、米軍代表が、イラク人に述べた。

 ワシントンはバグダッドでの駐留さえ削減を考えているとイラク人は言われた。

 「我々はバラドの基地のようなシーア派が多数派の地域の一部から撤退する用意がある。我々はバグダッドにおける我々の駐留を減らすことができるかも知れない」と米軍代表がイラクの相手に語り、イラク側は、イラクの首都におけるアメリカ軍の駐留は、大使館と空港を守る程度に縮小されるだろうと理解した。

 だが、米国側は、イラクで最大のアメリカ空軍基地アイン・アル・アサド基地から、そして、実際、中東全体から撤退するのを断固排除している。

 米国側にとって、アイン・アル・アサド基地は「越えてはならない一線」なのだ。

 アメリカ代表は述べた。「我々は[この基地から]の撤退については話し始めることさえできない。撤退は論外だ。」

 この議論は、極めて機微なものなので、イラクから遠く離れて行われた。会談はヨルダン・アンマン駐留カナダ大使私邸で行われた、とMiddle East Eyeは聞いた。

 米軍代表者、NATO当局者とイラクの安全保障上級顧問が会談に出席した。

 アメリカは、究極的に、ロシアとイランと同盟しているシリアの非宗教的大統領バッシャール・アル・アサド打倒(無関係)のために巨大なアイン・アル・アサド基地が必要だ。シリア政権転覆のための戦争を助けるこの機能を、NATOは益々引き継ぐことになる。

 2月15日、中東モニターが「イラク: バグダッドから軍事的に離脱するため、ワシントンはNATO駐留を強化」という見出し記事で、アメリカ同盟諸国がそこを引き継ぐが、「これはNATOの任務が、強力なアメリカ部隊を含む場合に限り、うまくいく」と報じた。だから、アメリカ撤退は名ばかりだ。もし彼が二期を勝ち取れば、トランプはNATOを見捨てなと保証することで、NATOに役立つだろうし、トランプが、実際にはそうせずに、中東から撤退していると主張することで、トランプが二期目を勝ち取るのに役立つだろう。

 この狙いは、至る所で大衆をだますことだ。国際問題では、これが勝つための方法だ。まず、自国民をだます。次に、同盟諸国に彼らの国民をだまさせるのだ。これで「連合」ができる。ドナルド・トランプは、まさに、これをしているのだ。

 バラク・オバマがジョージ・W・ブッシュの戦争を続けたのと全く同様、トランプはバラク・オバマの戦争を続けている。アメリカが中東を支配する計画は2001年以来、今も予定通りだ。オバマはしばしば「アメリカは唯一の不可欠な国だ。」と言っていた。(それゆえ、他の全ての国々は「なくても済むのだ」。)アメリカは確かに主導的な国だ。アメリカの支配階級には忍耐がある。彼らはローマは一日で築かれなかったのを知っている。(「アメリカが1つの不可欠な国だ」ように)主導的な国で、最大の国際的な侵略者であるために不可欠なことは、他の全ての国々を「なくても済む」と見なす(彼らにアメリカを恐れさせる)ことで、それで、彼らは、主導的な国が必要とする通りにするか、なくてすまされる、つまり征服するための標的国リストに加えられるのだ。彼らはなくて済む。彼らは使い捨てだ。使い捨ての国は、従属的な立場を知っている。

2月15日、国際戦略研究所はこう報じた。

アメリカは、NATO同盟国よりも、際立って高い割合の防衛予算を購入とR&Dにあてた。ヨーロッパ諸国は、彼らの総支出の中で、防衛資を増やしている - 利用可能なデータがある国々で、資金は、2018年の19.8%から、2019年には23.1%まで上昇したが、アメリカでは、防衛資は29%に達している。アメリカの防衛資は、ヨーロッパ諸国総計の四倍だ。

 「防衛」にGDPの29%を使う国は、他の面では弱いかもしれないが、世界中の全員がその国を恐れるだろう、他の全ての国は、それほど高い比率(そういうことをするのは、一国しかない)を使う国は、たまたま世界最大経済の国なので、自分たちは「なくても済む」ことを知っている。アメリカの属国ではない全ての国々は、アメリカによって(あるいはその支配階級によって)、市場ではなく、「政権転覆」の標的にされる国、「敵」と見なされる。そして標的を定められた国になるのは、標的市場になるのとは非常に異なっている。その国は、ただの標的なのだ。制裁の標的、クーデターの標的でしかなく、もしこの二つが失敗したら、イラクのように、侵略と軍事占領の標的になるのだ。

(だが、実際には、アメリカは、国防総省と、他のアメリカ軍に対して、22兆ドル経済からさかれる、約7%、1.5兆ドルしか使っていない。それでも、それは地球上で最高の割合かもしれない。アメリカ軍事出費の年間約一兆ドルは会計簿に記載されないから、「防衛費」の数値は実際10%により近い可能性がある。だが、それは29%ではない。現在、アメリカGDPの約20%が医療費で、それは地球上の、あらゆる国の医療費でも最大の割合だ。アメリカ医療の品質はすべての工業国の中で最低か、それに近い。だから医療での浪費は軍事よりさらに大きい。)

 イラクとイランとシリア、そしてロシアに対して友好的なあらゆる他の国々、彼らの全てがアメリカ政権の標的だ。それがトランプがイラクのアメリカ軍を維持しようと計画している理由だ。イラクは2003年に征服されたが、彼はそのままに維持したいのだ。

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調査歴史家Eric Zuesseは著者で、最新刊は、They’re Not Even Close: The Democratic vs. Republican Economic Records, 1910-2010と、CHRIST’S VENTRILOQUISTS: The Event that Created Christianity

記事原文のurl:https://thesaker.is/trump-plans-to-keep-u-s-troops-permanently-in-iraq/

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 この記事、題名にあるイラクを「日本」におきかえても、そのまま通じる。宗主国、真珠湾攻撃で、ひっかけた時点で、そういう明確な方針を持っていたに違いない。今、日本の医療は、当然、宗主国の医薬品企業、保険企業のために、徐々に侵食されつつある。ゆで蛙方式で。日本の場合は、戦争兵器でのぼろ儲けではなく、大規模建設からのミカジメが与党資金源なのかも知れない。典型が原発とダム。オリンピック工事も、その一つだろうが、今や風前の灯火。

 日刊ゲンダイDIGITAL記事。実刑を受けるべき夫妻は無事で、無力な国民が実刑。アベこべ。

 筆者は、あの相澤冬樹記者。

口封じの国策捜査で実刑に…森友事件の真相は解明されず

 クルーズ船の感染症対策を批判し、削除した岩田氏、批判内容は正論だろうと思うが、東京電力福島原発事故では、トンデモないツイートをしていたというのにビックリ。下記がそのツイートのアドレスと文章。「福島の放射線被害はなかった」と本気で思っているのだろうか?

https://twitter.com/georgebest1969/status/934327629921976320

福島の放射線被害はなかったけどメンタルなど沢山の健康問題は生じましたし、やはり原発事故は怖いです。キューバ危機や核兵器紛失で被害なかった、は核兵器怖くないという結論を導きません。

 東京新聞

検事長定年延長 政府の説明破綻状態 「前から制度、適用せず」

2020年1月23日 (木)

イスラエルの東地中海ガス・パイプラインという狂った地政学

2020年1月19日
F. William Engdahl
New Eastern Outlook

 アメリカによるイラン主要将官暗殺や他の挑発による世界戦争のリスクを巡って、世界中が固唾をのむなか、イスラエルは、非常に緊張した地域に、装てんされた手投げ弾をほうりこむのに等しい、ギリシャとキプロスとの天然ガス・パイプライン協定に署名することに決めたのだ。

 数カ月前まで、イスラエルが長いこと売り込んでいた、キプロスとギリシャとの東地中海ガスパイプライン協定が日の目を見るかどうかは疑問だった。ロシアのガスに代わる選択肢として、アメリカとEUに支援されていたにもかかわらず、東地中海は、知られているように、選択肢と比較して費用が高すぎるのみならず、多くの理由でいかがわしいものだった。イスラエルとギリシャとキプロス政府による1月2日の調印は、東地中海水域のほとんど全てが、トルコとリビアの排他的経済水域だと違法に宣言しようと、リビアと企むトルコのエルドアンによる挑発的な動きに直接関係している。

 中東緊張が既に限界点に達していないにせよ、イスラエルの動きは、問題を抱えた地域の地政学に、巨大な障害物を投げ入れる行為だ。

 最近2019年12月、沖合の「リヴァイアサン」ガス田に関係するイスラエル企業が、エジプトとヨルダンとの輸出合意に引き続き、公然とガス輸出の更なる選択肢について議論している。イスラエル・マスコミは、東地中海パイプラインには言及しなかった。

 状況を変えたのは、国連が支持するトリポリのファイズ・サラージ国民合意政府(GNA)の要請で、彼らを守るため、ハリファ・ハフタル大将のリビア国民軍(LNA)に反撃すべく、トルコ軍を派兵するという、トルコのエルドアン大統領の発表だった。

 リビアは急速に悪化する中東における主要発火点になる可能性がある。ハフタルはロシア、エジプト、UAE、サウジアラビア、そして、フランス、2017年からは密かにイスラエルにも支援されている。2019年4月から、ハフタルは石油に富む東部の彼のとりでからトリポリを奪取しようとしている。トリポリの国民合意政府GNAは、トルコ、カタールとイタリアに支援されている。プーチンが数日前に失敗した後、GNAとハフタルの間で、EUは絶望的に停戦を調停しようとしている。

 地中海エネルギー紛争

 キプロスがイスラエルの「リヴァイアサン」に加えて、天然ガスの豊富な沖合ガス田を発見したが、これまでのところ自身の主要なガス資源に欠けるトルコは、キプロス沖合海域に積極的に干渉し始めた。2020年1月1日、トルコとロシアは、黒海にロシア・トルコストリームを開通し、EU加盟国のブルガリアへのガスを初めて送付した。

 12月11日、トルコのメヴリュット・チャヴシュオール外務大臣は、アンカラが今自分のものだと主張しているキプロス沖の水域でのガス掘削を防ぐため、トルコ軍を使うことが可能だとほのめかした。「誰も我々の許可なしでこの種類の仕事をすることはできない」と彼は述べた。2019年早くから、掘削する権利を主張して、トルコの船がキプロス排他的水域に入っている。2019年12月、トルコ海軍は、キプロス水域で、イスラエル船バット・ガリムを妨害し、区域から移動するよう強いた。船はキプロス当局と協力して、キプロス領海を調査していたイスラエル海洋学・陸水学研究所のものだった。アメリカ国務省はトルコに手を引くよう警告し、EUはトルコに制裁を課したが、これまでのところ、ほとんど効果がない

 リビアに対するトルコの最近の関心は、キプロスのガス探査を阻止し、広大なトルコの沖合がトルコ掘削船にとって合法的だと宣言することに直接関連している。

 2019年11月27日、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は南東地中海の海上境界線二国間条約に署名した。それは既存の認められている海上境界線を引き直し、ギリシャに属する約39,000平方キロの海を、リビアの排他的独占にする。新しいトリポリ、トルコ共同海域は、両国の間を通るが、それがクレタ沖のギリシャ海域を侵害する事実を全く無視している。好都合に、それは画中のイスラエル-キプロス-ギリシャ東地中海パイプライン経路を真っ直ぐ横切っている。トルコの承認がなければ、ギリシャの東地中海パイプラインは見込みなしなのをトルコは示唆しているのだ。

 ハフタルとトリポリのGNAとの間じんで継続中の戦争は、今ベンガジと地中海海岸線に沿ってトブルクの多くを支配するハフタルをイスラエルが支持して、更に一層複雑になっている。2017年以来、リビアを支配しようとする彼の試みで、イスラエル軍は密かにハフタルを支援している。

 東地中海プロジェクト

 イスラエル、ギリシャ、キプロス間で署名されたばかりの協定は、現時点では、現実というより夢想だ。それは、イスラエルとキプロス水域からクレタへ、次にギリシャ本土、そして究極的にイタリアへ年間最高100億立方メートルのガスを送る、非常に高価な70億ドル、1,900キロ(1,180マイル)の海底パイプライン「世界で最も長い、最も深いガスパイプライン」が必要だ。EUガス消費量のおよそ4%で、ロシアの現在シェア39%よりはるかに少なく、まして、ノルドストリーム2とトルコストリームが今後数カ月で完成すれば、ガスプロムのシェアは増加言うまでもない。二本のパイプラインの一本が、2020年1月1日に開通したトルコストリームは、合計31bcm以上を供給し、半分がEUガス市場に利用可能で、ノルド・ストリーム2は、EUガス市場に更に毎年55bcmを加えるのだ。

 ガスがイスラエルの「リヴァイアサン」で発見されてから10年経った。大いに遅れた後、最初のガス供給は今月初めにエジプトとヨルダン向けに始まり、80%が輸出可能になっている。だが、巨大プロジェクトが、資金を見いだす可能性は極めて厳しい。EUは、ロシア・ガスへのライバルは歓迎しているが、プロジェクトのための資金はないことを明らかにしている。ギリシャによる資金調達は、2010年のギリシャ問題後、ほとんど可能ではなく、キプロスは2013年の銀行危機後、同様に枯渇している。イスラエル財務省の声明によると「私企業と機関貸付業者」から資金調達されることになっている。金融で、リスク回避が増大している時に、このような政治的に危険な事業に民間資金を見つけられるのは疑わしい。現在の世界市場でのガス供給過剰や、LNG供給源が増加する中、政治的に危険なイスラエルの東地中海海底パイプラインには、経済的な意味はない。

 注目すべきことに、ギリシャ国営テレビ局ERTは、東地中海プロジェクトを「トルコの挑発に対する保護の楯」と呼んでいる。それはギリシャが最近の、トルコとリビア政府との最近の和睦と、ハフタル政府に圧力をかけるため、トリポリのGNA支援で、軍隊を派兵するというエルドアン発表への対応として考えているのが明らかだ。もしハフタルが究極的にトリポリを占領すれば、明らかに海上境界線に関するトルコ・リビア二国間条約は無効になるだろう。

 紛争がまだ十分紛糾していないかのように、ギリシャ政府は、リビア国民軍(LNA)と、トリポリを本拠とする国民合意政府(GNA)間の停戦を監視するため、ギリシャ軍の派兵をいとわないと発表した。ギリシャのデンディアス外務大臣がLNA代表ハリファ・ハフタル元帥と会った後に、この申し出がなされた。これは可能性として、東地中海や、EUへのガスの他の流れを巡って拡大する地政学権力闘争で、NATO加盟国のギリシャを、NATO加盟国トルコとが対立する可能性がある。しかも、イラン-イラク-シリア・ガスパイプライン復活の見込みは考慮に入ってさえいない。

 イスラエルの東地中海ガスパイプラインは、前向きなエネルギー選択肢であるどころか、既に紛争で困窮している地域で、全ての当事者にとって、軍事エスカレーションの可能性を増すだけの、新たなレベルの緊張を加えるにすぎない地政学的介入だ。

 F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師。プリンストン大学の政治学位を持つ石油と地政学のベストセラー作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2020/01/19/the-mad-geopolitics-of-israel-s-eastmed-gas-pipeline/

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 昨日の国会質疑中継、枝野立憲民主党代表の質問を聞いた。原発廃止を明言。そのあとのフェイク答弁は当然音声を消した。八百長質疑の間は外出。そして玉木国民民主党代表質問を聞いた。彼が田中正造の有名な言葉を引用したのには驚いた。体制側につかず、田中正造のように、谷中村民側、被害者側に立って、行動してもらいたいもの。

「真の文明ハ山を荒さず、川を荒さず、村を破らず、人を殺さゞるべし。」

 今、参院代表質問国会中継を見ている。福山哲郎議員、ごもっともな質問演説中。その論理と、京都市長選で現職を、「公明党、自民党京都府連、立憲民主党府連、国民民主党府連、社民党府連推薦」 というのが素人には分からない。国政と地方選挙は全く違うのだろうか?

 リテラ

 岸信介内閣から安倍晋三内閣至る傀儡政権の系譜

 大阪在住だったら、今日のスラップ訴訟の控訴審にでかけていた、と思う。

日刊IWJガイド・簡易版「いよいよ本日大阪高裁で、岩上安身が橋下徹・元大阪府知事から名誉毀損で損害賠償請求されているリツイートスラップ訴訟の控訴審の第1回目の口頭弁論が開かれます! IWJへの緊急のご支援もよろしくお願いいたします!」2020.1.23日号~No.2688号

2020年1月 3日 (金)

トルコのリビア軍事介入はシリアの助けになるかもしれない

2019年12月27日
Moon of Alabama

 リビア内戦では、それぞれの側が複数の国から国際支援を得ているので、トルコのリビア介入は、大きな国際危機に発展するかもしれない。

 今トルコは兵隊と機器をリビアに送る本格的な措置をとりつつある。

木曜日、トルコは、リビアの要請に応えて、議会再開次第すぐ、部隊をリビアに送る法律を提案するとレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領が発表した。

与党公正発展党(AK党)の首都アンカラ本部での地方首長会議で講演し、エルドアン大統領は、一月初旬の議会再開時、リビアに軍隊を送る軍事負託が議題になると述べた。

ファイズ・サラージより、東リビアを本拠とする指揮官ハリファ・ハフタルを各国が支援していることを彼は批判した。

 ロイターは、エルドアンが語った「招請」の公的記録がないことを指摘した。

トリポリに本拠を置く国民合意政府のフェトヒ・バシャガ内務大臣がチュニスで記者団への発言で、特定の公式要請はまだされていないと言っており、エルドアンが何を指したかは不明だ。

 エジプト、アラブ首長国連邦、ロシアと、いくつかの西欧の国は、リビア(赤)の大部分を支配するハリファ・ハフタル下の反ムスリム同胞団勢力を支援している。カタールとトルコはイスラム主義者側を支持している。ファイズ・サラージはトリポリとミスラタ(青)以外、ほぼ何も支配していない。彼は元来国連とEUの支援を得ているが、2015年、サラージの国民合意政府が組織されて以来の進展不足が彼の権限と国際支援を弱めた。


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 リビアでの戦争における更なる外国の関与は、リビアにとっては良くないだろうが、それはシリアにとっては良いかもしれない。2011年、NATOがリビア国家を破壊するため、イスラム主義者を支援した後、それら戦士の多くがシリア破壊を支援するため、シリアに移された。リビアからの武器が政府に反対する「反政府派」を支援するため、トルコによってシリアに送られた。両方の流れが今逆転している

トルコに支援されるシリアからの反抗者が、権力保持者ハリファ・ハフタルに対する戦いで、まもなく国際的に認められたリビア国民合意政府の軍隊に加わるだろう。

リビアとトルコの幹部によれば、北シリアでトルコと共に戦ったトルクメン人の反政府集団が今にもトリポリで政府を強化することが期待されている。

政権当局者によれば、リビア政府は初め、このような派遣の考えに抵抗したが、ハフタル勢力がトリポリに向かって進み始めるにつれ、最終的にそれを受け入れた。

 いわゆるサルタン・ムラド旅団は北西シリアで、民族的にクルド族地域を浄化するためトルコに使われた。戦士はよく統制されておらず、残忍なことが知られている。彼らはトルコに訓練され、武器を与えられ、彼らの指揮官はトルコ語を話す。彼らの一部は航空援護を呼びこむよう訓練されている。他の集団は、現在トルコ士官から訓練を受けており、後にリビアに送られる予定だ。

 トルコとカタールは、リビアに、このようなシリア人「反政府派」を募集するため、比較的多額を提供している。

トルコが支援する派閥が、青年をリビア戦争に参加させよう誘っており、給料報酬が、戦士一人で、月に1800ドルから2000ドルに達することを様々な情報源が確認している。それに加えて、受け入れ国が追加サービス提供を保証している。

他の情報源は、二人の戦士が数日前にリビアで殺害されたことを確認したが、彼らはダマスカスから送られ、トルコが支援する派閥に合流した人々だ。

 シリア人「反政府派」戦士の減少は、再開したイドリブ軍事行動でシリア軍が前進するのをより容易にするだろう。12月19日に開始して以来、アルカイダと提携するハヤット・タハリールアル・シャム(HTS)占領していた地域での新作戦は、既に、40以上の村を解放した。


アル・マスダル・ニュースによる地図 拡大する

 アメリカ大統領とシリア・アルカイダの首長の二人が、シリア政府攻撃についての懸念についての非常によく似たメッセージを発表した。いずれも、両国が打倒しようと努めているテロリストではなく、ロシアとイランを指摘した。

ドナルド・J・Trump@realDonaldTrump -  2019年12月26日、15:25 UTC

ロシア、シリアとイランは、イドリブ県で何千人もの無辜の一般人を殺害しているか、殺人しようとしている。そんなことはするな! トルコはこの大虐殺を止めるため一生懸命働いている。

 トランプがツイートする一日前、HTS指導者アブ・ムハンマド・アル・ジュラニがビデオを発表し、彼の少年ファンの一人が翻訳している

「[ロシアとイラン]両国の間で、人口構造の変化を通して、領土と資産を乗っ取るために、政権は両国に傀儡として利用されている。彼らの狙いを達成するため、スンニ派の人々に対し最も醜悪な大虐殺を犯すことに両国は良心の呵責を感じない」

政治、治安手段で革命を静め損ねた後、空襲、砲撃と建物の破壊を通して。」

ジュラニ: 「とは言え、我々はイスラム共同体全体のために、かつてソ連邦を破壊し、イランの野望に直面することを望んだ偽善者世界のために、我々は偉大な戦争に直面している」

 最後の部分「イスラム共同体のために」は、イドリブ県での戦いでアルカイダを支援するため、世界の至る所からのイスラム主義者とスポンサーの新たな招待と解釈できる。

 ジュラニは以前、トルコとつながる「反政府派」の支援を拒絶していた。彼は彼らがイドリブにおける彼の最有力の立場を危険にさらしかねないのを恐れている。彼に個人的な忠誠を誓うことをいとわない新兵を探しているのだ。彼の呼びかけが、彼の現在の勢力が甘んじなければならない敗北に埋め合わせをするために十分な支援を受ける可能性はありそうもないように思われる。

 米国務省はHTSをテロ集団と指定している。2017年、中東研究所が主催した会議(ビデオ)で、アメリカ政府のISIS掃討有志連合大統領特使ブレット・マクガークが、シリアのイドリブ県を「アイマン・アル・ザワヒリ[アルカイダ現指導者]に直接つながる9月11日以来最大のアルカイダの安全避難所」と呼んだ。彼はイドリブにおけるアルカイダの存在は「大問題」で「しばらくの間」そうだと付け加えた。

 トランプとジュラニの抗議のいずれもイドリブ作戦に影響を与えるまい。イドリブを解放するシリアの作戦は、いくつかの段階で続くだろう。


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 シリア軍は現在青い地域を支配しようと努力している。その際、より北、ハマとアレッポ間のM5幹線道路の完全支配強化を次に行う可能性が高い。軍は次に海岸からアレッポまでつなぐM4幹線道路を再開するため南イドリブの西部を占領しようとするだろう。

 イドリブ県は大半が田舎で、大きい戦いの価値を持った経済資産をほとんどない。だがこれら幹線道路の支配はシリアの経済再生に不可欠だ。

 追記:ウィキリークスは、シリア、ドゥーマでの、エセ化学兵器攻撃に関する化学兵器禁止機関文書の4回目を公開したばかりだ。文書は既知の事実に何かを追加するようには思われない。文書は、化学兵器禁止機関報告の操作に関して既にジョナサン・スティールピーター・ヒッチンスが報じたことを裏付けている。我々はここと、ここでそれを論じている。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2019/12/turkeys-military-intervention-in-libya-might-help-syria.html

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 今日は、たて続けに、再配信を拝聴予定。

日刊IWJガイド「本日午後5時より『トーク・イベント「政府・メディア『共犯』の異常な嫌韓煽動のもとで考える~政治権力とメディア」10.2(前編)』を配信します!」2020.1.3日号~No.2668号

 見出しの他にも下記再配信がある。

年始は是非IWJをご覧ください!! 本日は午後2時より岩上安身による軍事ジャーナリスト・田岡俊次氏へのインタビュー(後編)、午後5時より「トーク・イベント『政府・メディア「共犯」の異常な嫌韓煽動のもとで考える~政治権力とメディア』10.2」(前編)、午後8時より岩上安身による国際ジャーナリスト・春名幹男氏へのインタビュー(後編)を再配信!

 大本営広報部は決して掲載しないFTA記事を読んだ。

更なる地域経済の衰退と格差拡大をもたらす日米FTA アジア太平洋資料センター(PARC)共同代表・内田聖子

オトモダチのために国民の命と暮らしを生贄にしてはならない 東京大学教授・鈴木宣弘

 大本営広報部の著名人リスト、Litera。20位くらいまで拡大希望。

「御用ジャーナリスト大賞」に輝いたのは誰だ? “今度は清和会で講演”三浦瑠麗、ジャパンライフ疑惑の田崎史郎をおさえてあの人が!

安倍擁護ビジネスから抜け出せない人たち! 御用ジャーナリスト大賞10位〜6位発表! 有働由美子に立川志らく、山口敬之には特別賞

2019年6月30日 (日)

檻の中で愛国的な詩を暗唱して亡くなったムルシ

2019年6月25日
Andre Vltchek
New Eastern Outlook

 エジプト前大統領ムハンマド・ムルシは、法定で防音檻に閉じ込められた状態で、15分の論述を終えた。彼はエジプトに対する彼の愛についての詩を読み、倒れ、亡くなった。

 彼の死はエジプト中、地域とイスラム世界のいたる所に衝撃を与えた。

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は公式説明を受け入れるのを拒否し「前エジプト大統領ムハンマド・ムルシは死んだのではなく殺された」と主張した。

世界の色々な場所からも反応があった。 ロイターによれば:

「去年ムルシの拘留に関する報告書発表で、イギリス議員と弁護士の代表団を率いたイギリスのクリスピン・ブラント下院議員が、ムルシの監禁条件を激しく批判した。

2018年3月に我々が報告した後、彼の状態に変化があったのかどうか知りたいと思う、彼が我々が見た状態で拘束され続けていたのであれば、彼の早過ぎる死に対し、エジプト政府に責任がある可能性が高いことを恐れていると彼はBBCに述べた。

 人権擁護団体や国家リーダーやエジプトの普通の市民たちが、残忍な親欧米派独裁者ホスニ・ムバラクが2011年に退位させられてわずか1年後、2012年、エジプト近代史初の民主選挙で当選し、国を支配した前エジプト大統領ムハンマド・ムルシの逝去を知って激怒した。

 ムルシは最高権力について、わずか一年後、2013年暴力的軍事クーデターで打倒された。

*

 はっきり言おう。ムハンマド・ムルシは「良い大統領」ではなかった。実際、彼は大統領になるとは全く思われていなかった。彼の党本来の候補者が、ささいなことで選挙に失格とれ、ムルシは彼の代わりになるよう頼まれた。彼は僅差で勝った。

 彼は経済的、社会的、政治的に、いくつか重大な間違いをした。

 彼はガザとシナイ間のトンネルを水浸しにした。

 彼の指導の下、ポートサイドでの紛争で40人以上の人々が亡くなった。

 彼は脅威を感じると、抗議行動参加者に有毒ガスを使用するよう命令した。

 だが彼は殺人犯ではなかった。「近代」エジプトで、それはかなりの業績だった。

 彼はエジプトの悲惨な状況を改善しようとしたが、彼は失敗し続けた。

 他方、彼は壊疽のような軍の支配から政府を分離した。欧米が支援するエジプト軍は、(ムバラク支配下でも、今も)あらゆる組織に潜入することに成功していて、エジプト国家のあらゆる側面を完全に支配している。

 ムルシは酷く分裂したエジプト社会で全員を喜ばせようとした。結局誰も満足しなかった。

 彼のムスリム同胞団の強硬派は、十分急進的ではなかった彼を憎悪した。反宗教的な左翼は、社会改革と非宗教国家をより強く推進しないことで、彼を軽べつした。彼は、アメリカとIMFに従いながら、同時に彼らを避けていた。

 結局、彼は自信のない困惑した弱い人物のように見えた。

*

 2012年と2013年、私の友人たち、左翼の同志は、カイロの大統領官邸前で警察と戦っていた。私は彼らと一緒にそこにいて、極めて有毒な催涙ガスから少なくとも何らかの方法で私自身を守るため、水浸しのぼろで顔を覆って、撮影していた。

 当時、誰もムルシが好きなようには思われなかった。

 反ムルシ抗議行動の際のスローガンはこうだった。

「我々は死ぬのが相応しい人々のために歌う。

ムルシ、ムルシ、ムルシ!」

 抗議行動参加者たちが、7年後、彼らの予言が実現することを知っていたはずはない。

 軍が(2013年7月3日に)民主的に選出された政府を打倒した後、大虐殺が始まった。 公式には数百人だが、何千人もの人々が生命を失った可能性がきわめて高い。何万人もが逮捕され、行方不明になり、拷問にかけられ、レイプされ、追放された。

(クーデターから間もなく、活動禁止された組織になった)ムスリム同胞団メンバーは粛清されたが、様々な左翼組織や、腐敗した右翼軍隊や、その独裁に反対だった人々もそうだった。

 私の友人の何人かは国を去らなければならなかった。他の人たちはまだ刑務所にいる。あるいは隠れている。

 前の独裁者、欧米傀儡の暗殺者ホスニ・ムバラクは今再び自由人だ。91歳だ。

 67歳のムハンマド・ムルシは亡くなった。

*

 ムルシ時代、2013年のクーデター中と後も、私はベネズエラのテレビ局Telesurのためにドキュメンタリー映画(「Egipto - El Fin de Una Revolucion」 - 「エジプト、革命の終わり」)を制作して、エジプトで働いていた。

 最初に、私は調査し、ムルシ大統領の統治時代にポートサイド市で行われた犯罪について書いた:「Notes from a  besieged city 包囲された市からの記録」。

 それから、エジプト軍がムルシ政府を打倒し、ムスリム同胞団とエジプト左翼の両方を清算し始めたとき、私は、ちょうど戦闘の真ん中にいた。私はエッセイ「Egypt End of Hopeエジプト 希望の終わり」、「Egypt in the Eye of the Storm嵐の目の中のエジプト」で出来事を説明した。エジプトからのずっと多くのエッセイを「Exposing Lies of The Empire(帝国の嘘をあばく)」という本にまとめた。

 かつて、クーデター後に映画を撮影していた際、私自身が、全て私に大砲を向けている5輌の戦車に直面しているのに気がついた。どうやって生き残ったのか、よくわからない。他の人々は生き残れなかった。私が映画用に映像を集め終えた時には、私の体は傷とあざだらけだった。

 映画のために私と働いた人々や、当時のムルシ大統領に抗議した人々の中には、現在の親欧米軍事政権の支配を支持する人々はほとんどいない。

 2012年と2013年の抗議集会は、エジプトを良くするのが狙いだった。何百万人もの大半の若いエジプト人が、公正で、非宗教的な、社会主義社会を、ムルシが実現するよう強いるのが狙いだった。ムルシは、それを実現するか、より良い、より「進歩的な」リーダーに道を譲り、辞職するよう期待されていた。

 その代わりに起きたのは、アメリカ、ヨーロッパとイスラエルに支持されたクーデター、ムバラクのファシスト徒党の復活だった。

 振り返って見て、私はムハンマド・ムルシはまともな人間だったと信じるが、同時にひどい、天賦の才のない、素朴で混乱した支配者だった。それでも彼の前や後の連中よりも遥かに遥かにましだった。

*

 「ニューヨーク・タイムズ」の論説で、エジプト人筆者モナ・エルタハウィがモハマド・ムルシの悲運について書いた:

「彼は常に、彼よりずっと大きい何かに巻き込まれている人物のように見えた。エジプトの法廷で、彼を沈黙させるよう作られた防音檻の中で、彼が就任してからほぼ6年後に、彼の家族と人権擁護運動家以外のほとんど全ての人々に完全に忘れられて亡くなったことは、彼を巡る極端な竜頭蛇尾を思い起こさせる。」

 それから、エルタハウィ女史は、彼の死を現代エジプトの文脈に置いた。

「だが、実際に多くの人々が殺されたムスリム同胞団は、アッ=シーシーが権力の座につくやいなや成立させられた過酷な法律の下で、抗議はほとんど不可能になったエジプトで、集団抗議活動をうまく引き起こすせる可能性はほとんどない。これもアッ=シーシーが達成したことだ。2013年7月、ムルシが打倒され、2016年1月、エジプト議会が再召集したとき、16,000人から41,000人の人々、大半が今や活動を禁止されているムスリム同胞団の支持者が、報道によれば、逮捕されたか拘留された(一部はリベラルか、非宗教的な積極行動主義者だった)。その時以来、死刑宣告と死刑執行の急増、裁判なしの殺害、強制失踪や、いかなる反対意見も抹殺する決然とした取り組みが、ほとんどの他の形の反対派同様、同胞会を押しつぶした。多くの国有メディアが、彼がかつて大統領だったとさえ述べずに、彼の死を報じている同じ時に、ムスリム同胞団支援者は、ムルシは殉教者として称賛されることを強く主張している。」

 率直に言って、ムルシ時代は、「あらゆることが可能」で、人が少なくとも夢を見て、遥かに良い未来のために戦うことが可能だった、近代エジプト史唯一の時期のように感じられる。そう、もちろん、争いは催涙ガスを通して行われていた、人々は怪我をし、殺された人々さえいた。だが彼らは勇気があった、彼らは今のように、粉砕されて、屈辱を受けてはいなかった。

 いわゆる「アラブの春」は欧米に操作され「作り出された」可能性が極めて高い。だが2011年から2013年の間は、平行した、自立した、左翼の反体制、反資本主義、反軍運動の高まりがあった。闘争があり、エジプトはどんな方向にでも行けたはずだった。

 私は決してあの年を忘れまい。「ムルシの年」。我々は、しばしば直接攻撃を経験し、我々の命を危険にさらしていた。異なる政治分派が互いに激しく争っていた。蒸気は出ていた。熱情が人を沸き立たせていた。何も確実ではなく、全てが可能だった。

 その年、映画を制作しながら私は社会主義医師の集団、正真正銘のマルクス主義者と一緒だった。彼らは、もし彼らがより激しく戦えば、エジプトが社会主義になれるのを疑っていなかった。私は革命社会主義組織の指導者の一人ワッシム・ワグディとも働いた。

 そして全てが文字通り一夜で崩壊した。2013年7月3日。

 全てが終わったことに気がついたのはいつだっただろう? それはヘリオポリスで、カイロの裕福な郊外で、公園で起きた。何百という金持ちの家族がアッ=シーシーと彼の旧友を描いたTシャツを着て、クーデターを祝いに行ったのだ。それは1973年9月11日の歴史的写真の一枚のように見えた。チリでピノチェト大将によるアジェンデ大統領に対するクーデター行われた日だ。それは異なっていた、もちろんそうだ。だがそれは同じように見えた。アメリカが支援するクーデターは常に同じように見える。そして彼らを支援するエリートの顔も同様だ!

 私はイスタンブールからベイルートまで、ミドル・イースト航空に乗りながら、ムルシの死について読んだ。私は大きな悲しみを感じた。なぜかは、わからなかった。確かに、それはムルシの統治に対するものではなかった。だが、それはあの時期、今は全く窒息させられ、断念された希望のためだった可能性が高い。「全てが可能で」、人々が自分たちの国のために戦う用意ができていて、戦うのをいとわなかった日々に対するものだ。

 エジプトは今「破綻」国家だ。恐れ、挫折し、貧しく、全く腐敗している。自身の国民を滅ぼしている国。

 最近、私がカイロにある無数のスラムの一つに行くと、人々はあからさまな憎悪で私を見る。彼らは、私を外国人として、彼らを絶望と窮乏の状態に後戻りするのを手助けした人物として見る。もちろん、彼らは数年前に、私が並んでエジプトの社会主義の前衛たちと一緒に、少なくとも映画製作者として、彼らのために戦ったことを知らない。

 ムルシ大統領にではないにせよ、人としてのムルシに私は悲しみを感じる。どういうわけか彼が倒れて死ぬ前に読んだ愛国的な詩は、彼の心から直接出ていたのが私には分かる。

 支配した一年彼は最善を尽くした。最善は十分に良くはなかった。彼は失敗した。

 だが彼は檻の中で発言を制限されて屈辱を受け、このように死ぬには相応しくない!

 彼はより良い運命を得てしかるべきだった。彼の国エジプトは遥かに良い運命に値する、なんてこった!

 Andre Vltchekは哲学者、小説家、映画製作者で調査ジャーナリスト。彼は Vltchek’s World in Word and Imagesの創作者で、China and Ecological Civilizationを含め、多くの本を書いている作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/06/25/morsi-died-reciting-a-patriotic-poem-in-a-cage/

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 選挙の争点の一つになるべきものが、ならない不思議。

日刊IWJガイド・日曜版「トランプ米大統領が大阪でのG20サミット後の記者会見で『不公平な日米安保』の見直しを日本に要求したと発言! 習近平中国国家主席との会談後は、ファーウェイ容認の発言! 本日は板門店で金正恩氏と電撃会談か!?」 2019.6.30日号~No.2481号~(2019.6.30 8時00分)

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